【感想・ネタバレ】神様の御用人4のレビュー

あらすじ

毎夜、夢に現れ「忘れるな」と告げる女性に恐れを抱く神様・天道根命(あめのみちねのみこと)。力を削がれ昔の記憶を失ってしまった神様からの御用は、その女性が誰なのか突き止めて欲しいというものだった。 夢の女性が挿していたという簪(かんざし)を頼りに、良彦と黄金は天道根命が国造(くにのみやつこ)の祖として治めた和歌山へ向かう。そこで出会ったのは、良彦のかつての野球仲間で……。 神代の時代に征伐された者と征伐した者。和歌山を舞台に、埋もれた歴史と人の子たちの想いが、いま紐解かれていく――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

シリーズ初の長編で、読み応えがありました。
人間は神様の子供とされるが、神様も人間も同じように家族を大切にしているな。って。

風は気なり。

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2024年06月22日

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ネタバレ

長編、姉弟の話で神様と今生きる人たちがリンクしていて面白かった。謎解き要素も相まって早く続きが読みたくなった。

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2022年01月06日

購入済み

4巻。

シリーズ初の長編。1~3巻の"愉快で個性的な神様達からの御用"な短編も面白かったけれど、今回の"神様の失くした記憶を探す"古代ミステリーな長編もとても面白かったです。前巻迄で話に出ていた「御用人を拒否した」人物のその理由も明らかになり、とりあえず1つシリーズ通しての伏線回収ですね。まだまだ伏線は残っているし、この後の展開も楽しみです♪けれど…主人公がどんどん成長していてそれは喜ばしいけれど、成長しきって再就職とかしちゃうと終了なのかな?と思うと、まだ続いて欲しいから成長しないで!なんて思っちゃいました^^www

#泣ける #感動する

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2021年12月19日

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 萩原良彦(はぎわらよしひこ),24歳フリーター。ひょんなことから神様の御用人に選ばれ,もふもふの狐神の黄金(こがね)とのコンビで,あちこちの神様に呼ばれて御用を聞き届けている。

 今回の舞台は,和歌山。4巻目にしてどっしりとした長編に。

 天道根命(あめのみちのねのみこと)の御用を伺いに来たけれど,御用はないと一度断られる。
 だがしかし,社から出ると,こそこそと先回りしてきた天道根命に捕まり,御用を聞くことになった。
 その内容は,天道根命が夢に見る女性のこと。その簪(かんざし)をつけた人が一体誰なのか探してほしいというものだった。

 天道根命が失ってしまった記憶のこと。
 それから,良彦が高校生のときに練習試合などでも対戦した,和歌山の野球の強豪校で,将来有望だと言われていた選手の大野達也のこと。
 神様と,人の子の,それぞれの状況が明らかになるうちに,姉弟の情とか思いとかを考えさせられました。

 また,ちょこちょこ絡んでくる大国主神(おおくにぬしのかみ)や須勢理毘売(すせりびめ)など,期間でも出てきた神々が,神様のはずなのに,どこか「こんな人いるよね~」的な人間臭さがあって好きです。

 もふもふの黄金(こがね)の安定の可愛さ。
 またくろのくろさんの表紙絵がなんとも美しいです。

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2021年06月01日

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とても好きなシリーズで読書の楽しさを感じさせてくれます。本作はシリーズ初の長編ですが、深みも出て心地よい読後感が良かったです。おまけも心くすぐります。

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2021年01月09日

購入済み

シリーズ初の長編は成功✨

これまでは小さなお話のオムニバスだったのですが、一冊まるごとの長編でした!そして、これまでで一番良かったです✨

学生の頃は歴史が好きではなくて、「もう過ぎたこと勉強して何になるんだろう」って思っていたけれど…誰かがそこに生きてくれたから、今の世界があって、それを「昔のことは関係無い」って切り捨てるのは、すごく貧しいことなんだな、と気付かされました。

そして…母の力って、やっぱりすごいんだね。日本の起源は女系統治だった、という話はちょいちょい聞くものですが…国の始まりが優しい歴史として残っていることを、誇らずにいられません。

日本が好きになるシリーズです!

