toi8のレビュー一覧

  • 誰が勇者を殺したか 預言の章【電子特別版】

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    ネタバレ

    レナードよ、あなたは勇者だ。

    物語がはじまったとき、レナードは法外な報酬を要求する冒険者。あげくには、志半ばで倒れた勇者の装備を追い剥ぎする始末。でも、それは露悪的な振る舞いをしていただけで、金で贖える命を救うために金を要求していた。
    そして、彼が真の勇者と認めるルークに報いるために、ただひたすらに仇である魔人を追い続ける。彼の思いは、ルークの息子ザック(アレス)につながる。まぎれもなく勇者の系譜。

    0
    2025年12月07日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#1 【電子書籍特典ショートストーリー付】

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    待ちわびすぎて古典というかレジェンドと再開したかのような気分です。
    この軽妙なやりとり、関係、好きだな〜

    0
    2025年12月05日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#1 【電子書籍特典ショートストーリー付】

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    ネタバレ

    Beyond読んだ直後の数年前の俺氏「続ききてー!やっぱ来るなー!いやでもネズミ……タスケテ……」
    今の俺氏「来てくれてありがとうございます!!」

     2年後のNO.6から始まる本編。紫苑たちの奮闘によりいろいろ変わってきているけれど、不穏もあって。。。Beyondで最後ちらと出てきたの、もしかしてNO.4と関係あるのかな……。
     イヌカシの生活は側から見たらまさに手を差し出すべき者にはなるけれど、余計なお世話というか世界を壊す脅威でしかない。まさか貴女も何かあるのですか……?
     そしてネズミと紫苑がさあ……よくってえ……。紫苑の決断は驚きだったけど、でもそれだけネズミの存在が大きいってことだよね。ネズミの「己が変わってしまいそうで怖い」というのも今後キーになってくるのかな。いやほんとネズミと紫苑の2人がよくて信じてよかったァ……。
     新たなる動き、どうなるのかな。。。

    0
    2025年12月03日
  • 勇者からは逃げられない【電子特別版】

    晶

    購入済み

    タイトル回収

    タイトル回収する作品がお好きなら読んで損はないです。

    #アツい #切ない

    0
    2025年12月02日
  • オカルティック・ノスタルジア 流説の落とし子たち

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    ネタバレ

    昭和40年、50年代の雰囲気(オカルトブーム、ツチノコブーム、団地での怪談話など)の描写の妙もさることながら、話の構造も巧みだったと思う。
    各話のミスリードを誘う二段構えの構造。
    オカルトの世界に引き込むのも、初手のツチノコは「言うてもまだオカルトと決めつけるのは早い」と思わせてからの、次の団地の幽霊で「あ、この話の世界観では幽霊は実在するのね」と見せつけて、次の話ではもうオカルトが実在する世界観を受け入れているので、そこからどんなとんでも展開が来ても受け入れやすいという、とても丁寧な段階を踏んでいたことに後から気がついた。
    本当に巧妙である。

    その巧妙さから最後に明かされるのは、神出鬼没な明とオカルトコーナーの記者、丈治の謎と関係性。
    アメリカ人と日本人のハーフとして、昭和時代だからこそ風当たりの強かった彼に隠された本人も預かり知らなかった謎とは。
    明の正体は。
    それは是非是非本編にてご確認を!

    0
    2025年11月11日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#1 【電子書籍特典ショートストーリー付】

    Posted by ブクログ

    面白かった!!!!!再会を読むために1~9まで読み返してみたら、私の好きな物全部詰まっててすごかった。小学生の頃に出会ったこの物語がその後の読書生活に影響を及ぼしていたと気がついた。お互いが人生における最重要人物たる2人組のことが大好きなので、ネズミと紫苑のことももちろん好き。この2人が今後どうなっていくのか知りたい反面知りたくない気持ちもある。早く続きが読みたい!

