げみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
〈乙女の本棚シリーズ〉
芥川龍之介+げみ
少し色褪せた黄金色というのか…表紙絵が美しい。
そして、どのページも懐かしさを感じるカラーであり、仄暗いのか明るいのかも掴みかねる微妙さがなんともエモい。
私の他は乗客はいないという客車に発車の笛のあと、小娘が慌ただしく入ってきた。
小娘の下品な顔立ちも服装の不潔さも気に入らなかった。
そのうち硝子戸を開け出したが、開かずに悪戦苦闘していたかと思うとどす黒い煤煙が入ってきた。
怒りが込み上げできた私が、次に目にしたものは…
蜜柑色の空、いや蜜柑だ蜜柑が空を舞っていたその先に三人の弟たちが…。
この光景は忘れることないだろうと思えるほどで、私の少し前までの云いようのない疲労と倦怠とを、そうしてまた不可解の、下等な、退屈な人生を僅かに忘れる事が出来た。
ある出来事で一瞬にして今までの不穏な空気感が一掃されるという…
その光景が心に刺さったということだろう。
-
Posted by ブクログ
高橋由太さんのハートウォーミングストーリーですね。
「くろねこカフェのおやつ」シリーズの二冊目です。
連作短編で四話。
今回は全話に猫が登場しますので、楽しい物語になっていまし。もちろん「この世を去った」人からの大切な人へのおもてなしですので、ホロリと心温まる物語ですね。
目次
プロローグ
第一話 独りぼっちの落花生パイ
第二話 猫とティラミス
第三話 泣きたい夜のマロングラッセ
第四話 さよならはベーコンのチョコレートがけ
エピローグ
前作から風花が苦手にしている岩清水が、実は風花の思い違いで、本当は人情深い好人物だと言うことが、涙ながらにせつなく明らかになるのが、今回のテーマですね。
次回作が楽しみになりました(=^・^=)
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「いつだって誰だって簡単にひとりになる」
やさしい家族、友達に囲まれていたはずが、親友の嘘ひとつでわたしの世界は壊れて一人きりに。
女子中学生の本当はわからないけど、あまりにリアルな展開になって、悲しいというか…「知ってる…」という既視感でつらくなる。
そう、「その痛み、通り過ぎてきたことがある」という感じ。
でも、主人公の由加は幼馴染の悠真と交流するうちにいろんな考え方を知る。そして、自分から離れてしまった友達や悠真、家族とも対話をする。
こういう対話が、のちのち自分が押し殺して見ないふりをしてきた気持ちが「毒」になるのを防ぐんだろう。
おそらく中学生向けだと思う。文章もわかりやすいし、そこまで酷いことも起こらないから安心して読める。由加や悠真は人生の中で通過しとかないといけない人間関係をしっかり教えてくれて、とてもいい本だと思った。
-
Posted by ブクログ
短編と詩の2部構成?からなる本
といってもどれもすごい短い上に、挿絵もふんだんですぐ読めました!
