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Posted by ブクログ
もはや一種の黙示録とも呼べる文学作品を作り続けているフランスの鬼才、ミシェル・ウエルベックによる新著であり、過去の作品と比べても単行本上下巻という大著。
個人的に新著が出たら、迷わずに買うことを決めている現代作家の一人がウエルベックなのだが、迷わずに買ったことを全く後悔しないほど完成度高く魅惑的な作品であった。
ウエルベックの作品は登場するテーマや意匠に強い共通性がある。デビュー当初は、カルト宗教やセックス/性の問題に始まり、ここ10年ほどは極めてアクチュアルな移民問題やテロリズム、資本主義の限界など政治・経済学的な側面が強まっている。本書はまさにウエルベックを構成するであろう様々なテーマ・意匠が総動員されることで、作家自らの代表作といって過言ではない文学世界が構築されている。
正直、圧倒的な物語の面白さはありつつも、その陰惨たるテーマ・意匠の連続によって読み手の体力を著しく奪う書物に仕上がっている。そのような辛さを味わってでもなお先を読み進めたいという中毒性を与えてくれる作品というのは非常にレアであり、その黙示録的な現代社会の救いのなさの前でただ佇むことしか私にはできない。
Posted by ブクログ
X(旧Twitter)で頭が良さそうな人が皆読んでたので読んだ。フランス次期大統領戦の最中、謎のテロリストが台頭し、経済大臣の秘書の回りの人達の色々を書いた話。フランスの小話と、各登場人物の考えを細く散漫に書いているのでXのTLを見てるかのような印象だった。まだ下を読んでないけど、ボールとブリュダンスが仲良くなって、オーレリアンが無事に離婚できるように応援する