小杉健治のレビュー一覧
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法廷ミステリーとしても社会派としても
小谷野さんから。
裁判エンターテインメント。同時に、社会派エンターテインメント。
法廷ミステリーは初めて読んだ。筆致が丁寧で面白かった。紋切型も厭にならない範囲で巧みで、無駄な文章が少い。素材はきっちりと社会派に収めてある。
テーマ的に、大江健三郎を思ひ浮かべた。よくできた筋だ。社会派としてまったく古びてゐない感じさへあった。
直木賞候補になったが落された。選評を読むと、文体だったり人情物だったりに難癖がつけられてゐる。この小説が落されるのだから、当時の直木賞は相当レベルが高かったのだなと皮肉交じりに思った。 -
Posted by ブクログ
20代の女性が絞殺された現場に、大場徳二刑事は真っ先に駆け付けた。
大場が現場を調べている時、ふとベッドの下に光る物を見付けた。
屈んだ姿勢で探った白い手袋の指先が摘んだ小さな物は、切れた鎖の付いた銀色の小さなロケットだった。
色はくすみ、剥げかかったメッキの具合から、かなり古い物と推察された。
この古いロケットは若い被害者の物とは考え難く、犯人が女性に抵抗されと時に鎖が千切れて落とした物だと大場は判断した。
その古いロケットを見て、大場は30年ほど前の記憶が突如蘇る。
現場は証拠の宝庫であり、所轄の人間は現場の原型を保つ役目があるにも拘らず、大場刑事は無意識の内にロケットをポケットに収め、証 -
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我が家のお庭は芝生なのだが、毎年この季節は草取りが大変(-。-;
土日ともなると何時間も外で草取りをしている(-。-;
いつも通り、早朝に草取りをしていると、隣に住む読書好きの叔母が声をかけてきた。
いつも私がポチポチした本は、一冊残らず、全て隣の叔母に回しているのだ。(もちろん、ラブセメタリーもだ)
「まきちゃん、いつも本ありがとね。
まきちゃん、絆って本読んだことある?小杉なんとかって人だったと思うけど。
あれなかなか良かった記憶があるよ。」
と教えて貰ったのですぐにポチった(笑)
弓丘奈緒子は、夫を殺害したことを認めていたのだが、担当する弁護人である原島は無罪を主張する。
殺され -
購入済み
一巻から十巻までの合本版!
一冊毎に感動が有り✕10倍。とても、読み応えが有った。まだまだ、合本版が、たくさん有る!長く楽しめそうだ。この作者の他の作品を、29冊読んだ後での、この10冊。こっちの方が面白いかも。
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ネタバレ 購入済み
話は、続く
ある商人の妾を殺して自殺したとされた兄の無実を信じる妹の訴えを聞き入れ、栄次郎が、探索を始めた所、話が、だんだん大きくなって、とうとう、大名家の跡継ぎ問題にまで、行き着いた。この後も、栄次郎のお節介焼きは、留まる所を知らず、話は、まだまだ、続くのだろうな。