【感想・ネタバレ】みなさんの爆弾のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年09月08日

共通しているのは女性の視点でつづられている、そして同じ職業を持っている、というくらいで、6編の短編それぞれにかなり色が異なる小説集でした。
ひとつひとつで作品の色そのものを変え、リアルに寄り添った話と非日常をまとった話も自在に描かれた、ジャンル分けしづらくもある、かなり中身の濃い一冊だと思いました。...続きを読む

女性の甘酸っぱい心理を鮮やかに描いた「初恋」、徐々に狂いがうすらうすらと見えてくる「譲治のために」、アンモラルでつやめいたひとときが独特の「メアリーとセッツ」、コミカルにリアルに待ったの利かない育児事情と官能小説を描く日常を描く「官能小説家の一日」等…、淡々とした文章から描かれる話はどれも独特の味があって楽しめました。

どちらかというと作者さんの物語は、リアルに寄り添い、登場人物の心理のひだに切り込むようなタイプのものが多いように感じていたので、その良さがこうもいろんなタイプの物語に昇華もするんだと、そういう新しい発見もできた気持ちもしました。

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Posted by ブクログ 2023年10月25日

譲治のために
世界裏

の、2篇。怖すぎた。
ホラーだ。
知らないまま読んでいた。途中でやめることも出来ず最後まで読んだけど、なんだろう、普通なのに徐々に身体が傾いていくような、下に引っ張られていくような感覚をいつも朝比奈さんの文章から感じる。

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Posted by ブクログ 2023年02月11日

朝比奈 あすかさんの6話収録の短編集

「初恋」「譲治のために」「メアリーとセッツ」
「官能小説家の一日」「世界裏」「戦うなと彼らは言った」
小説家を主人公にした毛色の異なる短編6篇が収録されています。

どの物語も心の中にモヤモヤ(小さな爆弾)を抱えた女性達の日常が切り取られています。

印象に残...続きを読むったのは女子高で先輩に恋をした主人公の想いとその後を描いた「初恋」
2歳の息子を女手一つで育てながら官能小説を書く主人公のリアルな日常を描いた「官能小説家の一日」

以前読んだ「人間タワー」の時に感じた、どこか虚無感漂う独特な雰囲気の作品集。

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Posted by ブクログ 2021年09月26日

年齢も考え方や生き方もまったく違う女達のそれぞれのお話を集めた短編集。女子高で青春を謳歌する少女、溺愛していた息子を無意識に虐待していた女、ミニシアター系の映画にはまり15回も観に行く女、子育てに必死になりながら官能小説を書くシングルマザー作家、虐待された記憶をもとに小説を書くホラー作家、塾の受付の...続きを読むパートをしながら小説を書く人気ファンタジー作家の6話。

爽やかな青春のストーリーがあると思ったら、かなり重めのダークな話もあったり、特に何も起こらないぼんやりとした話なども入ってバラエティに富んでいる。後半の主人公がみな何かしらの作家だったので少しかたよりがあるかな、という気もする。
とても面白くてサクサク読み進む話と、なんだか進まないぼんやりした話と。全体的には面白かったかな。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

「譲治のために」はなんかもうやばい。本人と周囲の捉え方はこんなにも違っていて、理解し合えないのもそりゃ当然だよなという気になる。「メアリーとセッツ」と「世界裏」は結構好き。前半はファンタジーなのか? と思うくらいの感じだけど、後半の作品になるにつれて現実味が増していく感じがした。

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Posted by ブクログ 2018年10月05日

種々の雑誌に掲載された短編集5話+書き下ろし。爆弾としては、恋、育児、いじめと言ったところであろうか。そう考えると、書き下ろしが相当いびつである。別の短編で語られていたところの実験的小説であるのだろうか。それと、夢オチっぽいのが多く感じられた。冗長っぽいのも多い感じである。 スカッとする小説ではない...続きを読むため万人には薦められないが、読んだあとにいろいろと考えたい方にはおすすめであろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年06月30日

個性有りすぎる主人公の物語、短編集。キャラが濃いゆえに世間で生きにくい部分があって、それでもどうにかこうにか生きている。短編二つ目の「譲治のために」は常軌を逸していて怖いお話だったけれど(ホラー小説家のお話も怖い&面白かった)その他は自分を受け入れて?暮らしている姿が温かく感じた。最後の短編「戦うな...続きを読むと彼らは言った」は、雰囲気が少し違う。誰かを励ますシーンと、本の少し報われるシーン。ほっと息をつくことが出来た(*´ェ`*)

どん!と励まされるわけではないけれど、ほんの少しだけ「ま、やってみるか」と前を向けるような作品かな。

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Posted by ブクログ 2018年06月29日

女性作家が主人公の6篇の短編集で、2017年の「小説BOC」の2篇、同年「アンデル 小さな文芸誌」の3篇、及び書き下ろし1篇

中高一貫女子校の中1の子が高2のバスケ部のポイントガードに憧れる「初恋」は、ストレートにキュンキュンドキドキが伝わってきて楽しいし、13年後に恋愛小説家として振り返る感慨も...続きを読むまた微妙な感じがよく分かる。

「譲治のために」は元作家の病んだ自意識が怖い。

「メアリーとセッツ」は、気に入った映画を15回も見に行った作家の卵の女性(たぶん東大理3に受かったのに失業して実家のコンビニを手伝っている)が、同じようにその映画を何度も見ているブロガーを見つけて会い、映画について語るうちに彼に弟を重ねて見、初めて人間を主人公にした小説を書く。これが一番おもしろかった。

「官能小説家の一日」は1歳児を保育園に預けて8本の連載小説を書くシングルマザーの奮闘記だが、少々違和感がある。

「世界裏」のホラー作家には、集団で寝る状況でみんなが腐って行くパラレルワールドが見える。

「戦うなと彼らは言った」は、かつて不登校時代に在籍した塾の事務員をしながらファンタジー小説を書いてる作家が、居場所をなくした男の子を自分の世界の主人公になれと励ます。

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Posted by ブクログ 2018年06月20日

「初恋」、「譲治のために」、「メアリーとセッツ」、「官能小説家の一日」、「世界裏」、「戦うなと彼らは言った」の6編。後半3つが好みだったな。
誰しも爆弾を抱えているのかも。それを悟られないように、でもときどきは開放して生活してるのかもね。ふふ。

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