浅葉なつのレビュー一覧
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本や映画、ドラマなどで感動することはたくさんあります。
だけど、どんなに心に沁みても、目が潤んでも、喉の奥がキュってなっても、涙が流れずに終わってしまう作品が多いです。
ですが、この本はクライマックス前には涙かポロポロと流れ出すほど、感動する物語でした。
1つの曲が、登場人物たちの固まってしまった心や止まってしまった時間をもう一度動かします。
感動の涙の訳が、人間模様なのか、音楽の描写なのか、互いの心が繋がっていく為なのかは分かりません。それ以外かもしれません。もしかしたら全部かもしれません。
色んな想いが生まれてくる、とても良い物語だと思います。
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普段聴く音楽は、POPやロック、ジャズが多くて、
“クラシックは聞いてみたいけど取っ掛かりが…”というような感じでした。
この本を読んだあと、「シャコンヌ」と言う曲を聴いてみました。
小学校や中学校の音楽の授業ぶりに、しっかりとクラシックを聞いた気がします。
“クラシックっていいなぁ”って、今まで無かった感想がもてました。こんな思いが湧いたことに、とても驚きました。
この本は、物語の中で感動したり新しい世界を見たりするだけではなくて、本の枠を超えて、新しい感動に出会うチャンスをくれる作品だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は月読命を中心に、天照大神、須佐之男命という三貴子の秘められた過去と、複雑で深い姉弟の絆が描かれる壮大な一冊だった。
『古事記』や『日本書紀』では語られることの少ない月読命だからこそ、その空白を埋めるように紡がれる物語にぐいぐい引き込まれる。
神話や昔話を巧みに絡めながら、「もしかしたら本当にこんな出来事があったのかも」と思わせてしまう構成が見事だった。
何より印象的なのは、神様でありながら悩み、迷い、大切な家族を想い続ける彼らの人間らしさ。
そして、そんな神々の想いに真正面から向き合い、自分の言葉でぶつかっていく良彦の姿が熱い。
長い時間の中ですれ違ってしまった姉弟の想いが少しずつ繋がっていく展開には胸を打たれた。
笑いや温かさだけでなく、シリーズの核心に近づいていくようなスケールの大きさも感じられる、読み応えたっぷりの第7巻だった。 -
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ネタバレ今回も良彦と黄金の掛け合いに笑いながら、日本の神様たちが抱える切実な願いや、長い時を経ても消えることのない想いに胸を打たれた。
平将門にまつわる桔梗伝説の悲しさ、そして宗像三女神と一人の巫女をめぐる物語が特に印象深い。
歴史や神話の中に埋もれていた人々の想いが、現代の物語として鮮やかによみがえるところに、このシリーズの魅力を感じる。
神様も人間と同じように悩み、後悔し、誰かを大切に思っている。
その姿に触れるたび、神様がぐっと身近な存在に思えてくる。
各地の神話や伝承への興味も広がり、読後には神社を訪れてみたくなる。
心温まるユーモアと、思わず涙がこぼれそうになる切なさ。
その絶妙なバランスが素晴らしい一冊だった。 -
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ネタバレ御用人として本採用になっても相変わらずの待遇で、神様たちの無理難題に奔走する良彦と黄金のコンビが最高。今回は九州への遠征もあり、個性豊かな神様たちの願いを通して、夫婦の絆や親子の愛情、恋心など、人間にも通じるさまざまな思いが描かれている。
特に印象的なのは、神様でありながら恋に悩み、嫉妬し、誰かを思う姿。壮大な神話の世界に生きる存在が、どこか身近で愛おしく感じられるのがこのシリーズの魅力だと思う。神様たちの御用を解決する過程には、単なる問題解決では終わらない温かさがあり、時には切なさも胸に残る。
そして、相変わらず食いしん坊な黄金と、振り回されながらも誠実に神様たちと向き合う良彦の掛け合いには思わず笑ってしまう。日本の神話や伝承に自然と親しめるのも嬉しいところ。笑えて、ほっこりして、最後には心が温かくなる。神様も人間も、誰かを思う気持ちは変わらないのだと感じさせてくれる一冊だった。 -
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ネタバレ今回はシリーズ初の長編ということで、古代の歴史ミステリーと人間ドラマが見事に融合した物語に引き込まれた。和歌山を舞台に、神様・天道根命の失われた記憶と夢に現れる女性の謎を追う展開が面白く、少しずつ明らかになる真実に夢中になった。神話や歴史に隠された物語を、現代を生きる人々の想いと結びつけて描く構成も見事。
今回はいつもと違い、黄金がなかなか力を貸してくれない中で、良彦が自分自身の力で謎に向き合っていく姿が印象的だった。神様の願いをかなえるために奔走するだけでなく、相手の気持ちに寄り添い、その奥にある想いまで理解しようとする良彦の優しさに心が温まる。
古代の神様と現代の人間、それぞれの姉弟の絆や、時を越えて受け継がれる想いが重なり合う展開には胸を打たれた。人と神様とのつながりだけでなく、人が誰かを想い続けることの尊さも感じられる一冊。もちろん、黄金と良彦のやり取りも健在で、物語の緊張感の中にほっとする楽しさを添えてくれる。謎が解けたときの感動と温かな余韻が心に残り、良彦が正式な御用人として歩み始める姿にも、これからの活躍への期待が膨らんだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ神様なのに、欲があったり、寂しさを抱えていたり、誰かとの関係に悩んでいたりと、どこか人間くさいところがたまらなく魅力的。
温泉をもう一度楽しみたい神様や、次に取り憑く家を探す貧乏神など、願い事は思わず笑ってしまうものばかりだが、その背景にはそれぞれの事情や切実な思いがある。
コミカルなやり取りの中に、寂しさや葛藤、誰かを大切に思う気持ちが描かれているのがいい。
さらに、神様が見える少女・穂乃香の登場によって、良彦や黄金を取り巻く物語にも新たな広がりが生まれた。
少彦名神や大国主神といった日本神話の神様たちも親しみやすく描かれ、神話の世界がぐっと身近に感じられる。
笑って、ほっこりして、時にはしんみりする。神様たちの意外な一面と心の機微を楽しめる一冊。