あらすじ
長女・征子(せいこ)は百貨店の幹部社員。独りで生きると決めてマンションを購入した。次女・月子(つきこ)は専業主婦。幼い娘を放り出しブログの世界に逃避している。三女・凪子(なぎこ)は姉たちにも告げていない体の秘密を抱えたまま結婚した。母・佐喜子(さきこ)は夫と姑への我慢が限界に達し、ついに家出をする。3人姉妹と母親、それぞれの傷を抱えて生きる4人の女性の哀しみを包み込む物語。
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Posted by ブクログ
3姉妹とその母の物語。
30代後半まで独身で仕事頑張ってて、その後結婚して今2児を育てている私は、独身バリキャリの長女征子と、子持ち主婦の次女月子のどちらにも共感できた。
それぞれの女性の立場で感じる感情、気持ちの揺れ、そういったものを表現するのがとても上手い。
朝比奈あすかさんの書く文章、とても好き。
4人だけでなく、月子のママ友のハナママや元外科医の相沢さん、佐喜子の叔母ユキナの人生についても聞いてみたい、と思った。
姉妹であっても三者三様の生き方をそれぞれ送っている。
本当に欲しいものは手に入らないもの。皆何かを諦めたりして自分を納得をさせながら人生を生きている。
傷ついても力強く生きている彼女達の幸せを祈らずにはいられない温かな作品でした。
Posted by ブクログ
本屋で帯の「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです」に思わず手に取ってしまった。
母と3姉妹(36歳独身キャリアガールの征子、35歳子育てや環境に鬱屈しブログで現実逃避の月子、27歳の子供が産めない新婚の凪子)それぞれの苦悩、隣の芝生は青く見えて羨んだり、自分を卑下したり色々な思いが交錯。誰でも心の奥底にひとつやふたつは共感できる部分があるだろうな。何の曇りも無く「幸せ」と言えなくても「不幸せ」でもなく、それでも少しずつ前向きに考えられるようにしてくれる様な気がする本。
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征子·月子·凪子の3姉妹と母·佐喜子、それぞれの物語。
家族だからこそ言えない本音や、見えない相手の気持ち。
それでも家族っていいなと思った。
それぞれが気付く自分らしいしあわせ。
しあわせは案外近くに転がっているのかもしれない。
読み終わったあと、なんだか私もウキウキと嬉しくなった。
Posted by ブクログ
以前に読んだことがあるような…多分再読。
3姉妹と母4人の女性それぞれの立場や状況、幸せとは?誰が一番幸せ?と問いながら読んだけど、、
姉妹や親子でもなかなか寄り添って親身にはなれないものだ。
それでもいざという時には身内は強い味方になると思う。
そして幸せは他人にははかれないもので、自分で感じるものだと思う。
Posted by ブクログ
おもしろかった! 母と3姉妹のありようにそれぞれ共感できるという…タイプ違うのに。描き方がうまいのか、自分が長く生きてきたからなのか。
先日読んだ作品もおもしろかったし、引き続きこの作家さんの本を読んでみよ。楽しみ〜♪
Posted by ブクログ
征子、月子、凪子の三姉妹と母、佐喜子のそれぞれの話
月子、母 佐喜子の話に共感 夫の転勤で田舎の町に引越した月子知り合いもいない土地での子育て…ブログで理想の世界を作り現実逃避…夫ともうまくいかない…ある日娘が突然吐いた時「なぜトイレで吐いてくれないのだろうと苛立った」理想の世界作りに没頭して、「娘の心が弱っていた事に気づかなかった、娘のを声を、顔を、たくさんのサインを見なかった」心に余裕がないから、いつもピリピリしてしまう…
辛いよね…ゆったりと子育てできればいいんだってわかってるけどね…
Posted by ブクログ
*長女・征子は百貨店の幹部社員。独りで生きると決めてマンションを購入した。次女・月子は専業主婦。幼い娘を放り出しブログの世界に逃避している。三女・凪子は姉たちにも告げていない体の秘密を抱えたまま結婚した。母・佐喜子は夫と姑への我慢が限界に達し、ついに家出をする。それぞれの傷を抱えて生きる四人の女性の哀しみを包み込む物語*
「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです」。女性なら誰でも一度は感じる葛藤や悩みがリアルに描かれ、とにかく巧い。これを読んだ年齢によって、共感出来る人物が変わるだろうな。
Posted by ブクログ
昔読んだ本で、もう一度読みたくなり文庫を購入。
それぞれに何かしら傷を持っていて、でもそのどれもがなんとなくわかる。
昔読んだときは月子に一番近かったけど、今は母親の佐喜子が一番「わかる」。
姑にそんな命令されて、夫も何もしてくれないんじゃあ、そりゃ速攻家出でしょう!
凪子の最後の手紙では、佐喜子はまだ夫とそれなりに仲良くしてるらしいけど、そんなもんかなあ。
私は、夫にあんな暴言吐かれたら、一生もんのキズになるよ。一生許さない。
私は、「嫁と姑に挟まれた夫は、なにがあっても嫁の味方をしなければならない」と勝手に思ってるので。
Posted by ブクログ
「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです。」という強烈な言葉からはじまる三人姉妹と母親の四人の女性の物語。
各々が現状への不満や将来への不安を抱えながら、自分は今幸せなのか、幸せになるにはどうしたらいいのかを見つめ直す。そして、最初の言葉の本当の意味に気づいた時、心の持ちように変化が生じるという展開である。
ドラマチックな出来事が起こるわけではないが、しっかりと地に足のついたストーリーにとても好感が持てる。
Posted by ブクログ
女性のしあわせってなんだろう?
三姉妹とその母親のそれぞれのストーリー
どの彼女にも共感する部分がある。私も女二人姉妹、長女の征子と立場は同じだけれど、それほど強くはなれないなぁ〜とも思う。
四人それぞれ、今後、どう歩んでいくのかも気になります。
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女三姉妹と、母の話。
幸せは、人それぞれ。
『欲しいものが全部手に入るとは限らない。』
読み始めと、読み終わった時には、違った響き方をしています。
Posted by ブクログ
3姉妹と母、女性の生き方4パターン的な。
どの生き方も共感ポイントはあるし、それは違うかも、てな部分もある。
結婚するかしないか、子を持つかもたないか、母であること、妻であること、女な人生いろいろ。次に生まれるときも女がいいなと思う。
Posted by ブクログ
一人で生きていくことを選択し、マンションを購入してしまった長女。
田舎町でのひとり孤独な育児に、次第に追い詰められていく次女。
夫とふたり仲良く暮らしながらも、姉たちにさえ言えない過去を背負っている三女。
はたから見れば充分幸せそうなのに、どこか空虚な三姉妹の日々。
主人公の三女は 『本当に欲しいものは手に入らない・・・』というけれど
手に入らない物を欲しがり続けても、そこに幸せは見つからないはず。
目の前のことから逃げずに、ひとつひとつ小さな事を積み上げていくような
ささやかな生活の中にしか本当の幸せはないのだから。
いくつになっても
迷ったり、泣いたり、後悔したり女の人生は大変だけれど
いい歳をした(失礼!)三姉妹の母親までもが
『自分の人生これでいいのか・・・』と迷い出す場面には
思わず笑ってしまいました。
三姉妹+その母の最後にみせる生き方が素敵です。
大人の女性におすすめの一冊。
Posted by ブクログ
「主張は『ない』のではなくて、見せてこなかったのだと今は分かる。」
主張しないといけないとき。
見せるべきではないとき。
見極めて生きていくって難しい。