小杉健治のレビュー一覧

  • 烈火の裁き~人情同心 神鳴り源蔵~

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    今回は源蔵を陥れようとする謀がおこる。
    同業者を陥れ、店を大きくした「飛騨屋」
    あろうことか、源蔵の上司にあたる与力も金で動かす。

    今回は謹慎の命を受けて動きが取れない源蔵。
    文太、六助、竜吉、力を合わせて捜査をする。

    巻末の爽快感は半端ない。

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    2022年08月06日
  • 花魁心中~人情同心 神鳴り源蔵~

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    芸事が大好きで深川を大事にしていた大店の主人が殺された。探る源蔵を邪魔するのは同じ同心、宇治間。

    活況を得る深川と反対に、吉原は元気がない。
    吉原よりは手軽な深川を支えているのは商人や大きな職人。
    町民文化でもある。

    連続して起こる殺人事件と、美しい芸妓の悲しい定め。
    理想に泣くのは弱者ばかり。

    源蔵一派の怒りが火を吹く。

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    2022年08月06日
  • 雷神の鉄槌~人情同心 神鳴り源蔵~

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    今回は、竜吉、六助二人の恩人とも言える「およう」がキーポイント。婚家を逃げて江戸に来たと思われるおようの行方を追う二人。
    偶然江戸であった角兵衛獅子の昔の知人からも、行方を探す手伝いをと頼まれるのだが。
    その知人が殺される。

    思わぬ結末になってゆくのだが、、、。
    相変わらずのストーリーテラーぶりで、一気に物語に引き込む力量がすごい!

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    2022年08月06日
  • 妖刀鬼斬り正宗~人情同心 神鳴り源蔵~

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    大工が仕事の最中に、座敷牢を発見してしまった。
    出してくれたら百両やろうと声がかかったそうだ。

    居酒屋で仲間とそんな話をしてた直後の夜、辻斬りにあって殺された。

    六助と一緒に行った居酒屋で聞いた話が気になり、竜吉は一人で見つけてしまう。そしてその中にいる人物とも友人となる。

    情が深い竜吉。どうしても出してやりたくなるのだが。その裏で陰謀が膨らんでいたのだった。

    今回も新人の手先と、まだ足を洗いきれない竜吉が話の中心だ。
    男が惚れる源蔵が、いつもかっこいい。

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    2022年08月05日
  • 世継ぎの謀略~人情同心 神鳴り源蔵~

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    厳しい越後獅子に売られた竜吉と同じ境遇の六助。
    今回は二人の思い出の中で唯一美しい思い出。
    厳しく辛い修行と虐待のなか、時に飴玉をくれ優しかった親方の娘にそっくりな娘、お清を見つけたことが、二人を急接近させる。

    その孝行娘、お清が名前も素性も知らせぬ武家屋敷に奉公にでることに。
    そしてお清の友人たち二人も同様な訳で家を出る。
    行方不明三人の行方を探索する竜吉と六助。

    六助はその途中に行方不明に。
    達吉も行方を探すために忍び込んだ屋敷から命を付け狙われる。



    苦しい生活の中から逃げたふたり。この事件を通して友情が芽生える。いいお話!

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    2022年08月04日
  • 朋輩殺し~人情同心 神鳴り源蔵~

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    シリーズ3作目にして、脇役?と思われた泥棒、竜吉がもう一人の主人公然としてきた。

    心に善をもち、弱いものを虐める輩が大嫌い。
    身分を忘れ、ついつい人助けをしてしまう。

    今回は、そんないいやつ、竜吉がひょんなことで知り合った身分を超えた友人及川が、約束の次の機会を前に病死。
    その死に納得がいかない竜吉。
    一人で捜査を始める。

    及川の同僚が次々に殺される事件が源蔵の調べとなるところになり、竜吉も巻き込まれてゆく。

    今回はちょっぴり泣ける話だった。

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    2022年08月04日
  • 女衒の闇断ち~人情同心 神鳴り源蔵~

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    あの竜吉が忍び込んだのは札差「大筒屋」そこで耳にしたことに驚愕する。
    大店の好きもの主人たちが、なんと困窮する武家の妻女を金で買っているのだった。

    そして、その参加者の一人が武士と思われる人物に袈裟懸けで殺される事件が起こる。
    竜吉は食い物にされている夫が病気で伏せっているある無役の夫婦と知り合うことに。

    いつもの小杉ワールド。次々と登場人物も増えつつ、謎を残しながら、最後まで興味を離さずエンディング。

    青痣同心のシリーズの下絵になっているのではないか?

