小杉健治のレビュー一覧

  • 遠山金四郎が咆える

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    桜吹雪を背負っていない遠山の金さん。
    とにかく、内与力の駒之助がかわいくてたまらない。このシリーズの北町の衆はみんな金四郎様のこと大好きで従順で有能で、清々しい読み味なのが良い。
    人情に厚い名奉行っぷりは堪能できるけども、意外と、金四郎自身の原動力がわからないのも面白い

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    2022年12月29日
  • 遠山金四郎が斬る

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    桜吹雪を背負っていない遠山の金さん。TVドラマなどのように街をぷらぷらせず、ちゃんと働く町奉行。裁く側と裁かれる側の葛藤が、どことなくドストエフスキーの「罪と罰」を感じる、お洒落な小説だった。
    読みやすい文体で面白かった!

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    2022年12月29日
  • 償い 八丁堀赤鬼忠孝譚

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    腕に般若の刺青をした浪人が二人惨殺された。金貸しの用心棒をした伊八朗は、襲われた依頼主を助けるがこの仕事に不信感を持つ。翌日、伊八朗は地回りに囲まれている紙くず拾いの梅吉と孫娘のおまち助ける。おまちを忠孝園で預かることに。その一方、忠孝園の後楯となっている米沢検校に奉行所から様々な疑いを掛けられる。忠孝園の存続と般若の刺青の浪人殺害に奔走する伊八朗のお話し。

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    2022年12月27日
  • 面影 八丁堀赤鬼忠孝譚

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    孤児を引き取り面倒を見ている八丁堀の『忠孝園』の手伝いをするようになった伊八朗が、剣術を教えていた13歳の亮吉が園を出た。そこには亡くなった盗賊の頭目だった亮吉の父親の跡目争いが関係していた。また伊八朗は、女房に逃げられ幼い娘と暮らす野菜の棒手振りが、娘が女房に引き取られ、酒に溺れていたのを立ち直らせようとするお話し。ちょっと結末が良すぎ。

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    2022年12月26日
  • おとっつあん 八丁堀赤鬼忠孝譚

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    ネタバレ

    父親を殺された高井伊八郎は、兄とともに江戸に仇討ちに出てきていた。兄は帰藩し嫁を娶ったが伊八郎は江戸に残り仇の竜崎又右衛門を探し続ける。体調を崩し行き倒れた伊八郎が助けられ意識を取り戻すと、そこは多くの恵まれない生い立ちの子どもを引き取って育てている、忠孝園という施設だった。そして、忠孝園を運営する祐源は、話に聞いていた父の敵と容姿がそっくりだった。祐源の正体を明らかにしようとする伊八郎。同時に子供の売買に忠孝園が関与していると疑う同心とその事件に絡む伊八郎のお話。

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    2022年12月26日
  • 偽証

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    小杉氏が綴った『偽証』は、人の心の動き、迷い、悩みなどが絡み合った物語となっている。
    人を救うための偽りの証言、人への八つ当たり的な恨みの証言、嘘の証言を皆で胸に仕舞って事実を隠す、皆の穏やかな生活のための嘘などなど、
    自らの保身からだけではなく、人の為に偽りの証言をしてしまう心の動きなどを小杉氏は描いている。
    人の心の弱さや迷いなどを考えると、『偽証』を悪と一言で済ますことは難しいのではと考えさせられた。
    『嘘』・『偽証』と無縁の人生ってあるんでしょうかね⋯。

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    2022年12月20日
  • ひたむきに 風烈廻り与力・青柳剣一郎[60] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    静謐な佇まいを持って貧乏暮らしを続ける浪人。
    殺人事件との兼ね合いで剣一郎走ることになるが、
    ますますその人物に興味が湧く。

    ある勘定方吟味役の人物から、人探しを依頼されるが。
    剣一郎は、その真意に疑問を持つ。

    全てを受け入れてしまい、抵抗をやめてしまったような印象もあるある人物。
    しかしながら気高さを持ち、自分を恥じるような生き方をしまいとするその浪人を知るほどに、剣一郎は良い未来をと願わずにはいられず、一言お節介を。

