山本やよいのレビュー一覧

  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    【マープル】
    マープルの「推理ではありません。事実です」という言葉が、カッコ良くて痺れた。
    編み物をしている優しいおばあさんの姿とは全く違う一面が見れた。

    今回の事件は私的なことも含まれているから、いつもは穏やかなマープルが静かに怒っている。だからカッコ良い。

    ラストがとても良かった。
    このラストのおかげでこの作品が心にいつまでも残る。最後の2行もとても印象的だった。

    愛読書の『アガサクリスティー完全攻略』著者の霜月さんが、この作品の解説者だった。
    数多いクリスティー作品の中から、自分の好きなタイプの作品を選べるのは霜月さんのおかげなので本当に感謝してます。

    0
    2024年07月24日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    途中で最初の事件とは関係ない話が展開し、どうなっていくのだろうと思っていたら最後は綺麗に集約されて行ってさすがだなと思った。
    途中で少年犯罪について語る一節があり、それが印象に残っている。

    "彼女が気にかけている相手か、もしくは、ポアロが思うにこちらの方が可能性大だが、彼女が守ってやりたいと思っている相手、おそらくほんの子供と言って良い年齢の者。ミセスドレイクから見ると、自分がしたことの恐ろしさがよくわかっていないように思われる者。
    ポアロは、ミセスドレイクのことを性格はきついが誠実な人物だと思っている。こういうタイプの女性は、結構いる。しばしば治安判事になったり、協議会や慈善団体の運営に関わったり、いわゆる事前活動に関心を寄せたりする女性。情状酌量の大切さをやたらと信じ込み、若い犯罪者をかばおうとする女性。思春期の少年とか、まだ判断力に欠ける少女とか。すでに、えっと……どういうのだった、施設に入ったことがある子とか。
     図書室から出てくる姿をミセスドレイクが見たのがそういう子だったなら、彼女の保護本能が働き始めたと考えても良さそうだ。今の時代、子供たちが犯罪に走ることは結構ある。幼い子供たち。7歳や9歳位の子供たち。こういう子供が少年裁判所の法廷にたたされたとき、どう扱えばいいかと関係者は頭を悩ませる。子供のために色々な言い訳が用意される。壊れた家庭、子育てを放棄した独親。しかし、子供達を最も熱心に弁護し、あらゆる言い訳を持ち出そうとするのは、大抵ロイーナドレイクのようなタイプの人間だ。厳しくて口やかましい女だが、こういう時は別人のようになる。ポアロ自身は、そのやり方には同意できない。彼は、常に正義を第一に考える人間だ。知識というものに、行き過ぎた慈悲に疑問を持っている。ベルギーとこの国の両方でかつて学んだことだが、行き過ぎた慈悲はしばしば、さらなる犯罪の元となる。正義を第一に考え、慈悲を第二にしておけば、被害者にならずに済んだはずの人間が、その犯罪のせいで命を落とすことになる。"

    これは、アガサクリスティー自身の少年犯罪に対する私見でもあるのかなと思う。慈悲よりも正義。目先の優しさよりも先々のことを考えて厳しくすることが、かえってよりよい結果を招くこともあるというのはその通りだと思う。
    こういった少年犯罪を匂わせる文章が多かったので、少年少女が犯人なのかなと思っていたら真相は金と独善的な美学に酔いしれた大人による犯行だったから全く予想できなかった。最後に出てきたマクベス夫人とナルキッソス、そしてイフィゲニアはそれぞれギリシャ神話とシェイクスピアからの引用。アガサクリスティー作品は、たまにこういった古典作品や神話、聖書からの引用がある。引用元の作品を知っておいた方がより深く味わえると思うので、この辺りの知識も身につけたい。

    0
    2024年07月21日
  • 書斎の死体

    Posted by ブクログ

    書かれた時代のせいか、アガサクリスティーの作品はいつも途中は冗長に感じるものの、最終的にはおおっ!と納得させられるからすごいと思う。

    0
    2024年06月24日
  • 書斎の死体

    Posted by ブクログ

    やっぱりマープルは面白い!
    変に凝ったトリックとかではなく、人間模様で推理していくのが面白い。
    マープルの女性ならではの視点が、特に私も女性だからか納得や共感に繋がってより楽しめる。