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    2022年08月04日
  • 黄金観音~人情同心 神鳴り源蔵~

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    剃刀源蔵とも言われていた、辣腕同心、尾上源蔵の活躍。
    悪は憎むが人は憎まず。生きにくく泥棒になってしまった竜吉。師匠とする七蔵は堅気にならなきゃ本当の幸せは来ないと二人で足を洗ったものの、大火事で類焼。再び資金を集めようと七蔵は泥棒をするも、源蔵に捕まり獄門に。
    源蔵に仇を打つつもりの竜吉。
    実は、七蔵の配下の存在がわかっていたものの、牢の中で七蔵に頼まれ、竜吉の存在は不問にしていたのだった。

    犯罪者からも慕われ、男が惚れる源蔵は、大名とあっても許さない。

    かっこいい人情厚い同心のシリーズの開幕。2012年からのシリーズ。

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    2022年08月04日
  • 翻(ひるがえ)りの訴 細腕敵討ち哀歌~吟味方与力 望月城之進(二)~

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    これは吟味方が主人公。
    14歳で見習いを経て、26歳で吟味方与力になった。
    真理を求め、江戸町民からの信頼にたる奉行所をと考えている。
    吟味方に送られてくるのは、岡っ引きや同心たちが捕縛し大体罪が確定してからだ。
    それを、不審な点を見つけて、審議し直す望月は、先輩与力や、罪人を確定し送った同心たちからの反感を買うこともおおくなる。

    そんな望月、内外に敵がいるような仕事ぶりが痺れる物語のスパイスに。

    今回は、後妻として入ったおその。
    大店のその相手が、夫の仇と知り殺したと供述するが。。。


    最後までハラハラする展開は小杉健治ならでは。

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    2022年07月14日
  • 欺(あざむ)きの訴(そ)~吟味方与力 望月城之進~

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    小杉健治の新シリーズ。
    見事に、うまい!
    読み始めるとぐいぐい引き込まれる。

    殺人容疑で捕まった政吉。
    お白洲の吟味で、無罪を訴え、その証拠に何年か前の殺人事件は、実は犯人として処刑された男は殴っただけで、自分がその後に乗り込み殺したという。

    吟味方与力、望月城之進は、抗弁に矛盾がなく調べを進めるが、、、。
    調べるとその事件も目眩しで、実は拷問で死んだ無罪の男との関わりが。

    重なる事件と人と人。
    夢中になって読んだ第1巻。

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    2022年07月13日
  • 邂逅(鶴見京介弁護士シリーズ)

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    人気作家の小杉氏の作品を、これ迄に私は手にすることが無かったのだ。
    お気に入りの一冊に巡り会うのは、やはり縁というものがあるように思われる。
    お初の一冊はとても面白かった。
    一挙に一晩で読み上げてしまった程だ。
    中盤から後半にかけてのテンポと展開はお見事の一言。
    人気シリーズと言われるのも当然かと思う内容だった。
    今後の読書予定に加えることと相なった。

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    2022年06月29日
  • 母子草の記憶

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    中学生の時に両親が殺害されるという体験をした草下彰は、自分の過去を小説にしようと事件を含めて過去を探る取材を始める。物語の進展速度が上がってくるのは、2/3ページ程を読み進んだ頃からか。両親の秘密、母親が子供を想う愛情の深さ、無戸籍者の暮らしの辛さ、幼馴染の友情絡みの関係等など、複雑な要素が絡みながら人の優しが綴られる。小杉健治氏の物語にしては趣が異なるが、相変わらず人の優しさが核となって綴られる。母子草の花言葉は「無償の愛」だそうだ。母親の一途な愛情表現するには相応しいタイトルだと思う。

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    2022年06月28日
  • 奪還(鶴見京介弁護士シリーズ)

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    有原和樹と恵利夫妻に、結婚7年目にしてようやく子を授かり幸せに暮らしていたのだが、妻の恵利が流産してしまう。この出来事が発端となり、恵利は夜も含めて外で過ごす時間が増え、和樹は恵利の不倫を疑う。居酒屋で一人呑みして帰宅した処、妻が殺害されていた。状況証拠から和樹は被疑者として拘束される。アリバイを証明してくれるのは、居酒屋で相席した男しかいないのだが、男は突然失踪してしまう。しかも何故か和樹が一方的に犯行を自供し、京介を解雇する。正義感溢れる京介は、自腹でも和樹を助けようと奔走する。

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    2022年06月28日
  • 父からの手紙

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    読む人によって意見は変わるのかなぁと思います。だけど文章も読みやすいし、ただの家族の優しい物語ではなくミステリー要素が強く、だけど時に残酷な話が会ったりと山と谷があって飽きずに読める小説ですのでおすすめです!

