朝比奈あすかのレビュー一覧

  • ななみの海
    高校生の気持ちをこんなに繊細に表現できるなんてすごいと思う。ただこんなに繊細で気を遣わなくてはいけない生活は、自分にはできない。息苦しく辛い。
  • 憧れの女の子
    穏やかな文体で語られる、おんなのこ、女性、男性性をテーマにした短編集。
    短編集だけど、自分はさて、、と、思わず省みてしまう。
    良い本でした。
  • 自画像
    ストーリーは、ある女性が自分の婚約者に学生時代のことを語りだすところから始まります。
    そこで語られるのは、生々しいスクールカーストに伴ういじめや暴言、醜い少女たちへの見下し、容姿へのコンプレックスなど。それだけでも心がいっぱいになりそうなくらい辛いのに、さらに性犯罪の話も絡んできて、胸が潰れそうなく...続きを読む
  • やわらかな棘
    人は誰でも見えないところに秘密や悩みといった棘を抱えて生きている。各章で一人ずつ女性に焦点が当てられているが、女性たちの間に何かしらの関係があることで、前の章でわからなかったことが次の章でわかったりして面白かった。浮気、不倫、自殺、摂食障害... 出てきた問題は自分にとって身近なものではなかったが、...続きを読む
  • ななみの海
    児童養護施設で育つ七海の高校生活を描いた作品。医学部への進学、受験勉強に集中したいが下の子たちの勉強やお世話、同級生とLINEをしていても夜9時にはスマホを取り上げられる施設のルール、様々な特別な環境と向き合いながら、そして葛藤しながら成長していく。
  • 不自由な絆
    学生時代の友だちと偶然再会し、リラは育児に悩む洋美に手を貸す。その後同じ幼稚園のママ友になった。
    洋美の息子敏光にリラの息子光鳥が毎日暴力を振るわれていることを知る
    ママ友、友だち、夫婦関係、親子関係、職場のいじめなど問題が盛り沢山で興味深かったけど
    どれもなんとなくしっくりいかないまま終わった感じ...続きを読む
  • 人生のピース
    最初は潤子の心のツッコミなど面白くて
    スラスラ読めてたけど
    婚活や結婚論からどんどん苦手な女性になってきた。
    3人は親友っていうけど、本当に親友なのかな?と思う感じが多々あった。

    結婚に対しても、結婚してれば周りから認められると思いすぎてて、結婚がゴールのように思っていたし。
    とにかくプライドも高...続きを読む
  • 人間タワー
    ★3.5
    桜丘小学校の運動会で毎年六年生が挑んできた新体操「人間タワー」を巡り、生徒、先生、親達の視点で描かれている。

    他人と何かを作り上げるというのは
    本当に難しいことだなと、改めて思う。

    伝統があり、元々そのコミュニティに属している人達には固定概念が根付いている。
    外から入ってきた人には異質...続きを読む
  • 憧れの女の子
    表紙可愛い、中身しんどい。でも、現実。

    だけど、愛がいっぱい。しんどい環境で、物語の登場人物たちは、深い愛を感じながら生きてる。
  • 天使はここに
     主人公は松村真由子23歳。契約社員。
     勤めているのは全国展開するファミレスチェーンの東京桜野店。開店前の準備から混雑時の目配りやアルバイトのフォローまで、いつも真由子は大忙しです。さて今日は……。

          * * * * *

     真由子の成長物語だというのが、読み切るまでわかりませんでし...続きを読む
  • 憧れの女の子
    女の子がほしい敦子と、男児2人で満足している俊彦。男女として愛し合っていた2人のかたちがどんどん変わっていく作品。女の子を産むための感情のないセックスが生々しい。
  • 人生のピース
    中高時代を女子校で一緒に過ごした3人が34歳になり。婚活ものです。
    軽めに読める感じで、面白かった。
    結婚って何だろうって考えさせられる。婚活市場はなかなかに厳しい。特に30代女性にとっては過酷で、こんな思いまでして結婚しなくてもいいのでは?と思ったり。主人公の潤子はわりと普通のタイプだけど、みさ緒...続きを読む
  • 人生のピース

    読みやすくて楽しめましたが、ミュージカルにされたという方の解説ほどの熱量で面白かった!というわけでもなく、得るものもなく、ただ読んでいる間だけ楽しいというような小説です。
  • 天使はここに
    クレープ·シュゼットが美味しいファミリーレストラン「エンジェルズ」でがむしゃらに働く22才女·真由子のお話。正社員目指してバイトからずっと続けるもなかなか採用されず現在は契約社員。社員をいいことに休みもなく働かされるも、仕事に一生懸命なためそこに疑問も抱かず。

    真由子がひたむきで一生懸命で世間とず...続きを読む
  • みなさんの爆弾
    年齢も考え方や生き方もまったく違う女達のそれぞれのお話を集めた短編集。女子高で青春を謳歌する少女、溺愛していた息子を無意識に虐待していた女、ミニシアター系の映画にはまり15回も観に行く女、子育てに必死になりながら官能小説を書くシングルマザー作家、虐待された記憶をもとに小説を書くホラー作家、塾の受付の...続きを読む
  • 憧れの女の子
    「ある男女をとりまく風景」は種明かしまで勘違いしたまま読んでたからびっくりしたし、無意識でフィルターかけてたんだなということに気がついた。
  • 天使はここに
    天使、ということでもっとほんわかした話だと思って手に取った。
    飲食業経験者として、主人公・真由子の気持ちが痛いほどよくわかって、ほっこりするどころか疲れてしまった。
    でもハッピーエンドではある、のかな。
  • 声を聴かせて
    二編とも母親が主人公なので気持ちの変動が大きかった。特に「ちいさな甲羅」は、主人公と同じく幼稚園児の息子がいるのでタケが意地悪されたり暴力をふるわれるシーンはギュッと胸がつまる。我が子を守るのは最優先だけれど、一種の危うさが付き纏うママ友関係に追いつめられ弱っていく栄子の気持ちは同情できる部分もある...続きを読む
  • 天使はここに
    ファミレスという舞台、アラサーになり、契約社員のままの主人公の真由子さん。さまざまな性格のアルバイト、嫌な店長、常連など人間模様が細かく書かれていて、描写が容易に想像できる。ちょっぴりセンチメンタルになる展開もあるが、ほっこりしたラストで読みやすかった。
  • 憧れの女の子
    宮下奈都さんの解説が全てを物語る。素晴らしい文才だなあと。「ある男女をとりまく風景」は秀逸。やられたと思わざるを得ない。