桑田真澄のレビュー一覧
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学校現場での体罰や暴力はなぜなくならないのか。
育成を掲げながらも勝利至上主義が蔓延っている現実が背景にあるのではないか。
桑田さんが論文で再定義された「野球道」は尊重(リスペクト)と練習の質(サイエンス)と心の調和(バランス)で構成されている。
『1000回の間違った練習より、100回の正しい練習をやる方が上手くなる』
桑田さんの理論を全ての指導者に知ってもらいたい。昭和のスポ根を強いられ、若いうちに身体を壊してしまい、憧れだったプロ野球への夢を断念せざるを得ない子が一人でも減ることを願わずにいられない。
「甲子園優勝投手はプロで活躍できない」と昔は言われていたそう。なぜそういうこと -
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Posted by ブクログ
尊敬するアスリートの一人である桑田さんのエッセイ。出版時に単行本で読みましたが、文庫で再読。やはり彼は素晴らしい。
努力の人。小学校の頃から毎日50回のシャドーピッチングを欠かさない。でも、根性論での非効率的な練習はしない。
感謝の気持ちを忘れない。両親、友人、先輩、コーチ、そして野球への感謝の気持ちを持ち続ける。
プロフェッショナル。野球をとことん勉強するのはもちろん、関連する栄養学、運動生理学にも詳しく、さらには芸術、文学など、教養を身に着けようと努力する。(引退後、早稲田大学大学院に入学し、首席で卒業)
あれだけの実績、これだけの頭脳を持ちながら、いまだにプロ野球界での指導者歴がない -
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高校時代はPL学園で甲子園で大活躍をし、プロ野球選手になると読売ジャイアンツで長年エースとして実績を残し、最後はメジャーリーグに挑戦しパイレーツでユニホームを脱いだ野球人、桑田真澄さん。彼が2010年に出版した自らの野球哲学、ひいては人生哲学の本が文庫化されたものが本書です。彼がずっと背負い続けた背番号「18」と合致する、全18章仕立てでした。
桑田さんといえば、天賦の才能を持った選手という印象と共に、日々一歩一歩、確実に向上していく選手というイメージもある方でした。努力を積み重ねていくことを愚直に体現した人、といってまったく間違いにはならないでしょう。他方、プロとして駆け出しのころには、不 -
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○元プロ野球選手で野球解説者の桑田氏と、野球に造詣の深いノンフィクション作家の佐山氏との共著・対談本。
○野球の話しを中心に、体罰の実態とその批判、指導のあり方の提言、今後のスポーツのあり方等について、思いを語ったもの。
○一つ一つがもっともであり、特に、少年期~学生への指導のあり方や提言については、ぜひ広く普及して欲しい。
○自分も、自分の競技を楽しめるようになったのは、大人になってから。やっているときは辛いことばかりだった気がする。まさに、勝利至上主義の真っ只中にいたからだろう。
○そもそもの「スポーツを楽しむ」ということを忘れてしまわないよう、その一番大事な原則を、スポーツをする誰もが常 -
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桑田真澄氏とノンフィクション作家の佐山和夫氏による対談本。
今や体罰否定派の代表的論客として知られる桑田真澄氏だが、ここでは「過去には体罰が必要な時代もあった」ことを前置きとして示唆していることが印象的。これまでの日本のスポーツに蔓延っていた体罰という問題をただただ反省的に捉えるのではなく、なぜ体罰が今のスポーツにそぐわないのか、スポーツ観の変遷が丁寧になぞられたうえでの丁寧な分析が行われている。
「体罰は悪いもの、経験者が『あれがあったから自分は成長できた』と言うのは過去を肯定したい感情の発露に過ぎない」と無条件的に体罰に悪のレッテルを貼り付けるのみの論旨が目立つ昨今だが、根絶を目指すなら -
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PL学園への高校進学、巨人入団のドラフト会議、右肘の手術、マスコミからのバッシングなど野球人生の節目にどのような心で向き合ってきたのかを桑田氏自身が語る本。「野球の神様は卑怯な事をする人や手抜きをする人には決して降りてこない」、「試練はつらく苦しいことではない。次のの挑戦へと向かうスタートである」、「表の努力(練習やトレーニングなど)だけではなく裏の努力(掃除や挨拶など)にも手抜きをせず運とツキを貯金する」、「気付く人と気付かない人。その差は努力と言う準備をしっかりしたかどうか」など貴重な言葉が一杯です。今の時代、ちょっと古いかなとご本人も本文で何度か書かれておられますが、私はこういう考え方が