なんとなくほの暗いというか、完全ハッピーエンドではなくて、どこか不完全燃焼?みたいな感じはあるものの、前向きに考えられそう?というか?考えさせられる?みたいな?(´・ω・`)?←はてなしかないな
文だけなら、後暗く考えてたかもだけど、絵がとっても綺麗で、繊細なタッチを感じるから、それがなんか、あるがままを感じさせてくれてるような気がしている←
そして詩は、可愛いし色が綺麗やしで、暖かみも感じて……見てるだけでも美しかー(´இωஇ`)
ぜひ読んでみてっちょฅ(*´꒳`*ฅ)ꪆ -
Posted by ブクログ
各校5校の代表が選ばれ、最終選考会に向けて合宿が始まる。美馬以外の4人はフィギュアスケートを幼い頃からしてる経験者で、バレエを習ってたり結果を残してたりと強敵ばかり。この中から1人が最終選考会により特待生として選ばれます。合宿でライバル達との力の差を実感し、自分の足りないところやトリプルジャンプへの挑戦を課題として川崎校に戻ります。今までしたことのないトリプルジャンプを何度もめげずに挑戦する姿がカッコよかったです。個性豊かで実力もあるライバル達に、フィギュアスケートを始めたばかりの美馬が勝てるのかドキドキしながら読みました。
1〜3巻まで読み終えることができて良かったです。
美馬が一生懸命にスケートと向き合い、初心者だからと怖じけずに頑張った成果を見ることができて良かったです。本気で取り組むことの大切さを学びました。 -
Posted by ブクログ
3月の選考会に向けて練習を重ねていく美馬。川崎校のナンバーワンを争い、負けた方がスクールを辞める約束をする。
美馬をよく思ってないリンクメイトにより、学校でも嫌がらせを受けて可哀想でした。それでも負けずにフィギュアスケートを続けて、選考会までに様々なジャンプやスピンも習得してたくましいなと思いました。
美馬がリンクメイトに自己練習を見られて、責められて気が重く練習は無理と言った時の怜央の返答が印象的でした。
「アマチュアなら、『心が傷ついたから今日は練習しません。』っていうのはアリ。」「けど、プロだったら、それで金もらってるんだから、たとえ身内のだれが病気だろうがどんな落ち込むトラブルがあろうが、そんなのパッと切り替えて練習する。それがプロ。」特待生として、お金を免除してもらってる身としてもプロ意識は必要だと教えられるシーンです。練習を休む訳にはいかないんだと、プロの世界の厳しさを知り、気持ちを切り替える美馬が偉いなと思いました。
リンクメイトの愛音は練習に付き合ったりアドバイスをしたり、優しくていい子で美馬にとって良きライバルだと思います。また、日頃嫌がらせを受けてた美馬にとっては大きな存在だったと思います。波乱が起きる選考会、どうなるのかドキドキしながら読みました。 -
Posted by ブクログ
友達の母親からの提案で3ヶ月の月謝を出して貰えることになり、フィギュアスケートを始めた美馬。スケートに対する好きな気持ちや自主練をするまでの情熱が芽生え努力する日々が続きます。そして、1年間で最も伸びた選手にお金の心配もなくバックアップするという美馬にとってスケートを続けるチャンスが降ってきてドキドキの展開に。素直に好きなものに向き合い、突っ走ることができる人はなかなかいません。初心者にも関わらず、他の人の動きを見て技術やコツを吸収し上達する美馬。友達の裏切りや嫉妬で孤立してしまうけど、頑張ろうとする姿を応援したくなりました。私も中学生の時に同じようなことを経験したことがあるからこそ、主人公の美馬に感情移入するところがありました。続きもぜひ読んでみたいと思いました。
-
Posted by ブクログ
霊感がある事をひた隠し、コンプレックを抱えて生きて来た女子高校生の稜歩。
しかし、いじめの対象となった梢が、電車に引かれて亡くなった。
果たして、いじめを苦にして自殺したのか、それとも事故なのか?
しかし、死んだはずの梢が、幽霊となって稜歩の前に現れ、自殺ではなく、実際は他殺であると訴える。
(O_O)
死の真相を探るべく、同じクラスの霊感少年・榊と共に、真犯人探しが始めるが、、、
気づけば、加害者の稜歩と被害者の梢は、不思議な友情が芽生えていた。
エンディングで、梢が天に召されるシーンは、ウルウルです。
たとえ、生まれ変わっても、2人の友情に変わりがない事を祈ります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあのパワハラ岩清水の過去が明らかとなる。岩清水いい人じゃん。あとお兄ちゃんの視力はこのままであって欲しい。この本はどれも泣きそうになるけど毎日を大事に生きようと思わせてくれる。そしてだいすきな人のために長生きしたいしだいすきな人よりも早く死にたいのはすごく納得した。わたしは夫のいない世界では生きれない。
・わたしは寂しがり屋だから、独りぼっちになりたくないんです。だから、あの人──勉さんに結婚を申し込まれたときに、『わたしより長生きして』って頼んだの。約束してもらったの。このおやつを振る舞っているということは、勉さんは約束を守ってくれたのよね。わたしより長生きしてくれたのよね。 ありがとうって彼に伝えてください。わたしより長生きしてくれて、ありがとうって。最後まで幸せでしたって。幸せな人生でしたって。すごく、すごく愛していますって。
・岩清水は叫んだ。「優斗、しっかりしろ!岩清水だ!岩清水が、見舞いにきたぞ!目を開けろ!開けるんだ!
