あらすじ
地元を離れ、東京で暮らす娘ののぞみが婚約者の本間を連れて帰省した。
父親の順治は、二人を明るく迎えたが、娘のある変化に不審を抱く。
心配になった順治は、娘を追って上京することに。
どうやらのぞみは、男に騙されて覚醒剤に手を染めているらしい。
娘を救うため順治はある行動に出るのだが……。
感動のミステリー長編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
とても読みやすかったです。父の娘に対する愛情がとても深く、でも切ないもので、最後は涙が止まりませんでした。家族を苦しめるようなことはしてはいけないな、と改めて感じました。
Posted by ブクログ
小杉健治『父の声』文春文庫。
家族をテーマにした書き下ろしのミステリー小説。
覚醒剤の恐ろしさと父と娘の絆と父親の娘に対する深い愛情を描いた感動の物語だった。覚醒剤に手を染めた娘と父親、覚醒剤を憎み、家庭を省みずに捜査に没頭したために娘と別れることになった麻薬取締官の父親……
覚醒剤を強く憎む麻薬取締官の懸命な捜査と覚醒剤に手を染めた娘を救おうとする父親とが交互に描かれる。やがて、2つのストーリーが重なっていくのだが……
富山県高岡市の地元を離れ、東京で暮らす娘ののぞみが婚約者の本間明を連れて2年ぶりに帰省する。妻を亡くしてから娘のことを思い続けていた父親の順治は二人を明るく迎えるが、不誠実な本間の態度に退廃的な裏社会の匂いを感じ、のぞみの奇妙な変化に不安を抱く。
のぞみを追って上京した順治は娘が本間に騙されて覚醒剤に手を染めていることを知り、愕然とする。のぞみを本間から引き離すために順治はある決意をする。
最後にタイトルの『父の声』の意味を知る時……
実は二組の父娘の物語であったのだ。
小杉健治の作品で最初に読んだのが『父からの手紙』だった。『父からの手紙』も感動のミステリーだったが、本作もまた優るとも劣らない素晴らしい作品だった。
本体価格710円
★★★★★
Posted by ブクログ
一人娘ののぞみは東京の大学へ行き、そのまま就職したが、その間に妻が亡くなり、今では老犬と二人暮らしとなった順治。
その娘が久々に帰郷するというが、その際に婚約者を連れてくるという。
しかし、その本間という男は胡散臭く、怪しかった。
心配になった順治はのぞみに問うが、本間に夢中で溝が深まるばかりだった。
そこで、のぞみの親友に連絡を取り事情を話すと、なんとのぞみと本間との付き合いは長く、しかも覚醒剤を使用しているという。
なんとか止めさせたいと、順治は本間にのぞみとの別れを迫るが上手く行かない。
そうこうしているうちに、本間とのぞみに麻薬取締官の捜査が迫る。
一人娘をなんとか救いたい父と男に溺れる娘。
娘を思う父の気持ちが切ない。
2025.6.30
Posted by ブクログ
なんて親不孝な娘なんだ。。
スッとストーリーが入ってくるけど内容が内容なだけにやりきれない気持ちになった!
真相にもビックリだったけど、娘のサッパリとした気持ちは理解できなかった
Posted by ブクログ
麻薬取締官の話で、遠いと思っている覚醒剤が当然のようにかなり出てきたのが新鮮だった。不器用なお父さんの愛情が最終的に娘に伝わって報われた…と思ったと同時に、覚醒剤特有の幻覚とか夢とか上手に使ってると感じた。最後は覚醒剤の幻覚がないと解決できなかったし、ずっと放置され気味で可哀想だと思っていた犬も必須でトリック的にはうーん?となってしまった。でも終わった人の後に読んだからすっきり。
Posted by ブクログ
田舎から東京にでて変な男に捕まり覚醒剤に手を染める娘。なんとか助けようとする父親。
父娘の絆に心打たれる。対岸の火事ではない、誰でも有り得る話。色々と考えさせられる物語。
麻取の話はおもしろいな。また他にも読んでみたい。