    魅入られるような筆致とストーリー展開はこのシリーズの真骨頂。

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    2022年11月06日
  • 袈裟斬り 風烈廻り与力・青柳剣一郎[16] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    酒癖が悪く女房に逃げられた男が強風の夜、蝋燭を持ち立て籠った。そこへ元妻が説得に現れたのだが、近所に住む旗本次男が屋根伝いに忍び袈裟懸けに切り捨てた。

    その男の恍惚とした表情に嫌悪を感じた剣一郎。
    事件の背景を探るのだが、隠されたような背景がなかった。

    剣一郎の苦悩が時間軸で変わっていくのが興味深い。

    その旗本の次男は他にも理不尽な行動で、婦女暴行、揺りたかり、人を貶めるなどさまざまな悪行をおこなっていた。

    一時は死んでしまうと思った残された家族、許嫁がある男の提案で敵討ちを計画する。

    なみだなくては読み終えなかった物語。

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    2022年09月05日
  • 向島心中 風烈廻り与力・青柳剣一郎[15] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    吉原の花魁と江戸勤番の武士が相対死にする事件から、酒田にいる剣之介の周りの不穏な動きと連動した藩内の闘争が見えてきた。

    親子で大活躍の今回。
    少々ツッコミを入れたくなるような情報伝達に必要な時間が気にはなるがめでたし。

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    2022年09月04日
  • 詫び状 風烈廻り与力・青柳剣一郎[14] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    駆け落ちして酒田に逃げた剣之介たちの生活ぶり。
    方や江戸では押し込みが続き、剣一郎はその場に姿を現した御家人が怪しいと感じる。
    離れた2箇所で事件がつながる。

    剣之介の成長ぶりが久々に話題に上りホッとした。

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    2022年09月04日
  • 追われ者 風烈廻り与力・青柳剣一郎[13] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    借金返済に厳しいという金貸し、金兵衛と酒を酌み交わし話し合った剣一郎。
    それまで屈託のあった表情がスッキリし、生まれ変わろうとしていた矢先、家族女中皆殺し、妾を殺し首を吊って死ぬという事件が起こる。
    担当した同心たちは金兵衛の仕業とするが、スッキリしない剣一郎は単独で捜査を続ける。

    一人の男が注目され、獄門首一門との接点が。

    またしても、大きな事件に推理が冴える。

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    2022年09月03日
  • 子隠し舟 風烈廻り与力・青柳剣一郎[12] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    孤児ばかりが拐われる事件が続いていた。
    店の丁稚も孤児だった。
    二親に死なれて兄弟支えあっていた子供も攫われる。
    両親を亡くし叔母の家に引き取られた子供もいた。

    正月の三河漫才。
    その男が贔屓にしている女郎は、武家の妻女だったようだ。
    その女郎には多吉という馴染みがいた。

    三河漫才の太夫がキーポイント。
    相方がいつまでも来ないで代わりという男が来たがある武家に仕事に行ってから翌日いなくなる。

    相方は殺された遺体で見つかる。

    拐かしが罪を犯すその理由は?
    子供たちの行方は?

    拐かし犯が、狙われて次々殺される。
    そこに文七が手を貸し子供達を二人で助けようとする。

    最後まで、息を呑む展開!

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    2022年09月03日
  • 女形殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[7] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    殺人事件が起こるが、表面上では簡単に解決か?と思われたが、これが二十三じゅうと潜む闇に翻弄される奉行所。

    難解な事件をどう解決するか?
    腕の見せ所だ。

    難解な謎を一緒に考えながら読んでいく楽しみももらえる作品。

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    2022年09月02日
  • まやかし 風烈廻り与力・青柳剣一郎[11] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    今回の話は、有名になっている青柳剣一郎の青痣が、一人歩きし、同じような青痣を持つ侍がいたことで、盗賊団が悪用する。

