あらすじ
彼女の歌が聴こえたとき誰かが殺される。
人気歌手につきまとうストーカー。連続殺人の犯人は彼なのか?
“人間嘘発見器”キャサリン・ダンス 待望の第3作!
キャサリン・ダンスの友人で人気歌手、ケイリーはストーカーに悩まされていた。メールアドレスを変えても頻々とメールを送りつける男エドウィン。彼が数日後のコンサートに現れるという。ダンスが事態の対応に乗り出した矢先、ケイリーの側近が殺害された……。いかなる嘘も見抜く《人間嘘発見器》キャサリン・ダンス第3作!
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Posted by ブクログ
キャサリン・ダンスシリーズの第三作。
前作の最後で交錯していたキャサリンの恋愛模様が気になっていたので、
冒頭で二人のうち片方とつきあいはじめているのがわかって、一安心。
と思いきや、不穏な方向へ。
でも、いわゆるコージーミステリーではないので、
あまり恋愛関係を絡ませてほしくない。
事件の方は、休暇で会いに行ったカントリーシンガーへのストーカーからはじまる。
他人のシマでの捜査は、キネシクスのエキスパートをもってしても、
なかなか思うように進まない。
(下巻へ)
Posted by ブクログ
◆作者の深い知見が邪魔をすることもある?
売れっ子女性カントリーシンガーに、影のようにつきまとうストーカー。そして彼女のヒットソングの詩に沿って殺人事件が起きる・・・・
面白い。上下合計600ページを超える分厚さなのだが、一気にすいすい読めてしまう。
が、この作品は弱点があるだろうな、と思う。作者であるディーバが「評論家」とも呼べるレベルの音楽好きということだ。自分がなまじ音楽が好きで、知識・知見が広く深いがゆえに「語って」しまうのだ。話の筋とはちょっと違うところに、深い音楽への造詣が語られてしまい、どうしても緊迫感が削がれるきらいがある。
ディーバは音楽が好きで好きでたまらない。自分の(音楽への)思いを語りたくて仕方が無い。それが、時として顔を出し、冗長化してしまうんだな。
そして、今回の探偵役はキャサリンダンス。
ディーバのミステリーの主役・探偵役は、
・リンカーンライム+アメリアサックス
・キャサリンダンス
この二種類に分かれる。
前者は髪の毛一本、砂粒一粒から犯人へアプローチしようという「証拠アプローチ」。
後者は人間の態度やしぐさから、本当の心の奥底の気持ちを表に出す「心理アプローチ」。
本作は、ライム・サックスもわき役として登場はするけれども、主役はキャサリンダンス。ということで、「心理」がベースとなり、人と人とのコミュニケーションのあやが、結構重要な要素になる。客観的な証拠ではなく、人の気持ちや心がベースになるということ。そこでの、音楽への熱い造詣は私の気持ちを脇道に誘ってしまう感があるのだ。
ドキドキ・ハラハラしながら、「次は・・?次は・・・?」と、ページを繰るテンポが鈍る・・・という感覚かな。
話自体は、流石のディーバ。
今回も二転三転するジェットコースターストーリーに、脳みそが快く揺さぶられた。やっぱりディーバは面白い!
Posted by ブクログ
キャサリン・ダンスシリーズ。
人気歌手に付きまとうストーカー。そして殺人事件がおこる。
歌手ケイリーの友人としてそこにいて、捜査に加わることになったダンス。
なんか、警察社会って閉塞しているよね、って思うのはまぁ、お決まりのパターンなんでしょうね。
話は、二転三転していき…。
ただでさえ、転がっていっているのに登場人物の過去とか思惑とかが、交錯するので完全に五里霧中。
ま、これがディーヴァーの醍醐味なんだけど。
ケイリーの歌というか歌詞が重要なアイテムになるのだけど、ディーヴァーが書いてるそうな。
すごいな。
ついでに、ライムも出てきて…。
まるでオールスターゲームのようでした。
面白かった。
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァー『シャドウ・ストーカー(上)』文春文庫。キャサリン・ダンス・シリーズの第3弾。
なかなか手の内を見せてくれないスリリングな展開。リンカーン・ライム・シリーズとも味わいの異なるディーヴァーらしいミステリー。
キャサリン・ダンスの友人の歌手・ケイリー・タウンの側近が何者かに殺害される。そして、第二の殺人が…犯人はケイリーに付きまとうストーカーのエドウィン・シャープなのか。
Posted by ブクログ
ダンスの友人のカントリー歌手のコンサートに出向く。ストーカーの存在により不気味な背景を維持しつつ、連続殺人が発生する展開。ライムと異なり、物証から迫るのではなく緻密に事実から推測するのがライムシリーズと差別化がなされていて面白い。かなり複雑な人間関係な印象。