あらすじ
パリを離れ、広大な砂漠の地エグゾポタミーに引き寄せられ、鉄道を敷設する男女たち。自在な想像力と奔放な表現力を炸裂させた世界文学史上に輝くスラップスティックコメディの傑作。
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Posted by ブクログ
40年前、四人囃子やPRISMのギタリストだった森園さんの♪いつもスモールシガレット 指にはさんで ボリス・ビアンなんか読んでた♪という歌を聴いて、ボリス・ビアンの名前を知り、うたかたの日々を読んだ。
マライヤの清水靖晃さんのアルバム「北京の秋」も持っている。
他人様には何のことやら判らないことだろうけれど、兎も角、本屋で新装丁の本書を見つけ、購入。そうでもなければ読まなかった本である。
帯に「いうまでもないことだが、この作品には『中国』も『秋』も出てこない」とあり、チョッと驚く。
いつまでも通勤のバスの乗れないアマディアス・ジュジュ、殺人の後に隠者になろうとするクロード・レオン、彼に恩寵を与えるプチジャン神父、恋人同士のアンヌとロシェル、オマケのアンジェル、模型飛行機に夢中の医師のマンジュマンシュ。
それぞれの出鱈目な話が綴られる長い引用部。それぞれ関係のない話と思ったが、砂漠のエクゾポダミーに集結する。
考古学者アタナゴールやホテルのレストランシェフのピッポを交え、鉄道敷設の物語が語られる。
正直、引用部のことを忘れて誰が誰だったっけ状態になるが、どうでもいいじゃないかという気分で読み進める。
(P.108から引用)「わざとそうしているんだ」マンジュマンシュが答えた。「クロエが死んでしまって以来さ」
初めからコワレタ物語。そして長い長い話の最後は壊れきって無くなる訳でもない。
うたかたの日々のような幸福感は皆無。アンヌとロシェルの恋も只々、消耗しあうだけの即物的なもの。だから喪失感も無い。
詰まらないかというとそんなこともなくて、読み続けたけど、何とも言い難いとしか言いようがない。