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2020年06月30日

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神様姉弟、人間姉弟がシンクロしてハラハラドキドキ。
ちょっぴりお茶目な神様夫婦も登場して楽しく読めた。
人間のルーツが神様に繋がっていることを思うと、お参りすることは先祖に感謝することに思えて、機会をもう少し増やしてもいいかなあなんて。
ラストでお姉さんが目覚めるハッピーエンドも素敵。達也くんはがまた野球を始めてくれるといいなあ。

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2018年10月12日

購入済み

神様の御用人4

和歌山の神様のお話でしたが、いつも描かれている風景が見えるようで読み進めるのが楽しみでした。神様と人とのやり取りが丁寧に描かれていて、神様の存在をあまり信じていなかった私ですが今は過去に居たからこそ祀られていて人の心の支えになっていると感じます。
これからもこのシリーズが続いてくださる事をねがっています

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2020年02月22日

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今まで連作短編形式だったが、今回は長編。舞台は和歌山。ひたむきな感じが好きだ。
2015/11/ 10

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2018年08月05日

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人が神の祭りを行わなくなり神を信じなくなったために、力を失い記憶まで失いつつある神々の様々な「御用」を承る「御用人」となった良彦の奔走を描くシリーズ第四作にして初の長編。

日本書記の中のほんの少しの記述しかないという「神武東征」の際に制圧された《名草戸畔》(なぐさとべ)の伝説。
こういう、歴史に埋もれたドラマはたくさんあるんだろうなと思うとこの物語も興味深く読めた。

今作では《名草戸畔》と《天道根命》の物語にリンクするように、良彦の友人・小野達也の家族の物語も展開。
良彦が《御用人》になる前に意外な事実があった。
相変わらずモフモフ狐の神様《黄金》と良彦とのコンビは良い。
食べるの(特にスイーツ)大好き、肉球で『テシテシ』と良彦を叩くところも可愛い。
そこにイケメン《大国主命》にセレブ系美女の《須勢理毘売》(すせりびめ)夫婦の乱入もあって賑やか。

正式に《御用人》となった(状況は全く変わらず)良彦と《黄金》の旅のこれからがますます楽しみ。

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2021年03月28日

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御用人シリーズ4
初の長編

2000年以上大切に守ってきた簪の由来。
夢に出てきて「忘れるな」という女性の正体

御用人本採用の試験ともなる今回の依頼のために
良彦は奔走する。

姉と弟。神様と現代の「人の子」絆は同じ

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2025年11月26日

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今回は良彦の野球関係も、神様関係も深く入り込む内容で、いつも以上に物語に吸い込まれた。
神社、神様は私たち日本人の祖であることを改めて感じた。

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2025年10月27日

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《忘れてほしくないだけなんだ……》(p.216)〔和歌山:今回、長編の舞台〕〔天道根命:神としての矜持と希薄になりつつあるアイデンティティ〕〔簪:天道根命の恐怖〕〔夢の女:天道根命の夢に出てくる〕〔二千六百年前:神武東征に起因するか?〕〔大野達也:高校時代野球強豪校の選手で良彦のチームとも対戦していた知己。じつは…〕〔名草戸畔:神武東征で敗れた首長。「戸畔」とついてるからたぶん女性〕〔大國主:源氏物語のマンガを読みふけっていたがなにやら思惑があるようだ〕〔御用人:今回のミッションは御用人のありようにも関わってくる〕〔奈々美:たぶん大野の姉で、北島少年が知り合った「なな姉ちゃん」〕〔風と風鈴〕

