あらすじ
終戦直後の混乱と貧困のなか、男たちは出会った。それぞれの道を懸命に生き抜き、人生の最晩年を迎えた彼らの目に、現在の日本は腐敗しきって見えた。そんな折り仲間の一人が病死。日本をだめにした「戦犯」6人を〃処刑〃するという彼の遺志を継ぎ、老人たちは最後の闘いを開始するが……。様々な社会問題を俎上(そじょう)に載せつつ、ミステリーとしても存分に楽しめる傑作!
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Posted by ブクログ
余り評価されていない作品であるが、自分は最後まで面白く読み終える事が出来た。戦後の動乱期に同じ会社で働いていた6人の老人たちは現代社会、戦時、戦後に暗躍した真の悪人の存在を憂えていた。老人仲間の一人の急逝をきっかけに老人たちは真の悪人どもに天誅を下そうとするが…
プロローグに登場した同級生を殺害した少年は暫く鳴りを潜め、あれっと思ううちに次々と新たな人物が登場し、複雑に糸が絡まり、なかなか展開が見えなくなる。終盤、複雑に絡まった糸が少しずつ解され、物語の全貌が明らかになるとともに感動を覚える。
非常に技巧を凝らしたミステリー作品であり、さすがは小杉健治である。
Posted by ブクログ
2017.2.20-18
戦後から続く現代日本の腐敗や社会性をテーマにした連続殺人。
重厚なテーマのはずが、偶然やら安易な流れも多くチープさが否めない。
刺殺する瞬間に恍惚感を覚えて殺人を繰り返すタイプの人間が罪の意識に苛まれ巡礼の旅の果てに自殺するものか少々理解し難く、また首謀者の心理も分からないでもないものの結末には不自然さも残り、余り共感を得られない。
Posted by ブクログ
憂国の士、というのだろうか。
戦争を生き延び、戦後の混乱期からの付き合いの仲良し?老人グループが
日本の現状を憂いて、日本をダメにしたと思われる人物に天誅を下していく。
私怨でないとはいえ、殺人は法治国家では認められないのは当たり前で、10000歩くらい譲って、いないほうが世の中のためになる人がいたとしても、この老人達が自らで手をくださず、若者を仲間に引き入れて実行犯にしたのは、どうかと思う。
なんかモヤモヤが残るお話でした。