小杉健治のレビュー一覧

  • 向島・箱屋の新吉 梅若の涙雨

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    吉原の花魁、小紫と恋仲になって脱藩した武士、油木新次郎。今は向島の芸者、お葉の箱屋、新吉だ。

    今回新吉の謎が解ける。

    そして小紫への思慕の決別。

    今回の事件は、おさんのいう取手の女性。
    娘を女衒に売ったのだが、夫が亡くなり、取手から上京。
    死ぬ前に一眼娘に会いたいと。
    ところが女衒は強盗に娘が殺されたという。
    話に信憑性がなく、江戸でそのまま娘のおさわを探すことにしたおさん。

    新吉と老船頭の茂助は事件を探る。


    このシリーズも3巻目。
    小説のテーマの中に、無闇に人を殺さないことを、いれたようだ。
    町人も、武士も命を粗末にはしない。
    話し合いで、互いに歩み寄りより良い未来へと、主人公は

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    2021年09月30日
  • 鼠子待の恋 風烈廻り与力・青柳剣一郎[54] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    『風烈廻り与力・青柳剣一郎シリーズ』54巻。
    これほど長い時代小説は、佐伯泰英の居眠り磐音シリーズ以来か?

    このシリーズ、事件の謎解きも楽しめるが、登場人物たちへの作家の愛情が感じられ、実に丹念に人となりが描かれる。
    今回は手先を務める太助が存在感。
    幼い頃、苦労を重ね途方に暮れて川面で佇んでいた時に、そんな幼児も知る「青痣与力こと青柳剣一郎」が、優しく励ましてくれたことが、心の支えとなって、その後の太助の心の支えとなった。
    偶然、一度青柳の捜査の手伝いをしたことから、青柳の手先として働くことに。素直な性格は息子が結婚し寂しさがあったしっかり者の妻、多恵にも、大いに気に入られ、何かと世話を焼

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    2021年08月14日
  • 罪なき子

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    「犯罪は、被害者やその家族だけでなく、加害者家族も地獄に追いやる」状況に一石を投じる社会派ミステリー。
    ネットの普及により、その傾向はさらに加速している現代社会。
    殺人を犯した男が、自らに死刑を望む。
    男の父親は死刑囚であり、加害者家族として過酷で悲惨な人生を生きてきた男。
    その世間に対する復讐が今回の事件を引き起こしたのか。
    男の心の闇と真意を確かめようと、水木は弁護を引き受ける。
    父親の事件を担当した元刑事や事件に疑問を持つ検事の協力を得ながら、水木は男の隠された意図を探り当てる。

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    2021年08月02日
  • 残り火

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    犯人が早い段階で分かったと言う感想を書かれている方もいますが、私は最後まで全く分からず、最後にビックリでした。相変わらず、暗い過去を背負う人々の中で、水木弁護士の温かい人柄にホッとしました。

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    2021年08月01日
  • 声なき叫び

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    これは、本の中の話だと言い聞かせて読み進めました。水木弁護士人柄と、正義のために意見を変えた真っ当な人たちを中心に読むと読み応えのある内容です。実際の警察や検察は正義に溢れた正しい組織と信じて星4つ付けました。

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    2021年07月25日
  • 罪なき子

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    父親がお金欲しさの出来心で犯した罪が、子供や親族をどん底に落とす辛い話でした。犯罪の全容をクリアにする事は難しく、人が人を裁く難しさを感じました。水木弁護士の人柄の良さが、暗い話の中でも事件解決への真摯な想いが感じられました。

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    2021年07月23日
  • 向島・箱屋の新吉 謎の客

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    向島の芸者、お葉は、箱屋家業をしている新吉の想い人によく似ていた。その人はもういない。
    お葉を守るためにはなんでもしようと決意する新吉。

    その新吉の正体は、吉原の花魁を守るためにしてもいない事件の犯人として、武士をやめた。

    読めば読むほど、興味がつきない魅力的な主人公像!
    次回作品が待たれる。

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    2021年06月26日
  • 二重裁判

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    この作者の作品は何か心が温まる感じがします
    これまで三作品読みましたが 偶々かもしれませんが 最後は 同じような感想を抱きました この作品に関しては もう少し丁寧に物語を進めても良かったとは思いました

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    2021年06月02日
  • 寝ず身の子 風烈廻り与力・青柳剣一郎[53] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    今回も痺れるようなかっこよさ!青柳与力の、情愛のある目線が、優しく人を包む。

    濡れ衣で遠島の罰に落とされた信用ある大黒屋の主人。
    最後まで無実を叫んでいたが無念、島で没する。

    その無念を晴らそうとしたのは???

    毎回唸るほどの二重三重の謎解きを、部下の悩みも混ぜ込んで深い味わいのある人間模様になっている。

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    2021年05月18日
  • 生きてこそ 風烈廻り与力・青柳剣一郎[52] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    風列廻り与力・青柳剣一郎シリーズも、早52巻。
    今回も痺れるほどかっこいいのが主人公。

    ボロ布のようになり、生気のない表情の物乞いがいた。
    そのものが首をつれと約束を迫るという。

    折しも2度首吊りが起こったために、死神かとさわがれる。

    かたや盟友、清左衛門の親戚筋の美しい娘が、問題のある大身旗本からの縁談に苦慮してるという。剣一郎に相談がある。

    自分の娘も同じような悩みがあったが今ではあいぼれの相手と幸せに暮らしている。同じ境遇に同情した主人公はふたつの事件に忙しい。


    解決の談判に向かう主人公の心意気は、敵対する相手をも動かす。あっぱれ!