■簡単な単語集

【天棚機姫神/あめたなばたつひめのかみ】高天原で神衣(かんみそ)を作っていたが最近は人間世界で洋服を作っているが売れなくて悩んでいる。小学三年生くらいの女の子の姿だがときおりの、怨念がこもったような低音ボイスが怖い。自分の作りたいものを作るタイプで、相手に似合うとかあまり考えていないところに問題があるような気がする?
【天道根命/あめのみちねのみこと】和歌山で神鏡を護る神。天津神。クソ真面目なタイプ。人の姿のときは北島と名乗る。
【稲の精】大山積神(おおやまつみのかみ)の配下。愛媛にいる。年中行事の相撲でたまには負けてみたい。
【大國主命】出雲在住。国造りの頃の少彦名神の相棒。須勢理毘売命の夫なので須佐之男命の義理の息子。浮気性。
【大宜都比売神/おおげつひめのかみ】食物の神。身体中の穴から食べ物を取り出し高天原に捧げたら不浄やと怒った須佐之男に斬り殺されバラバラにされた。その後羽山戸神(はやまとのかみ)と結婚した。
【大年神/おおとしのかみ】四柱目の神様。歳徳神(としとくじん)とも言う。新年に福をもたらす年神。知らないうちに御用をかなえてしまっていた。須勢理毘売命の腹違いの兄。ということは須佐之男命の息子か。
【大主神社】孝太郎が働いている神社。起源は平安時代。祀られる神は春日大社から勧請された。
【大野達也】和歌山県の野球強豪高校の選手だった。たぶんモデルは赤いアンダーシャツのあそこかと。当時練習試合などで対戦していたので良彦とは知り合い。プロ入りを目指していたしその可能性もある実力だったようだが今は商工会議所勤務。実家は神社で名草戸畔(なぐさとべ)の頭が葬られたという伝承がある。古代のことばかり研究して自分や姉を見ようとしない父親に対して強い反感がある。《神様って名のつく、目に見えないくせに崇められてるものが嫌いだ。》第四巻p.94
【大野奈々美】達也の姉。父の後を継ぎ神社を護ろうとしていた。が、達也とともに交通事故に遭い植物状態になっている。天道根命が知り合った「なな姉ちゃん」と同一人物だと思われる。
【大野の父】名草戸畔研究の第一人者。
【大御霊龍王/おおみたまりゅうおう】三柱目の神様。瀬田の唐橋の下に住まう龍神。「瀬田の橋姫」と呼ぶほうが人には馴染み深い。ある人物は「お華」と呼んだ。
【大山積神/おおやまつみのかみ】伊予の大三島にある大山祇神社、日本総鎮守の異名を持つ社の神。海の民の信仰を受けた戦神。イザナギ・イザナミから生まれた。
【岡田友弘】良彦んちの斜向かいの家の子。小学生。なぜか良彦をつけてきた。
【お杏/おきょう】一言主の眷属。銀杏の御神木が本体の精霊。
【お供え】《神は見目形よりも、それに込められた想いを汲むものだ》《お前が、それに込めた想いをな》第一巻p.268-269。
【お華/おはな】→大御霊龍王(おおみたまりゅうおう)
【幽冥主宰大神/かくりごとしろしめすおおかみ】大國主はたくさんの別称を持つがこれもそのひとつ。よくわからないけど死後の世界の主とかいう意味だろう?
【語り部】各巻の最初と最後に出てきて、良彦の後の御用人(まだ少年)に良彦のことを語り聞かせているようだ。良彦との関わりは不明。身体に鱗があるらしいので、龍神か蛇神か魚の神かそんな感じ? 少年の方も良彦との関わりは不明。息子という可能性もある?
【神様】人間とは持ちつ持たれつの関係だったが、現代では願い事を唱えるだけで信仰心も薄れ神祭りもなく、全体に力が弱まっている。《現代において、八百萬のすべての神が万能だと思うな》第一巻p.42。《神がいなくなるということは、その土地の太陽や水を隠されることと同じことよ》第一巻p.155。《人の子からみれば、神とは理不尽な存在であるものだ。》第一巻p.173。黄金《ほとんどの神々が、人の子を「人間」という括りで見ており、個人として認識することが稀だからだ。わしとてお前が御用人でなければ、舞い散る木の葉の一枚としか見ておらんかっただろう。》第一巻p.173。
【願掛け】《事情はどうあれ、困った時だけ神に頼るのは、褒められたことではない。》第一巻p.54。この作品の神様たちは人間とそう違いはない存在として描かれているが、ぼくらの世界にもし神様がいたとしても願いを聞いてくれることはなさそうに思える。ある人の願いは他の誰かにとって呪いになることもあるだろうから(たとえば入試合格)全ての人の願いを聞くと矛盾が発生する。なにより、神にとって人間は取るに足らない存在だろうから個としては認識しておらず塊(あるいは数字)としての認識だろうと思われる。また、神と人間は存在としてのありようが違いすぎるので神の理は人間の理とは大きく異なるだろうから良し悪しの基準もまったく違い、願いとそれを叶えた結果は合致しなさそうだ。
【感謝の歌】なんでも食事するときには一杯一拍手して和歌を詠むものだったらしい。それは「たなつもの 百の木草も天照す 日の大神の めぐみえてこそ」というものだとか。
【窮鬼】→貧乏神
【国造/くにのみやっこ】領主みたいなもん。
【孝太郎】藤波孝太郎。良彦の高校からの友人。実家は神社。今は近所の大主神社で修行中。権禰宜になったところ。超現実主義者。貧乏神にも恐れられる清濁併せ呑む毅然とした男。
