あらすじ
自分を裏切り別の女性との結婚を決めた彼への復讐を誓う晴美、盛大な結婚式を挙げ高級マンションに住むもなぜか満たされない奈那子、子供を育てる自信がもてない母親・亜季。強がったり、見栄をはったり、嘘をついたり。幸せそうに見えるあの人も、誰にも言えない秘密を抱えてる。女同士は面倒くさい。生きるって面倒くさい。だから、みんな一生懸命。
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Posted by ブクログ
棘ね…相手に向く棘、受ける棘、自分に向ける棘。
読んでいて苦しいような、嫌な感じのような、もがくような、色々チクチク刺さるものあれど、何処かに泣きたくなるような優しさ。この人の作品は痛みと優しさを伴う。
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短編同士が、少しずつリンクしていて、同じ世界なのが良かった。
いろんな人がいろんな思いを抱えて生きているな〜と思った。
私は私。頑張ろうっと、心に栄養が補給されました。
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人間の嫌なところがよくわかる作品。柔らかい棘ではなく深く突き刺さる。柔らかいほうがいつまでも痛いからかな。
恋人が逆玉結婚、捨てられた元カノがしたこと、狂気じみていく様子が恐ろしくも現実的。
その逆玉の相手は大富豪の孫、奈那子。彼女の双子の姉、奈津子は見た目も性格も正反対。奈津子の働く幼稚園にいる美雨とその母、祖母の話は明るい兆しが見え3人が良い人生を歩めるといいなと思う。アパートの隣同士に住むのもすてき。
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やわらかい棘は致命傷にはならない。
ならないからこそ、誰にでも持ち得る武器に共感。
「素」である人間が自己を守る為の無意識の虚勢。
元恋人への復讐心、血の繋がる家族への憎悪、
青春時代共に過ごした友へのマウント。
見つめ直した時に、自分に棘があることを自覚して、
他者の棘を把握して、見守ることが最大の愛。
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ちょっとずつ繋がってる短編集。
どの章にも響く言葉があったし、共感する部分も多かった。
やはり最後の弟が亡くなった姉の章が
切なくて、似た体験をしたことがあるから
分かる部分もあって、思わず涙が出た。
初めて本に折り目をつけた。
すごく胸に響いたほんでした
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4つの話。
やわらかな棘という題だから、軽めの復讐ものかと思って読み進めたけど、ドロドロはほとんどない。
辛かったけど、頑張る的な応援したくなるような四つの話。
第一章「まちあわせ」は、付き合ってた彼氏に裏切られ復讐を考えている晴が主人公。
第二章「ヒヨコと番長」は、裏切り者の晴の元カレと結婚した奈那子のお姉さんの話。
面白かった。
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最初の章で「うわぁ重すぎじゃない?」と思いました。ここまで一線を越える女性は稀なんじゃないかとも思ったし、こんな男も、いくらなんでも稀なんじゃないかと。
・・・いや、もしかしたら結構いるのかな?
次の章で、あ、これは短編連作なんだな。と気づいたあたりから、がぜん面白くなりました。
この棘は誰でも持ってるものなんじゃないかな。と思える章もあったし、苦々しく感じる章もあったけど、これは最近の中ではヒットな本です。
いろんな意味で、素直に面白かった。
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生きていくことは面倒で苦しいことだ。救ってくれるのは、友人でも愛する人でもなく、自分の気持ちだ。普通にどこにでもいる女性たちの心の苦しみを描いた連作小説。
異性なのでよくは分からないが、おそらく等身大の女性たちが主人公。家庭内でも社会生活においても、人間関係はわずらわしく面倒だ。登場する女性がとても身近に感じるので、その棘の痛みもストレートに伝わってくる。故にタイトルの巧さは秀逸だ。
Posted by ブクログ
15/11/30
復讐の話、もうちょっと読みたかったけどそのもうちょっと読みたいくらいがきっといいんだよね。「春待ち」はじんときました。“いつかは生まれかわって、知らない人になって知らない人と、この夕陽を見ることができるんだろうか。” (T_T)
それから『誕生日は祝われる日ではなくて、感謝する日なんだ。お腹を痛めて、うんと頑張って、この世界に送り出してくれてありがとう、お母さん』て似たような言葉、市川拓司の小説でもあったけど、こういう考えすてきだと思います。
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人は誰でも見えないところに秘密や悩みといった棘を抱えて生きている。各章で一人ずつ女性に焦点が当てられているが、女性たちの間に何かしらの関係があることで、前の章でわからなかったことが次の章でわかったりして面白かった。浮気、不倫、自殺、摂食障害... 出てきた問題は自分にとって身近なものではなかったが、それでも登場人物に感情移入してしまい、親近感が湧くような作品だった。人は人、自分は自分、世の中にはいろんな人がいるけど、自分の人生を大切にしようと思った。
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登場する人物が少しづつ絡み合い、あれ、これ誰だっけ?と何度かページを戻したり。途中、幼稚園児目線で平仮名だったりしたけれど目線が極端に変わるのには効果的だったかな。登場する人物それぞれに想いがあり人生色々だな、一気に味わえる読書の醍醐味を味わえた。
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うわぁ重たい。重たかった。
そういう人生もあるよね、と思うけど。
たいていはとてもかけ離れたものに感じた。
まぁこれからどうなるかなんて、自分でもわからないけれども。
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ほぼ他人、でも少しずつ接点がある人たちのオムニバス。
人にはそれぞれ事情がある。恋人がお金持ちの若い女の子と結婚したり、弟が自殺したり、自分の家柄や要領良く生きる双子と距離を取りたかったり、若くしてシングルマザーになって改めて自分の母について考えたり。
それぞれの悩みを抱えながら、人と関わっていかなければいけないし、その誰かもまた悩み苦しみながら日常は回っていく。
時間が解決するのをただ待つしかないのかもしれない。
Posted by ブクログ
どの章の主人公にも共感はしなかったけど美雨ちゃんがママに「ありがとうは?」とせかされるのが嫌な気持ちはわかる。子どものときを思いだした。わかってるよって。せかさないでって。比呂人には早瀬じゃないけど、ざまあみろ(笑)と。第3章「美しい雨」では第2章「ヒヨコと番長」の奈津子と隼人が結婚したり幼稚園の先生になろうと勉強を始めたのがわかってうれしかったです。最後は早瀬が少しずつ元気になっていけそうな終わりかたでよかった。
Posted by ブクログ
一話完結かと思いきや、登場人物が重なっていて、気になる人たちのその後がわかる感じの話でした。
とりあえずヒロが不幸せそうでよかった(笑)
「美しい雨」では、私も喜多さんみたいな態度の人を「ちょっと……」と思ってしまってたけど、確かに子供を守れるのは親しかいないんだよなあ。