    剣一郎の元を去り駆け落ちをしている剣之介の動向も気になるが、ある夫婦の愛、親子の愛、祖父母の愛。
    愛情の形もそれぞれに、哀しみも。

    見どころも単純ではないところが、このシリーズの特徴。

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    2022年09月02日
  • 待伏せ 風烈廻り与力・青柳剣一郎[10] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    堅物で通っている与力が、妾を殺してしまったことで、動転。冤罪の政吉が頼ってきた金貸しの後妻おつた。
    お蔦から冤罪を晴らしてほしいと頼まれる剣一郎。

    同時期には嫡男剣之介が思う相手志乃に縁談が起こる。
    ところが相手がわかるとどうしようもない男とわかり、剣之介は志乃と駆け落ちを企てる。

    金貸しの男が釣りをしていて助けた瀕死の男は、記憶を失っていた、が、その男は殺し屋となった新見紋三郎だった。

    今回は志乃の生まれと、およしの背景が明らかにされる。

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    2022年09月02日
  • 闇太夫 風烈廻り与力・青柳剣一郎[9] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    飛騨屋という材木商が最近木材を買い込んでいるらしいと噂を聞き、興味を持った剣一郎。

    それは、飛騨屋の主人が行き倒れの病人をひと月も店で世話をし、医者に見せ、どうにか歩けるようにまで助けた善行に、その病人が4〜5ヶ月内に大火事が起こるから材木を買い込んでおけという言葉からだった。

    それを聞いた剣一郎は、背景に火付けの強盗集団がいるのでは?と探索を始める。

    大っぴらに探索を目立たせると犯人が逃げてしまう恐れがあるので、隠密廻り同心「作田新兵衛」に依頼する。

    今回は家族、夫婦の絆にも焦点が。

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    2022年09月01日
  • 目付殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[8] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    街周りをしている最中に、気にかかるシーンを見咎めた剣一郎。
    心臓にひと突きの死体が連続して見つかる。
    初めはそこに関連性はなかったのだったが。
    腕利きのころし殺し屋の存在が明らかになる。

    風烈廻りの只野の父親は腕利きの定町廻り同心だった。
    青柳剣一郎のようになってもらいたいと、息子を同じ同心ではなく風列廻りに配属を希望したのだった。

    その父親が逃してしまった過去の事件につながる。

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    2022年08月31日
  • 夜烏殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[6] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    これも傑作。
    5年前、剣一郎が大店の店の周りで見たシーンから、未然に防ぎ大方の盗賊一味をひっとらえた「夜烏」という皆殺しをして金を強奪する一団。
    たった二人逃したのは盗賊一味の頭、十兵衛と片腕と目される男のみ。

    その一団が新しくメンバーを作り、江戸に戻ってきた。
    それは青柳剣一郎に仕返しをするためだった。

    そこに、昔は剣一郎と同じ境遇だった男が加わり、集団の仕掛けは巧妙になる。

    今回は奉行所ないのいじめ問題も大きく関わり、見どころがより深く重くなっている。

    長男剣之介の成長ぶりが見どころでもある。

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    2022年08月30日
  • 七福神殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[5] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    長男剣之介も見習いで奉行所に。
    子供っぽかったのが、急にほう輩と悪所通いをして、夜遅くまで出歩き、翌日二日酔いの始末。

    そんなおり、偶然居酒屋で出会った職人と思われる徳二郎と友人となる。二人とも親友と思える感情が。

    そんな自説に七福神を名乗る盗賊団が犯行を重ねる。
    人を殺さない、犯さない、店が潰れぬだけの金額三百〜五百両だけを盗んでいくという犯行。

    ある日、七福神の中の一人が殺される事件が。

    小杉健治らしい読み応えがあり、また切ないそんな物語になっています。

    このシリーズ初期傑作の1冊。

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    2022年08月27日
  • 刺客殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[4] 風烈廻り与力・青柳剣一郎

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    剣一郎は、ある殺人現場の傷跡にある男を思い出していた。
    息子剣之介は、急に会えなくなってしまった友人、大助の行方を探していた。
    ある大名の後取りをめぐる紛争が離れた江戸で暗躍。
    剣之介の友人の命も関わる大事件に。

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    2022年08月26日