朝比奈あすかのレビュー一覧

  • ななみの海
    大学受験を目指していた頃、友達関係や家族関係、いろいろ同時並行で悩んでいたことを思い出した。多感なこの頃に、どのような大人に出会うのかは、本当に人生を左右する。
    また、他の人からみたらあれ?と思いような決断も、本人の満足度や幸福の基準とは違うこともある。
    難しいよね。難しいけど、悩み抜いて自分の決断...続きを読む
  • ななみの海
    親がいる当たり前が当たり前でない環境。親がいてもネグレクトされていたり、そんな環境下で真っ直ぐ未来に向かって生きようとするななみに、ただただ心を突き動かされた。
  • 君たちは今が世界
    「女子、怖ええ」っていうのが最初の感想。いつもながら、するどすぎる観察眼で、朝比奈さんも実際こういう小学校生活を送っていたんだろうなあと思わせる。「こんなものは、全部通り過ぎる」というのは彼女自身が思っていたことなんじゃないかなあと思ってしまうほど、リアルだった。かなり息苦しいストーリーではあるが、...続きを読む
  • 君たちは今が世界
    娘の夏休みの読書感想文用に。
    その前に私が気になっていて読んでみました。
    大人が分かっているようで分からない子供の世界をこっそり覗いているような気分になりました。その単純なようで複雑な、幼稚なようで残酷な、私も昔々に少なからず感じてきたザワザワを見せられているようでドキドキしました。そこに登場する親...続きを読む
  • 君たちは今が世界
    キョロ充、陰キャ、発達障害、ヤングケアラー、私たち大人がつけた名前を、彼、彼女達はまだ知らない。
    箱庭を覗くような読書体験だった。
    時代も、都会度も全然違うのに、自分がかつて居た教室と同じものが揺蕩っていて、それが分かる私は、まだ、ここから抜け出していないのではないかと思って怖くなる。
  • 翼の翼
    一人息子の中学受験。成績で一喜一憂する教育ママに変わる、ある意味恐い小説。

    誰のために、何のために、受験するのか。
    子供自身の希望なのか?親の誘導はないか?子供が親の顔色を伺っていないか?祖父母からのプレッシャーはないか?子供自身本当に受験を希望しているのか?そこの中学校で何をしたいのか?受験を途...続きを読む
  • 君たちは今が世界
    中学受験によく出たと有名な小説。同世代の子どもを持つ親として、読んでいてちょっと痛かった。
    出てくる子どもたち、どの子もそんなに悪い子ではないんだろうけど、何かどこか欠けていて。そんな子たちは、小学校という小さな世界、それが全てのように生きている。
    ひたすら小さな悪意に満ちて読んで痛くなる展開なのか...続きを読む
  • 君たちは今が世界
    「翼の翼」で知った朝比奈さん。
    タイトルに惹かれて手に取りました。

    小学6年生の、とあるクラスを描いた小説。
    章ごとに異なる児童に焦点を当てているのですが、その誰もが「あぁ、こういう子いたなぁ」と思わせる子。それくらい、大人になった今となってはどの学校にも1人はいると思える普通の子。
    けれど、自分...続きを読む
  • 人間タワー
    2年ぶりに再読。2年前は読んでいてふーんとしか思わなかったけど、今は色々と思うことがいっぱいあるかも。沖田先生は教師として公平にかけるし、とにかく厳しくやればいい、いつでも私が正しいみたいな感じで怖い。絶対にこういう人が担任は嫌ですねー。出畑くんは勘がいい。島倉先生はこの本で唯一成長する人だな。
    ...続きを読む
  • 人間タワー
    朝比奈さんは、学校を中心にその周囲を描くのがとても上手いと感じる。
    よくある出来事、人間だからこそ大きな何かは起こらないけれど、自分の今までのことを思い出すきっかけになってくれる。
  • 君たちは今が世界
    小学生の頃、学校で友達がいないことや仲間外れにされることは恐怖だった。隣のクラスが荒れて先生が休職してしまったのも怖かった。
    まさに「今が世界」で毎日が緊張に満ちていたことを読みながら追体験するようで、ハラハラしました。実際にこんな状況にある子どもたち、先生、親がリアルに存在するんだよね。
  • ななみの海
    大人にも刺さる青春小説。

    主人公は児童養護施設で暮らす高校生のななみ。
    医学部進学を目指し勉強にアルバイトにと精を出す。

    仲が良い友人もいてダンス部の活動にも全力投球。
    こう書くと在り来たりな青春小説の様だが、施設という環境にいるが故の、鬱屈とした思いを抱える主人公の心の機微に触れた描写は秀逸。...続きを読む
  • 君たちは今が世界
    リズム良く読める。
    あーいるいるこういうやつっていうのがいっぱい。自分にも当てはまる。
    小学生に読ませるのがいいかも
  • やわらかな棘
    ちょっとずつ繋がってる短編集。

    どの章にも響く言葉があったし、共感する部分も多かった。

    やはり最後の弟が亡くなった姉の章が
    切なくて、似た体験をしたことがあるから
    分かる部分もあって、思わず涙が出た。

    初めて本に折り目をつけた。
    すごく胸に響いたほんでした
  • 君たちは今が世界
    すごく面白く、読みやすかったし、共感できるところも多々あった。
    どうして表紙の絵が鳩なんだろうかと思っていたが、読み進めるとわかった。
    折り紙を折るのが上手な武市は、きっと発達障害なんだろうなと思った。
    その時の様子だけでその人を決めつけるのは良くないなと思った。人は変わるのだから。
  • 君たちは今が世界
    いろんな子にいろんな事情がある。
    言葉や行動のウラ側を想像できるような人になりたい。ほのかちゃんのように自分以外の人の幸せを考えられる人になりたい。
  • 君たちは今が世界
    重松清さんの、「きみの友だち」に通じるものがあるオムニバスだと思った。

    最初の章はとにかく「いやなかんじ」がするのだけど、でも各章絶妙な終わり方で、読後が悪くない。

    どこかで教室で起こったことをすべてわかってくれる存在がいて、言えないことも全て汲み取ってくれて、スカっと勧善懲悪してくれたら気持ち...続きを読む
  • ななみの海
    育った環境と善行悪行は関係がないというのは本当にそうなのだろうか、と改めて考えを巡らせる。

    少なくとも人格形成には影響を及ぼしているのだから無関係とはいえないのでは?そんなふうに思える、色々な子どもたちが出てくる。

    施設にいられる子どもたちは恵まれている。気付かれていない人、条件が伴わない人、そ...続きを読む
  • ななみの海
    人が人を想う気持ちや、この子のために何かをしてあげたいと思ってそれを行動に移す尊さの前には、関係性の差異など霞間ないか。
  • 君たちは今が世界
    時を経たからこそ
    響く言葉がある。
    時が過ぎたからこそ
    染みる想いがある。
    時が移りゆくからこそ
    救われる心がある。