山本やよいのレビュー一覧

  • ペインフル・ピアノ 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    ヴィクが、
    火の壁の向こうにいる母親と医師ロティを助けられない夢を見たと書いてあった。
    それは母親とロティを同一視しているということだろうし、
    誰よりもヴィクのことを心配し面倒をみてくれているロティだから、
    母親同様だと思っていても当然なことだろうと、
    ヴィクともロティとも付き合いの長い自分は心を打たれた。

    それにしても、ヴィクの依頼人たちは、
    自分がお金を払った仕事をそっちのけで、
    他のことにかまけた上に最後には怪我をしてしまっているヴィクに、
    よく仕事を頼んでいるものだ。
    いや、そういう正義と追いかけてしまう彼女だからこそ、
    仕事を頼んでいるのか。

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    2024年04月04日
  • ペインフル・ピアノ 上

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    ネタバレ

    探偵ウォーショースキーの21作目。

    久々のヴィク。
    なので、こんなに非現実的なぐらいパワフルでしたっけ?と思うぐらい
    動き回っていた。
    カンザスの峡谷や沼地の中を歩き回ったり、鉄道のホームの下に潜り込んだり。

    前に出て来たブーム=ブームの親友の娘バーニーが
    軽く付き合っていた男性が殺され、
    事件に巻き込まれる。
    同時にガード下でおもちゃのピアノを弾き歌を歌っていた女性が、
    マリの記事がもとで失踪し行方を追うことになる。
    彼女を守ろうとする謎の男に彼の犬を押し付けられ、
    犬が三匹になってしまうヴィク。

    マリとは、確か付き合っていたこともありましたよね?
    それなのに冷たすぎじゃないか、

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    2024年04月04日
  • ブラック・リスト

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    ▼サラ・パレツキーさん作、シカゴを舞台にした「女私立探偵ウォシャウスキー・シリーズ」です。海外ミステリ好きなら、知らないはずはないシリーズ。個人的には読むのは二作目。

    ▼ウォシャウスキー、という名前に既に、WASP的アメリカ社会というか、トランプ的アメリカ社会からのアウトロー的精神が漲っているのですが、さらにはウン十年前からの女性主人公ですから、とにかくマイノリティーの味方、左翼的反骨精神に貫かれています。

    ▼お話は、9.11の直後なんですね。ですから2002年くらいでしょうか。黒人ジャーナリストの変死体発見から、テロリストの疑いをかけられたアラブ人少年の逃避行へと。「9.11後のヒステリ

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    2024年03月24日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    映画を見たので原作もと何十年ぶりかで一読。かなり原作と映画は違っていて、というか、ほとんど別物でした。ヘイスティングスではなくオリヴァ夫人との一篇。ポワロさしさたっぷり味わえて満足。

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    2024年03月18日
  • クロス・ボーダー 下

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    今回、バトルが激しかった! いろいろな人の年齢がもうわからなくなってしまっているが、それはもう良しとしよう。何作か読み飛ばしてしまったらしく、気づいたら音楽家の彼が消えていた。だけど素敵な出会いがあって嬉しい。今回改めて思ったが、ヴィクの魅力は減らず口ではないだろうか。気の利いた皮肉を素早く出せる! この能力を身に付けたい。

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    2024年03月14日
  • 書斎の死体

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    ネタバレ

    作品の書かれた1940年代ですでに、「書斎の死体」はお決まりのモチーフであったようで、クリスティの茶目っ気が楽しい。

    犯行現場が書斎であることが、全く偶発的なことという外し方。真相は複雑に絡まっているけれど、利害のある関係性に気付き、動機や犯行方法を明るみにしていく手腕がお見事。

    替え玉として選ばれてしまった、罪のない女学生を思うと悲しさが残る。

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    2024年03月02日
  • 書斎の死体

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    ネタバレ

    グレイク嫌な奴だな〜と思っていたが、マープル先生のセリフで大佐と同じくアッサリ印象わ引っくり返されてしまった。人生の巻き返しをはかる人間の多い事。
    バントリー夫人はゴシントンホールで殺人なんて二度と起こりはしないと言ったけど、二度目あるんだよな…。

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    2024年02月03日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    久々に古典ミステリーを読めて満足。事件、推理、トリック(?)、動機などなどは特に驚かされることもなく、ギリシャ神話に基づく点が多々あり、へぇーで終わってしまうけど、登場人物がみんな個性的で、テンポ良く読めた。古き良き時代の英国の雰囲気が味わえたし、相変わらず几帳面なポアロに会えて良き。
    映画の原作として先読みしようと読んだけど、原案のみとのこと。あとがきで知ってちょっと残念。

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    2024年01月18日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    今回は犯人や動機の検討がつかなさすぎて、ワクワク感が味わえなかった。でも「殺人現場を見たことがある」と話す少女→殺される!という興味を引く導入がまさにアガサクリスティーで好き。
    映画観る前に原作読みたくて買ったけど、読めば読むほど映画のあらすじと違ってあれ…?と思ってたら、原案なだけで話全然違うと巻末で分かってちょっとショック!

