乙武洋匡のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『五体不満足』の著者、乙武さんによるフィクション小説となります。
実際に小学校の教師もやられていたとことで、
その実体験に基づく教育への造詣の深さも感じられる、素敵な一冊でした。
「結果的に一番になることが重要だとは思っていない。
でも、一番になろうと努力することは大事なんじゃないかな。」
子供のうちに挫折を知る必要があると、仰っています。
あくまで教育は機会の均等であって結果の均等ではないと、、おおいに同感です。
何かと問題が指摘される「ゆとり教育」の本質は、経験重視型であったとのことですが、
結果論で見れば、その「結果の均等」のみに拘泥してたのではないでしょうか。
結果に平等を求めたがゆえに、失敗が許されない、多様性を認めない、
それが故に自身の考えを涵養できないような、そんな個性のない画一化された教育。
ここまで来ると、もはや「教育」と言える内容でもないと思います。
その失敗の原因がどこにあったのか、担い手である教師の質も含めて、
きっちりとした分析がほしいところですが、、さて。
これを推し進めていた日教組のヒトビトにとっては、責任のある専門職ではなく、
ただの労働従事者でいる事ができて、楽園だったのでしょうけど、、閑話休題。
「人間は挫折をくりかえすことで学んでいく」
子供のうちに失敗を重ねて、自身の適正や興味を培っていく、
教師はその自立するまでの伴走者であって、恣意的な導き手ではない、、と思います。
なおこちらですが、小学校高学年であれば読めるように、ふりがなが多めです。
来春映画にもなるとのことで、、これは是非見に行きたいです。 -
Posted by ブクログ
印象に残ったこと。
①とりあえずやってみる。やってみなくちゃわからない。
やる前にゴチャゴチャ考えると、なにもしないで終わりがち……。
②ほんとに言いたいことを言えないことが多い。
なにが言いたいか、自分でもわからないことも多い。
だよな〜。
③親というものは子どもに期待するし心配する。それは自然な感情だけど、それが子どもへの干渉になってしまうと、「いかに子どもにとって迷惑であるか」。
干渉という霧がかかると、親が子どもに抱いている愛情が見えなくなってしまう。
子どもは「愛されてない」「生まれてきちゃいけなかったんじゃないか」「生きててイイノか」って本気で悩む。
愛してる、大事だよ、って時々でもいいから伝えてくれないといつの間にか「愛ゆえの」大きな溝ができちゃうよ……。 -
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目9箇所。そんな手足のないちびっ子を相手にみんながビビって逆らえないというのは、たぶん、よっぽど気が強かったと思うんですよね。「イライラしてもいいじゃん」と思ったら、そんなにイラッとしなくなると思っているのね。昔は、えこひいきして、堂々としている先生いっぱいいたよね。クラス文集の名前・・・色鉛筆、いろんな色が集まって成り立つ。子どもにとっていかに家庭の影響が大きいか。過保護のお母さんって、この子への関心じゃなくて、自分に関心があるだけなんですよ。為末大、「短所があるから自分のことが嫌いになるのではない、自分のことを嫌いな人が自分の短所を探すのだ。」。批判されてもブレない強さ。生まれた瞬間から自分を育てる役割がある。
-
Posted by ブクログ
トランスジェンダーについて言葉は知っていたけど、ここまで大変な想いをされている方がいることに気づけていなかったので、この本をきっかけにLGBTについて知れて良かったです。トランスジェンダーや手足がないとかは不幸ではなく、その状況で自分をどう満たすかが大事だなと感じました。
血が繋がっているからでなく、愛することがとても大事だし、血が繋がっている家族でも憎しみあっている人だっている。
もっと障害があるとか関係なく、色んな個性を受け入れて、生きやすい世の中になれば良いなと。
そのためにまず自分ができることは、LGBTについて知ることから。
◎ページ
220,229 -
Posted by ブクログ
両手足のない先生・赤尾先生と3組の子どもたちとの日々を描いた『だいじょうぶ3組』の続編。
5年生だった子どもたちが6年生に進級し、赤尾先生は(介助員の白石先生も含めて)相変わらず担任に。
そんななか、3組に転入生の泰示がやってくる。初日から、自分の感情をコントロールできずに暴れて教室を飛び出す泰示には発達障害の疑いがあった…。
面白かった。6年生になった子どもたちは、小学校最後の運動会や合唱コンクールや宿泊学習などの行事や、それぞれの進路に悩むなかで少しずつ成長していく。また、赤尾先生も子どもたちとのそんな日々のなかで少しずつ教師として成長していく。
読みごたえがあったのは、転入生・泰示と子どもたちとの関わりだった。昨年度からの赤尾先生との関わりを通して子どもたちは"障害者"に対しての理解を深めてきた。しかし、12歳の子どもということもあってか、見て分かる"身体障害"をもつ赤尾先生の出来ないことは受け入れられても、見て分からない(一見自分たちと変わらないようにみえる)"発達障害"をもつクラスメイトの出来ないこと苦手なことはなかなか受け入れられないのだと考えさせられた。
また、子どもたちだけでなく赤尾先生も発達障害の疑いのある泰示への指導を通して教師として成長していくのも見応えがあった。
-
Posted by ブクログ
近々乙武さんの講演を聞く機会があるので通読。
本書で彗星の如く世に出てからも、いい意味でも悪い意味でも定期的に世間に話題を提供し続けている乙武さん。