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    2021年04月30日
  • 帰って来た刺客 栄次郎江戸暦24

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    栄次郎の兄の同僚の御徒目付同心が暗殺された。
    偶然、犯人が通りかかったのに出くわし一閃を交えた。

    その犯人の殺し方は特徴のある首を一度で掻き切る腕。

    10年ほど前にも同じ殺し方が3年の間に9件あったことを探し出す。
    お秋の旦那、与力の崎田孫兵衛も知る事件だった。
    ところが詳しく調べ始めると、犯人の同期と相手の傾向が違っていることを突き止める。

    一本調子にならない複雑な筋立てが読み応えを増幅!
    シリーズ中、素晴らしい回だった。

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    2021年03月20日
  • 最期(鶴見京介弁護士シリーズ)

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    四日市と聞いてまず思い浮かぶのが「公害」。
    水俣市の水俣病、新潟の新潟水俣病、富山のイタイイタイ病、そして四日市の四日市ぜんそく。教科書に載ってあり、当時身近でなかったネットを使ってまで調べた記憶がある。この国にそんな時代があったのかと幼いながら衝撃を受けた。発生時期や原因物質、症状もバラバラだが、背景は高度経済成長期の急激な重化学工業の拡大である。

    裁判員制度で殺人事件の裁判に参加した貝原。被告人の癖や顔つきに、四日市のヒーローの面影と重なる。本当にいま目の前にいる被告人は、大企業相手に訴訟を起こし、原告や被害者たちに叱咤激励してくれたヒーローなのか?物語が進むにつれ容疑は深まるばかり。こ

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    2021年03月09日
  • 偽証

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    昭和62年の本の新装版。短編集。
    さすがに時代を感じさせる作品だが、話の根底にある「なぜ嘘をついかた」を解き明かす過程は鮮やか。時代背景の古さも短編集なのであまり気にならずに読めます。
    ドライブレコーダーや監視カメラ等がそこかしこにある現代だとでていない作品もあります。
    隠し絵、絵の証言はおすすめ。

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    2021年01月25日
  • 白菊の声 風烈廻り与力・青柳剣一郎[51] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    このシリーズは、毎回、期待通りの秀悦な読後感をもたらす。
    今回は、指物師の与吉という男が濡れ衣を着せられる。
    許嫁、おくみの必死な願いに、青柳剣一郎は動く。

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    2020年12月02日
  • 向島・箱屋の新吉

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    ネタバレ

    さすがは小杉健治の新シリーズ!
    芸者の雑用をするのが仕事の「箱屋」それが新吉の仕事だ。

    新吉は江戸を7年ほど離れて帰ってきた役者ばりの28歳。
    向島は江戸の中心地から離れていて、鄙びた食事と静かな夜を提供するために、芸事だけをする芸者ばかりを置いている。

    そんな中一際美しく若いお葉の箱屋を勤めている。

    最近月に2度ほど辻斬りが出る。
    三人が殺されているが犯人を挙げられない。
    新吉が大変世話になった料理屋の主人、が首吊り遺体で発見。見つけたのは新吉だ。

    二つの事件、そして謎の多い新吉。
    濃密なストーリーは息をもつかせない。

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    2020年10月29日
  • 蘭方医・宇津木新吾 : 12 奇病

    購入済み

    最高です。

    とても楽しかったです。

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    2020年10月25日
  • 保身

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    警察の糞さに気持ち悪くなるくらいでしたが
    読み終えました
    立派な刑事もいてよかったです
    その刑事と退職した元刑事が事件を追う展開でした

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    2020年08月31日
  • 二重裁判

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    強盗殺人で逮捕され裁判に
    でも無実を訴えても通じず自殺
    その妹が兄が秘密にしていたことを調べはじめ・・・
    なんという展開か
    最終的に明かされる謎

    っていうか弁護士にはちゃんとすべてを
    言った方がいいのではと思わないではなかったけど

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    2020年08月30日
  • 悲恋歌 風烈廻り与力・青柳剣一郎[50] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    ネタバレ

    花嫁が鬼に喰われた?
    芥川の有名な話をもじった様な事件が起こる。
    密室の部屋から忽然と消えた花嫁。
    時を同じくして、22〜3才の職人風の男の遺体が

    船に横たわり、蓆をかけられて大川に迷い込む。

    なかなか事件が解決しない。

    そして、有能な藩主として名高い隠居した友人からも

    別口の謎の解明の依頼をされる。


    またしても青柳の推理が冴える。
    今回は事件解決の糸にもう一つの事件が絡む。

    50巻目のますます冴える、青痣与力!大活躍。

    なんでもできる有能な兄を羨んでいた

    若い頃の青柳剣一郎は、

    押し込み強盗に出くわし、半分やけで、

    応援が来るまで待ちきれずに、事件現場に乗り込んだ。

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    2020年08月19日
  • 残り火

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    帯には、「予想しえない驚愕の結末が待ち受ける」と有り気になって買いました。読んでる時はブックカバーを掛けてあるので帯の事はスッカリ忘れていました。
    まさかの結末でした。
    ストーリーの舞台が自宅の近所と言う事も有り、読みながら背景が想像し安く楽しく読めました。

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    2020年07月12日