    1
    2025年11月04日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#1 【電子書籍特典ショートストーリー付】

    購入済み

    NO 6

    待っていました
    再会を
    改めて一巻から読み直しての再会
    胸が痛く熱くなりました
    ネタバレになるので内容は話しませんが
    とにかく!良かった
    早速、再会♯2を読み進めます

    #深い #泣ける #感動する

    0
    2025年11月01日
  • 最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らない最深部へ ~俺の勘だとたぶんこっちが出口だと思う~(コミック) 2巻

    購入済み

    緩急が上手い

    デフォルメを多用する場面だったり、ゆるーい感じの会話だったり、
    一転して暗く重たい流れがやってくる。
    迷宮の中の方を緩ーく見せて、地上の方に緊張感を持たせる。
    何が起きるのか?何が待ち受けているのか?期待せずにはいられない。

    #ダーク #笑える #ドキドキハラハラ

    0
    2025年10月28日
  • 日本国召喚 10

    ネタバレ 購入済み

    おぉ

    漸く自業自得の豪華一点張り見本市な
    元お姫様が捕獲されましたか…
    蜘蛛の糸になるかも知れなかった
    老兵さんとの縁は自ら断ち切って。
    んむ自業自得。

    #アツい #スカッとする #ドキドキハラハラ

    0
    2025年10月27日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#2

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    紫苑の奮闘でNO.6の再建が順調に進んでいると思いきや、どこか不穏で脆さのある雰囲気だったのが腑に落ちた。かつて、NO.6市内と西ブロックでは同じ人間が暮らしているとは思えない壁があり、NO.6の惨憺たる行いを忘れられるはずもなく、あらゆる思いが錯綜する中で正しい道などないのだと思う。ディストピア小説のその後を読めることが嬉しい。
    紫苑とネズミの関係は相変わらず底知れないものがあり、そこに安心感も覚えた。

    0
    2025年10月20日
  • 誰が勇者を殺したか 預言の章【電子特別版】

    Posted by ブクログ

    「ファンタジーは設定が複雑で入り込みにくい」という先入観を、これほど鮮やかに、かつ「ずば抜けて分かりやすく」打ち砕いてくれる作品は他にありません。
    散りばめられた「預言」という名のパズルのピースが、物語が進むにつれて完璧な絵を描き出していく。そのプロットの美しさは、超一流のミステリーを読んでいるような知的な興奮を与えてくれました。現実離れした世界でありながら、そこで交わされる会話や選択には確固たる「理由」があり、読み手を一瞬たりとも置き去りにしない。まさに「素晴らしい」の一言に尽きる、構成の勝利です。

    0
    2025年10月19日
  • 璃寛皇国ひきこもり瑞兆妃伝 日々後宮を抜け出し、有能官吏やってます。【電子単行本】 3

    匿名

    購入済み

    今回もワクワク

    今回もワクワクでした。あっという間に読んでしまい、ああ!ここで!ってところで終わりましたね。早く次が読みたい。

    #スカッとする #ドキドキハラハラ #胸キュン

    1
    2025年10月16日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#1 【電子書籍特典ショートストーリー付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まず最初に火藍に拍手!

    あなたを手放せるほどに愛しているの。
    繋ぎ止めるのではなく解き放つ。それぐらい愛している。

    強い。こんな愛を持てる火藍はとても強い。手放せるほどの愛って現実難しいですもん。
    火藍の母として人としての強さが前作から大好きだった故に今作も垣間見えてどれだけ嬉しいか。あさの先生ありがとうございます。


    前シリーズのNo.6の終わり方に満足はいっても紫苑とネズミがお別れエンドだったのが
    こんなにも2人でいることが当たり前なのに?なんで?ちゃんと再会するんだよね?

    ネズミ戻ってくるんだよね?え?迎えに行こうか?とやきもきした記憶がw

    ので2人の再会のシーン。どれだけ高揚したかおわかりか。
    2年越しの2人の答え合わせ最高です。
    ネズミを見送った紫苑の思いがぶちまけらて、そっかそっかと……
    今度はネズミについていくつもりなんだね

    1年がタイムリミット。今度のNo.6は1年の間に完全な改革を行うこととなるのかぁ。1年…なんて短い…でもネズミのためならやるんだろうなぁ

    ネズミについていくためのストーリーに仕上がっていくのか、それとも違う展開が待っているのか序章にして待望の1巻!全何巻で構成されるのかわからないですが、今からわくわくどきどきとまらないです!