・「会社の人をお葬式に呼ばないでほしいんだ。岩清水さんやみんなの顔を見たら成仏できなくなりそうだから。ずっと一緒にいたくなっちゃうから。その代わり、一回か二回でいいから、お墓参りに来てもらって」
・奇跡を起こすのは、いつだって人間の優しさなのかもしれない。熱い気持ちなのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
「鎌倉香房メモリーズ」の2冊目。
■第1話 星の川を渡って
ちょうどこの季節にふさわしい旧暦の七夕にまつわる、かつて短冊の飾りの作り方を教えてくれた老婦人の記憶。
彼女の身辺を心配するうちに、そこに秘められた過去が明かされていくが、そこに描かれた、戦時中だけでなく戦争が終わった後も続く悲劇に胸が締めつけられる思いがした。
図らずも先の戦争を描いた話を続けて読むことになったが、終戦を知らずに潜伏を続けた旧日本兵の姿や映画「ひまわり」を思い出させる戦争に引き裂かれた夫婦の話は、これもまたこの夏に出会った話として改めて覚えておくべき話だと思った。
■第2話 あなたとずっと
「香会」の様子がつぶさに描かれ興味を惹く。香りの違いを楽しむというなかなか乙な席であるが、それが台無しになる中で、明らかにされる香乃の祖母・三春さんの過去。
『あの頃自分の行為がどれほど人を傷つけるか想像できなかった』とは時を経てこそ言える言葉ではあるが、その若気の至りを救ってくれた祖父・銀二さんの振る舞いが男前。
それにしても、家元の家に生まれ育つというのは結構面倒くさいのね。
■第3話 祈りのケーキ
いきなり雪弥の叔父という人物が登場。登場の仕方や見かけほど悪い人間ではなさそうだけど、一時はどうなることかと…。
ひと段落した後、話は変わって休みの日の店に母から言いつかって買い物に来た小学生の話になったが、展開としてはやや違和感。(読み終わってみれば、四話とも色んな形の家族の話だったわけで、ここでもそういう話が必要だったわけかね)
■第4話 亡き人に捧げる香り
香乃の祖父と親しかった、そして今でも香房を気にかけてくれている宮大工の貞臣さんのお話。
妻や娘を先に亡くしてしまい、自らも色々と病に冒されていくとしたら、何を生きがいに人生を送っていくだろうかね。
本の中では死ぬ間際までに秘かに父のことを見守っていた娘さんや今でも彼のことを気にかけているご近所さんの存在が救いになったが、現実では一筋縄ではいきそうもない重たい話。
私からすると相変わらず香乃と雪弥の関係は面倒くさいが、これはお約束みたいなもので、まあいいか。その内、次の巻へもいきます。 -
Posted by ブクログ
第1回未来屋アオハル文学賞、大賞受賞おめでとうございます!
仕事柄、こういった賞の作品はちゃんと読まないとね。と、芥川賞直木賞がなかったおかげで謎の余裕が生まれている(積んでる本は多いくせにね!)。
本作はif(イフ)がキーワード。いくつもの意味が込められたタイトルになっていた。
主人公はカナタとココの二人で、それぞれが交互に語り手となる構成。最初の方からあれ?これは?と気になる矛盾が出てきて引き込まれる。
読書慣れしていない人でも、それぞれの語りが短くまとめられているので読みやすいと思う。何も考えずに読んでいると、中盤でびっくりするかも。そんな構成のうまさがあった。
読後感もすごくよくて、希望を持てる。とてもいい作品だった。10代に読んで欲しいというのもわかる。
未来屋書店さんは近所にあるからよく使わせてもらっているけれど、こういう新しい取り組みをたくさん考えて、頑張ってるなぁと思う。大賞作品がもう一つあるのでそちらも読む。とても楽しみだ。