【黄金/こがね】方位神(ほういがみ/ほういじん)。最初に出会った神様。大主神社末社にも祀られている。狐の姿をしており「黄金/こがね」と呼ばれていると名乗った。触りたくなるモフモフ。甘いものに目がない。方角を司るので目的地やそこへの行程が手に取るようにわかる《いわば、高性能狐型ナビだ。》p.87。「狐型モフペディア」でもある。とても古い神様らしいが良彦は威厳を感じていない。その願いは《日本中の人間が再び神祭りに目覚め、神に畏怖と敬いを持つように取り計らう》p.154第一巻。というもの。個人の力では無理そうなのに叶うまで離れないというので一生のつきあいになる? 強いて言えば良彦が神社ライターにでもなって影響力を持っていくしかなさそうだが? このままではお役目を果たすのも遠からず無理が出てくるやろうし。《方位神とは、理屈でできているようなものだ。》第一巻p.200。
【古事記】天皇家の歴史などを、国内向けに書いたもの。
【神職】《神に仕える彼らを通して、人々は神を視るのだろう。》第一巻p.251
【少彦名神/すくなびこなのかみ】有名どころ。第二巻最初の神様。見た目は身長十センチくらいの老人で白いポンチョのような服を身につけている。一寸法師のモデルとも言われている。大きな社殿に祀られているが、それでも地からは衰え老人の姿となった。大國主命とは国造りの頃の相棒。そのとき入った温泉の心地よさをもう一度味わいたい。
【神武天皇】神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびのみこと)などとも呼ばれる。
【須勢理毘売命/すせりびめのみこと】大國主命の妻。須佐之男命の娘。夫の浮気に悩まされている。大年神の腹違いの妹。激しい気性は父親譲り。
【高岡遥斗/たかおか・はると】男子高校生。穂乃香と同じ学校で隣のクラス。御用人のことを知っていた。名前からして高龗神とかかわりのある家(八家)の子かもしれない? 高龗神の役に立ちたくて仕方がない。レギュラーになる? 祖母は斗央子(とおこ)。愛車はズーマーX、二人乗りできたっけ?
【高龗神/たかおかみのかみ】貴船にいる。黄金は「水龍」と呼んだ。「貴船明神」と呼ばれることもある。水神の大元締め。
【田道間守命/たじまもりのみこと】菓子の神。大主神社の境内に祀られている。元は人間だったらしい。
【達也】→大野達也
【童子】高龗神と一緒に降ってきた。おしゃべりでいたずらもので神も困ったことがある。石で作られた柄杓を授かり森を守ることを約束した。人の娘と結婚し有限の寿命となったがその子孫は明治期まで代々高龗神に仕えてきた。
【敏益/とします】良彦の祖父。一年前に亡くなった。口数が少ない優しい人だった。神社に参るのが日課だった。
【泣沢女神/なきさわめのかみ】穂乃香は「沢女/さわめ」と呼ぶ。天香久山麓の神社の井戸の中にいた。小学二年生くらいの見た目。《泣くのが仕事のようなものなのだ》。日本に住む人間の悲しみの半分を肩代わりして泣いてくれる。彼女のおかげで泣いたら気分が晴れる。水神でもある。
【名草戸畔/なぐさとべ】神武東征で敗れて殺された。大野の父は異なった説を唱えている。名前からすると女性のようだ。
【日本書紀】国の歴史を同時に中国に向けて知らしめるために書かれたもの。
【宣之言書/のりとごとのしょ】別名「御用帳」。一年前亡くなった祖父、敏益のものだったという冊子で、謎の老人から渡された。神々の名が書かれている。これを手にした人間は浮き出る神名の社を訪ね、その神様の御用を聞かねばならない。敏益は信仰心の篤さを認められ、そういう家の人間ではないのに抜擢された。作ったのは「遥か高位の大神」なんだとか。神様の御用人としてのパスポートみたいなもんかな。
【萩原良彦/はぎわら・よしひこ】→良彦
【一言主】なんでも一言ですませてしまう神様。最近引きこもっているらしい。良彦が会ってみると予想外のタイプだった。
【貧乏神】窮鬼。《衣食住が足りた生活を送れることが、決して当たり前ではないということを忘れないための存在なのだ。》第二巻p.85。寒いので寝泊まりできる家を探してほしい。羽振りの良い者が転落する落差を味わい、稼ごうとする気力を吸う。が、ここで登場する貧乏神は、一旦どん底まで落ち込んだ者が這い上がろうとする姿が好きで、それを見届けてから離れる。繊細で涙もろいところがある。
【藤波孝太郎】→孝太郎
【方位神/ほういじん/ほういがみ】→黄金(こがね)
【疫病神】お婆さんの姿。貧乏神も恐れた。直接祀られることは少ないが、例えば祇園祭は疫病神を慰めるためのものだったりして、けっこう信仰はされている。
【洋治】大野達也の知り合いの神職。三十代半ばくらい。
【吉田穂乃香/よしだ・ほのか】視える人「天眼/てんげん」。超絶美少女。高校生。あまり笑わないクールビューティー。孝太郎が勤める大主神社の宮司の娘。
【良彦】主人公。二十四歳。神様の御用人にされてしまった。やる気も知識もあまりなかったが、結局のところとても誠実な人。ずっと野球をしており高校のとき一度だけ一番サードで甲子園に出場し一回戦で敗退。野球の才能で会社に入ったがケガをしたのと経営不振で野球部が廃部になったのとで退職。今はアルバイトの日々。
【良彦の妹】黄金《鬼神のような妹だな》第一巻p.187