    今回は事件発生までが早くて読みやすかった笑
    ラスト数十ページで大どんでん返しがあるのも流石。
    最後までずっと面白かった。

    0
    2024年06月10日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ミス・マープルは後半にしか
    登場しないが
    ニール警部をとうして事件を
    解決していく

    読みながら犯人を推測していたが
    見事に違っていた
    文章力の影響か
    ラストも現場から離れた
    ミス・マープルの部屋で
    確証といえる
    証拠が届けられる
    最後まで余韻を残すラスト

    0
    2024年05月11日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    これ結構好き。
    映画ベネチアの亡霊の原作と聞いていたけど、もはや別物と言って差し支えない。
    ドラマチックな映画版とクリスティを存分に味わえる小説。
    それぞれに魅力があって良い。
    ああでもやっぱり私は、ストーリー・設定・人物・動機全てにおいて原作推しなんだよなあ。

    0
    2024年04月24日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マープルシリーズの中でも間違いなく名前が上がる本作。
    「でもマザーグースものか、馴染みないからな〜……」とあまり乗り気ではありませんでしたが、オススメされるのも納得。さすがの面白さでした!

    投資信託会社の社長が毒殺され、いつも通り疑いがかかる親族たち。
    それにしても、クリスティー作品を読むたびに「いい子だけど闇を抱えた長男、人に好かれる放蕩息子の次男、しっかりものの長女」というきょうだい構成は万国共通なのかなとしみじみ思います。私の兄たちがまさにそうなので……。
    閑話休題。
    今回はニール警部が捜査の指揮を取るということで、ミス・マープルの登場は中盤近くになってから。セント・メアリ・ミードからは遠く離れたお屋敷が舞台なので、うまく捜査に入れるか不安でしたが、そこはさすがの”おばあちゃん力”ですんなりと溶け込みます。コナン君と同じですね笑

    肝心の謎解きの方は相変わらず誰も彼も怪しく見える手法で、犯人にもビックリでしたが、もっと衝撃だったのはラスト一文。
    今回は育てたメイドが犠牲に……ということで事件に関わったミス・マープル。ただ、彼女を突き動かすのは正義感だけではないのだとまざまざ思い知らされました。
    ”何があったのか知りたい”そんな探究心の強さが、彼女をただのおばあちゃんではなく”ミス・マープル”ならしめているのですね。魅力的なのに少し怖い。そんな主人公に我々読者は惹かれてしまうんだろうなぁ。

    0
    2024年04月24日
  • ペインフル・ピアノ 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (上巻より)

    ヴィクが、
    火の壁の向こうにいる母親と医師ロティを助けられない夢を見たと書いてあった。
    それは母親とロティを同一視しているということだろうし、
    誰よりもヴィクのことを心配し面倒をみてくれているロティだから、
    母親同様だと思っていても当然なことだろうと、
    ヴィクともロティとも付き合いの長い自分は心を打たれた。

    それにしても、ヴィクの依頼人たちは、
    自分がお金を払った仕事をそっちのけで、
    他のことにかまけた上に最後には怪我をしてしまっているヴィクに、
    よく仕事を頼んでいるものだ。
    いや、そういう正義と追いかけてしまう彼女だからこそ、
    仕事を頼んでいるのか。

    0
    2024年04月04日
  • ペインフル・ピアノ 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの21作目。

    久々のヴィク。
    なので、こんなに非現実的なぐらいパワフルでしたっけ?と思うぐらい
    動き回っていた。
    カンザスの峡谷や沼地の中を歩き回ったり、鉄道のホームの下に潜り込んだり。

    前に出て来たブーム=ブームの親友の娘バーニーが
    軽く付き合っていた男性が殺され、
    事件に巻き込まれる。
    同時にガード下でおもちゃのピアノを弾き歌を歌っていた女性が、
    マリの記事がもとで失踪し行方を追うことになる。
    彼女を守ろうとする謎の男に彼の犬を押し付けられ、
    犬が三匹になってしまうヴィク。

    マリとは、確か付き合っていたこともありましたよね?
    それなのに冷たすぎじゃないか、
    それとも昔つきあっていたからこそ、
    報道のプロとしてのプライドを捨ててしまったことに腹が立っているのか、
    と思っていたら、
    撃たれてしまい生死の境をさまようとは。

