朝比奈あすかのレビュー一覧
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ネタバレおひとり様限定の温泉バスツアーで出逢った彼女の教え。
娘に免許返納を迫られる後期高齢者のドライブ旅。
44歳になっても母親の呪縛から逃れられないひとり娘の旅路。
亡き妻との思い出の秘湯へ息子家族と旅する初老の男。
自分が生きてきた半世紀に想いを馳せる、50歳女ひとり旅。
婚約者と訣別し、南の島で再出発を試みる若者に訪れた奇跡。
年齢も性別も境遇も違う主人公たちが、思い惑い人生の苦みを抱えながら温泉地へと向かう。
その湯は強ばった心さえ解く力がある。
心が溶け、身体が伸び、皮膚も骨も神経も筋肉も、自分を構成するすべてのものに湯が染み込んで、なんだか生まれ変わったような気がする。 -
Posted by ブクログ
幼い頃の自分と被るところがあって読み進めるのがしんどい箇所があった。まさに母は主人公のようだった。
成績が上がらない私に通常の塾に加えて個別、家庭教師とこれでもかという程ベットしたり、〇〇ちゃんは塾がない日も自習しに行ってるから同じように行けと行ったり、〇〇君が塾終わり22時まで残って勉強してると聞けばそーしろと言ったり…。そしたら成績があがんの?意味あんの?って話。当時私は、やるかやらないかは私次第なのに…と内心思いつつこなしていた。改めて思うと本当に滑稽、本当に意味がない。母を満足させる為の受験になっていたのだ。
子を思うからこそ親のエゴが出るのは子育てをする立場になってよくわかる。親 -
Posted by ブクログ
ネタバレでもやっぱり人間がいいじゃん?
安藤悠真、清水陽奈、長谷川湊、市川咲希は校外学習で同じ班になった。普段の学校生活ではほぼ交わりがない。なんとなく、気が乗らない人との交流。しかし見学したアンドロイドとそこで生じた疑問「不気味の谷」について悠真が説明したことで、4人は束の間だが心を開いて交流できた。そして、月日は巡り——。
アンドロイドがどうこうするSFではなく、中学生の日常的な人間関係と成長を描いた穏やかな物語だった。難しいこともあるけど、アンドロイドのようにわかりきったことだけ答えてくれるのではなく、表面的な関わりだけでなく、悩みながらもがきながら、自分を見つめていける関係を持てるといい。