小杉健治のレビュー一覧
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ネタバレ【絆】 小杉健治さん
会社社長、弓丘勇一が殺害された。そして
彼の妻である奈緒子が犯人として逮捕された。
彼女は当初犯行を否認していたが、アリバイも無く
証拠品が発見され、ついに犯行を認めた。
彼女と弓丘氏の間には離婚話も出ていたのだ。
裁判では、当初水木が弁護に当たっていたが
水木は、この裁判の弁護を原島に委託した。
原島は、かつて自分の妻と娘を殺した犯人を
弁護したことのある弁護士だった。
彼は「人間の尊厳を守ることは、真実をおいて
ほかに無いと確信する」という信念をもって
弁護にあたる弁護士だった。
彼は、奈緒子は犯人ではないが、何かの理由で
あえて、殺人犯として罪を受けようとしていると
考えていた。
奈緒子にとって、真実を暴かれるコトは
殺人犯として、起訴されるよりもツライコトだとは
分かってはいても、彼は彼の信念に基づいて
奈緒子の秘密を暴き、裁判を進めていく。
障害者の家族を持っていた奈緒子。
彼女が殺人犯の汚名を受けてまで、
庇おうとするモノは何か。。
障害者への偏見や、障害者を持つ家族の苦悩。
そして、隠し続けてきた過去。
ソレを原島弁護士があらわにしてゆく。
☆
小杉さんの法廷ミステリーシリーズの中の一冊。
奈緒子の弟で障害者の寛吉。
彼の優しさと、あえて家族を捨ててまで、
身を隠さなければならなかった彼の哀しさ。
そういうモノが強く心に伝わってきました。
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Posted by ブクログ
第41回推理作家協会賞受賞作。
夫殺しで罪に問われている弓丘奈緒子。本人も犯行を認め、取り調べにも素直に応じている。裁判は情状酌量を求めて進むのかと思いきや、一人、彼女の無実を訴える人物がいた。彼女の弁護士である原島である。そのことにより、被告人が罪を認めているのに弁護人は無罪を主張するという、異例の裁判が始まった。
被告人が殺人の罪をかぶってまで隠そうとする事実は何なのか。被告人の利益を最優先するはずの弁護人が、被告人が拒否しているのにも関わらず真実を追究しようとする姿勢には読んでいてずっと疑問があった。(途中、被告人も解任要求をして弟に説得されたという一文があったが、この嫌がり方なら弟の説得ぐらいでひっこめるのはおかしいと思う)。結果的には被告人にいい結果にはなったと思うが、これはやはりフィクションだからできることかなぁと。しかしながら、原島弁護士によって次々と明らかにされていく真実には驚かされると同時に、物語の構成の緻密さに感心。精神薄弱者(※今は知的障害者とされる)を抱える家族の問題や、タイトル通りその絆についても考えさせられる作品で、ぐいぐい引き込まれた。
読んでいる間1つ気になっていたこと。なぜわざわざ、弁護人が元は水木弁護士だったのが原島弁護士になったという設定が必要だったのかがいまひとつわからなかったのだが、原島弁護士というのはこの作家さんの他の作品にも出てくる人物のようで。この物語は一人の法廷記者から見た裁判という形で進んでいて、主人公はこの法廷記者だと思っていたのだが、実際は原島弁護士ということのよう。 -
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新米弁護士の水田が冤罪事件に挑む、シリーズ第2弾。
水田の父も冤罪で刑務所に入っている。
なので、特に冤罪ではないかという事件には熱が入る。
ただ、インフルエンサーの女性が殺害され、今回の事件の犯人とされた山路は、最初に疑われていた時には無実だと訴えていたが、その後に逮捕されてからは罪を認めていた。
弁護人となった水田にも心を開かず、多くを語らない。
ただ、自分がやったと言うばかりだった。
山路の育ってきた環境等から、何かあるのではと思い、そのうち山路は犯人ではないと確信を持った水田は、新聞記者の麻子と情報を集め始める。
新米ということで、ひたすらまっすぐな水田を応援したくなるシリーズ。
2026.6.15 -
Posted by ブクログ
『刑事の父』の続編となる『刑事の父2』だが、率直に言って期待外れの内容だった。
『刑事の父』で女性を殺害した大物議員秘書の藤森を自首させたまでは面白かったのだが、続編の『刑事の父2』では釈放となった藤森が都内のホテルで刺殺されてしまう。
主人公の警視庁の西警部補は、藤森殺害事件を捜査する一方で、前に息子が詐欺容疑で逮捕されたのは、西の捜査姿勢に対する警察内部からの圧力だと確信する。
何故に息子を容疑者として逮捕までしたのか、そこには大物代議士からの警察に対して事件隠蔽への圧力があった。
そこまでは物語として面白い筋書きだったのだが、そこに反社組織と半グレ組織との対立が絡み、警察幹部の代議士に対する忖度の動きが重なり、とても複雑な内容となってしまった。
残りのページ数が僅かになり、どうやって事件解決に落とし込むのか、読みながら不安になったほどだ。
もちろん解決に至るのだが、少々無理がある駆け込み結末だったとの印象は拭いきれない。
小杉健治氏は複雑な内容に拘り過ぎて、策に溺れた感のある内容になってしまった気がする。
私の読解力が足りなかったのも大きな要因なのかもしれないのだが⋯。