朝比奈あすかのレビュー一覧

  • 人生のピース
    34歳独身3人組仲良し女子が1人の突然の結婚宣言に驚いて婚活を始めるお話。何かキッカケが無いと思い切りがつかない落ち着く一歩手前の34歳。
    まず年齢設定が絶妙。
    3人組のそれぞれの個性が絶妙。
    3人のオチも三者三様で絶妙。
    特に主人公の妙にひねくれた、それでいて周囲に甘えたい微妙な感情を丁寧に描いて...続きを読む
  • 憧れの女の子
    ある男女を取り巻く風景

    は、自分がいかに性役割が潜在意識にあったのかを感じさせられた。
    口では男女平等だとは言うけど、根底の意識ってなかなか変わらないもんなのかな
  • 憧れの女の子
    はじめての作家さんの短編集。
    すごい。なんというか、話のつくりもテクニックも文章も上手で衝撃を受けた。自分の中にある男女の固定観念を突きつけられたり、色んな意味で男女の違いを考えさせられたり。女性を書くにあたっての視点も面白い。
    「ある男女を取り巻く風景」のテクニックに圧倒され、「リボン」のメッセー...続きを読む
  • 天使はここに
    ファミレスを舞台にしたお仕事小説。
    表紙のイメージとは違う、常にザワザワした気持ちで読み続けたストーリーでした。
    真面目に一生懸命に仕事に向かう真由子。
    そのせいで、貧乏くじを引くことも多く、周りからも都合のいい存在として扱われてしまう。
    ファミレスの同僚の中には、少しの悪意を持つ人達もいて、明るい...続きを読む
  • 憧れの女の子
    女の子をどうしても産みたい、その一心で産み分けに躍起になる妻を描いた表題作を含んだ全5篇の短編集。

    「ある男女をとりまく風景」は秀逸!やられた!
    「弟の婚約者」も、女性の狂気じみた感情が細かく描写されててゾクゾクしながら読んだ。
    リピートしたい一冊。
  • 憧れの女の子
    典型的な帯買い(帯を見て惹かれて買った)した本。そして帯を信じて買ってよかった、と思った本。

    「次は女の子を産むわ」と宣言して産み分けに必死になる妻を、言い表せない違和感を持ちながら見つめつつともに暮らす夫が主人公の表題作。その他四編。
    全てにおいて、ハッピーエンドではないけれど希望が見えないわけ...続きを読む
  • 憧れの女の子
    推薦者(宮下奈都さん)買いしたものの、幸福な出会いだと思う。

    物語はとつとつと進み、派手な事件が起きたりはしないけど、丁寧に描かれた文章なのかなと思うけど、とてもするりと気持ちに入ってくるカンジ。

    物語の機微を楽しめる。

    「ある男女をとりまく風景」は叙述的トリックというか、そのギミックに目を奪...続きを読む
  • BANG! BANG! BANG!
    最近、ハマって読んでいる朝比奈あすか。

