toi8のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいよいよ物語が開幕すると言っていい四巻である。
またも大公からの勲章授与のための招待という経緯でトルネラに帰れない娘と、逆にトルネラを出立する父らの姿が描かれている。
二つの視点の物語が、天蓋砕きという英雄によって結び付けられる。
その背後に見える陰謀の存在といい、少しずつ物語は中核に迫っている印象である。
また、三巻までは序章だったとあとがきでの解説もある通り、いよいよ本編が始まった感のある内容だろう。
かつての仲間との間にあったわだかまりが時を経てまた顔を見せる物語であり、中年の主人公ベルグリフが過去と向き合うその始まりとなる四巻である。
キーパーソンが抜けたことでパーティ -
Posted by ブクログ
ネタバレ父・ベルグリフの(婚活の)ためにアンジェリンが奔走する三巻である。
相変わらずファザコン的愛情が暴走しているアンジェだが(笑)、この巻では先の巻の後始末的にシャルロッテ&ビャクのコンビに出会い、彼らの面倒を見ることで自身の未熟さを知る経験を得ている。
一方のベルグリフは(娘があちらこちらで自分の結婚相手を探していることなど露知らず)、彼の村へ現れた二人の異人を迎えながら、森で異変を起こしている魔王の残滓と対峙している。
二人の物語はここでは交わらないが、トルネラとオルフェンで出会いを得る二人の姿が描かれた巻だった。
派手な展開はなくとも読ませる、相変わらず優れたシリーズだ。今回も星 -
購入済み
単純明快で面白い
話の流れ的には非常に明快で、力のある国が他国を支配する世界において各国は自国の国力や科学力、魔法力を他国とどの程度下がるか理解していない。そんな世界に突如として日本国が転移して来て言わずもながの平和ボケした政治家が何とか友好国のために少しずつ絶大なる武力を使用して何とかこの世界をまとめる方向にもっていこう頑張るスト-リであるが、あまりごちゃごちゃした裏工作や駆け引きなどがなく非常に読みやすかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ二巻では、ついに帰宅を果たしたアンジェリンらパーティとベルグリフのトルネラでの田舎暮らしが描かれた前半と、その帰路にて遭ったボルドー伯領内での一幕が描かれている。
この巻における白眉は、やはり前半におけるベルグリフの教導だろう。無敵に近い力を持ち、それがゆえに自然と驕慢さを持ちつつあったアンジェを叱咤し教導するシーンは、この物語らしい良いシーンだった。
邪教をもって扇動する少女シャルロッテと従者のビャク、若いながらもボルドー領を富ませる名君ヘルベチカとその姉妹のセレンとサーシャ。ボルドー伯爵に気に入られたベルグリフがどうにも気にくわない若き家令のアシュクロフト。
突飛ではないが、魅力的 -
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Posted by ブクログ
ネタバレこの作品は、父娘の関係を軸に描いたライトテイストのハイファンタジー作品である。
物語設定はタイトルの通りであり、昨今のラノベ業界の流行に則ったネーミングが行われている作品であるが、その内容は実に良質なジュブナイルだ。
子を思う父の心と、親を慕う娘の心が活写されながら、情景描写もまた情感豊かに描かれている。ファンタジー世界の手触りが感じられる作品であり、児童文学などで描かれるような情感の豊かさがこの作品にはある。
今巻の物語は「父親の元へと帰郷したい娘が、Sランク冒険者としてのしがらみによって帰れず苛立つ」という大変地味なストーリーラインになっているのだが、それでも読み進めるのが楽しい一 -