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2025年03月25日

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ネタバレ

 前回までの短編中心の構成と一味変わり、今回は一冊丸ごと一つの御用にかかわる長編となっている!その分登場人物の複雑であり、読み応えがある。
 今までのお話も単に頼み事を聞くのではなく、その裏にある神様の心情や本当の願いを解きほぐしていく推理小説のような展開が多かったが、今回はそれが特に強く、歴史ロマンミステリーめいたお話だ。様々な神や人間、かつて登場し再登場したオオクニヌシ達含め、の思惑や願いが錯綜し、事態は思いがけない衝撃の真実に繋がってくのが面白い。
 かつて御用人を断った青年と自分の記憶を知りたい神、次々に明かされる真実に二転三転する真相に秘められたそれぞれの姉弟の絆の行方も勿論だが、家族、そしてそのまま忘れられてしまうようなあるいは既に忘れられてしまった太古の時代の繋がりのある人々の記憶と絆を受け継いでいこうと言う、神様と人間の関係性の一面を表すようなテーマがこのタイミングで描かれているのも印象的だ。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想
今回は一冊丸ごとで御用人昇格試験に挑む良彦。良彦も難しい御用に対して納得いくまで取り組むなど一皮剥けた印象。

相手のことを考え、寄り添う心は現代において失われつつあるのかもしれない。御用とはそういうことを思い出すためにやることなのかも。自分には足りてない部分と痛切に感じた。

