ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
桑田真澄は、174cmと体格的に恵まれず、突出したボールが投げられるわけでもなかった。それでも、巨人のエースとして21年間君臨した。「がむしゃらな努力はムダだ」「努力には表の努力と裏の努力がある」「怪我は財産であり勲章」「超マイナス思考こそが心を満たす」「試練は必然」。日々、闘う全ての男たちに捧ぐ、努力の天才が辿りついた「成長の法則」。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
謙虚について学べたと思う。 桑田氏は、嬉しいことがあっても結果を出しても傲ることなく、冷静に謙虚に考えることが出来たのは何故だろうかと思う。
尊敬するアスリートの一人である桑田さんのエッセイ。出版時に単行本で読みましたが、文庫で再読。やはり彼は素晴らしい。 努力の人。小学校の頃から毎日50回のシャドーピッチングを欠かさない。でも、根性論での非効率的な練習はしない。 感謝の気持ちを忘れない。両親、友人、先輩、コーチ、そして野球への感謝の気...続きを読む持ちを持ち続ける。 プロフェッショナル。野球をとことん勉強するのはもちろん、関連する栄養学、運動生理学にも詳しく、さらには芸術、文学など、教養を身に着けようと努力する。(引退後、早稲田大学大学院に入学し、首席で卒業) あれだけの実績、これだけの頭脳を持ちながら、いまだにプロ野球界での指導者歴がないというのは、あまりに生真面目すぎることで、他がついていけないのか、入団時のダーティなイメージがいまだに尾を引いているのか。 桑田さんは、イチローと並ぶ真のプロフェッショナルであり、もっともっと評価され、表舞台での更なる活躍を期待したい。
目からウロコが… 今の指導者が読むべき本だと思う。 群馬のあるボーイズリーグの監督は、選手への怒鳴りが凄まじく、試合中にタイムもかけず、選手を叩きにグランドに入ってきた。まず、自分のマナーだろう。
高校時代はPL学園で甲子園で大活躍をし、プロ野球選手になると読売ジャイアンツで長年エースとして実績を残し、最後はメジャーリーグに挑戦しパイレーツでユニホームを脱いだ野球人、桑田真澄さん。彼が2010年に出版した自らの野球哲学、ひいては人生哲学の本が文庫化されたものが本書です。彼がずっと背負い続けた背...続きを読む番号「18」と合致する、全18章仕立てでした。 桑田さんといえば、天賦の才能を持った選手という印象と共に、日々一歩一歩、確実に向上していく選手というイメージもある方でした。努力を積み重ねていくことを愚直に体現した人、といってまったく間違いにはならないでしょう。他方、プロとして駆け出しのころには、不動産で騙されて多くの借金を背負ったり、先発投手情報をよそに流して野球賭博関連に関与したという偽記事の被害に遭ったり、メンタル面で追いつめられた時期を過ごされている。遠征先の札幌で、自殺を考えたこともあった、と本書では述べられていて、その心理状況がそのままのかたちで説明されていたりします。 さて、そんな桑田さんですが、「努力は楽しまなければならない」と本書の始めの方でまず述べています。彼は表の努力と裏の努力の双方が大切だといいます。表の努力は技術や体力などを向上させるための選手としての努力。裏の努力はトイレ掃除や草むしりなどの仕事を人の見てないところでしっかりやる努力。裏の努力は運やツキ、縁をもたらすと経験から述べているのです。 努力は量より質だし、努力と休養を「いい加減(「not 適当」であり、「よい塩梅」という意味のほう)」でやっていくのが身になる、と。努力の質の面では、毎日短時間でもコツコツ続けていくことを桑田さんはやってきて、超合理的かつ超効率的だと自ら評価していました。 桑田さんの言う、裏の努力、徳を積むことが自分に運や縁をもたらすことは僕にもわかります。余談ではありますが、以前、財布の中に3000円しかない状態でしばらく過ごさなきゃならない時期に、募金運動中の集団を見つけたんです。そのとき自分から歩み寄って100円だったけれども募金箱に入れました。赤い羽根をくれそうになったのだけど、少額だし断って帰宅しました。そしてその後……。二週間ほどで、30万円近く手に入れていた。まあ、競馬だとかのあぶく銭ではあるのだけれど、桑田さんのいう裏の努力や徳を積むことの跳ね返りを考えると、もしかするとこれ、僕のケースにも当てはまっているのではないかなあ、と思ったのでした。 閑話休題。次のトピックに移ります。 メリハリのある生活、生活のなかにリズムを持つこと。それらを桑田真澄さんが著書で「こういうのいいんだよ?」というふうに記されているのですが、想像してみるとすごく合点がいきます。