山本やよいのレビュー一覧
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グインに夢中になっていて、読むのを途中で一旦止めていた、ヴィクことV・I・ウォーショースキーのシリーズ。長いこと読んでいるシリーズだと、登場人物が自分の友人のように思ってしまうことがあるけど、このヴィクもそういう主人公のひとり。シカゴを本拠地に活動する私立探偵だ。
読み始めた頃は、憧れのお姉様って感じで、ほんとに身近でカッコいいと思った。こちらが社会人になって、親近感の質は変わっていくが、このシリーズ、作品の中でも時間が経ってるので、もう彼女は50代。でも相変わらずパワフルで美人で、熱い。行動派だ。
ヴィクの姪っ子、バーニーが友達と一緒に持ち込んだ依頼は、オーガストという、映画監督志望の青 -
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サラ・パレツキーのV・I・ウォ-ショースキー・シリーズ、20作目。
「フォールアウト」の次の作品です。
元夫の姪の失踪事件と、親友ロティの甥に容疑がかかった事件。
家族はいないのだが、身内のために奮闘することが多いヴィク。今回も熱いハートで活躍します。
ロティの甥フェリックスの事件には、中東の考古学の遺物が絡んできます。
助けに行ったヴィクに対して、フェリックスはなぜか、非協力的なのだが。
研究者の所へ赴き、ちょっといい出会いもあったり。
元夫ディックとは、若い頃におそらく互いにないものに惹かれ合って結婚したのだろうが、真逆すぎてすぐ別れた(笑)
その姪にあたる姉妹とは縁が切れていてもお -
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クリスティの長編ミステリー。マープルシリーズ。書斎で死体が見つかるというミステリーありがちの設定であるが、クリスティにかかれば読者を惑わせ、迷走させる絶好の舞台装置になる。
導入から読者へ謎を提起し、全く面識の無い屋敷で発見されたブロンドの若い女性の死体。彼女が誰で、なぜこの屋敷で殺害されていたのか、が提示されて、その後、彼女だと思われる失踪者が踊り子として働いていたホテル、そこに滞在する大富豪、そして死体が発見された屋敷の近くに住む若い胡散臭い男と女と登場人物が出揃う。
物語が進行していく中で、村の石切場から若い女性の焼死体が発見され、更に事件は混迷を極める。
マープルは死体が発見され -
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ネタバレミスマープルが活躍する有名なアガサ・クリスティの小説。クリスティーはやはり普遍的だと思わせてくれる。
マザーグースの見立て連続殺人も相変わらずそそるし、登場人物ひとりひとりの性格やら立ち位置やらも。
ただ、今、21世紀の読み物としてはどう?
上流階級の方たちがメイドに指図して、料理人、執事は文句も言わず(陰口はさんざん言う)家政婦の存在価値もイマイチピンとこないし。例えば遺産で学校を造りたいというその大きさもわからない。株の暴落、高騰など腑に落ちる点もあるけれどお金持ちたちの生活全体も分からない。
殺人の動機も感覚がズレているとしか思えない。その頃の60代70代がけっこうなお年取り扱いされてい -
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ミス・マープルシリーズの初読みです。
ある社長の毒殺事件が起きて、担当のニール警部が関係者に丁寧に尋問していき、全体的な構図が見えてくるが、未だ決定的なものは無い。
この物語で彼女が登場するのは中盤からで、やっと現れたという感じでした。
真面目に捜査してきたニール警部でしたが、最後はミス・マープルに美味しいところを持ってかれたみたい。ちなみに、ニール警部はよくある間抜けの刑事ではありません。彼の名誉のために。
もうひとり、フォーテスキュー家の家政婦のメアリ・ダブのキャラがいいのと、裏の顔が分かるなどいいスパイスになっていた。
普通の?老婦人が謎解きするこのシリーズも面白い。またひとつ楽しみ -
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ポアロもの。
16年前、画家だった父・エイミアスを毒殺した容疑で逮捕・有罪判決を受けて獄中で亡くなった母・キャロラインの無実を信じる娘・カーラより、事件の再調査を依頼されたポアロ。過去の事件の真相解明に乗り出しますが・・・。
所謂“回想の殺人”でございます。
当時の関係者五人へのポアロのヒアリングと、彼らの書いた手記で構成されているのですが、ある事実が五人それぞれの視点から語られる事によって、解釈が変わってくるという“ダブルミーニング”の仕掛けが実に巧妙なのです。
これぞ人間描写に長けたクリスティーならではの展開という感じです。
そして、彼らの供述から真の意味をくみ取り、真相を導き出すポア -
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「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『五匹の子豚(原題:Five Little Pigs、米題:Murder in Retrospect)』を読みました。
『ポワロの事件簿〈1〉』、『ポワロの事件簿〈2〉』、『ヘラクレスの冒険』、『死との約束』、『杉の柩』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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母は無実だったのです――娘の頼みに「ポアロ」の心は動いた。
事件がおきたのは16年前。
若い恋人に走った高名な画家を妻が毒殺、裁判の末に獄中死したのだ。
殺人犯を母に持った娘の依頼で再調査に乗り出した「ポアロ」は、過去へと時間を遡り、当時の状況を再現し -
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ネタバレアンネの日記って知らない人はいないんでないか?って思うくらいの有名な本。
アンネが連れて行かれた時に、アンネが日記をトランクに大事にしまったのに必要ないと言われトランクの中身をぶちまけられ…ずっと大事にして書き続けた日記をそんな風にされたら、すごく悲しいだろーに。
アンネの一家を支援していた人は、アンネが戻ってきたらまた続きを書けるようにって軽い気持ちでナチスに見つからないようにこっそりと自分のオフィスの引き出しにしまっておいた。
鍵がついてる書庫に入れたら、絶対にあやしまれ取られる。
それなら鍵がついてない、何の変わりもない引き出しに。
しかし、アンネは戻って来なかった。
アンネの父にその -
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おーフェミニズム小説だなーという強い印象。ただし安易さや甘さを徹底的に軽蔑しており、リバタリアニズムフェミニズムという感じ。
特に面白かったのが、主人公のパートナーになりそびれた男、ラルフの弱々しさ。男性に特有の弱さを上手に掬い取って造形されていると思う。所属する組織を信奉してしまったり、自分の世界の秩序が脅かされるとヒステリックになってしまったり、といった彼の弱さは彼だけのものでなく男性全てが多かれ少なかれ持っていると思う。そしてかれが主人公を信用しきれなかった理由は女性の職業意識を無意識に軽視していたことだというのも、そのような偏見を持ってしまうため物事をフラットに見れなくなるという介錯を