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    2022年06月26日
  • 絆

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    第41回日本推理作家協会賞長編部門受賞作。直木賞候補にも挙がった作品である。
    物語は、被告人に憧れを抱いていた司法記者の視点で進み、記者自身が進行形で抱える問題と、裁判の進行が見事にリンクする構造となっている。
    罪を全て認めている被告人と、無罪を主張する弁護人。実際の事件の犯人は誰なのか、という点に主眼はなく(そこも一定の推理はされるが)、「被告人はなぜやっていない罪を認めるのか」を、知的障害者(本作では精神薄弱者となっている)の問題と「罪」に絡めて描写している。
    舞台は全て法廷であり、尋問を見つめながら過去を紐解く語り手の「私」の設定が秀逸だと思えた。
    きっちりきっちりと薄皮を剥ぐように明ら

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    2022年06月18日
  • 隠し絵 風烈廻り与力・青柳剣一郎[56] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    風烈廻同心青柳剣一郎シリーズもはや56巻!

    今回は盗品を売り捌き闕所となった古物商が遠島の先で病死したことから始まる。
    剣一郎の留守に一枚の絵を持ってきた若者がいた。
    名前も告げずに立ち去る。
    その絵には干支の12支の動物が商人や武家、盗人、女として描かれていた。
    そんなおり、次々と殺人事件が起こる。

    隠されているはずの大金の隠し場所。殺人事件。
    家宝の茶碗。用心深い亡くなった主人。
    またしても、剣一郎は奉行の内与力、長谷川から無理難題を振られることに。

    登場人物たちの人となりが、読むたびに心地いい世界。

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    2022年04月01日
  • 百万両の密命(上)~新九郎外道剣(九)~

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    内容(「BOOK」データベースより)
    甲府勤番を命じられ江戸を離れた外道の剣客・柴新九郎。甲府勤番支配から一年ぶりに下されたのは、金蔵から五十両を奪い琢電した金蔵・米蔵番出役・本田多十朗を斬れとの命だった。本田が目撃された黒川金山の奥地に入った新九郎を罠が待っていた。次々に襲いかかる刺客に新九郎の剣が唸り、金山に隠れていた驚愕の秘密が明らかに―。大人気シリーズ、ついに最終章。文庫書下ろし長編時代小説。

    令和4年3月27日~28日

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    2022年03月28日
  • 三千両の拘引(かどわかし)~新九郎外道剣(七)~

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    内容(「BOOK」データベースより)
    酒問屋『日高屋』の内儀が拘引された。主から人質となった内儀を取り戻すため、助けを求められた御家人・柴新九郎だが、背後に危険な匂いをかぎ取る。そして、新九郎の前に、新たな刺客も現れるなか、突如、これまでになかった大きな「変化」が新九郎に生じる。外道の剣客に最大な危機が訪れた―。大人気のシリーズ、ついに物語が佳境に入る瞠目の第七弾登場。

    令和4年3月17日~19日

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    2022年03月20日
  • 向島・箱屋の新吉 新章(二) 忍び寄る危機

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    事件は終わってはいなかった。
    武家が関わることなので奉行所は手を出せない。
    そんなおり、辻斬りが多発。
    殺しもする強盗も連続で。

    新吉も捜査するが、お葉の客がスリに狙われ、捕まえたスリが仕返しを。それも4度も。
    そのしつこさに違和感があり、解決しなかった事件がまだ終わってはいないことに気づく。

    さすがは小杉健治の作品だけに、ドキドキしながらワクワクしつつ読み終えた。

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    2022年03月17日
  • 父と子の旅路

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    感動の入魂作であることは間違いなく、終盤の怒涛の展開には涙、涙だったが、今ひとつ完全に共感することは出来なかった。我が子のためとはいえ、同じ年頃の乳児の死体を遺棄するなどということが許されるのか。あそこまで性格がかけ離れた男女が簡単に結婚して子を儲けるのか。模範囚は刑務所内であの様な厚遇を受けるのか。歳を重ねたとはいえ母親の性格があれほどまで変わるものなのか。両親とも殺人犯だったと知った若い娘はその後どの様な人生を送るのか。突っ込みどころも多々あると感じた。明石の父の告白には心を打たれた。

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    2021年11月29日