あらすじ
幼なじみのばんちゃんを失い、口も心も閉ざした俺。いつからか、クラスの“裏掲示板”に、そんな俺への悪意が投稿され始める。そんなある日、掲示板に突如、謎のメッセージが投稿される。〈Bくんのことは悲しいじこで誰のせきにんでもない>。……一体、誰が? その日を境に、死んだばんちゃんと裏掲示板を巡る意外な事実が少しずつ明らかになってゆくのだが――。
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Posted by ブクログ
最近、ハマって読んでいる朝比奈あすか。
どの本も読んでみたいと思える作家さん。おもしろいっっ。
BANG!BANG!BANG!の方、書き込みしてたのがじいちゃんだったというあたり、いやいや、そりゃないな、、、とガクっときたけど。
トン骨とジュリアンが、BANG!と繋がってると、気づかずに読んでいた。そっかーと思って、そっかーの部分がとてもよかった。
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2011年の本、今ほどSNSが活発ではなかったがネット掲示板の誹謗中傷がテーマのようなお話。
2つの短編集だと思ったら同じ登場人物が出てきて、別の側面からもばんちゃんが見れて良かった。
印象的だったのは
「他人の悪口を言いたいのは人の性だから仕方がない。だけど、言うからには本人の耳に届かぬよう徹底的に注意しろ。本人に聞かせるからには、同じだけ傷つく覚悟をしろ」
「ネットの書き込みと陰口とはまったく違う。陰口は、あたしもいろんな人のことをたくさん言ってきたが、人に向かって喋るぶん、多少は自分を守るし、言葉も選ぶ。顔をなくして吐き出せるネットでは、陰口でも出てこないようなひどい言葉が我がもの顔で毒を放つ。
あんな一方的な誹謗中傷、嘘まじりの苦い言葉や人をおとしめるような言葉は、たとえ芸能人や政治家に対してだろうが、本人が見る可能性のある場所へ向けて発信された瞬間に、そのパソコンからレーザーが出て書き手を殺すくらいの仕組みにしといてほしい。」
でした。
Posted by ブクログ
やっぱりこの作者さんの、微妙な心情の描写面白いなーと思う。重松清さん的なものを感じるというか。当たり前だけど誰かの視点から見た世界と、他の人から見た世界はやっぱり違う。心を守るという言葉に、とても大切なことだなと思いました。
Posted by ブクログ
後輩に勧められるまで知らない作家さんだったけど、面白かった!
収録されていた2編を別物として読んでいたら、話がつながっていたことが分かったときはえらく興奮した。そういえば1編目の男の子の苗字が三沢で、2編目でミツハルという名前が出てきたとき、三沢光晴かよ!と笑ってしまったのだが、本当にそこがつながるなんて思いもしなかった(笑)
一人の視点からはすべてを見ることはできない。三沢はおじいちゃんやばんちゃん、そして富士川の別の顔(=自分が思い込んでいたのとは違う面)を知って救われただろうか。いや、後悔したかもしれない。それでも知らないよりは良かったように思う。2編目で読者はひとつの真相と、梢とばんちゃんの別の顔も知る。他人の人格をこうだと決めつけることって本当にできないと思った。だから面白いのかな。難しいけど。
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朝比奈あすかさんが描いた友達をなくした中学時代の危うい少年の物語とその少年が惚れていた少女が大人になってまた危うい精神バランスで生きている生きているという同じ登場人物だがセンターに来る人間をかえ、時代をかえ描いた面白い試みでもって、柔らかい心を持った人の脆くもはかない人生の日々をうまく描き出している、この作者の本はまた読む事になるだろう。
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还有(现在的)我孩子的心。知道、知道。话接连着。テラビシアは外面からみた子供心、これは内部の葛藤が行動にこぼれ出る児童心かな。意外な進行で
面白かった。
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親友のばんちゃんを事故で亡くし、
それ以来クラスと孤立し誰とも口を利かなくなった三沢。
女子からはきもいと言われみんなからいじられていたばんちゃんが
運営していたサイトと、クラス掲示板に書き込まれる根拠のない噂と擁護の言葉。
年老いて周りを振り回すおじいちゃんと、早くして死んでしまったばんちゃん。
そっけなくふるまった態度と、親友と言いながら自分を優位にするために利用した俺。
くだらない中傷と悪口で盛り上がっていた裏掲示板、って流行ったよね~。
っていう流行を取り入れた話。
そもそも誰がこの掲示板を、何のために作ったのか。流されるまま自分の頭で考えずに書いている君たちも、一考したらどうか。
最後はなんだかもう戻れないものにすがりつきたくなるほど切ないけど
それを力にして前向きになる感じが、月曜日の朝へと似ている。
ばんちゃんは、オタクだけどいい奴だな…)^o^(
Posted by ブクログ
BANG! BANG! BANG!…おせっかいでも孫を思う気持ちが強かったおじいちゃん。
トン骨とジュリアン…評価はこの作品。切れ味のいいナイフを振り回して自分を守っていたつもりが、気がつくと自分自身を切っていたかのような怖さ。虚栄心は大切な存在を見失わせることになる。
Posted by ブクログ
こういう学生生活では無かったけれど、「掲示板」が懐かしくなりました。
2011年発行で、当時25歳の主人公達…同年代だものね。
桃花の決心が身に染みます。
表紙はダイモンなのかしら??
Posted by ブクログ
こんなに暗い話だとは思わなかった。これの前に桜庭一樹の『ファミリーポートレイト』を読んでたので重い気持ちなままで読んでしまい鬱々としてしまった。ふたつめのお話は別物かと思ってたら、ひとつめと繋がってて、話がピーンと一本の糸になった。匿名って怖いね。今の子どもたちは凄く生き辛い世界に生きてるのかも。2012/093