朝比奈あすかのレビュー一覧
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温泉旅でゆったりと湯に浸かり、自分自身を見つめる主人公たち
心がゆるゆるっとほぐれ、新しい人生が見えてくる
温泉が恋しくなる短編集 。.:*・゚✽
【女友達の作り方】
派遣を切られた32歳の宮辺
ふと立ち止まると、友人と呼べる人が誰もいないと気付く。
日帰りバスツアーに初めて参加し、年上の女性に「女友達の作り方」の指南を受ける。
【また会う日まで】
「後期高齢者」なんだから運転はやめろと娘に言われている博
亡くなった妻と二人であちこちの温泉を巡った事が思い出される。
その思い出の温泉へ娘に内緒で車を走らせるが、道中老いと向き合うことになる。
【おやつはいつだって】
母と二人暮らしの -
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ネタバレ扱われているのはいじめの問題、主人公佐久間美穂の息子がある日校舎の2階から飛び降りて大けがを負ってしまう。息子がいじめの被害者になっていると感じた美穂は息子や学校の教師たち、普段接触のない級友の父母たちに色々と聴いて回るが、仕事の忙しさもあって専念できずどうにも話が見えてこない。
美穂の子供時代にもいじめがあって、その記憶が息子の今と重なる。
読んでいて気持ちが重くなる、共働きで忙しさにかまけていたのは俺も同じ。そう、親の気持ちでこの本を読みだしたのだ俺は。そして、うちの子をきちんと愛して向き合って行けただろうかと思いを馳せていたら…
最後の10Pでとどめを刺された。あぁ、俺だってきっと加 -
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学級崩壊している6年3組。幾田先生の「あなた達はろくな大人になれない」大人になった私は、どんなにこれを言うのが辛かっただろうかと思う。犯罪なのだ、と伝える場面では胃が痛くなるほど緊張した。この子どもたちの親の年齢も過ぎたのに子ども目線の語りでは自分も過去を思い出し、先生の気持ちになるシーンもあった。今の小学生も、その年齢の子を持つ親も大変だ。
自分が一人にならないために心を砕く、周りから浮かないよう水面下の細工も必要で、注目の的になりたがる男子や目立ちたい女子、なぜか先生から優遇される子もいたことを思い出す。二度とあの頃の学校が全てだった年齢に戻りたくない。
それをリアルに感じられる描き方が素 -
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ネタバレ親として感情を強く揺さぶられた本でした。
過去の自分の行いも蘇って本当に苦しかったです。
言い訳は後で何とでも出来ますが、やられた方からすれば本人の事情なんてどうでもいいーー、本当にその通りだと思います。
じゃあどうすれば良かったのか?
最近タコピーを観たばかりなので、同じ問いを自分に問いかけてしまいます。
今は子供が「デストロイヤー」になってしまわないよう、自分の中のデストロイヤーを抑えないと。取り急ぎ旦那への優しさでしょうか。
この思いもいつか風化してしまうのだろうけど。
人間っていう種からして形はどうあれ、イジメはなくならないから、今は無意識下の自分が怖いです。 -
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ネタバレ高校の同級生に再会しつきあいが始まった、リラと洋美。リラの息子の光鳥(ライト)はおとなしくはっきり物を言えない。対して洋美の息子、敏光は凶暴で、影で光鳥をいじめる。子どものケンカとはいえ、親、ママ友、先生など巻き込み互いに距離を取る。どの母親の気持ちも同意してしまう。自分の子どもが一番かわいいのに、そう心から思えない洋美が気の毒、だけど頑固すぎる。子育ての成功って、どっちかが死ぬまでわからない、なるほど納得。周りで出会う人によっても子どもの成長も、トラブルになるかどうかも違ってくる。不確定要素が多い中、子育てってギャンブルに近いとも感じた。
本当に素晴らしい作家さんだと思う。他の作品ももっとも -
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ネタバレ34歳の潤子、みさ緒、礼香は学生時代からの親友。恋人のいなかった礼香が結婚することで焦り潤子は結婚相談所に入会。
3人とも美人でバリキャリの設定、特に潤子の相手を下に見る目線が気になる。本人もああ私って…、のようにいけないとわかってるふりをするのも、いやらしい。でもわかる。婚活パーティーってそういうシステムなんだ、よくできてる。結婚報告した礼香は破談、潤子は半年の婚活を経てどっちつかず、みさ緒はいきなり結婚妊娠。親友と見せかけ実はお互い知らないことばかり、女子あるあるだな。女性の心の中のささくれを引っ張り出すような、素晴らしい描写で読みながら映像が見えるよう!本当に上手い作家さんだなあ。
いい -
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ネタバレ共働き夫婦の一人息子、晴翔が学校で飛び降り大怪我する。現在の小学校のがんじがらめの個人情報取り扱い、陰湿ないじめの影にはスマホがあり、おおらかなのか鈍感なのか理解できない夫、さらに主人公の美保は、無自覚な自己中。文字から映像が見えるようリアルな描き方で何度も中断しながら、それでも読まずにはいられない、そんな作品。何より大切なわが子がいじめの被害者ではなく、まさかの加害者だった、想像を絶する辛さだろう。それが親子連鎖していた事に読者は驚くが、美保は自分が加害者だったとは思いもしない、記憶を改ざんして被害者だったことになっている。
最後の江梨のメールを理解できないのではないかと思った。そんな美保の -
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読んで良かった 、しっかりと調べていて問題が起こってどういう風に考えて対応するのか知る事が出来たし 自分の中に残りました。4人の子供達が学園祭に来て冷たい態度をとったのが切ない、それを後日言葉にしてる、税金泥棒発言もちゃんと答えを川上さんに貰えてクソ人間だと、自分は解決せずにナアナアで終わらせてモヤモヤを引きずる生き方していたので尊敬してしまう、あとおばあちゃんの馬鹿にされない負けちゃいけない言葉の重さがわかって 努力忍耐根性で生きてきた世代の自分の恐ろしさね、やっぱ大人次第で子供はどうにでもなれるって思う。あと4人は高校卒業してもいつまでも一緒だなぁって。朝比奈あすかさんもっと読みたいね
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ネタバレ時間も遅かったのでキリのいいところまで軽く読もうと思ったけど、もうもう一気読みだった。
ずーっと、肺の辺りに重石を置かれたような、心臓をギュッと握り潰されてるような苦しい気持ち。でもページを捲る手が止まらない。
アケミのイジメのシーンもわかりやすく嫌な気持ちになったし、子供のトラブルでの親同士の話し合いのシーンも、もう重くて苦しくて。
でもね、なにより。この主人公、美保の、保身。自己中。利己的。その態度が苦しかった。
ハルトのことも、気にしてる風で、自分の都合のいいようにしか理解しない。
そんな人だもの、ああいう過去を持ってるよね。私は被害者だったの、都合よく記憶を改竄するよね。
あーもう苦し -
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加害者心理というものを理解するきっかけになった。いじめ加害者の背景には何があるのか?集団いじめはどのような経緯で起こるのか?あくまでもフィクションで、一例にすぎないかもしれないが、似たような事象は現実に起こっているのではないか。
親子の信頼関係と親子の会話が大事なんだと思う。子どもが親にウソをつくという時点で親子関係は崩壊している。家庭内の会話が少なければ、語彙力も読解力も伸びない。友だちがどんな言動をしたのか、それを本人はどう受け止めたのか、子どもが話してくれさえすれば、いくらでも親から話はできる。いじめや登校渋りも未然に防げるかもしれない。しかし、会話がなければ、子どもが学校でどう過ごし