山本やよいのレビュー一覧

  • オリエント急行の殺人

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     閉ざされた豪華列車という舞台設定だけでわくわくするし、その中で起こる殺人事件はまさに「古典的ミステリ」の醍醐味を凝縮している。
     そして最後に明かされる真相は、理屈の上でも感情の上でも強烈な衝撃を与える。正義とは何か、という問いが読後にずっと残るし、この結末だからこそ世界的に愛され続けるのだと納得できる。

    ●展開
     名探偵ポアロが一人一人を丁寧に尋問していく過程は緊張感が途切れない。各人の証言やアリバイが絡み合い、すべての乗客にアリバイがある中、どの人が犯人なの、か誰もが怪しく、しかし誰もが犯人ではないように見える中で、真相を追い求めるドキドキ感が続いていく。
     真相に近づくたびに少しずつ

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    2025年07月31日
  • オリエント急行の殺人

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    ミステリーの知識があればあるほど、謎解きの経験があればあるほど結末に騙される。
    1934年にこんなにも内容の複雑で濃いミステリーがあるなんて幸せだっただろうなぁ。
    薄い見た目ではないけれど数時間で読み終えてしまった、ポアロさんの最後の言葉がとっても素敵で好きです。
    自分のミステリーの偏見を崩された作品、読んでよかった。
    翻訳前の物も読んでみます。

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    2025年07月02日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    今までクリスティの小説には、魅力的な女性が多く描かれていたが、今回の女性登場人物は魅力的な方は少ないように感じた。一方で、めずらしく魅力的で美しい青年が登場したように思う。

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    2025年06月09日
  • 五匹の子豚

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    30数年かけて、ちょっとずつ読み進めてきたポワロシリーズ。老眼で旧ハヤカワ文庫版が読みにくくなってきたこともあり、新版で買って読みました。

    推理小説が乱造される昨今、今までにないトリックだのどんでん返しだの色々読みましたが、そのほとんどが奇をてらったトンデモ犯罪でした。
    そんな中、もはや古典の感もあるアガサ・クリスティを読んで「こういうのもあるのかぁ〜」と感心することになるとは。

    さすがミステリーの女王。

    過去の事件を調べ歩き、人の話を聞き、手記を読む、という形式なので、淡々として大人しい感は否めませんが、それだけに最後のポワロの解決編が鮮やかに引き立ちました。
    私たちにもポワロと同じヒ

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    2025年05月30日
  • オリエント急行の殺人

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    ミステリの傑作。新訳版の方が旧訳よりも読みやすかったです。
    犯人がわかった上で読むのもおもしろいと思います。読めば読むほど犯人の意図や行動が理解できるので、何回でも読めます。
    でも、初めて読んだときのミステリの常識を覆す驚きは、さすがミステリの女王クリスティーだと感じます。
    犯人とはこんなはずだという常識を持っている人の意識を覆してくれるので、読後の爽快感がたまりません。ポアロが示す2つの解決策が犯人に対して心憎い。こんな珍しい終わり方も、このミステリの良さです。
    有栖川有栖の解説も本格ミステリが好きな方にはおススメです。

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    2025年05月21日
  • オリエント急行の殺人

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    ネタバレ

    ポアロシリーズは全て早川で読んでいるが、この作品は訳が良い。
    登場人物全員犯人は予想していなかった。
    全員がアームストロング事件の関係者であると導き出すのは根拠が足りなすぎるのではと思ったが、ポアロレベルになると、数人が怪しいと踏むや、また、満席という異常事態を鑑み、推理しきるのはありうる。
    名作と呼び声高い本作だが、期待を裏切らなかった。

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    2025年04月06日
  • オリエント急行の殺人

