toi8のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ベルさんが過去を清算するべく旅立つ7巻である。
遠い東の「大地のヘソ」に居るという覇王剣パーシヴァルとの再会を目的とした物語は、過去に囚われた彼と再会を果たすところまでが描かれている。
物語は旅行くベルグリフらの視点と、大地のヘソで異様な男を見守る二人の女性の視点が交互に描かれる形だ。
こうしたスタイルは、父娘の両視点で進んでいたこの物語としては常道であるが、それだけに過去に囚われた彼の人の苦しみが際立っている。
再会のタイミングも最悪で、慣れぬ旅路に寝込むベルグリフは声をかけることもできず、旧友が死地に飛び込む様さえ見ることができなかった。
物語は彼らのぶつかり合いまで描かれているが、そこまで到れたのがアンジェリンあったればこそというのが心憎い。この物語らしい演出だろう。
楽しく読ませていただいた。星五つで評価したい。
なお、書籍版の書下ろしは「辺境の夏」。グラハム、シャルロッテ、ミト、ビャクの四人が過ごすトルネラの風景が描かれ、すっかり所帯じみたビャクが笑いを誘う短編だ。
初回版限定封入特典「連れてけエルフ」はオルフェンでマルグリットに捕まり、連れてけ連れてけされてしまう掌編である。
どちらも本編のこぼれ話で、特典として魅力的な部類である。 -
購入済み
これは面白い
ハマった。これ、相当面白いです。まさにハートフル。
正直一巻はそうでもなかった。でも二巻の半ばあたりから段々面白くなってきて、気が付いたら寝不足になりながらも最新刊の6巻まで夢中で読んでしまった。
血の繋がらない娘を育てる話は結構あるし、中でも結局恋愛関係となる展開が多いから、これももしかしてそういう系統かと心配してましたが杞憂に終わりました。(あの手の展開は大っ嫌いなので)
事件やトラブルも起こるものの、とにかくほのぼのします。微笑ましい。ベルグリフの愛情深い人柄や、穏やかな彼に影響を受ける人々の優しい輪の広がりは素晴らしいの一言です。
読めば読むほど面白くなっていく物語なので、すでに続きが待ち遠しく思えます。
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Posted by ブクログ
ネタバレグラハムの聖剣を手にベルグリフが覚醒する6巻である。
故地トルネラを舞台に、ミトを付け狙う古き森との対峙が物語のメインストーリーとなっている。
旧友を訪ねて「大地のヘソ」を目指す直前の大騒動であるが、ここではトルネラでの生活が丹念に描かれ、その素朴さの魅力が強く描かれた一方、外様の人間を排斥する地方の排他性なども描かれている。
とはいえ、その排他性も物語的にヘイトコントロールはきちんと行われている形だ。
実際の田舎においてはより強烈な物であることの方が多く、その意味では手ぬるく感じる方もきっとおられるだろう。
ただ、後書きで作者ご本人も触れておられるように、こうしたある種の理想めいたエンドもまた、物語だからこそ描ける類ではないかと思う。
今回もまたこの作品らしい魅力にあふれた内容であった。星五つで評価したい。
しかし、積年の修業が実を結び、エルフの英雄の教えでさらなる高みに上って、そして今回ついに殻を破ったベルグリフ。
彼の姿は、ある種のロマンの塊だろうなとつくづく思う。中年の星的な存在だろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいよいよ物語が開幕すると言っていい四巻である。
またも大公からの勲章授与のための招待という経緯でトルネラに帰れない娘と、逆にトルネラを出立する父らの姿が描かれている。
二つの視点の物語が、天蓋砕きという英雄によって結び付けられる。
その背後に見える陰謀の存在といい、少しずつ物語は中核に迫っている印象である。
また、三巻までは序章だったとあとがきでの解説もある通り、いよいよ本編が始まった感のある内容だろう。
かつての仲間との間にあったわだかまりが時を経てまた顔を見せる物語であり、中年の主人公ベルグリフが過去と向き合うその始まりとなる四巻である。
キーパーソンが抜けたことでパーティが崩壊する、という物語は多くネット小説で取り上げられている題材だが、それを遠い過去の思い出として、その清算に向かう物語というのは、ちょっと目新しいだろう。
この一巻で見ても、貴族らとの生活の差に戸惑いを見せながら、見世物にされるのを拒否し喝破したアンジェの姿などは鮮明であった。
物語にふくよかさを持たせる書下ろしの「EX 日々降り積み」や、初回版限定のベルグリフらの出立の朝を描いた「出立」など、書籍化としても魅力的。
今回も星五つで評価したい。良い書籍化シリーズが続いているとつくづく思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父・ベルグリフの(婚活の)ためにアンジェリンが奔走する三巻である。
相変わらずファザコン的愛情が暴走しているアンジェだが(笑)、この巻では先の巻の後始末的にシャルロッテ&ビャクのコンビに出会い、彼らの面倒を見ることで自身の未熟さを知る経験を得ている。
一方のベルグリフは(娘があちらこちらで自分の結婚相手を探していることなど露知らず)、彼の村へ現れた二人の異人を迎えながら、森で異変を起こしている魔王の残滓と対峙している。
二人の物語はここでは交わらないが、トルネラとオルフェンで出会いを得る二人の姿が描かれた巻だった。
派手な展開はなくとも読ませる、相変わらず優れたシリーズだ。今回も星五つで評価したい。
二人の生活をいま少し綴った書き下ろし「村の暮らし、都の暮らし」や、三人娘のひと時を描いた初回盤特典「大波、小波」など、書き下ろしも充実している。
良い書籍化が続いている。これからの物語にも期待したいところだ。