朝比奈あすかのレビュー一覧
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さえないデブのばんちゃん。
2編のうちの1編は、ばんちゃんの不慮の死がきっかけでクラスで誰とも話をしなくなった元人気者のの男子の心象風景主体。
もう1編はその10年後ばんちゃんのクラスメイトの美少女が、高級クラブのホステスとして働き、蔑んでいたばんちゃんの事を思い出す話。
インターネット掲示板での心無い書き込みがどちらも物語の核になっています。自分の時にインターネットなくてよかったと心の底から思います。
自分の悪口が書いてあるのなんて見たら、多感な時期ならもう学校なんて行かないと思う。書く方は軽く書くけれど見た方は居たたまれない・・・。
ばんちゃんが実は中身の詰まった男だったという事が時間差で -
Posted by ブクログ
女性作家が主人公の6篇の短編集で、2017年の「小説BOC」の2篇、同年「アンデル 小さな文芸誌」の3篇、及び書き下ろし1篇
中高一貫女子校の中1の子が高2のバスケ部のポイントガードに憧れる「初恋」は、ストレートにキュンキュンドキドキが伝わってきて楽しいし、13年後に恋愛小説家として振り返る感慨もまた微妙な感じがよく分かる。
「譲治のために」は元作家の病んだ自意識が怖い。
「メアリーとセッツ」は、気に入った映画を15回も見に行った作家の卵の女性(たぶん東大理3に受かったのに失業して実家のコンビニを手伝っている)が、同じようにその映画を何度も見ているブロガーを見つけて会い、映画について語る -
Posted by ブクログ
ファミレスチェーンで15歳からバイトをはじめて7年、ただ真面目に誠実に、自分の働くお店が好きで仕事を続ける真由子。大学生バイトから見たら何でそこまで?といわれるような働き方ですが、彼女にとってファミレスで働くことは、大切なことでただ生活のために働いてるんじゃないことがわかります。
今のお店での店長やバイト仲間との関係、仕事場での自分の立場。幼いころ、祖母と育ての親代わりの叔母と楽しみに訪れたファミレスの思い出。ファミレスという場所で働く真由子の感情と日常が書かれています。
誠実に一生懸命働くことや、自分の目で人を見ることや、何かを大切にすること、淡々としたストーリーですが読後感良しです。