朝比奈あすかのレビュー一覧

  • おはなしの時子

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    多分、はじめましての作家さん。

    79歳の時子が劇場型詐欺に引っかかって170万円ほどを騙し取られる。

    騙されたことももちろんキツイ事だけど、家族から責められ自分を責めることが更なる苦しみになる。そんな時子にはラジオ体操仲間が居て良かった。

    時子と娘の亮子、その娘で孫の愛梨。
    三世代のそれぞれの立ち位置や心情、寂しさ、脆さなど、ついつい自分の立場や将来、家族に置き換えてしまい共感したりハラハラしたりで一気読みでした。

    明日も仕事で早く寝なくては、、だったのに。
    けれど、読後感が良い本でよく眠れそうです。

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    2026年09月28日
  • おはなしの時子

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    ネタバレ

    とても良かった!最初詐欺の件がすごくつらくて、いやな気持ちがしたんだけど、娘からも怒られ、落ち込むばあばが、ラジオ体操のメンバーと前を向き、また孫とおはなし電話をする、という新しいことをして、老後や、亡くなったご主人や、孫や娘のこと、友達のこと、犯人のこと、電話の相手のことを考え行動する姿が素敵だった。こんなおばあちゃんにもなって、傷ついたり、励まされたりいろんなことがあって生きていくのがなんだか不思議と勇気をもらえる。ザ、ハッピーエンドじゃないこともよい。完全なる毒親じゃなくても、自分は覚えてないがこどもを傷つけていることそして相手はずっと恨んでることもあるんだな。

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    2026年09月27日
  • おはなしの時子

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    ネタバレ

    消えていく固定電話をめぐる思い。
    人と人との連絡手段は時代によって変化してきた。

    今、若い人は実家から独立しても固定電話を引かないし、特殊詐欺に使われることが多くなって、高齢者が亡くなれば解約される。
    固定電話を利用し続けている高齢者を狙った特殊詐欺も多いことから、一人暮らしの老親を持つ息子や娘による解約も進んでいるらしい。
    コミュニケーションツールとしての固定電話の役割は終焉を迎えつつあるのかもしれない。

    時子、時子の娘・亮子、亮子の娘で時子の孫である・愛梨。
    亮子は仕事が忙しい世代でキリキリしている。母親の時子をも娘の愛梨をも、自分がしっかり管理統制しなくてはと気負っている。
    愛梨は母親の干渉に対して猛烈な反発心を持っている。
    この三世代の構造こそが、オレオレ詐欺に都合の良い状況を作っていると思う。本当に悪人は目の付け所が鋭い。
    時子が引っかかったのは劇場型詐欺だが、一人で電話してくる単純なものは、孫がおばあちゃんに電話するというパターンだ。
    バイト先で物を壊した、女の子を妊娠させた、会社のお金を使い込んだ・・・
    「親には話せないから」おばあちゃん助けて、と言われると、愛する孫のために老後の資金を使ってしまう。
    娘や息子が最近何かと自分を役に立たない老人扱いする、と不満に思っていたところに、孫から頼りにされて嬉しい。
    そこには息子や娘に対する対抗心も少し隠れているかもしれない。

    時子の娘と息子は、詐欺に遭ったのを理由に固定電話を解約させることを決めた。らくらくホンがあるんだからいいでしょ?
    解約までの猶予期間に時子が始めたのは、寂しい人からお話を聞くこと。
    電話番号を公開することは現代ではリスクが大きいと考えられている(以前は「電話帳」が配布されていた、怖い怖い)
    最初はお決まりのセクハラ電話。そして、資格もないのにカウンセリングをするのはけしからんというお叱り。
    ようやく、時子が思い描いていたような「雑談」の電話が来るようになる。
    しかし、時子の「おはなし電話」に誰よりも救いを求めていたのは意外な人物。

    20歳という愛梨の世代の危うさがよく分かる。大人でもあるけれどまだ経験値が不足している。
    本人は自立していると思っているから大人に縛られたくないけれど、大人が見守り、力になることも必要だ。

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    2026年09月24日
  • 普通の子

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    すごく恐ろしい、いい気持ちになる本ではないけれど、読んでよかった。
    主人公の感性や行動に、ずっとモヤモヤしながら読んでいた。視野が狭くて、自分の都合のいいようにしか考えられない。でも主人公目線で描かれているから、そうなるのも無理がない。子ども時代があったからなんだ。と思っていたけど。

    ラストのメールを読んでなるほど、、と思った。
    自分の都合の良いように過去を書き換えたのか、、
    息子が同じことを繰り返してるんだなぁと。
    自分に向き合ってこなかったことの因果応報なのか。なんか最後までモヤモヤしたけど、読み応えありました。

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    2026年09月21日
  • 君たちは今が世界

