小杉健治のレビュー一覧
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ネタバレ【絆】 小杉健治さん
会社社長、弓丘勇一が殺害された。そして
彼の妻である奈緒子が犯人として逮捕された。
彼女は当初犯行を否認していたが、アリバイも無く
証拠品が発見され、ついに犯行を認めた。
彼女と弓丘氏の間には離婚話も出ていたのだ。
裁判では、当初水木が弁護に当たっていたが
水木は、この裁判の弁護を原島に委託した。
原島は、かつて自分の妻と娘を殺した犯人を
弁護したことのある弁護士だった。
彼は「人間の尊厳を守ることは、真実をおいて
ほかに無いと確信する」という信念をもって
弁護にあたる弁護士だった。
彼は、奈緒子は犯人ではないが、何かの理由で
あえて、殺人犯として罪を受けよう -
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第41回推理作家協会賞受賞作。
夫殺しで罪に問われている弓丘奈緒子。本人も犯行を認め、取り調べにも素直に応じている。裁判は情状酌量を求めて進むのかと思いきや、一人、彼女の無実を訴える人物がいた。彼女の弁護士である原島である。そのことにより、被告人が罪を認めているのに弁護人は無罪を主張するという、異例の裁判が始まった。
被告人が殺人の罪をかぶってまで隠そうとする事実は何なのか。被告人の利益を最優先するはずの弁護人が、被告人が拒否しているのにも関わらず真実を追究しようとする姿勢には読んでいてずっと疑問があった。(途中、被告人も解任要求をして弟に説得されたという一文があったが、この嫌がり方な -
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小杉健治『刑事の父 2』角川文庫。
2ヶ月連続刊行のシリーズ第2弾。
今の世の中を見ても、警察と政財界との癒着は明らかだろう。癒着までいかずとも忖度などは当たり前のことだ。
本作は、家族思いの実直でひたすら正義を貫く刑事が、政治家の圧力により真犯人を隠蔽しようとする警察組織の上層部に歯向かったことから窮地に陥るというストーリーである。正義の拠り所である警察組織が腐敗してしまっては何を信じれば良いのだろうか。
読み終えてみれば意外にあっさりと事件が解決、全てが丸く納まるのだが、突っ込み所が多々ある。
西警部補とコンビを組んだ椎名ひと子が警視庁幹部に取り込まれ、西を誘惑しようとした疑いか -
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24年前、旅先で突然姿を消した妻の美紗を今も探し続けている夫の悠木良二。
失踪した妻が行きたがっていた郡上八幡へ通い続け、妻に似た女性を見つける。
もしかして、妻の娘ではないかと思ったのだ。
それにしても、悠木は妻の失踪当時、妻を殺害してのではないかと疑われてもいた。
なんと壮絶な人生なのか…
その冤罪被害者の会で、弁護士の鶴見は悠木に出会い、24年もの間、妻を探しているということを知り、衝撃を受ける。
そこから、どんどん当時の真相に迫っていく。
一体、24年前に何があったのか…
悠木の身になれば、その理由がわからなければ、前に進めないことも頷ける。
実際の日本での失踪者の数は相当なものにな