山本やよいのレビュー一覧
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ネタバレそして誰もいなくなった以来2作目のアガサ・クリスティ。
こういう古い小説を読むと今の小説とは違う点があって面白い。1番感じたのは、何回も刺してるから女の犯行だ、とかイギリス人だからこう、イタリア人だからこう、みたいな感じのセリフ回し。今の時代はこういう偏見にセンシティブだからその時代ならではの物を感じられた。
もちろん事件の方も面白かった。一見バラバラに見える乗客の関係性が繋がって真相に辿り着くのが気持ち良くてスッキリした。全員が犯人だっていうのは度肝抜かれた。昔のものだけど斬新で新鮮だと思った。その時代に描かれたものが今読んでも衝撃を与えてくれるのは本当にすごい。
終わり方も良くて面白かった -
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Posted by ブクログ
作品名はもちろん知ってるけど実は読んだことがなかったポワロシリーズ。というか初めてのアガサ・クリスティー作品。
普段海外文学を読まないから独特の言い回しが最初は少し読みにくかったけど、話が進むにつれて展開が気になって最後はどんどんページが進んだ。
解説の有栖川有栖さんが言っているように「スレてない初心者のうちに読んで楽し」めて良かった。ほかのポワロシリーズも読んでみたいと思える作品だった。
ポワロが外見に対して正直な表現をするなど個性の強い人物だったり、〜人はこうで〜とか国籍によって評価したり、表現が面白かった。昔の人達はこういう風に思ってたのかなぁと興味深かった。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレある会社で人が殺され、周囲の人物に聞き取りを行っていくと、お家騒動が発端の事件であることが分かる話。
話中に何度か発生する事件は童話をもとに進められているものとみられ、題名のライ麦もその一環として死体のポケットに入れられることになる。
情報収集はニール警部、問題解決はミス・マープルが担当する2主人公制。
ミステリーだと解決役の方が良く書かれがちだが、的確な作業分担という感じだった。
登場人物が多く、同じことを何度も人物らに聞いていく地道な捜査が書かれ、だんだんと話が分かってきたり、人物間の話の食い違いで新しいことが発覚していく辺りが面白い。最後に送られてきた手紙がなかなか悲しい感じがした。 -
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Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの攻略本なるもので★5となっていたので、読んでみました。
16年前、妻(キャロライン)が画家の夫を毒殺したとして逮捕され、獄中で無くなった。でも、母は無実だったという娘の依頼で再調査をするポワロ。事件当時現場にいた5人に聴き取りをしていく。
キャロラインの人となりを5人が語るのだけど、その人物像が人によって180度違う。そこに潜む一人一人の想いに注意を払いつつ、また、ちょっとした発言も見逃さない。
また、キャロラインが妹に宛てた手紙。キャロラインをどう見るかで、そこから導き出される結果が見事に異なってくる。
こうだと決めつけて物事を見ると、大変な思い違い、判断ミスをし -
Posted by ブクログ
ミス・マープル作品
穏やかな、日本人がパッと浮かぶ欧州おばあちゃん
だがこのミス・マープルは違う
恐ろしいほどかっこいい
たった2ページだけマープルが語る
不器量な小間使いグラディスの不幸な生立ち
しかし、読者は共感する
なんて不遇な子なのだと
そんなグラディスの死体が見つかった
マープルは列車に乗って現場へ向かう
マープルは席に座り殺人事件を報じる新聞を静かに読む
その横顔は憤怒に満ちていた
か、か、かっけえええええええ
おばあちゃんかっけえええええ
復讐の絶対審判老婆爆誕
怒りの推理
そして全てが終わりマープルの家に手紙が届く
そこで復讐の絶対審判老婆の物語は悲しみとともに終わり -
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ネタバレ2025年の24冊目は、ダニエル・シルヴァの「コーンウォールに死す」です。ガブリエル・アロンのシリーズ新作となります。ほぼ1年ぶりですが、エンタメ作品として安定の面白さですし、現在の西側社会が抱えている問題、闇に対しての痛烈な風刺にもなっています。
コーンウォールの海辺で、オックスフォード大学の美術史学科教授シャーロット・ブレイクが、当地で騒がれている連続殺人鬼〈斧男〉と思われる人物に殺害されます。教授は、ナチスの略奪絵画であるピカソの肖像画の行方を探していました。果たして、教授を殺害したのは、本当に〈斧男〉なのか?それとも探していた絵画が原因なのか?ガブリエルが、前回パートナーを組んだイング