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    ネタバレ

    アガサ・クリスティーの最高傑作とも言える「オリエント急行殺人事件」事件の発端はアメリカの大富豪の幼い娘の誘拐殺人。何年も経ち、遠く離れたヨーロッパの地で復讐が始まる。一見して共通点のない乗客達全員、誰かが誰かのアリバイを証言して外部の人間の犯行だと思わせる。アガサ・クリスティーの特徴とも言える会話や証言を繋げて、その中の矛盾点から犯人を探っていくのは人によって好き嫌いが分かれるかもしれない。だが、証拠品や死体の状況なども描かれていて推理にはもってこいだ。何度も映像化されるだけある作品だ。

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    2025年04月03日
  • 書斎の死体

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    ネタバレ

    クリスティのミスマープルシリーズ、第二弾。

    前作の「牧師館の殺人」は手堅く、意外な犯人で魅せる良作ではあったが、いかんせん地味な印象が拭えず。
    今作は打って変わり、全然知らない女性の死体がいきなり書斎で見つかり、どうしてそうなった?というもの。その謎だけでグイグイとラストまで読ませる展開。

    ある事実が分かった途端、全ての謎が一気に解ける。そのカタルシスが非常に良い。
    ミスマープルも前作とは段違いで目立つ活躍となっており、ようやくシリーズ作品に踏み込めた感じ。3作目以降も楽しみにしたい。

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    2025年03月26日
  • 蜘蛛の巣〔小説版〕

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    ネタバレ

    蜘蛛の巣[小説版]
    クリスティの戯曲、蜘蛛の巣の小説版。クライム・コメディ。小説になっているが構成は演劇風。
    クリスティの戯曲は面白いものが多く、小説化される事は嬉しい限り。戯曲は読み物としては読みにくいので、全てシリーズを小説化して欲しい。

     いつも冗談ばかり言って周りの人達を振り回すクラリッサ。かなりの嘘を重ねているが、夫や知人からは呆れられながらも愛されている。
     夫の連れ子のビッパも継母であるクラリッサに懐いており、とても幸せな家庭状態に見える。
     ある日、知人達と別れた後、夫の元妻、ミランダの現在の夫であるコステロがクラリッサの屋敷を訪れ、その後帰ったはずの彼がクラリッサの屋敷で死

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    2025年03月20日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    マープルシリーズ長編6冊目。今回の捜査担当は優秀なニール警部で、マープルはいつも通り協力者として途中から参加する。ただ今回は誰かに頼まれて参加するのではなく、被害者と知り合いだったことから義憤に駆られて自主的に事件現場にやってくる。これまでと気合が違う。この作品はなんといってもラストがいい。

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    2025年02月10日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    ミス・マープルシリーズ6作目。
    1953年の作品。


    ロンドンの実業家、レックスフォーテスキュー氏が何者かに毒殺された。ロンドン警視庁のニール警部は、フォーテスキュー氏と生活を共にしている家族の犯行と睨み、フォーテスキュー氏の住むイチイロッジの捜査を始める。このイチイロッジの周りを囲むイチイの木から取れるタキシンが毒の原因だったからだ。フォーテスキューの若く美しい妻アデルが容疑者と目されたが彼女もまた毒殺され、さらにメイドのグラディスも殺されてしまう。昔雇っていたメイドのグラディスの死を知ったミス・マープルは、彼女の仇を討つためニール警部の捜査に協力する。


    見立て殺人は本当にゾクっとして

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    2025年01月28日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    名作ミステリーというのがどういうものか考えるとそれは何度読んでも安心できる読後感があるものというのが私の中ではある。その名作とよぶにふさわしい作品の一つがこの「ポケットにライ麦を」である。
    まず題名がとても好き、とてもおしゃれで心を掴む。どんな話になるのだろう、どういう意味があるのだろうとワクワクする。
    マザーグースを用いた見立ての連続殺人、容疑者になる個性強めの一族、絡み合う謎を読み解いていくと一人一人の人間描写の素晴らしさを肌で感じる。「ポケットにライ麦を」の意味がわかるとき、マザーグースの意味がわかるとき、ゾワゾワとする。
    真犯人の犯行の手口や動機、それをマープルがどのように導き、そして