あらすじ
紀井国造の天道根命から、夢に出てきた簪(かんざし)をした女性を探して欲しいと頼まれる。簪の女性を探している中、昔の野球仲間の大野と出会い、大野の実家が神社で、探していた簪の女性と関係がありそうだと分かる。天道根命に伝えたところ、簪を神社に返すことになったが、良彦は納得せず御用について調べ直す。奇しくもこの御用は、良彦の御用代理人から御用人への昇格試験だった。

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2023年10月19日

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長編、面白かったです。
もうひと波、もうひと押しあったら〜とは思いますが、概ね楽しめたので、★4かな。

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2023年05月24日

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ネタバレ

1冊を通して一柱の御用を聞く長編。
姉弟、兄弟がテーマかな。血がつながっているというだけで、お互いを思い合える兄弟姉妹っていいね。
重い話のなか、黄金様がだんだんとお笑い(癒し?)担当になってきているような気がする。

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2023年02月17日

Posted by ブクログ

ここにきて初の長編。前作までと比べ、いろんな要素が絡み合ってミステリーっぽかったと思います。神様もたくさん登場してちょっと複雑になってきたので、これまでの話で培った知識が活きてきます。主人公と一緒に成長してるかな?

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2023年01月31日

購入済み

今回は一冊まるごと一人の神様とのお話しでした。短編も気軽に読めて好きですがこれも読みごたえがあってよかったです。

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2022年12月26日

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・読み終わって感じたこと
もちろんフィクションだけど、古事記や日本書紀のように大昔にも、現代にもそういう物語が本当にあるのではないかと思わされた。
昔を知る事の大切さに再度気がついた。

・おもしろいと思ったシーン
方位神と主人公のやりとりは毎回クスッとさせられる。

・好きなセリフ
自分がこの世にいなくなった後でも、誰かが忘れないでいてくれるというのは、幸せなことですね

・オススメの人
神社好き
和歌山県出身
和歌山県在住
古事記、日本書紀好き
神様を信じている
神様を信じてない
日本の成り立ちが気になる
霊感がある
霊感がないけど信じてい

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2022年06月20日

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「歴史は勝者によってつくられる」「歴史はいつでも敗者に背を向けて、勝者を正しいとするものだということを忘れてはならない」古人の言葉が駆け巡る話だった。個人的にとても良い話だった。

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2022年03月08日

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シリーズ4作目。今回は長編。 
家族の絆について、考えさせられた。

御用人代理から、正式な御用人に昇格した良彦。これからもモフモフ黄金様とのやりとりが楽しみ。
穂乃香の良彦に対する恋心が、なんとも可愛らしい。これから2人の関係にも進展はあるのかな?
続編が楽しみです。

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2022年02月09日

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シリーズ4作目にして、一柱・天道根命の御用に関わる話。

御用は達也の家族の話にも重なり、やや重いテーマとなりそうなところを大国主命と須勢理毘売がいい味を出している。

前作に登場した遥斗や今回の達也も今後も何かしらの形で関わってきたらと願う。

モフモフ狐神の黄金のダイエットは難しそう(笑)

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2021年07月06日

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天道根命と、名草戸畔にまつわるお話。このシリーズの中で、力も記憶も削がれていく神様たちを見る度に、取り返しのつかないような焦燥感を感じる。信心深い方なわけではないけど、この中に出てきた神様の名前だけでも覚えてあげたいなーと思わされる。でも読み方も怪しい…。難しいよ名前ー。良彦は人との出会いに恵まれてるね。そういうのも本人の資質ということなのかな

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2021年05月22日

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ネタバレ

長編でした。歴史ミステリぽくてとてもおもしろかった。神代の隠された歴史とかとても興味がありますが、このお話に出てくる神様は皆優しいです。そして切ない。御朱印集めを始めました(笑)