    0
    2025年10月07日
  • 最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らない最深部へ ~俺の勘だとたぶんこっちが出口だと思う~ 1巻

    Ham

    購入済み

    面白すぎる

    タイトルから何か特別なものを感じ読みましたがとにかく面白い、キャラクターの掘り下げもしっかりしているし物語のテンポも良いし構成も綺麗で読んでいてストレスが無いです。キャラクター同士が育む絆も三者三様で単調さがなく、世界観の作り事もお見事で、個人的には技名などがちょっと格好良すぎます。面白すぎて作者さんの作品を全部読みましたが全部面白かったです。

    #カッコいい #アツい #笑える

    0
    2025年10月07日
  • 誰が勇者を殺したか 勇者の章【電子特別版】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終わりました。今回の話は後書にもあるように報いとその先にある光の話ですね。

    優し過ぎる人達がなんでこんなしんどい目に遭って、かつなんでこんな最期を迎えないといけないのだ…この全てを残された姫が背負うには重すぎないか?と思いましたがマリアから伝えられたシェイプシフターの最後の言葉。あれが光ですね。
    誰にも想われないと言っていた姫の願いが報われた…のかな。何にせよ辛いのですが。

    それにしてもマリアがどんどん人間離れしていくなあ^^;

    0
    2025年10月02日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#2

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    発売日当日(2週間前)に買って、ようやっと読み終わりました。
    西ブロックがどうなるのか、不安な所で終わり。
    続きが気になりすぎる!!!
    シオンの成長具合で、時の流れを感じる。
    火藍ママの挿絵で、「こんな人かぁ」と初めてなりました。思ったより可愛かったです。

    0
    2025年09月17日
  • NO.6[ナンバーシックス]再会#2

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    この危うさと焦燥感、なのにどこまでも甘い夜のようなこの感覚はNo.6でしか味わえないです。
    こんなに早く二人の新しい物語が読めるとは…。
    無印では紫苑とネズミの関係性の変化が大きな見どころでしたが、再開の紫苑のネズミの関係性は普遍なものになったのですね。
    ネズミは大切なものを持つと弱くなると無印では言っていた覚えがありますが、紫苑という大切なものを持つ覚悟をしたのですね。
    そんなネズミは無印よりもさらに強くなった気がします。
    揺れ動き、戸惑うことは決して弱いことではない。
    揺れ動き、戸惑いながらも、大切なものを守る決意をして前に進んでいくことは、とてもとてと強いものなのです。
    ああ、どれだけ語っても語り尽くせない。

    0
    2025年09月14日
  • 誰が勇者を殺したか (1)

    Posted by ブクログ

    漫画が小説では表現しづらい表情などをの内面を補完している 
    良き コミカライズだ。
    小説を読み終わってるので、結末は知っているが、表情がキャラをより魅力的にして、
    読んでいて楽しい。

    3
    2025年09月07日
  • 筺底のエルピス8 -我らの戦い-

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     4年ぶりの第8巻。随分と間が開いてしまった。前巻の展開を忘れてしまっていたので、再度読み直してから8巻を読んだ。いよいよ最終章「絶望時空」に突入した。
     
     「鬼滅の刃」と同じく鬼退治の話なのだが、こちらの鬼は、「殺戮因果連鎖憑依体」(さつりくいんがれんさひょういたい)。文字通り人間への憑依を繰り返す。そして、鬼を狩る組織は日本の《門部》(かどべ)とバチカンの《ゲオルギウスの会》、そして米国の《I》(ジ・アイ)である。その三つの組織が同時に攻撃を受け、瞬時にして危機的状況に陥ったのが前作。

     今作では、その失地挽回と反撃が描かれる。しかしながら、人類の絶滅までのタイムリミットを少しだけ先延ばしたにすぎない。人類の未来への環は閉ざされるしまうのか、というところで最終巻へ。

    0
    2025年08月31日
  • 汝、暗君を愛せよ【電子特典付き】

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    これは凄い作品に出会ってしまったよ

    作品傾向としては近年のラノベにおける王道路線、異世界への転生であり権威・権勢を持つ者として人生をやり直すというもの。けれど、本作はそうした権力者に生まれ直す事で得られる利点というか欲求的な部分を初っ端から否定しているね
    偉くなった事で得られる立場に相応しいリーダーシップの発揮「変えることで自分の存在を刻印する」行動を敬遠している。前世においてそれなりに軌道に乗っていた会社の社長として行き詰まった彼は権力者として何か行動を起こす限界を体感している。だから異世界において改めて権力者の椅子に座っても、彼は次なる人生にて失敗しない為に「何もしない」を選んだわけだ
    これ、軽く言及するだけだとまるでスローライフ系のように感じられるけど、むしろこの主人公の生活は転生した事で忙しくなるね。食事も仕事とか気が休まる時間が無い
    それらの忙しさは巻き込まれ型主人公のように向こうからって来るという仕様ではなく、王者の椅子に座っているから必然的に訪れる忙しさ。「何もしない」を選択した彼は世を捨てて田舎に引っ込むのではなく、王城において暴君にも名君にも成らない道を進むわけだ

