朝比奈あすかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よくいる子供達の日常を、妙にリアルな心理描写と共に描く作品。
この作品に登場する小学生達が普通の子達であるが故に、自分の子供時代にいた周りの友人達に自然と重なっていってしまうのが逆に怖い。
全編を通して子供の持つ無垢な純粋さと残酷さに癒されたり苦しめられたりするせいか、何枚かページを繰るたびに、いちいち考えてこんでしまっていた。
どんな人にも事情がある。
その人の立場になって物事を考えてみよう。
言葉にするのは簡単でも、子供に理解してもらうのは実際かなり難しい。
ただこの作品を子供に読んでもらえたら、親の言葉とは全く違う種類のインパクトを与えられそうな気がする。 -
購入済み
姉妹であっても三者三様の生き方をそれぞれ送っている。
本当に欲しいものは手に入らないもの。皆何かを諦めたりして自分を納得をさせながら人生を生きている。
傷ついても力強く生きている彼女達の幸せを祈らずにはいられない温かな作品でした。 -
Posted by ブクログ
はじめての作家さんの短編集。
すごい。なんというか、話のつくりもテクニックも文章も上手で衝撃を受けた。自分の中にある男女の固定観念を突きつけられたり、色んな意味で男女の違いを考えさせられたり。女性を書くにあたっての視点も面白い。
「ある男女を取り巻く風景」のテクニックに圧倒され、「リボン」のメッセージに泣きそうになった。あえて好きなのあげたけど、本当に全部良かった~~。
人間のマイナスの感情がプラスに働く瞬間を丁寧に的確にリアルに書いてるのもすごい。共感してしまう人は多いのではないかなあ。
シンプルに、年を取るのもいいな、どんな生き方になってもその時々で幸せがあるんだなと、前向きな気持ちに -
Posted by ブクログ
ファミレスを舞台にしたお仕事小説。
表紙のイメージとは違う、常にザワザワした気持ちで読み続けたストーリーでした。
真面目に一生懸命に仕事に向かう真由子。
そのせいで、貧乏くじを引くことも多く、周りからも都合のいい存在として扱われてしまう。
ファミレスの同僚の中には、少しの悪意を持つ人達もいて、明るい雰囲気の場所が舞台のはずなのに、何故かドロドロしたイメージが付きまといます。
真由子の生育環境、同僚バイトのトキの母娘の確執など、気になることが次々明るみになり、ページめくる手が止まりませんでした。
最後は明るい兆しの見える終わり方で読後感は良好。橋輝が気になります。 -
Posted by ブクログ
典型的な帯買い(帯を見て惹かれて買った)した本。そして帯を信じて買ってよかった、と思った本。
「次は女の子を産むわ」と宣言して産み分けに必死になる妻を、言い表せない違和感を持ちながら見つめつつともに暮らす夫が主人公の表題作。その他四編。
全てにおいて、ハッピーエンドではないけれど希望が見えないわけでもないラストが秀逸で、独特な読後感だった。
ちくりと胸が痛むけれど、泣きたいのとは違うような。
“普通”な人間なんてこの世の中にはいないのかもしれない。一見何の問題もなく、何の悩みもないように見えても、その実はわからない。
そして“普通の関係”というものもない。
それぞれ個性がある人間同士の関係 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2011年の本、今ほどSNSが活発ではなかったがネット掲示板の誹謗中傷がテーマのようなお話。
2つの短編集だと思ったら同じ登場人物が出てきて、別の側面からもばんちゃんが見れて良かった。
印象的だったのは
「他人の悪口を言いたいのは人の性だから仕方がない。だけど、言うからには本人の耳に届かぬよう徹底的に注意しろ。本人に聞かせるからには、同じだけ傷つく覚悟をしろ」
「ネットの書き込みと陰口とはまったく違う。陰口は、あたしもいろんな人のことをたくさん言ってきたが、人に向かって喋るぶん、多少は自分を守るし、言葉も選ぶ。顔をなくして吐き出せるネットでは、陰口でも出てこないようなひどい言葉が我がもの