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    全ての大人が経験した小学6年生。
    自分にとっては遥か遠い過去の話だけれども、毎日楽しくて未来への希望が溢れていてこれから人生の余白をどんどん埋めて行けることの悦びの毎日、となんとなく思い出を上書きしていることに気づく。

    この本を読むと自分がどんな人間なのかも分からず、不安で誰かに合わせたり我慢したり、友達に思った通りのコミュニケーションできずにもどかしかったあの頃を思い出した。

    大人になった今はまた違う悩みがあって、責任も何もなかった小学生に戻りたいってたまに思う。だけど戻ってもまた思った通りに行かない苦労があるんだろうなと。思い出補正恐ろしや。

    小説を読んでそう思いました。
    他の人物の大人になった世界のエピローグも読んでみたい。

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    2026年09月21日
  • 温泉小説

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     連休が来るので「温泉でも行きたいわぁ♪」という気持ちで読み始めましたが、なんか違います。
     なかなか温泉に連れて行ってもらえませんw

     最初の「女友達の作り方」では、温泉よりもサウナ。サウナよりも女友達の作り方がたっぷり描かれています。
     2番目の「また会う日まで」でも、運転免許証返納の話のほうが重いです。他のお話もしかり。。。

     けど、ようやくたどり着いた温泉の有難みは分かります♡
     人生の深みが温泉の効能のようにしみてくる本です。
     実際の温泉は、自分で行くほうが良さそうですw

    〔作品紹介・あらすじ〕
    盛田照美、50歳。夫と娘がいる。ひとりになる必要のない人生を送ってきた。はじめての「ひとり旅」で温泉地へ。人生の折り返し地点をすぎて、自分の半生に想いを馳せる。わたしがここまでに成し遂げたもの、何かあったかしら……。思い惑い人生の苦みを抱えながら彼らは温泉地へと向かう。「温泉ソムリエマスター」でもある作者が描く、温泉愛に満ち満ちた、六つの極楽小説。

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    2026年09月18日
  • 光さす故郷へ 満州から我が子を抱いて

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    ずっしりと重い内容。引き揚げ時はいろいろあった、というのはこれまでも聞いたことがあったし、知識は持っていたけど、なまなましく感じた。でも本当はもっとすごかったのだろう。

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    2026年09月09日
  • おはなしの時子

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    朝比奈あすかって、いまだにどういう作家さんなのかよく分かってない。これはずっと「原田ひ香」さんっぽいなぁって思いながら読んだ。

    時子おばあさんが、典型的な電話での詐欺にあって、その後、自宅の電話でおはなし電話をはじめる話。
    自分の母親と重ね合わせながら読んだ。
    時子さんは、詐欺にはあったけれど、かなり幸せで恵まれている。ほどほどの距離に娘と孫がいるし、干渉してこない自立した息子と同居しているので、なにかあったときの不安がないし。ラジオ体操の仲間がいるし、気軽にお茶できる友達がいる。いいなぁ。

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    2026年09月03日
  • おはなしの時子

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    私もこんな老後送りたい
    亮子が今の自分と重なって見えた…
    自分もいずれ老いていくのに 親にはいつまでもしっかりしていてほしくて ついつい上から言ってしまう
    反省(/. _.\)

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    2026年08月17日
  • おはなしの時子

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    電話が廃れる中、あえての電話。
    誰とも話さなくなる孤独は、
    今の私には実感できないけど、
    老いてく中で、どういうコミュニティに属すか、
    考えさせられるなあ。

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    2026年08月12日
  • 天使はここに

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    実際にファミレスで働いた経験があるので、職場あるある内容がすんなりと入ってきました

    本当に色々な人がいます
    24時間営業のファミレスだったのですか、午後8時に「いらっしゃいませ」とお出迎えをし退勤、翌日出勤し午前9時過ぎにそのお客様のレジをして「ありがとうございました」とお見送りをしたこともあります(13時間超滞在)
    それでも知らないこともありました
    暇な時間⋯アイドルタイム
    忙しい時間⋯ビジィタイム
    なるほど〜ですね
    2024/2

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    2026年08月02日
  • 彼女のしあわせ

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    ネタバレ

    三姉妹とその母親の、それぞれのしあわせについての話

    本当に欲しいものは手に入らない。
    ドキッとするような言葉から始まるのは、実に穏やかでありふれた『彼女』たちの話。そこそこ満たされていて、でもどこか満たされない欠落を抱えている。その匙加減がとてもリアルだし身近に感じた。

    衝撃的な波乱はないし、何もかも解決!というスカッとしたラストも迎えない。第四章を読んでからの第五章では、「いや離婚しないんかーい!」と思いっきりずっこけた。
    でも書き下ろしの『月子ちゃんへ』まで読んだら、そういうモヤモヤも含めて、冒頭の「本当に欲しいものは手に入らない」に全て繋がるのだなと思った。

