朝比奈あすかのレビュー一覧

  • 憧れの女の子
    甘いタイトルにつられて読んでみれば苦い物語の連続。人の心のこんなところまで踏み込むんだ、という描写にうなりました。
  • 憧れの女の子
     ジャケット、タイトルから、普段自発的に読むタイプの本ではないかな…と読まずに避けていたのがもったいなかった!というくらいに、巧い。
     表題作「憧れの女の子」の、相反する気持ちが素直に同居している登場人物たちや白とも黒ともつけられない出来事の描写にリアリティが詰まっていて沁みた。
     「ある男女をとり...続きを読む
  • 天使はここに
    高校卒業以来ずっとファミレスで働き続ける真由子。アルバイトから契約社員にはしてもらったものの、無理解な上司やクセのある大学生バイトたちがたくさんの職場は、なかなか良いようにばかりは回らない。そして朝食をよく食べにくるお爺さんの様子が変わり出してから、彼女も少し、変わり出すことになる…

    普通に真面目...続きを読む
  • 天使はここに
    今まで読んだ朝比奈あすかさんの作品の中では、
    一番 ソフトなかんじでしたね。

    高校時代からアルバイトをしていたファミレスで、
    契約社員として働く真由子。

    正社員にもしてもらえず、責任だけ負わされ、
    仕事量は増えているのに、お給料には反映されない。
    最近よく聞く、ブラック企業のような…。

    この真...続きを読む
  • やわらかな棘
    生きていくことは面倒で苦しいことだ。救ってくれるのは、友人でも愛する人でもなく、自分の気持ちだ。普通にどこにでもいる女性たちの心の苦しみを描いた連作小説。
    異性なのでよくは分からないが、おそらく等身大の女性たちが主人公。家庭内でも社会生活においても、人間関係はわずらわしく面倒だ。登場する女性がとても...続きを読む
  • 闘う女
    バブル期に名門女子大入学したひとみは、大学を卒業後、出版社に入社する。
    恋愛、結婚、育児、離婚、仕事、と、2012年現在まで、ひとみは闘い続ける。

    ひとみと一緒に、半生を歩んだような気持ちになりました。
    ほぼ同じ世代を生きてきているので、懐かしいフレーズもたくさん。
    IT機器の進化、人との繋がり方...続きを読む
  • 天使はここに
    全国チェーンのファミレスエンジェルズ ダイニングで働く真由子

    真面目でやさしく、欲がない。
    真由子こそ天使だけどあまりのひとのよさにいらっとする場面もあった。
    真面目に働くひとが報われる世の中なら暮らしやすいのに。でもどこでも一定にサボるずるい人っているからなぁー。
  • やわらかな棘
    15/11/30
    復讐の話、もうちょっと読みたかったけどそのもうちょっと読みたいくらいがきっといいんだよね。「春待ち」はじんときました。“いつかは生まれかわって、知らない人になって知らない人と、この夕陽を見ることができるんだろうか。” (T_T)
    それから『誕生日は祝われる日ではなくて、感謝する日な...続きを読む
  • 天使はここに
    15歳でファミレスのバイトから始まり契約社員となり現在は正社員を目指している女子のお仕事小説。
    仕事に対する情熱が半端ない。
    ちょっと怖いくらい。余りにも真摯に顧客と向かい合っているので物語の前半は感情移入出来ない。正直言って、こんなやつおらんで!という世界だ。
    大学生のアルバイトって接客業は基本有...続きを読む
  • 彼女のしあわせ
    *長女・征子は百貨店の幹部社員。独りで生きると決めてマンションを購入した。次女・月子は専業主婦。幼い娘を放り出しブログの世界に逃避している。三女・凪子は姉たちにも告げていない体の秘密を抱えたまま結婚した。母・佐喜子は夫と姑への我慢が限界に達し、ついに家出をする。それぞれの傷を抱えて生きる四人の女性の...続きを読む
  • 彼女のしあわせ
    昔読んだ本で、もう一度読みたくなり文庫を購入。

    それぞれに何かしら傷を持っていて、でもそのどれもがなんとなくわかる。

    昔読んだときは月子に一番近かったけど、今は母親の佐喜子が一番「わかる」。
    姑にそんな命令されて、夫も何もしてくれないんじゃあ、そりゃ速攻家出でしょう!
    凪子の最後の手紙では、佐喜...続きを読む
  • 声を聴かせて
    過去の大きな喪失を引きずる母娘を描く表題作「声を聴かせて」と、幼稚園の人間関係に追い詰められ孤独感に苦しむ母親を描く「ちいさな甲羅」の中篇二作を収録。
    心理描写の巧みさに圧倒される。登場人物の気持ちが伝わって心が重くなる。息苦しくなる。結末も決して明るいものではない。作者のメッセージと力量がストレー...続きを読む
  • 彼女のしあわせ
    「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです。」という強烈な言葉からはじまる三人姉妹と母親の四人の女性の物語。
    各々が現状への不満や将来への不安を抱えながら、自分は今幸せなのか、幸せになるにはどうしたらいいのかを見つめ直す。そして、最初の言葉の本当の意味に気づいた時、心の持ちように変化が生じ...続きを読む
  • 彼女のしあわせ
    女性のしあわせってなんだろう?
    三姉妹とその母親のそれぞれのストーリー
    どの彼女にも共感する部分がある。私も女二人姉妹、長女の征子と立場は同じだけれど、それほど強くはなれないなぁ〜とも思う。
    四人それぞれ、今後、どう歩んでいくのかも気になります。
  • BANG! BANG! BANG!
    朝比奈あすかさんが描いた友達をなくした中学時代の危うい少年の物語とその少年が惚れていた少女が大人になってまた危うい精神バランスで生きている生きているという同じ登場人物だがセンターに来る人間をかえ、時代をかえ描いた面白い試みでもって、柔らかい心を持った人の脆くもはかない人生の日々をうまく描き出している...続きを読む
  • 密やかな口づけ
    宮木あや子さんの作品が入っているので、買ってみました。

    女性作家の書く官能小説は、変にねちっこかったり、興ざめするようなところがなく、きっちりと書かれている感じのするのが、良いところかな・・・。

    男性の描くそういったシーンは、女性からすると、流れとか色々と都合が良すぎて、「ないわー」と、あきれて...続きを読む
  • BANG! BANG! BANG!
    还有(现在的)我孩子的心。知道、知道。话接连着。テラビシアは外面からみた子供心、これは内部の葛藤が行動にこぼれ出る児童心かな。意外な進行で
    面白かった。
  • 彼女のしあわせ
    女三姉妹と、母の話。
    幸せは、人それぞれ。

    『欲しいものが全部手に入るとは限らない。』
    読み始めと、読み終わった時には、違った響き方をしています。
  • BANG! BANG! BANG!
    親友のばんちゃんを事故で亡くし、
    それ以来クラスと孤立し誰とも口を利かなくなった三沢。

    女子からはきもいと言われみんなからいじられていたばんちゃんが
    運営していたサイトと、クラス掲示板に書き込まれる根拠のない噂と擁護の言葉。

    年老いて周りを振り回すおじいちゃんと、早くして死んでしまったば...続きを読む
  • 自画像
    女性が婚約者に語りかける形で(というよりほぼ独白に近い形で)、とある私立中学での学校生活がつづられていく。学校生活の内容、特にスクールカーストに関する描き方はえらく解像度が高く、あぁこういうことあったな…こういう奴いたな…と思春期の記憶が掘り起こされる。
    目を背けたくなるような内容でも、読み進めなけ...続きを読む