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    2024年01月06日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    ネタバレ

    圧巻のクリスティ作品なのだけど、個人的には腑に落ちない点がいくつかありました。

    1、
    『そして誰もいなくなった』の出来過ぎとも言えるくらい爽快に決まる見立て殺人と比べると、やや不完全に感じる。見立てが二人の人物によって行われていたという点を差し引いても。クロツグミは24羽も出てこないし、題名にもなっているポケット一杯のライ麦は、必ずしも王様に係る訳ではない。

    2、
    ランスが見立て殺人を行うような猟奇的ロマンティストに思えないのは私だけ? 『そして〜』の犯人はいかにも見立て殺人を行う理想主義者としてしっくり来たけれど、享楽的人生を送っており、単なる金目当てで殺人を犯すランスが行うには違和感が

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    2024年01月06日
  • クロス・ボーダー 下

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    不死身の女探偵、アクション映画を観ているかの死闘に継ぐ死闘!
    ブィクの周りの人がもう少し彼女を信じたならと腹を立てながら読んだが、まぁ結果オーライで良しとしよう

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    2023年12月26日
  • 五匹の子豚

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    ネタバレ

    ポアロシリーズ㉑

    16年前の母の無実を証明して欲しい。と依頼されるポアロ。
    物的証拠は何も無い。16年前の裁判の弁護士、検察官の話を聞き、当時の関係者5人からそれぞれに事件の話を聞く。そして思い出せる限り詳しく手紙に書いてもらう。
    一つの事件を何度もなぞっているだけのようで、関係者それぞれの知っていること、印象、思いが加わり少しづつ事件の見え方に違いがでる。
    そして、一気にポアロの灰色の脳細胞が事件の真相を明らかにする。誰かがフッと耳にしたこと、誰かが何気なく見ていたことが、ポアロにより真実への大事な手がかりと気付かされる。
    犯人は16年間、ずっとこの事件に囚われていた事も印象的だった
    やっ

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    2024年08月15日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    あるお金持ちが殺される。容疑者は家族や周りの人たち。そして第二、第三の殺人が。なんと見立て殺人によるもの。誰が犯人なのか、なぜ童謡に見立てて殺さなければならないのか。そのミステリーの王道的展開ももちろん面白いが、ミス・マープルの犯罪を許さぬ心。そして終わり方。全てが心揺さぶられた。

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    2023年12月12日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    殺人現場を見たことがあると言った少女が殺された。少女が言ったことが本当かどうかということに犯人への手がかりが…。ハロウィーン・パーティに参加した人たちの言葉からポアロが真実を見つけたときに犯人が浮かび上がる。様々な証言が一つにつながるところがやはりクリスティーだと感じた。

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    2023年12月10日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    ネタバレ

    少し前に映画を観て、原作はどんな感じだろうと思い拝見。内容が違いすぎて呆然としました…。ですが、別物と思って読むと、複数の事件と人が重なったとても面白い作品でした。特に子供に対する自分の印象は少々変わったかもしれません。
    また、映画のポアロとは違い、悲壮な感じが無く、登場人物もミステリアスでクールな人が多く、時々コミカルなので実に読みやすかったです。

    自分はミステリ小説をあまり読んだ事が無いのですが、子供が犠牲になる、という所と、子供と言えども虚言や脅迫など中々アクの強い子達が登場してきて強烈でした。まさに「教育とは聖なる領域」。教える事、学び続ける事で人格が形成されていくのかと改めて思いま

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    2023年11月08日
  • 書斎の死体

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    ある富豪の書斎で見ず知らずの女性の死体が発見される。これだけでもミステリファンの心をくすぐられる。そしてポアロと並ぶ、アガサ・クリスティが生み出した名探偵ミス・マープル。老婦人でありながら、観察力、洞察力は一級品。一気に物語に引き込まれた。

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    2023年10月30日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    今年公開された映画『名探偵ポワロ ベネチアの亡霊』の原作というが、全っ然違う!映画を観た後で読んだが、小説の方が断然面白かった。映画はもちろんベネチアで、ハロウィンの不気味さのようなものを強調して作られていて、小説ではイギリス国内で、美しい庭園が出てきたりして、ハロウィンは事件が起こったのがその日だったにすぎない。被害者となった少女が、殺人現場を見たことがあると話していたことから、そのせいで殺されたのかもしれない。それが本当のことなのか、本当だとしたら、いつ誰が誰を?過去のことも同時に解明していく王道ミステリー。

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    2023年10月23日
  • 五匹の子豚

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    購入した2010年ハヤカワ文庫と表紙が違う?
    豚の像の笑顔が怖すぎないか、、と思っていたけど、もしかして同じように感じる人が多くて変えたのでしょうか?

    今回も額面通り捉えない、思い込まない、と言い聞かせていても、最後にガラッと見方が変わりました。ささいなこともなに一つ取りこぼさない。
    派手な展開ではないけれど、名作と感じます。

    ただ、途中は過去の同じシーンを別な視点から何度も何度も焼き回しており、忍耐と集中力が必要と感じました。
    その前に読んだ白昼の悪魔の方が好みではありました。

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    2023年10月16日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    パーティー中に少女が殺された。
    参加していた作家のオリヴァーがポアロへ事件解決の依頼をするが。
    ポワロは物的証拠より関係者と話をし、推理を進めていきます。
    過去の事件も絡んでいるのか?
    なぜ少女は殺されたのか?
    クリスティー女史の王道的なストーリーかな。

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    2023年10月15日
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕

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    映画『名探偵ポワロ:ベネチアの亡霊』の予習として読んだ本作。
    ポワロの物語にしては(と言ってもそんなにたくさん読んでいるわけではないのだが)、連続殺人事件が起こるわけでもなく(と言いながら犠牲者が3人になっているのだが)地味な作品だったように思う。
    丁寧に読み込んでいくと、確かに犯人へと繋がるヒントは散りばめられていたようだが、今一つ腹オチはしない。
    大体、犯行に至る犯人の心情は身勝手なものと相場は決まっているのだが、本作の犯人はまさにその典型と言って良いだろう。
    その矛先が子どもに向けられたところが何とも後味が悪い・・・

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    2023年10月09日