小杉健治のレビュー一覧
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テーマは親子の愛、家族愛
それぞれが、ちょっとだけ秘密を持ちながら、お互いを思っているがゆえに悩み、苦しむ。
しかし、最後は暖かい物語。
全体の設定でいろいろ疑問が残るところもありますが、それを差し引いても、父親の息子への想い、息子自身の想いを感じられる物語でした。
ストーリとしては、
一家惨殺事件の犯人として死刑を宣告され、刑に服している光三。しかし、光三は真相を隠したまま、刑を受け入れている。唯一の気がかりは、事件の時に、預けた自分の息子の光男の生き末、そして、その事件の時、唯一殺されなかった子供祐介の生き末。
そんな光三の再審担当となったのはその生き残りの祐介。
光三は自分の両親を殺し -
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孤児ばかりが拐われる事件が続いていた。
店の丁稚も孤児だった。
二親に死なれて兄弟支えあっていた子供も攫われる。
両親を亡くし叔母の家に引き取られた子供もいた。
正月の三河漫才。
その男が贔屓にしている女郎は、武家の妻女だったようだ。
その女郎には多吉という馴染みがいた。
三河漫才の太夫がキーポイント。
相方がいつまでも来ないで代わりという男が来たがある武家に仕事に行ってから翌日いなくなる。
相方は殺された遺体で見つかる。
拐かしが罪を犯すその理由は?
子供たちの行方は?
拐かし犯が、狙われて次々殺される。
そこに文七が手を貸し子供達を二人で助けようとする。
最後まで、息を呑む展開 -
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少しづつ評判が立つようになった辰吉。
御家人に奉公している時に身についた刀の目利き。
知人の刀商から時折助っ人を頼まれていた。
ある時、見た目には素晴らしい出来の刀の目利きを頼まれる。銘にある菊八という名前には記憶がないものの、その光には魅力があった。
十両で仕入れたというが、店の主人は何か嫌なものが気になるから売らないことにするという。
その会話を店の前で聞いた浪人。
そして辰五郎といえば見受けをした女が尼寺に行ったはずなのに街中で男と歩いていたと、捜索を頼まれる。
その話がじつは。
親や親方仲間に捜索が頭でっかちになっていて危ういと指摘され、頭に来ていた辰吉。
小鈴にまで、もう少し冷 -
Posted by ブクログ
「約束の月」上下巻はシリーズ58作59作になる。
途中から読んでも十分に面白いこのシリーズ今回は上下巻でたっぷりと楽しませてもらった。
手代の清太郎がごろつきに襲われてはじまった話が、実は御烙印で、、となり。
そこへ将軍家の男子がどこにも養子入りができないような性格も悪く陰湿で冷淡な素行の悪い子供を無理やり跡取りにしようとねじ込んだのが老中。
そこで繰り広げられる事件と、同じ頃起こった詐欺事件、浪人の他殺連続事件と剣一郎は忙しく悩ませられる。
小杉健治の入念に重ねられた謎が最後まで心地よく読むものを集中させる。
この上下巻も傑作でした。