朝6時に起きると決めたならば、なにがなんでもそれを守ることも説かれていて、こういうことでメンタルが強くなるから、とあり、それも納得がいきます。僕個人の場合ですと、介護をしていて大変なのって自分のリズムを被介護者に合わせるために崩れていくことですし、「朝6時に起きる」と決めても夜中に介護しなきゃいけなくて睡眠不足に陥り、「朝6時に起きる」が守れないことが起こる。決めたことを守ることでメンタルが強くなるのと反対に、守れないことでメンタルが削れて弱くなるのかもしれなくて、少しずつ疲れていって、しんどさは増していくのです。自分で決めた規律をひとつでも守れてリズムのある部分を作ることは、メンタル保護の観点からも大切かもしれないです。 あと、驚いたのが、PL学園からスカウトがきて、進学を決めたときの話。桑田さんには他校からもわんさか誘いが来ていて、なかには、桑田さんがウチに来てくれるのならば、他の野球部員もまとめてうちに進学してもらう、というものがあったそうです。でも、桑田さんはPLと決めていた。そこを担任の先生が、他の生徒もまとめて入れてくれるというのだから、他校の方にしろ、と勧めました。桑田さんが断ると、「友達を裏切って自分のわがままでPLに行くという薄情者」という烙印を押されてしまい、中学校にいられなくなって、三学期は転校を余儀なくされたとのこと。これはひどい話だなあと思いました。時代精神でしょうね、自分が他者の犠牲になるのでなければ許されないとされてしまう。主張してはいけない、自分の人生であっても人に譲らなければいけない、そういった考え方が当たり前のものとして多くの人が内面化していたんだと思います。僕も自分のメンタリティーを考えてみると、そういったところをよく気にするところがありますし、昔の時代の名残なんだろうな、と感じさせられました。 それでは、ここからは引用を。 __________ 完璧を求める思いと心の平和は水と油だ。現状よりいいものばかりを求めていると、不満のみが増殖されていく。現状に満足し、感謝し、人生を楽しむ。完璧ばかり追い求めなければ、人生はそれ自体で完璧なのだ。(p85) __________ →言い得てます。完璧を求めるというのはつまり理想主義のことです。そこで現実にきちんと目を向けてみると、実はそこに完璧さが見いだされるという、法話のような哲学だと思いました。 __________ しかし、ピッチャーの商品価値は、監督やコーチの価値観に左右されてしまう。このピッチャーを使うか、使わないのか、商品価値は各々の基準で決まってしまう。同時に、他人の評価を気にしてそれにあわせようとすると、自分を見失ってしまうことにもなる。「絶対」ということはありえない。(p103) __________ →上司や先輩がいて、いろいろ指図や指示、命令をされて従わなくては行けなくても、自分自身のボスは自分なのだということをしっかりわかっていることって重要なんですよね。自分を見失うと、なにをやってもうまくいかなくなりがちです。僕も、気をつけないとと気を引き締めました。 __________ 指導者が「一日に1000回素振りをしろ」と言う。身体ができあがっていない子どもたちが1000回全力で素振りできるはずがない。どうしたって1000回できるようにペース配分をしてしまうし、そのペース配分をした素振りを筋肉が覚えてしまうから、スイングが鈍くなるという悪循環に陥る。そうなってしまうのであれば、50回を全力で、一回一回集中して素振りをしたほうがよっぽど効果がある。少し考えればわかることだけれど、それがわかっていない指導者が本当に多い。(p115) __________ →これは小説を書くことがうまくなりたい場合もそうです。ただ多作であったり枚数を書いていけばいいというものではない。そうすると、手を抜くところを覚えてしまい、言語化していく言葉が鈍くなるというのはあります。 __________ そんなある日、藤田(元司)さんにこう言われた。「桑田、野球っていうのは、もういいやってやめてしまうようではダメだよ。これでもかこれでもかってくらい食らいついていけよ。それが本当に野球に愛してる男のやることじょないか……」 僕は藤田さんのその言葉を聞いた瞬間、背筋がゾクゾクした。(p141-142) __________ →のちに、数字が伴わなくなって、「潮時じゃないか」「引き際を考えろ」という先輩たちがいたそうなのですが、ボロボロになるまでしがみつけとおっしゃったのは藤田さんだけだった、と。そしてその藤田さんに桑田さんはとても感謝しているのでした。でも藤田さんは、自分でそう言ったことを「桑田、悪かったな」と後年、謝っていたそうです。 __________ 身体の使い方を覚えるというのは、ある動きをするときに、今まで使えていなかった筋肉を使えるようにするということと同時に、その動きの邪魔をする筋肉をあえて使わないようにすることも大事なのだ。(p224-225) __________ →これも小説を書くときに感じていたことととても似ています。あるシーンを書いていて、「あっ」とひらめくように哲学的なことが浮かんでくるのですが、それを原稿のそこのところに書いてしまうと流れが悪くなるし、おそらく読者の集中もちょっと切れてしまう可能性がある。でも、主浮かんだこともなかなか素晴らしくて、書かないともったいような気がする。それが、ここで桑田さんがいう「その動きの邪魔をする筋肉をあえて使わないようにする」から考えると、その哲学的なアイデアは書かないほうがベターになりますし、実際そうなんだと思えます。 __________ なぜならば、「格好悪い」というのは、人の評価で、人の評価ほど曖昧なもの、いい加減なものはないから。だって、それを評価している人間自体が完璧ではない。この世の中に「完璧な人間はいない」から。(p234) __________ →これも、他人に自分を委ねてしまわないことの大切さが述べられている箇所でしょう。自分をしっかり持つことは、自分のことを考えて自分をよく知ることから始まるのかもしれません。そういった内省の習慣があってこそ、他人の評価に振り回されない自分が形づくられていくのかも。それと、世界をよく知ることも大事ですね。他者からの見方の替わりになるような客観性というものを持ちつつ、自分をしっかり保つこと、でしょうか。 __________ 野球のいいところは、一緒に戦っている実感を味わえることだと思う。自分がよければみんなを助けてあげられるし、自分が苦しいときは誰かが助けてくれる。お互いが声をかけるとか、そういううわべのことだけじゃなくて、目に見えない信頼とか想い、そういう気持ちはベンチからも遠くで守っている野手からもマウンドには伝わってくる。そうやって一つの心でつながる野球が僕は好きだ。(p310) __________ →これが、桑田さんの野球観の根底にあるものでした。僕にはとっても共感できる考え方です。 というところでした。本書に書かれていることは、選手としての桑田さんのイメージとオーバーラップするような論理の組み立て方だと思いました。シンプルに少しずつ構築していって、そのスタイルで高いところには上っていき、深いところには踏み入っていく。そうして見出したものをまたさらに積み重ねて、自分の目指すところへと進んでいく。 今、桑田さんは巨人の二軍監督をされていたはずです。どんな野球をそして指導をされているのか、好奇心が湧いてきました。
努力も才能だと思った 誰もが真似できる努力ではないし、 皆が同じ努力しても報われるわけではない 桑田選手は努力ができて、野球のために自分を律することができて、素晴らしい
知っていた事と知らなかった事。桑田の野球への考え、取り組み。やはり巨人の18番。天才でも才能の固まりでもないが、やはり非凡でありこうなるべくしてなった最高の野球人ではなかろうか。
PL学園への高校進学、巨人入団のドラフト会議、右肘の手術、マスコミからのバッシングなど野球人生の節目にどのような心で向き合ってきたのかを桑田氏自身が語る本。「野球の神様は卑怯な事をする人や手抜きをする人には決して降りてこない」、「試練はつらく苦しいことではない。次のの挑戦へと向かうスタートである」、...続きを読む「表の努力(練習やトレーニングなど)だけではなく裏の努力(掃除や挨拶など)にも手抜きをせず運とツキを貯金する」、「気付く人と気付かない人。その差は努力と言う準備をしっかりしたかどうか」など貴重な言葉が一杯です。今の時代、ちょっと古いかなとご本人も本文で何度か書かれておられますが、私はこういう考え方が大好きです。この本で書かれている心境に高校卒業の10代後半から20代にかけて既に到達されていたということには驚いてしまいました。桑田氏の活躍を実際に見た年代の人には説得力抜群だと思います。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
心の野球 超効率的努力のススメ
新刊情報をお知らせします。
桑田真澄
フォロー機能について
「幻冬舎文庫」の最新刊一覧へ
「スポーツ・アウトドア」無料一覧へ
「スポーツ・アウトドア」ランキングの一覧へ
挑む力 桑田真澄の生き方
試練が人を磨く 桑田真澄という生き方
試し読み
スポーツの品格
ダウト
東大と野球部と私――勝つために大切なことは何か
「桑田真澄」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲心の野球 超効率的努力のススメ ページトップヘ