朝比奈あすかのレビュー一覧

  • やわらかな棘
    ほぼ他人、でも少しずつ接点がある人たちのオムニバス。

    人にはそれぞれ事情がある。恋人がお金持ちの若い女の子と結婚したり、弟が自殺したり、自分の家柄や要領良く生きる双子と距離を取りたかったり、若くしてシングルマザーになって改めて自分の母について考えたり。

    それぞれの悩みを抱えながら、人と関わってい...続きを読む
  • 憧れの女の子
    表題作は、どうしても女の子の母になりたがっていた妻を見下していた夫が、物語の後半にいくに従い女の子の父になれない寂しさに気持ちが変わっていくのが意外性があり怖くてリアル。

    出産前の検査も生み分けも個人の自由だと思うが営みそのものや、命の芽生から神々しさが失われるのは確かかも。

    他の短編もどれも身...続きを読む
  • 天使はここに
    真摯に働く非正規労働者の話。働くことの意義や心持ちをかんがえさせられる。正しいことがすべてではないと思うし、清濁併せのむことを悪だとは思えない。だが、真摯にとりくむ志はもっていたい。インテグリティ、よい言葉を知った。
  • 憂鬱なハスビーン
    東大卒、有名企業に就職、同じく東大卒弁護士の優しい夫、理解ある姑…
    恵まれ過ぎているのに、凛子はイライラしている
    ずっとイライラしていて
    読んでいて疲れてしまった
  • 憧れの女の子
    リボンやわたくしたちの境目は、が考えさせられる。産むこと、女性、っていうのは、生きてく上で忘れてはいられない、一生ついて回る問題だと思う。
  • やわらかな棘
    どの章の主人公にも共感はしなかったけど美雨ちゃんがママに「ありがとうは?」とせかされるのが嫌な気持ちはわかる。子どものときを思いだした。わかってるよって。せかさないでって。比呂人には早瀬じゃないけど、ざまあみろ(笑)と。第3章「美しい雨」では第2章「ヒヨコと番長」の奈津子と隼人が結婚したり幼稚園の先...続きを読む
  • 彼女のしあわせ
    一人で生きていくことを選択し、マンションを購入してしまった長女。
    田舎町でのひとり孤独な育児に、次第に追い詰められていく次女。
    夫とふたり仲良く暮らしながらも、姉たちにさえ言えない過去を背負っている三女。
    はたから見れば充分幸せそうなのに、どこか空虚な三姉妹の日々。

    主人公の三女は 『本当に欲しい...続きを読む
  • 天使はここに
    これが日本の現状なのかと思うと虚しくなる。アメリカの最低賃金が日本の倍はあるらしいので、それだけの経済格差があるということか。いや、経済格差というより日本の労働者全体が搾取されているように思える。あまりこの作品の感想ではないけど。
  • 憧れの女の子
    いろんな年代の女の人の心理描写がおもしろい。男性目線だったりね。女の子産みたいって気持ちはよくわかるけど、夫はこんな風に思うのかなー笑
  • BANG! BANG! BANG!
    BANG! BANG! BANG!…おせっかいでも孫を思う気持ちが強かったおじいちゃん。
    トン骨とジュリアン…評価はこの作品。切れ味のいいナイフを振り回して自分を守っていたつもりが、気がつくと自分自身を切っていたかのような怖さ。虚栄心は大切な存在を見失わせることになる。
  • 天使はここに
    初めての作家さん。

    ファミレスの契約社員の真由子。
    橋輝こと橋本輝也。

    仕事が休みの平日の朝にファミレスで読書するのが好きなので、
    「おシャケさま」
    みたいにあだ名付けられてたらちょっと恥ずかしい。

    橋輝の
    「一生懸命に『楽』なことをするようになる」
    ってちょっと響いた。
    本当にそう思う。

    ...続きを読む
  • やわらかな棘
    一話完結かと思いきや、登場人物が重なっていて、気になる人たちのその後がわかる感じの話でした。

    とりあえずヒロが不幸せそうでよかった(笑)

    「美しい雨」では、私も喜多さんみたいな態度の人を「ちょっと……」と思ってしまってたけど、確かに子供を守れるのは親しかいないんだよなあ。
  • やわらかな棘
    秘密を隠して、今日も私は微笑む。

    女性を主人公にした短編オムニバス。少しずつ登場人物は重なり合っているので、裏側がわかる。誰も、外から見えるものだけではできていない。人が幸せに見えるのは、隣の芝は青いだけ。でも、どの話も一応歩き出すラストが描かれているので、救いはある。幸せは気の持ちよう。だから、...続きを読む
  • 天使はここに
    途中「そんな小説だと思ってごめんなさい」と思うに至るところもあったりしたけど,読後感は結局うーんやっぱり何かねぇという感じだったのだが,読むきっかけになった朝日の書評を読み直し,そうだよなぁ私がひねてるんだよなぁと省みた。
  • 天使はここに
    どうもこの主人公の真由子についていけない
    お客としてこのファミレスに行くのはいいかもしれないけど、仲良くなれるかビミョーだ
  • 彼女のしあわせ
    「主張は『ない』のではなくて、見せてこなかったのだと今は分かる。」

    主張しないといけないとき。
    見せるべきではないとき。
    見極めて生きていくって難しい。
  • 密やかな口づけ
    女性作家達による官能アンソロジー。男性作家が執筆する官能小説とは違い、女性作家の官能小説は繊細。そして、女性の気持ちがわかっているのでリアルでもある。吉川トリコと遠野りり子の作品がすごく良かった。遠野りり子はSMの事がよくわかっている。自称Sの人に関しての部分は特に同意。豪華な作家陣の小説が一気に読...続きを読む
  • 憂鬱なハスビーン
    他人から見たら幸せそうな女性の苛々と憂鬱が、所々共感するものがあった。
    この時期にこの小説を手にとったのが笑えた。
    私はまだわたしに何を期待しているのだろう。
    という文が心に残った。
  • BANG! BANG! BANG!
    こういう学生生活では無かったけれど、「掲示板」が懐かしくなりました。
    2011年発行で、当時25歳の主人公達…同年代だものね。

    桃花の決心が身に染みます。

    表紙はダイモンなのかしら??
  • 彼女のしあわせ
    最近ハマりの連作小説。3人姉妹のそれぞれの人生が面白かった。いちばん感情移入をしたのが、三女の凪子だったけれど、ラストが凪子から月子への手紙で終わっているのが面白いなぁ〜꒰ღ˘◡˘ற꒱