あらすじ
手と足がない先生、赤尾慎之介が受けもつ子どもたちは、6年生になった。発達障害をもつ転入生に戸惑ったり、万引きやいじめの問題が起こったり、運動会では組体操に情熱を燃やしたり……。そして、赤尾と28人の子どもたちは、卒業の日を迎える。映画化で話題の前作『だいじょうぶ3組』に続いて、教員として3年間を過ごした著者自身の経験をヒントに、感動の1年間を描いた小説。
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Posted by ブクログ
乙武洋匡さんの小説『だいじょうぶ3組』の続編の『ありがとう3組』。6年生となった児童たちと赤尾先生の絆を描いた心温まる作品。
6年生になり転校してきた発達障害の男の子泰示くんがクラスをかき乱します。
この作品は2012年ぐらいの本ですので、今ほど学校現場にも発達障害の理解がなかったかもしれません。もちろん当時も発達障害に関しては色々な情報が出回りだしていたとは思います。
赤尾先生は手足がありません。ハンディキャップのある先生ですから、できないことがたくさんあります。でもそれ以上にしてあげられることもあるんですね。
学校というところはどういった場所なのでしょうか。誰しもが安心して、楽しく通える場であることが第一だと思います。かと言ってそれを乱すような出来事があったとしてもそれは未熟な精神から仕方のない事かもしれません。
本文中にもありましたが、教育とは『教え』、『育む』ものなのです。この『育む』という部分がこれからの教育に求められる部分ではないでしょうか。教育は今まで『教える』ということにばかり重点が置かれて来ました。それが必ずしも悪いことだとは言えません。実際にそのおかげで日本は戦後から復興してきたのですから。でもいつまでもその成功体験に引きずられている現実からは卒業すべきです。
赤尾先生のように特殊な事情を抱えた人たちばかりが教員ではありません。でも一人ひとり違ったアプローチの仕方があるはずです。
教員の働き方問題やブラック部活動、不祥事など様々な問題を抱える教育界ですが、一番に考えられるべきは子どもたちの未来です。赤尾先生のような教育者があふれますように・・・
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赤尾先生と6年3組の一年。本当に感動しました。ずっと積ん読していたのですが、後半一気読み。涙が止まりませんでした。
自分の子供たちと重ねてしまうからか、度重なる事件に共感しましたし、解決の糸口を提示して貰えたようなところもありました。
昨今、子供を巡る様々な問題がとりだたされています。何処に原因があるのか、もっと冷静に見つめなければならないし、親も教育現場も、地域社会も、色々な角度から支援ないし問題解決に当たらなければならないのだなと痛感。
子供は多感だし、日々成長しています。
私たち大人も、彼ら同様、成長していかなければ。そんな、前向きな気持ちにさせてくれる一冊でした。面白かった!
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前作『だいじょぶ3組』が5年生で、こちら『ありがとう3組』が、6年生の話。
子供が正面から見てるんだから、大人こそ正面から子供に向き合う。
臭いものや面倒な事に蓋をしない。
でも一番大切なのは、心の底から人を愛する気持ち。
終始うるうる。
何とか堪えていたが、最終章“最後の授業”で一気に落涙。
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転校生泰二は発達障害。泰二への考え方や支援、まわりの子どもへの理解を促すことなど、なるほどそんな伝えかたがあるのかと感じた。陽介の万引きや他のトラブルについても、子どもの話をよく聞いてから対応する姿勢、必要だ。
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「五体不満足」の著者乙武洋匡氏が杉並区杉並第4小学校教諭時代のエピソードを書き、映画化されたもの 学童を愛し続ける姿勢が子どもの心を掴み、エネルギーを与えて本来の教育が生き生きと描かれている ついつい涙がほおを流れていくこと、しばしば 「65」、「だから、僕は学校へ行く」、「だからこそできること」をよんで見たい
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前作 大丈夫3組 に続き、さわやかな感動です! 先生もこどもも、まっすぐ 楽観的なできごとばかりじゃないのになー やっぱり乙武さんが好きだー!
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乙武さんと同じように両手両足がない障害をもちながら小学校の教師になった赤尾先生が主人公の、さわやかハートフルストーリー。
舞台はどこにでもありそうな、小学校の教室。6年3組です。
ここで描かれていることは、教師として、本当に勉強になることばかり。
もろ手を挙げて推薦します。本当に素晴らしい本です!
現実の教室で起こりうるさまざまな事件や出来事を、
背景となる登場人物の気持ちまでしっかりと掘り下げた上で
鮮やかに描いています。
それぞれの章の最後には最高の読後感。
学校教育に関わる全ての人たちに!
Posted by ブクログ
印象に残ったこと。
①とりあえずやってみる。やってみなくちゃわからない。
やる前にゴチャゴチャ考えると、なにもしないで終わりがち……。
②ほんとに言いたいことを言えないことが多い。
なにが言いたいか、自分でもわからないことも多い。
だよな〜。
③親というものは子どもに期待するし心配する。それは自然な感情だけど、それが子どもへの干渉になってしまうと、「いかに子どもにとって迷惑であるか」。
干渉という霧がかかると、親が子どもに抱いている愛情が見えなくなってしまう。
子どもは「愛されてない」「生まれてきちゃいけなかったんじゃないか」「生きててイイノか」って本気で悩む。
愛してる、大事だよ、って時々でもいいから伝えてくれないといつの間にか「愛ゆえの」大きな溝ができちゃうよ……。
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(今読んでるので後で編集するかも)
乙武さんの文章は難しくないので読むのも早いし、子供にも読みやすいと思う。
もし自分がクラスで浮いてるとか、友達ができにくいと思っている子がいたら読んでみるといいと思う。
今ちょうど関心がある発達障害についてのお話なのでこれからの展開が楽しみ。
読む時間が欲しい!