    どの本も読んでみたいと思える作家さん。おもしろいっっ。

    BANG!BANG!BANG!の方、書き込みしてたのがじいちゃんだったというあたり、いやいや、そりゃないな、、、とガクっときたけど。

    トン骨とジュリアンが、BANG!と繋がってると、気づかずに読...続きを読む
  • 彼女のしあわせ
    本屋で帯の「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです」に思わず手に取ってしまった。
    母と3姉妹(36歳独身キャリアガールの征子、35歳子育てや環境に鬱屈しブログで現実逃避の月子、27歳の子供が産めない新婚の凪子)それぞれの苦悩、隣の芝生は青く見えて羨んだり、自分を卑下したり色々な思いが交錯...続きを読む
  • やわらかな棘
    棘ね…相手に向く棘、受ける棘、自分に向ける棘。
    読んでいて苦しいような、嫌な感じのような、もがくような、色々チクチク刺さるものあれど、何処かに泣きたくなるような優しさ。この人の作品は痛みと優しさを伴う。
  • 君たちは今が世界
    幼い頃は、今いるこの世界が自分の全てって思ってた。てことを、この本を読んで鮮明に思い出した。だんだんと大人になって社会に出ると、自分がいた世界は思ったよりちっぽけだったと気付く。常に自分が今いる会社や、住んでる家が世界の全てじゃない、もっともっと世界は広いから大丈夫。って、何かあるたびに思えるように...続きを読む
  • ミドルノート
    30代の女性の悩みや生活がやけにリアルで読んでいて少ししんどさがあるもののここまでリアルな作品が凄いと思いました。読んでいるうちに共感してどんどん自分もその悩みの最中にいるような感覚すらあります。けれどどうにか頑張って明日も生きていく姿に少し勇気を貰う作品でした。
  • 翼の翼
    その行動、言葉がけは 子どものため?
    それとも、親である自分のため?

    しんどい本でした。
    子どもは親の期待に応えたいから。それが分かっていながら子どもをコントロールしてしまう親。
    たぶん、どの親もそんな部分が全然ないということはないと思う。
    でも、子ども自身を潰すほど行き過ぎると、つらいですね。
    ...続きを読む
  • ミドルノート
    アラサーの同期女性4人を中心に、それぞれのライフスタイルや心の葛藤を描いた小説。

    ミドルノートは、本当の香りと言われることの多いラストノートの前段階の香り。彼女のうちの一人は、迷ったり苦しんだりいろいろある「ミドルノート」の段階だと自分たちを捉えている。まだ本当の自分ではない、と思ってる。
    本当の...続きを読む
  • 君たちは今が世界
    小学校教諭を目指している今、書店で目に入って最初は素通りしたけれどどうしても忘れられなくて最後にあらすじを読んで即購入を決意。

    うん、いるいる。こーゆー子たちいる。という感情と共に今どきこういう小学生いるの!?とビクビクする場面も、、(笑)

    数人の視点から描かれているお話。私は教員という目線で読...続きを読む
  • 翼の翼
     朝比奈あすかさんの作品を続けて読むことに…こちらの作品の大きなテーマは“中学受験”。ひとり息子の翼が、大手進学塾の一斉テストを受けたことを機に、“中学受験”への意識が高まったことを受けて、翼の気持ちを蔑ろにするほどの無理を強い、また家庭をも崩壊の危機を迎えてしまうのだが…。

     この作品では息子翼...続きを読む
  • 君たちは今が世界
     受験シーズン到来ですね。受験生の皆さんに「桜咲く」の吉報が届くよう祈念いたします!
     本作は、2019年に刊行されると、多数の難関中学入試の国語問題として出題され、話題となったそう‥‥。小・中学生に限らず、若い方やその親御さん世代の方にも読んでいただきたい一冊です。
     
     6年3組が舞台で各章が独...続きを読む
  • ななみの海
    児童福祉施設で暮らす少女の話。爽やかな青春ストーリーで読後感もよかった。
    作家の外山薫(窓際三等兵)さんが、ブックサンタ企画で施設の子どもたちに送った本にこれが入っているのもよかった
  • 翼の翼
    中学受験は親の受験と言われるがこの本を読むとそれがよくわかる。
    私は自分自身も親としても中学受験は経験したことがないが、高校受験、大学受験を経験した親としては、この母親の気持ちもわかる。中学受験ならなおさら本人よりも親の方が力が入ってしまうのもわかる気がする。
    途中はとても切なかったが最後はすっきり...続きを読む
  • 翼の翼
    中学受験は、親の関与が必須と言われている。子供間の偏差値競争の一方で、母親同士のマウントの取り合い、両親間での価値観の相違からくる意見の食い違い、育てられ方の違いによる育て方の違いなど、さまざまな角度で人間性が問われる。細かなやり取りの描写が何度となく繰り返され、中学受験生の母親の心の揺れ動きは、ま...続きを読む