朝比奈あすかのレビュー一覧

  • 彼女のしあわせ

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    昔読んだ本で、もう一度読みたくなり文庫を購入。

    それぞれに何かしら傷を持っていて、でもそのどれもがなんとなくわかる。

    昔読んだときは月子に一番近かったけど、今は母親の佐喜子が一番「わかる」。
    姑にそんな命令されて、夫も何もしてくれないんじゃあ、そりゃ速攻家出でしょう!
    凪子の最後の手紙では、佐喜子はまだ夫とそれなりに仲良くしてるらしいけど、そんなもんかなあ。
    私は、夫にあんな暴言吐かれたら、一生もんのキズになるよ。一生許さない。
    私は、「嫁と姑に挟まれた夫は、なにがあっても嫁の味方をしなければならない」と勝手に思ってるので。

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    2015年04月23日
  • 声を聴かせて

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    過去の大きな喪失を引きずる母娘を描く表題作「声を聴かせて」と、幼稚園の人間関係に追い詰められ孤独感に苦しむ母親を描く「ちいさな甲羅」の中篇二作を収録。
    心理描写の巧みさに圧倒される。登場人物の気持ちが伝わって心が重くなる。息苦しくなる。結末も決して明るいものではない。作者のメッセージと力量がストレートに堪えてくる。
    「不運は、時に、神様が目隠しをして打つダーツの矢のようだ。前触れもなく、因果もなく、意味さえもなく誰かを刺す。その人生の向かう先を、決定的に変えてしまう」という言葉が、重く鋭く致命的に心にのしかかる。

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    2015年02月07日
  • 彼女のしあわせ

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    「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです。」という強烈な言葉からはじまる三人姉妹と母親の四人の女性の物語。
    各々が現状への不満や将来への不安を抱えながら、自分は今幸せなのか、幸せになるにはどうしたらいいのかを見つめ直す。そして、最初の言葉の本当の意味に気づいた時、心の持ちように変化が生じるという展開である。
    ドラマチックな出来事が起こるわけではないが、しっかりと地に足のついたストーリーにとても好感が持てる。

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    2015年01月05日
  • 彼女のしあわせ

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    女性のしあわせってなんだろう?
    三姉妹とその母親のそれぞれのストーリー
    どの彼女にも共感する部分がある。私も女二人姉妹、長女の征子と立場は同じだけれど、それほど強くはなれないなぁ〜とも思う。
    四人それぞれ、今後、どう歩んでいくのかも気になります。

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    2014年12月06日
  • BANG! BANG! BANG!

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    ネタバレ

    朝比奈あすかさんが描いた友達をなくした中学時代の危うい少年の物語とその少年が惚れていた少女が大人になってまた危うい精神バランスで生きている生きているという同じ登場人物だがセンターに来る人間をかえ、時代をかえ描いた面白い試みでもって、柔らかい心を持った人の脆くもはかない人生の日々をうまく描き出している、この作者の本はまた読む事になるだろう。

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    2014年09月09日
  • 密やかな口づけ

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    宮木あや子さんの作品が入っているので、買ってみました。

    女性作家の書く官能小説は、変にねちっこかったり、興ざめするようなところがなく、きっちりと書かれている感じのするのが、良いところかな・・・。

    男性の描くそういったシーンは、女性からすると、流れとか色々と都合が良すぎて、「ないわー」と、あきれてしまう事がしばしばあるのですが、女性が描くものは、そこに至るまでの過程や心情がしっかりとしている上に、同性なので、「さすがわかっていらっしゃる、そうなのよねー」と、納得出来ます。

    このアンソロジーも、宮木あや子さんは勿論、どれも良かったのですが、一番好きなのは、吉川トリコさんの『ポルノ姫』です。

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    2014年02月09日
  • BANG! BANG! BANG!

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    还有(现在的)我孩子的心。知道、知道。话接连着。テラビシアは外面からみた子供心、これは内部の葛藤が行動にこぼれ出る児童心かな。意外な進行で
    面白かった。

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    2013年08月02日
  • 彼女のしあわせ

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    女三姉妹と、母の話。
    幸せは、人それぞれ。

    『欲しいものが全部手に入るとは限らない。』
    読み始めと、読み終わった時には、違った響き方をしています。

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    2013年06月04日
  • BANG! BANG! BANG!