やはり根底にあるのは人間力の高さ強さだと思う。障碍のあるなしに関わらず、ここまでチャレンジングであり続けれる人はそうそういない。成長過程において両親はもちろん、学校の先生や友人、一緒に仕事をする同士様々な人に恵まれていたのはあるかもしれないが、結局は乙武さん本人の人間力の高さだと思う。
色々な見方や賛否はあるのは承知で、政治の世界で活躍する乙武さんを見たい気もする。ご本人も障碍者の代表として見られるのは抵抗があるかもしれないしが、福祉の分野だけじゃなくてもいい仕事が出来そうな気もする。
-
Posted by ブクログ
乙武洋匡(1976年~)氏は、先天性四肢欠損(生まれつき両腕両足がない)という障害を持って生まれたが、公立の小中高で普通教育を受け、早大政経学部卒、スポーツライター、新宿区の非常勤職員、東京都教育委員、NPO法人グリーンバード新宿代表等を務め、作家、タレント、政治活動家等として活動している。2022年の参議院議員選挙において東京都選挙区から立候補したが、落選した。
大学在学中の1998年に発表された、乙武氏の半生を綴った本作品(一部追記の上、2001年に文庫化)は、出版部数600万部を超える大ベストセラーとなり、教科書にも掲載された。
私は普段、ノンフィクションやエッセイを好んで読み、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。
読み終えた印象としては、(教科書にも載るくらいなので)とても読み易く、加えて、意外に多くのことを考えさせられた。
というのは、まずは、本書が一般的にどのように読まれるのかを想像してみると、乙武氏が、持ち前の明るさ・前向き思考・積極性を活かし、かつ、両親・先生・友達の理解と支えを得て、充実した20年間を生きてきた記録としての本書は、乙武氏が重度の障害者であることを無視するわけにはいかないし、よって、我々読者も頑張って前向きに生きていかなくてはいけない(障害者であろうと、健常者であろうと、それぞれの立場で)と、背中を押してくれるものとして読まれるのだろう。実際、乙武氏も、単行本として発表したときは(漠然とでも)そのように考えていたと思われる。
ところが、である。文庫版には、20頁ほどの第4部「新たな旅路~社会人時代」とエピローグが加えられ、単行本を出版した後の2年半の環境の激変と自らの心の変化が書かれており、実は、この部分に考えさせられることが多いのだ。有名になったことによってクローズアップされることになった、生まれてから大学生半ばまでの(純粋無垢な)「オトくん」と、20歳を過ぎて現実を生きる乙武洋匡とのギャップ、本に書かれた(障害者であるとはいえ)一個人に過ぎない乙武洋匡の経験や感情が、障害者一般のものであると早合点されること、障害者であるが故に、将来福祉の方面に進んで、障害者のリーダーとしての役割を期待されること等、乙武氏は、本を書いていたときには想像だにしなかったであろう様々な苦悩に直面し、その葛藤が赤裸々に描かれているのだが、それらは、乙武氏の問題であると同時に、乙武氏を取り巻く我々の問題でもあるのだ。子供が本作品を読むのなら、第3部までを素直に読めばいいが、大人が読むのであれば、それ以降の部分こそが実は重要であると思われる。
私は乙武氏のその後について多くを知らないが、乙武氏個人の20数年間の記録としては、大変面白く、読む意味のある作品と言えるだろう。
(2023年4月了) -
【無料お試し版】四肢奮迅
- カート
-
試し読み
購入済み健常者は触れることのない世界
私達健常者は普段歩くことにそこまで苦労は感じないだろう。
しかし乙武さん含め歩くのが大変な状況にある人達にとってはどうだろうか。
たった数メートルであっても、物凄い移動距離に感じるのではないだろうか。
先日の参院選前日に彼が実行した『乙武大行進』を見た後だからだろうか、義足での歩行経験についてもとても興味が湧いた。
幼い頃の乙武さんの義足チームの研究データが元で、本人とはまた違った視点での知見が得られそうである。
続きが気になります。 -
Posted by ブクログ
愛する人と「家族になれる人」と「家族になれない人」、日本には2種類の人間が存在するんだと、今更ながら気が付きました。LGBTQという言葉は認知されてきて、自分も知った気でいましたが、彼らの気持ちや生活環境を全然理解していなかったのだと、痛感しました。
罪を犯さず、真面目に生活をしている同じ人間なら、待遇に差があってはいけないですよね…。
例えば、戸籍上性別が異なる者同士は婚姻関係を結ぶことができるので、会社から配偶者手当や、子供がいれば子供手当といった待遇を受けることができます。でも、戸籍上同性の者同士は婚姻関係を結ぶことができないから、そういった手当金を受け取ることができない。同じ会社で、同じだけ働いているのに、待遇に差があっては、不平等ですよね…。
LGBTという言葉が周知されるだけじゃ、ダメなんですね。その先を考えて、対応していかないと…。
「家族」というものについても、改めて考えたお話でした。「家族」と言っても、国語辞典には載っていない意味として捉える時もあるのかもしれない、と思いました。
切なくも美しい○○、という表現をよく聞きますが、この小説の文章は “美しくも切ない” ものが多くて、何度目をぎゅっと瞑って溜息をついたことか…。こういう文章が書ける乙武さんは、いろんな人と話して、いろんな本を読んで、その時感じたことを書き留めて、知識を吸収してきたんだろうな、と思いました。
『ゴッド・ファーザー』の話、上手いなぁ〜って。読書している時や映画鑑賞している時によく感じますけど、無駄なもの、無駄なシーンって、ないですね。
胸が苦しくなる描写が多く、溜息が出てしまうこともありましたが、最後はとても良かったです。あたたかい涙が頬をつたっていきました。。。