    “ぼく”の口調が反映されている文体はとてもナヨナヨした印象を受ける。有り体に言ってしまえば「うだつの上がらない」男性が使ってそうな感じの文体。味方にする利点はあまり無いけれど、敵にするまでもないしそのバックボーンに価値が有るならば味方陣営に加えても良いかな?って塩梅の類い
    “ぼく”は意識した上でそうした在り方を体現しているね。これ、無自覚俺ツエーでも能ある鷹は何とやらというタイプですら無く、自分を立てずに相手を立てる姿勢を極めた形なのだろうな
    そもそも前世では上手く回っている会社、会社規模に相応しい有能さを持つ部下達、自分がヘマをしても傾かない体制という中で自分の主張を通そうとして失敗した人物だから、財政事情に大きな問題を抱えている程度で家臣は有能揃いのサンテネリにおいて、同様に自分の主張を通す利が無い点を素早く理解できたからこそ

    他方でこの“ぼく”は周囲で行われている政治を何も理解していない本物のお飾りとは違う点が本作の面白さへと繋がっていくね
    「何もしない」リーダーだけど「何も知らない」わけではない。それどころか、サンテネリで何が行われているかを積極的に知る行動力を持っているし、相手が何を考えて政治を行っているかもある程度読めている。その上で「何もしない」のだから見た目以上に厄介な人物だよ、この人は
    そんなグロワス十三世が中心となって織りなされる物語、面白くないわけがない


    病に拠って倒れたグロワスに“ぼく”が転生する形で始まった物語、必然的に転生前と後ではグロワスの在り方は大きく変わっているのだけど、前後における評価の違いがまず面白いね
    彼に嫁ぐ可能性が有ったブラウネやメアリ等を始めとして大半の人物は転生前のグロワスを暗愚な人物、または暴君と認識していた。これはグロワスを個人として観察していた為か
    対してマルセルを始めとして幾人かの家臣はグロワスの在り方を良くないものと捉えつつも誤りであるとして修正しようとまではしないね。これは王という個人に仕えているのではなく、王権に仕えている為か。またはそれ程までに王を絶対視していたか
    愉快なのが転生前のグロワスと真反対の政策を行う“ぼく”は前のグロワスを偉大な君主になる可能性があった、羨ましい人物とまで見ている点か。まあ、そのように見つつ彼の政策の踏襲を行わない点も興味深いのだけど

    前のグロワスと今のグロワスは明らかに思想が異なる。それが結果的にグロワスに失望していた、もしくは舐め腐っていた者達にポジティブなショックを与えるわけだ
    その代表格がヒロインズとも言えるブラウネ達だね。彼女らは一様にグロワスに失望していた。しかし、身分から来る責任や立場の為に彼を明確な嫌悪の対象とまでは出来ない。それだけに前の彼と180度異なるかのような新たなグロワスの態度は彼女らに好印象を残すものと成るね
    そもそもからして“ぼく”というのが現代知識無双も現代倫理無双も出来ないタイプなのだけど、一方で根底にある現代的な価値基準までは消せないし、社長時代に培った対人スキルも持ち合わせているから、サンテネリにおいて異質とまで呼べるような接し方が出来る
    即ち、身分に基づいて人を区別するのではなく、人に基づいて人を区別する。それはサンテネリにおいて人を区別しないも同義。身分に拠って暴君グロワスに嫁ぐ可能性があった彼女らにとって気持ちの良い解放を意識させるものだね。身分に拠ってではなく人に拠って彼を好む事が出来る
    これを“ぼく”は狙った形ではなく、ごく自然の在り方として、それでいてグロワス王として問題のない範囲で意図して行っているのだから恐ろしい話ですよ