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    ネタバレ

    親友のばんちゃんを事故で亡くし、
    それ以来クラスと孤立し誰とも口を利かなくなった三沢。

    女子からはきもいと言われみんなからいじられていたばんちゃんが
    運営していたサイトと、クラス掲示板に書き込まれる根拠のない噂と擁護の言葉。

    年老いて周りを振り回すおじいちゃんと、早くして死んでしまったばんちゃん。
    そっけなくふるまった態度と、親友と言いながら自分を優位にするために利用した俺。

    くだらない中傷と悪口で盛り上がっていた裏掲示板、って流行ったよね~。
    っていう流行を取り入れた話。

    そもそも誰がこの掲示板を、何のために作ったのか。流されるまま自分の頭で考えずに書いている君たちも

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    2012年08月19日
  • 天使はここに

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    ファミレスチェーン店で長年働き続ける女性の物語。

    小さな出来事や、事件と呼べることが起きたりして、就活の大学生や正社員やお客様を見ながら、今は契約社員である自分の今後とか、友情や恋愛なんかについても、あれこれ考えて過ごしていく。
    事件はちょっとあるものの、あくまで添え物で、ベースは主人公真由子の思いや生き方がずっと綴られている。

    ファミレスにも、どんな職場でもそうかもしれないけど、いろんな出来事があるなぁと、楽しく読んだ。
    真由子の真っ直ぐさが、好きだなぁ。危なっかしさもあるけれど、このまま健やかに朗らかに生きてほしいな。

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    2025年12月04日
  • 普通の子

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    読後感はあまりぱっと晴れやかになるものではなかったけれど、それがいじめのリアルとして描かかれているのだと思いました。被害者は何十年もトラウマとして残るのだな。ほんとに残酷なことです。

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    2025年11月27日
  • 温泉小説

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    どの話も重たい人間関係や暗めの性格の人物が登場するけれど温泉が癒やしてくれる。友情を続けるときに『努力しなきゃ、恋愛以上に丁寧に繊細に対等に』の高宇さんのセリフはとってもいい。温泉のように身体に沁みる。『また会う日まで』のお父さんもいい。

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    2025年11月26日
  • 人間タワー

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    これも独白連作だったか。それぞれ視点が違って面白かったけど、少しパワーは足りない気がした。
    塾に通う女の子のパートが一番しっくりきたなぁ。

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    2025年11月22日
  • 普通の子

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    読完です。
    作者の本は初めてでしたが、少し重かったですね。
    親子ともどもいじめに遭遇するのは。
    でいじめられた方は10年超経っても忘れられないというのは現実なんだろうなあと思いましたね、自分はそういう経験はないんだけど。逆の立場のいじめたことはあるのかもともうと怖いですね。
    少し考えさせられた本です。

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    2025年11月21日
  • 翼の翼

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    中学受験がテーマ。マンガ『二月の勝者』を読んでたので衝撃はそこまでではなかった。

    子どもに中学受験させるなら、親は二月の勝者なりこういう本なりを読んで「覚悟」した方がいいと思う。

    うちの子はまだ低学年で運動はできないけど、勉強は正直できる方で、好きでテストを受けるような子。
    夫はここに出てくるようなタイプじゃないけど、成績や私は同じような道を辿る可能性が大いにある。

    一喜一憂しない、いつでも引き返す覚悟、メンタル優先。自戒しないと。

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    2025年11月19日
  • 人生のピース

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    久しぶりに恋愛とか婚活を描いたお話を読んだ。
    かなりの長編だったのでこのままでは終わるまいと思いながら読んでいたけど、ほんとにあのまま終わってしまった。
    結婚相談所とはほんとにああいう感じなのかな。
    結局かわいらしくはかなげでオーソドックスなワンピースが似合う感じの方が男性ウケはいいらしく、それを受け入れられないとやっていけない。
    34歳で仕事面でも確実にキャリアアップしてる女性には、辛いものがあるだろう。
    ツイッターの仕掛けにも解説を読むまで気づかなかったが、別に悔しい!とかやられた!と思うこともなく、へーって感じ。

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    2025年11月17日
  • ミドルノート

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    菜々、麻衣、愛美、彩子。
    4人の女性の生き方や思いを軸に描かれていました。
    みんなタイプが違っているものの、全員に共感できる部分があり、感情移入しながら読めました。
    テーマはモラハラ夫だったり、コロナがきっかけの派遣切りだったりと暗いものがベースなのですが読みやすかったです。

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    2025年11月15日
  • 人間タワー

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     運動会で行われる「人間タワー」を巡り、児童たちや教師、親、地域の老人たちがそれぞれの目線で考えを募らせていく。
     
     伝統や団結や根性論など、時代とともに変化していく学校行事の考え方の中で行われた新しい「人間タワー」。
     「やる」か「やらない」かの2択ではなく「どうすればみんなが納得できるか」を模索していく児童たちの姿が印象的だった。

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    2025年11月12日
  • ななみの海

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    ネタバレ

    児童養護施設で暮らす高校生のななみ。祖母の言葉に縛られて医学部を目指し、進学費用のためアルバイトをしながら、部活動にも励む。
    自分のことで精いっぱいのななみが、施設の後輩たちや部活仲間たちとの関わりを通して成長していくさまを描く。

    ななみがいわゆるヒロイン系の「いい子」ではないので、物語がリアルに感じられる。

    子どもは良くも悪くも周りの大人に影響される。「いい大人」になろうとするななみたちの決意は尊い。

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    2025年10月30日
  • 人生のピース

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    34歳って女性の分岐点のイメージがある…
    そして、「ああ…こういうことあるなぁ…」と想像しやすく、どこかの街で起こっているようなお話で楽しく読めた。

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    2025年10月27日