    種類は違うけど自分自身も「こんなはずじゃなかった」とモヤモヤすることがあり、たまに落ち込んでしまうこともあるのだけど、これからはその葛藤ももう少し受け入れられるような気がしてきた。
    本当に欲しいものは手に入らない。
    そう唱えて、これからも進んでいきたい。

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    2026年07月30日
  • おはなしの時子

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    騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか。
    そんなの前者に決まっている。

    主人公は詐欺電話で大金を奪われた79歳の時子。

    娘から責められる彼女の姿が気の毒でならない。

    情報弱者になる事も、認知機能の衰えも、誰もがいずれ辿る道だ。
    突然の出来事に冷静さを保てる人など、どれほどいるだろう。

    そんな時子が、自宅の固定電話で「おはなし電話」を始める。

    話し相手を求め電話を掛けてくる人々への時子の眼差しが温かい。
    寂しさを抱える彼女だからこそ生まれる優しさに、胸がじんわりと満たされた。

    私も時子さんと0874(おはなし)したくなった。

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    2026年07月20日
  • 普通の子

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    ネタバレ

    子供を持つ身として他人事ではないと、とても考えさせられる内容でした。
    子供がいじめにあったらと思うと不安だけれど、もしいじめをする側だと考えると恐ろしい…自分だったらどう言葉をかけるのかなと考えながら読みました。
    子供時代って学校が全てのようなものだし、善悪もきっと曖昧で視野も狭く客観的できないことの方が多い、だからやっぱり大人がしっかり見るべきで気づくべきで我が子との対話を大切にしたいなって思いました。

    主人公の言動に違和感や苛立ちを覚えつつも、子供を心配して思う気持ちは理解できると思っていたらまさかの、、違和感はこうゆうことかと。主人公は加害者である自覚が全くなかったと言うことですね。
    自分は比較的平和な学生生活を送っていたと思っているけれど、もしかしてどこかで誰かを傷つけていたのかもしれないと思い直すきっかけになりました。

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    2026年07月14日
  • 普通の子

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    最後のメールにやられた。この話の本体だと思う。
    加害者側は、自分がやったことを大したことじゃないと思っていたり、そもそもやったことを覚えていなかったりする。でもやられた方はおおきな傷としていつまでも残る。

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    2026年07月11日
  • おはなしの時子

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    歳をとるとこういう気持ちになるのかな、と考えさせられるお話。
    読み終わった後にとても温かい気持ちになれるお話。

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    2026年06月28日
  • それでもまた誰かを好きになる~うまくいかない恋 アンソロジー~

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    ちょうど彼氏にフラれたところで、タイトルが自分のことのように感じて読み始めた。
    特に面白かったのは「不機嫌依存症」と「出会い」。「不機嫌依存症」は共感はできないけど、ちょっと自分にもこういうところがあったんじゃないかと不安になる話だった。失敗して失ってから初めて自分の過ちに気がつく感じ、フラれてからずっと自分の悪いところを探し続けていた自分にすごく刺さった。
    「出会い」はすごく純粋で切ない感じがよかった。好きな人に近いものを集めてみたりするのわかる。

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    2026年06月27日
  • それでもまた誰かを好きになる~うまくいかない恋 アンソロジー~

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    当たり前だけど、叶わない恋で終わるってやるせないものの方が多いなって思った。

    -人は、寂しさで繋がることができるのだと思った。
    -マッチングアプリでの出会いというのは、好きな人を探しているのか、嫌いじゃない人を探しているのかわからなくなる。

    この2つのフレーズが、今の私にはとても刺さった。

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    2026年06月24日
  • 普通の子

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    ものすごく現実を感じられた。子どもたちにとってはとても身近な話。
    いじめた側ってそんな昔の事で済んじゃうんですね。いじめられた側は一生抱え込んでいくのに。
    母親は自分が可哀想だった。としか言ってるようにしか聞こえない。
    主犯格のアケミだって普通の子だったけれど、置かれた場所によって変わってしまった。
    結局は環境なのかな。

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    2026年06月23日
  • 普通の子

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    どこにでもいる、普通の子、とは。

    普通の子、だった女の子は母親になり、仕事も子育ても頑張る普通の親、になった。
    普通の親の、普通の子、である息子はある日急に学校のベランダから飛び降りた。

    飛び降りた理由を必死に探る母親の姿は、傷ましくも共感できる。しかし物語が展開するに従って、この普通の母親のいびつさが、段々と輪郭を表していく。

    内容も展開もすばらしいのだけどとにかく読後感が悪い。特に最後のページはぐさりと胸を刺されたような痛みが残る。それも含めておそらく作者の意図通り。

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    2026年06月11日