    (下巻へ続く)

    0
    2024年04月04日
  • ブラック・リスト

    Posted by ブクログ

    ▼サラ・パレツキーさん作、シカゴを舞台にした「女私立探偵ウォシャウスキー・シリーズ」です。海外ミステリ好きなら、知らないはずはないシリーズ。個人的には読むのは二作目。

    ▼ウォシャウスキー、という名前に既に、WASP的アメリカ社会というか、トランプ的アメリカ社会からのアウトロー的精神が漲っているのですが、さらにはウン十年前からの女性主人公ですから、とにかくマイノリティーの味方、左翼的反骨精神に貫かれています。

    ▼お話は、9.11の直後なんですね。ですから2002年くらいでしょうか。黒人ジャーナリストの変死体発見から、テロリストの疑いをかけられたアラブ人少年の逃避行へと。「9.11後のヒステリックなアラブ人バッシング」の精神構造へと進んでいくんです。ネタバレで言うと。。。。

    ▼黒人ジャーナリストは、1950年代の「赤狩り」の時代に活躍した黒人文化人たちの歴史ネタを取材していた。行きついたのは、

    ・当時、リベラル派として黒人文化人を擁護していたはずの金持ち白人セレブが、我が身を守るために、黒人文化人を含む仲間のことを、赤狩り陣営に「売っていた」という事実。

    ・それを知られたくない当の金持ち白人セレブの一族が、黒人ジャーナリストを殺害していた。

    ・さらにその現場を目撃されていたので、アラブ人少年のことも「テロリスト」として射殺してしまう。

    ・それが、色々証拠はあるのだけど、どこまで裁かれるのかは、「どうなることやら」で終わる。

    ・・・というなかなか救いがあまりない、お話。
    サスペンス、それなりに読ませますが(結構複雑)。

    ▼なんですが、小説全般から、崩れ行くリベラルへの哀惜と、独善的なナショナリズムへの憤怒が溢れるようで、その熱量にはちょっとグッと来るものがあります。2024年の現在から読むと、なんとも現在が「ディストピア」になっちゃってる感がとにかくしてしまうのですが・・・。こういう熱量のエンタメ小説が、日本でも海外でも、読まれると良いなあと思いました。

    0
    2024年03月24日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    映画を見たので原作もと何十年ぶりかで一読。かなり原作と映画は違っていて、というか、ほとんど別物でした。ヘイスティングスではなくオリヴァ夫人との一篇。ポワロさしさたっぷり味わえて満足。

    0
    2024年03月18日
  • クロス・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    今回、バトルが激しかった! いろいろな人の年齢がもうわからなくなってしまっているが、それはもう良しとしよう。何作か読み飛ばしてしまったらしく、気づいたら音楽家の彼が消えていた。だけど素敵な出会いがあって嬉しい。今回改めて思ったが、ヴィクの魅力は減らず口ではないだろうか。気の利いた皮肉を素早く出せる! この能力を身に付けたい。

    0
    2024年03月14日
  • 書斎の死体

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作品の書かれた1940年代ですでに、「書斎の死体」はお決まりのモチーフであったようで、クリスティの茶目っ気が楽しい。

    犯行現場が書斎であることが、全く偶発的なことという外し方。真相は複雑に絡まっているけれど、利害のある関係性に気付き、動機や犯行方法を明るみにしていく手腕がお見事。

    替え玉として選ばれてしまった、罪のない女学生を思うと悲しさが残る。

    0
    2024年03月02日
  • 書斎の死体

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    グレイク嫌な奴だな〜と思っていたが、マープル先生のセリフで大佐と同じくアッサリ印象わ引っくり返されてしまった。人生の巻き返しをはかる人間の多い事。
    バントリー夫人はゴシントンホールで殺人なんて二度と起こりはしないと言ったけど、二度目あるんだよな…。

    0
    2024年02月03日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    久々に古典ミステリーを読めて満足。事件、推理、トリック(?)、動機などなどは特に驚かされることもなく、ギリシャ神話に基づく点が多々あり、へぇーで終わってしまうけど、登場人物がみんな個性的で、テンポ良く読めた。古き良き時代の英国の雰囲気が味わえたし、相変わらず几帳面なポアロに会えて良き。
    映画の原作として先読みしようと読んだけど、原案のみとのこと。あとがきで知ってちょっと残念。

    0
    2024年01月18日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    今回は犯人や動機の検討がつかなさすぎて、ワクワク感が味わえなかった。でも「殺人現場を見たことがある」と話す少女→殺される!という興味を引く導入がまさにアガサクリスティーで好き。
    映画観る前に原作読みたくて買ったけど、読めば読むほど映画のあらすじと違ってあれ…?と思ってたら、原案なだけで話全然違うと巻末で分かってちょっとショック!