Posted by ブクログ
両手足のない先生・赤尾先生と3組の子どもたちとの日々を描いた『だいじょうぶ3組』の続編。
5年生だった子どもたちが6年生に進級し、赤尾先生は(介助員の白石先生も含めて)相変わらず担任に。
そんななか、3組に転入生の泰示がやってくる。初日から、自分の感情をコントロールできずに暴れて教室を飛び出す泰示には発達障害の疑いがあった…。
面白かった。6年生になった子どもたちは、小学校最後の運動会や合唱コンクールや宿泊学習などの行事や、それぞれの進路に悩むなかで少しずつ成長していく。また、赤尾先生も子どもたちとのそんな日々のなかで少しずつ教師として成長していく。
読みごたえがあったのは、転入生・泰示と子どもたちとの関わりだった。昨年度からの赤尾先生との関わりを通して子どもたちは"障害者"に対しての理解を深めてきた。しかし、12歳の子どもということもあってか、見て分かる"身体障害"をもつ赤尾先生の出来ないことは受け入れられても、見て分からない(一見自分たちと変わらないようにみえる)"発達障害"をもつクラスメイトの出来ないこと苦手なことはなかなか受け入れられないのだと考えさせられた。
また、子どもたちだけでなく赤尾先生も発達障害の疑いのある泰示への指導を通して教師として成長していくのも見応えがあった。
Posted by ブクログ
小学生にも読めるように分かりやすく書いてあるにもかかわらず、答えのない考えさせられる内容が散りばめられている本でした。
ほんと、教育は答えが無いように思います。
Posted by ブクログ
夏休み 子どもの 読書感想文候補で この本を 読んでみました。もちろん、「だいじょうぶ3組」も読みました。
第三章「百三十円のメッセージ」の 赤尾先生の お母さんの言葉に じーーんと きました。
Posted by ブクログ
6年生になった3組に転校生の泰示がやってくる。
しかし、泰示は自分に面白くない事があると、感情を爆発させて教室を飛び出していってしまうのだった。
赤尾先生は車椅子で泰示を追いかけるが……。
発達障害の子のための授業の工夫、ほかにも色々知りたかったな。
Posted by ブクログ
大丈夫3組の続編。
愛とは目にみえるもの。最後の手紙のエピソードは、本当に心にじーんときた。
一人一人がかけがえのない宝物。親や教師ができることは、天から預かったその宝物に、ただただ心を寄せて見守ることくらい…
乙武氏の分身である赤尾先生は、自分に与えられたその愛が、どれだけ自分の生きる力になってきたのかを本当によく知っている。そして、実際、手と足がないという不自由さなんて感じさせないくらい自由に生きている。
いつもだったら原作を読んで満足してしまうのだけれど、今回に限っては、やっぱり、乙武氏演じる赤尾先生の生のエネルギーと愛を映像で感じたいなぁ。
Posted by ブクログ
続編ありがとうって感じだった。
こちらは転校生の話がメイン。
乙武先生だからこそ真正面から
向き合ってくれたかなとも思うし
私達は逃げることを普通に選んでるんだろうな
とも思ったし、うん。
Posted by ブクログ
今の小中学校がどんなは風か分からないんだけど、私が子供のころは今で言う発達障がいと思われる子は普通にいた。
そんな中でカバーし合い、助け合って行く事を学べると思うのだけど、
むしろこのような作品が必要とされていることは、残念なのかもしれないな。
Posted by ブクログ
『だいじょうぶ3組』の続編。
前作のテーマ『普通じゃないことの何がいけないのか』に加えて
『一般的に普通じゃないとみなされる人や物事を尊重すること』と
その難しさについて描かれていたように思う。
発達障害児というある意味爆弾(失礼)を放り込まれたことで
子供たちが成長していく様が見事。
春菜さんのお父さんを説得しに行くくだりは微笑ましくも涙が出た。
前作のレビューに
『小学生でこういう先生に出逢えたら、幸せな大人になれる気がする』
と書いたけど
こういう生徒に出逢えた赤尾先生も幸せなはずだと今作を読んで思った。
今回は紺野先生の存在が前作よりも大きかったと思う。
赤尾先生を諭す言葉には前作以上に重みがあった。
対照的に、前回歩み寄ったかなと思えた学年主任の青柳先生が
元に戻ってしまったというか頑なになっていたように見えたのが少し残念だった。
親子間でも、友達との間でも、
成長したからこそお互いの愛情を測り兼ねるもどかしさも描かれていたと思う。
それを教えてくれたのは転入生の泰示くん親子だった。
それと同時にこの親子が現在の社会における生き辛さも教えてくれた。
『だいじょうぶ3組』ほどじゃないけど
読み終わったらやっぱり頬がバリバリに固まっていた(爆)。
これもやっぱり人前で読めない(笑)。
Posted by ブクログ
ステキな話でした。
いろんな子がいて、それぞれに悩みや問題をかかえていて―。
スーパーマンでなくても、真剣に親身になって自分のことをみてくれる先生って、ステキです。胸が熱くなりました。
ただ、高学年にも読めないことはないだろうけど(いろいろ配慮はしてあるけど)、どちらかといえば、大人向けかも。
小学生へは「オトタケ先生の3つの授業」の方をおすすめしたいかなぁ。