小杉健治のレビュー一覧
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木綿問屋の戸倉屋付近で、風の強い日に火の用心に歩く、鳶のグループに2度会う。始めに見かけた二人組は、後から来た四人を見かけると逃げるような動きを見せた。青柳は動きに疑問を持ち、押し込みを防いだ。
その戸倉屋には悪所にかよう長男、浪太郎と、なんでもこなす浪次郎がいた。
店から金を持ち出し吉原に通うも、その相手は男に貢いでいた。とうとう勘当か?というところで、
遊女の間夫が殺される。
浪太郎を巻き込み、戸倉屋へ再び狙いを定めた鬼夜叉組。
青柳は多恵の弟が病で早逝するのをたまらない様子で見守るのだった。
青柳の周りの人々の心も描ききり、次男に嫉妬する長男の心も描ききり、実に深いストーリーに -
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銀座ホステス絞殺事件が発生し、担当検事・江木が疑問を呈するが、警察は耳を傾けなかった...ただ1人、高須刑事を除いて。
くしくも、かつて名刑事と謳われた江木検事の父は、病に伏せり、余命いくばくも無い状況にあった。
家庭を顧みない仕事一徹の父の姿を見て、その反発心もあり、刑事ではなく検事になった江木は、20年前、父の唯一の迷宮入り殺人事件に疑問を持った。
なぜ、この事件だけ、迷宮入りになったのか。
過去と現在、無関係な2つの事件が、不思議なリンクを見せる。やがて、江木は、家庭を思う父の苦悩や信念を、初めて理解する。
表題にもなった最後の江木の『決断』に、ウルウルです。 -
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いつもほらばかりを言って、行きつけの飲み屋でくだを巻いてる老人の吾平。あまりに周りの客がバカにするので、「おれは青痣与力の恩人だ」と言ってしまう。
嘘がバレて簀巻きにされてしまうのを可哀想に思った半吉は偶然通りかかった青柳に頼む。すると、会いにきてくれた。
吾平には離れ離れの妻子がいた。。。。
そんなときに、美しくて評判の料理屋の女中をしているおゆきが行方不明に。安否に自信があるらしい女将は、心配していない。それを変に思って、青柳が動く。
それは、日光参りに絡む公儀仕事を受けたくないある藩の思惑が絡んでいた。そこに、久しぶりに活動を再開したスリの大きなグループの事件が絡む。
何重にも重なるい -
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風烈まわり与力、青柳剣一郎は表向きは火つけなどの火事から江戸市民を守るという使命を帯びているが、その実影では、複雑な犯罪の追跡など秘密の捜査などに駆り出されている。頬に剣による痣があるので、青あざ与力とも呼ばれていた。
今回、身のこなしが尋常でない老人の羅宇やを見つけた。浪人の言いがかりから番頭を助けているところに出くわす。
その身のこなしが印象に残り、気になる。
同じ長屋に住み、許嫁になった女が金の力で大店の嫁になったと、若夫婦を殺しに入った棒手振りが捕まる。
そんなおり、火事が起こり老人の羅宇やは、お解き放ちで江戸の町に出ていた峰吉を助けることに。
押し込み強盗を自首していた吉松が