    新たなグロワス王の政策はいわば王が何もしなくて良い状況を作る為に全てをする、みたいな感じだね。将来的に自分の権力を削ぐ為の下準備を綿密で慎重な打ち合わせを何度も行った上でやっている。ただ、それでも周囲においては大改革には違いないから反発も当然生まれると
    だとすると、第11話で発生した事件は無理な改革を進めようとした反動の現れだったと言えるか。それはグロワスへの害意という形だけではなく、“ぼく”が「何もしない」無害な存在と嘯いてきた為に密かに生まれていた歪みをも表出させるものとなったような

    マルセルの処罰要求、噴出した“ぼく”の恫喝、ブラウネに訪れた選択、メアリが直面した破滅
    これらは全て“ぼく”がのらりくらりと責任と向き合いつつも責任を避けていた為に生じてしまったものかな。そしてその忌避は前世を逃げるようにして終えてしまった行為に端を発しているとも言える
    だから、この大問題の局面を切り抜けるにはそれぞれが身分や立場によって隔てられていた関係を少し踏み越えて己が自然的に持つ責任と相対する必要があったのかもしれない

    そう思えばこそ、マルセルが侯爵令嬢たる自身の娘を出仕させ、ブラウネがグロワスをこれ以上逃さない為に傍に侍る決心をし、メアリが王ではなくグロワスという個人を救う事を自身の在り方としたように
    そして何よりも“ぼく”が彼女らを身請けすると、彼女らの人生に対し責任を持つと覚悟を決めた事は大きな転換点となったのではなかろうか

    その一方でゾフィという少女は面白い立ち位置に居るね
    彼女はブラウネやメアリ程には王との関係に縛られていない。また、2人よりも幼い年齢。その意味で彼女はまだ自分の在り方を決める必然性に迫られていない。けれど、新たなグロワスに父性的な魅力を覚えた彼女は政治を意識しつつ少女として彼に恋をし、そして恋をしたからには淑女として彼と向き合おうとしているね。その点はブラウネやメアリには無い魅力であるように思えたよ
    無論、ブラウネだってメアリだって充分に魅力的な女性であるんだけどね


    己の立場を改めた“ぼく”は更に行動を急進化させるね。
    差し迫った理由が有るわけでもないのに、自身の権力や武力をひたすらに削り、他者に権力を委任しようとするだなんてもはや狂気の沙汰だ
    当初の彼は失政の果てに殺されたりしないよう「何もしない」を選んだ筈だった。けれど物語が進展し、彼がサンテネリやブラウネ達に責任を持つように成ると、サンテネリが生き永らえるように王や権力者が何かをしても揺らがない形へと国を変えていく
    これは「何もしない」の究極系だね。だから彼の周囲に侍る者達は生まれ変わったグロワス王に未知なるものを見るし、彼の真意を読み解け無い者は暴君より恐ろしい何かを見て彼に降参する

    終盤にてグロワスの王たる所業が一つ描かれたね
    あの演説は作品が作品なら名演説扱いされてグロワス王の王たる所以を示すものと扱ったって可怪しくない。けれど、グロワスの演説を傍で聞いたガイユール大公とデルロワズ公は演説そのものは高く評価しない
    ただし、王が直接に兵達に向けて自身の政策を反映した演説を行ったという点、それを聞いた兵達が思惑はさておき現象としては騒乱を止めた。その事実がとても大きい
    グロワスはそこに自覚的であるというのが面白いね。“ぼく”は意図的にそうした効果を狙っているね
    同じようにガイユール大公とデルロワズ公もグロワス王がただの熱意に拠って大演説を行ったとは見做さず、演説を行う事で長期的な効果を得ていると認識している。また、そうして作られる時代の転換点に否が応でも巻き込まれている事も自覚している

    そうした点を考慮すれば、2人はグロワス王を自分達が仕えるべき、というより仕えざるを得ず名君にせざるを得ない人物と理解していくね
    当初の彼が「何もしない」判子係だった事を思えば、これは大きな偉業と言えそうだ

    ただ、“ぼく”自身は政治の世界に身を置きすぎて彼らの信任を表面的な言葉そのままには受け取れないと
    だとしたら、ブラウネやメアリからの信頼がより篤くなり、そして無邪気であるように見えて充分に政治的であり純真さも併せ持つゾフィが傍に侍る事になったのは彼にとって癒やしと成ると良いのだけれど
    あと、この関係にあまり絡んでこないアナリゼはグロワスとどのような関係を築いていく事に成るのかも気になるね

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    2025年08月29日