    0
    2024年01月06日
  • クロス・ボーダー 下

    Posted by ブクログ

    不死身の女探偵、アクション映画を観ているかの死闘に継ぐ死闘!
    ブィクの周りの人がもう少し彼女を信じたならと腹を立てながら読んだが、まぁ結果オーライで良しとしよう

    0
    2023年12月26日
  • 五匹の子豚

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ポアロシリーズ㉑

    16年前の母の無実を証明して欲しい。と依頼されるポアロ。
    物的証拠は何も無い。16年前の裁判の弁護士、検察官の話を聞き、当時の関係者5人からそれぞれに事件の話を聞く。そして思い出せる限り詳しく手紙に書いてもらう。
    一つの事件を何度もなぞっているだけのようで、関係者それぞれの知っていること、印象、思いが加わり少しづつ事件の見え方に違いがでる。
    そして、一気にポアロの灰色の脳細胞が事件の真相を明らかにする。誰かがフッと耳にしたこと、誰かが何気なく見ていたことが、ポアロにより真実への大事な手がかりと気付かされる。
    犯人は16年間、ずっとこの事件に囚われていた事も印象的だった
    やっぱり面白い。

    0
    2024年08月15日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    殺人現場を見たことがあると言った少女が殺された。少女が言ったことが本当かどうかということに犯人への手がかりが…。ハロウィーン・パーティに参加した人たちの言葉からポアロが真実を見つけたときに犯人が浮かび上がる。様々な証言が一つにつながるところがやはりクリスティーだと感じた。

    0
    2023年12月10日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    少し前に映画を観て、原作はどんな感じだろうと思い拝見。内容が違いすぎて呆然としました…。ですが、別物と思って読むと、複数の事件と人が重なったとても面白い作品でした。特に子供に対する自分の印象は少々変わったかもしれません。
    また、映画のポアロとは違い、悲壮な感じが無く、登場人物もミステリアスでクールな人が多く、時々コミカルなので実に読みやすかったです。

    自分はミステリ小説をあまり読んだ事が無いのですが、子供が犠牲になる、という所と、子供と言えども虚言や脅迫など中々アクの強い子達が登場してきて強烈でした。まさに「教育とは聖なる領域」。教える事、学び続ける事で人格が形成されていくのかと改めて思います。ただ、今となってはこの話をポアロとしているのが、犯人という所がなかなかパンチの効いた皮肉に思います。マクベス夫人についてとても興味が出てきました。
    子供は親に全てを話すとは限らない。その通りかもと思うのですが、大人は親には話すと思い込んでしまう事が多いと思いました。何が起きているのか、恐怖が感じ取れない。とても難しい事ですが、注意して見たり話したりしないといけないなと思います。

    また、犯人や被害者の発言がミスリードである事。
    特に被害者を周囲の人達が非難する為、読み手としては同情してしまい、嘘が本当だったと信じてあげたくなるという。本当に巧妙な罠でした。
    そして、犯人では無いのに疑ってしまった登場人物達に何となく申し訳ない気持ちになるという。
    自分は探偵には向いていなと学びました。
    それにしても、残酷な結末です。親が友達を殺して、更には自分も殺されそうになって、そして勝手に自殺されたという。せめて他人であって欲しかったです。とりあえず洗脳が解けると思いたいです。

    今回原作オリヴァーに会えて良かったです。映画では心が腐っているのかな?と思わせる人物でしたので、変わった人ではあるけど、ポアロの友人で心の底からホッとしました。
    他、この本の中で未だ気になる事と言えば、オリガの居場所を当てた魔女は本当に魔女なのではないだろうかという所です。ハロウィンらしい演出でした。

    0
    2023年11月08日