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2021年02月11日

Posted by ブクログ

今回は長編。和歌山が舞台で良彦が解けるのか!?というほどの難題に挑んだり、良彦の前に御用人に指名されて断った人物(実は昔の知り合い)が出てきたり、穂乃香との距離が少し縮まったり、なかなか楽しかったです。星五つほどではないけど、4.5つけたかったなー。

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2020年08月30日

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夢で「忘れるな」という女性を恐れる神様に頼まれて簪の謎を追って和歌山へ。良彦のかつての野球仲間とその家族の事情が絡む。歴史書に残されたことだけが事実ではないし、そもそも真実とはわからない。不自由なく食べられることの有り難さ、現代に生きていると忘れがちなことに気づかされる。穂乃香かわいいなぁ。良彦の方は高校生相手だからまだそういう気持ちじゃないだろうけど、ゆっくり進んで欲しい。

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2020年04月17日

Posted by ブクログ

今回は一編まるまるで1冊。
それでもだれずに読ませる力は本物。

ちょっと古代史の謎的なところもあって、好きな人は好きそう。

私はとっても好きな部類でした。

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2020年01月27日

Posted by ブクログ

今回は全く知らなかった神様のお話。神武東征時代の国津神とはマイナーなところに目を付けたものだ。
一柱の神様を主題に長編を書くのは大変だと思うけれど、これまでの短編集よりこちらの方が深くて面白い。
また長編が読みたいな。

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2019年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

御用人シリーズ第4弾。今回は初めての長編。天道根命(あめのみちねのみこと)が思い出せなかった怖くてたまらない過去は、天道根命にとって後悔と寂しさを改めて思い知ることだった。良彦が出した答えは事実だけでなく、相手に共感し、思いやりをもって解決する方法でとても心が温かくなった。困っている人をほっておけない良彦が本採用決定はあたりまえだ。力を取り戻した天道根命は名草戸畔(なぐさとべ)の子孫に影響を与えてくれそうだし。大団円。長編なかなかよかった。

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2019年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

浅葉なつさんの御用人シリーズの第4巻です。
もう8巻までは出てるのですが、そこはじっくりと楽しみながら読むのが好きなので、ぼちぼちと..

神様も困ってることがあるんです。神様を敬う者が減ったため、その信仰心を糧としていた神様の力が弱り、自分自身では些細なことも出来なくなってしまった神様の御用を、フリーターの 「良彦」 が解決していくと言うお話しです。

今回は短編物ではなく、最後まで繋がった長編歴史ミステリーのような展開で、謎解きが面白くいつもと違う感覚で楽しませていただきました。

普段は協力してくれる狐神 「黄金」 も、今回は意味ありげにほとんど助けてはくれなくて、良彦が自らの力で謎だった史実を繋げて行くところについつい惹き込まれワクワク感も。最後に心配だったことも、ホッとする展開で良かった。

謎だった和歌山の名草戸畔という女王と弟君天道根命の歴史。 古事記と日本書紀、古事記には記されてなくて、日本書紀の方にしか記されてないらしくて読み比べて見るのも面白そう。

おまけで載ってた 「穂乃香の事情」 では彼女達のドタバタが微笑ましかったです。

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2019年03月24日

Posted by ブクログ

「忘れるな」

そう言い残した想いを辿る今回の御用。
何を忘れずにいればいいのかも忘れてしまった。
残ったものは、神としてのーー絶対の使命感。


「その想いは大切にしなさい」
「憧れたり祈ったりするだけじゃ、望む未来は降ってはこないわ。あなたの人生を決めるのは神じゃない。あなたの意志よ」
「自分で選び取りなさい。それをあなたが望むなら」

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2018年09月24日

Posted by ブクログ

今回は数話に分かれたエピソードではなく、ひとつのお話。ちょっと話としては拙い感情表現だなーと最初は思ったけど、最後に「え⁉︎」と思わせてくれた結末。
穂乃果の恋心も可愛くて、これから楽しみ。

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

ちょっと押しつけがましいというか、偽善的に思えてしまって、読んでいる精神状態によっては白けちゃう感じだったな。完結したと思ったら続編出てるし……第一部? 10巻まで読んだらその先はたぶん買わないです。

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2023年07月02日

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