池田真紀子のレビュー一覧
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リンカーン・ライムシリーズの著者が描く新しい007の物語。
今回のミッションは、1週間後に行われる、数千の死傷者を出す謎の計画の阻止。情報は“ノア”と名乗る人物?と、“アイルランド訛りの英語を話す男、アイリッシュマン”。
現代のジェームズ・ボンドは、インターネットやメールも使う一方、(伝統の)カーチェイスやガンアクションもソツなくこなします。
サクサクと読みやすく、良い意味でポンポン話が進むので、肩肘張らずに読めます。
イアン・フレミング版は未読で、父親と一緒にテレビで映画を何本か見た程度の知識です。
ショーン・コネリーでもなくダニエル・クレイグでもなく、ロジャー・ムーアをイメージしてしまいます(笑) -
Posted by ブクログ
前作を引き継ぐかのように音楽テーマでスタートする本作だが、なんとコンサート会場が火災を装ったパニック騒動となり、死傷者が出る騒ぎに。それを仕掛けて喜ぶ陰湿な犯罪者というのが幕開けの単純な構図。
もちろんかと言ってディーヴァー作品がそんな単純構造であるわけがない。その裏には、人種間のヘイトクライム、またはそれを装った犯罪組織の影、またはそれを利用して殺しを楽しむゲーマーの世界。単独犯なのか、組織犯罪なのか? 視点が入れ替わることで、次々と見え方が変わってくる第一の事件に続いて、第二第三の仕掛けが重なってゆく。
今そこに見えているものがすべて疑わしく思えてゆく中で、ヒロイン、キャサリン・ダンスのラブ・ロマンスの行方や、キャリア・ストーリー、子どもたちがのめり込んでゆく危険な火遊びや、職場内部の出世争い、はたまた買収ゲームも絡む、等々、最初に見えたものはほぼ全て途中からガラガラと瓦解し、別の真相に次々と置き換わってしまう、とそう言っていいような全編これイルージョンな作品である。
今作をもってダンス・シリーズが終わるようなのだが、その後もキャサリンはライム・シリーズに顔を出し続けたりするらしい。とどのシリーズも先の読めない展開なのが、ディーヴァー・ワールドだと、諦めるしかあるまい。
今回は、三作立て続けに読んでみたディーヴァー。いずれは未読のすべてを意地でも片付けたいのだが、さすがに、そろそろ迷路ゲームにも疲れ果ててきたので、一時、他に移ろうと思います。はあはあ。 -
Posted by ブクログ
前作を引き継ぐかのように音楽テーマでスタートする本作だが、なんとコンサート会場が火災を装ったパニック騒動となり、死傷者が出る騒ぎに。それを仕掛けて喜ぶ陰湿な犯罪者というのが幕開けの単純な構図。
もちろんかと言ってディーヴァー作品がそんな単純構造であるわけがない。その裏には、人種間のヘイトクライム、またはそれを装った犯罪組織の影、またはそれを利用して殺しを楽しむゲーマーの世界。単独犯なのか、組織犯罪なのか? 視点が入れ替わることで、次々と見え方が変わってくる第一の事件に続いて、第二第三の仕掛けが重なってゆく。
今そこに見えているものがすべて疑わしく思えてゆく中で、ヒロイン、キャサリン・ダンスのラブ・ロマンスの行方や、キャリア・ストーリー、子どもたちがのめり込んでゆく危険な火遊びや、職場内部の出世争い、はたまた買収ゲームも絡む、等々、最初に見えたものはほぼ全て途中からガラガラと瓦解し、別の真相に次々と置き換わってしまう、とそう言っていいような全編これイルージョンな作品である。
今作をもってダンス・シリーズが終わるようなのだが、その後もキャサリンはライム・シリーズに顔を出し続けたりするらしい。とどのシリーズも先の読めない展開なのが、ディーヴァー・ワールドだと、諦めるしかあるまい。
今回は、三作立て続けに読んでみたディーヴァー。いずれは未読のすべてを意地でも片付けたいのだが、さすがに、そろそろ迷路ゲームにも疲れ果ててきたので、一時、他に移ろうと思います。はあはあ。 -
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著者は、『ファイト・クラブ』で有名なチャック・パラニューク。『ファイト・クラブ』(1996年)の次(1999年)に発表された作品。長らく絶版となっていたが、『ファイト・クラブ』に続いてようやく新訳版が発売されたので、この機会に手に取ってみた。
「ハイジャック犯の男が、墜落間近の機内でブラックボックスレコーダーに向けて語る、"社会"に翻弄され続けた半生。」
カルト教団の一員として生を受けてから教団に貢ぐためだけに働き続け、教団の崩壊後はその生き残りとしてメディアの"商品"として持て囃される。自分の意思などなく、ただただ"社会"に流されるだけの人生。現代社会の"闇"を存分に皮肉った物語。
彼のこの人生は"運命"としてそのまま幕を閉じてしまうのか、それは「0ページ」だけが知っていること―――。