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    2025年01月06日
  • 五匹の子豚

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    ネタバレ

    1943年原書 桑原千恵子訳
    五匹の豚はマザーグースの数え歌

    ・ポアロ →探偵
    ・カーラ.ルマルション→21歳の美しい女性
               目がキラキラしている
     カーラ母がカーラ父を殺して
     叔父夫婦に引き取られ
     何不自由なく成長
    ・アミアス.クレイル→カーラ父 画家 芸術家
    ・カロリン.クレイル→カーラ母 
     
    カーラが21歳の時
    父母の遺産と母の手紙を受け取る
    カーラがポアロに
    父母の事件の調査を依頼
     (母の手紙には自分は無実だと..)

    ・ジョン.ラタリー→カーラの婚約者

     ・モンタギュー.ディブリーチ卿
     ・クエンティン.フォック
    ・ジョージ.メイヒュー
     ・ケ

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    2024年11月28日
  • モルディダ・マン

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    締まっています

    訳者さんはサラパレツキー等の翻訳で有名な方。
    ロストーマスには、マイケルパディロやウーのシリーズがあるが
    この主人公はそうしたシリーズとは別物の作品。
    最後に一気にアクションがあって事態を解決するのは、
    ロストーマスのお約束として、事態の説明をするのに
    頭でアクションがあり、うまいこと読者を掴むながれになる。
    この辺の進め方はとても上手い。
    翻訳は割と出てるけど電子化はされてないので、原文でゆきなさいとの思し召しなのか。
    お好みで。

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    2024年11月09日
  • 死線のサハラ 下

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    本作も変わらず素晴らしい
    日本人作家からは絶対に味わえない壮大なスケールのスパイ小説。息を呑む展開が続きページを捲る手が止まらなくあっという間に読み終わった。
    完全にフィクションと言えない複雑な情勢を背景にしてるところも考えさせられるものがある

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    2024年11月06日
  • ブラック・ウィドウ 下

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    途中から、大昔にハマったドラマ24を思い出させる怒涛の展開って感じでおもろかった
    訳者あとがき曰く、次作決着編っぽいし早く読みたい
    あとやっぱり訳者の技術力感じる 原文はきっと難しい英語だと思うもんw

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    2024年10月27日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    アガサ・クリスティー、読み始めて10冊目。
    どれも面白く読んだが、この作品が今までで一番好みだった!

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    2024年09月16日
  • 英国のスパイ

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    前作同様、重厚でとても面白い。
    大作映画の映像を観ていると感じるくらい、個人的に没入感がすごくてあっという間に読み終えてしまった。
    それに、各キャラの会話のやり取りの内容やリズムが好き

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    2024年08月22日
  • 亡者のゲーム

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    面白いしスケールがデカい!
    登場人物が覚えきれなくて、誰だっけ?ってなった人がちらほらいたのも確か笑
    Googleマップ片手に調べながら読み進めると旅行気分も味わえるのでオススメです

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    2024年07月27日
  • 書斎の死体

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    ミステリ小説なのだから、事件の導入は惹き込まれるものか?その作品で扱われるトリックは意外なものだったか?という点は評価に直結する部分なのだろうけど、それが小説である以上は見逃せない点はその作品が魅力的であるかという点で
    そして作品が魅力的になるかどうかは物語の構成の巧みさだったり、人物が活き活きとしているかという点等が左右するかと思うのだけど、本作は後者がとても高いレベルで成立していると思えたよ

    勿論事件の導入は素晴らしい点は言うまでも無い
    朝、起きたら自宅の書斎に見知らぬ女の死体が転がっていた。初動捜査では死体の素性に全く見当がつかず、暫く経ってから家族でも何でもない男性の通報により素性が

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    2024年06月19日