山本やよいのレビュー一覧
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ネタバレ(上巻より)
ヴィクが、
火の壁の向こうにいる母親と医師ロティを助けられない夢を見たと書いてあった。
それは母親とロティを同一視しているということだろうし、
誰よりもヴィクのことを心配し面倒をみてくれているロティだから、
母親同様だと思っていても当然なことだろうと、
ヴィクともロティとも付き合いの長い自分は心を打たれた。
それにしても、ヴィクの依頼人たちは、
自分がお金を払った仕事をそっちのけで、
他のことにかまけた上に最後には怪我をしてしまっているヴィクに、
よく仕事を頼んでいるものだ。
いや、そういう正義と追いかけてしまう彼女だからこそ、
仕事を頼んでいるのか。 -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの21作目。
久々のヴィク。
なので、こんなに非現実的なぐらいパワフルでしたっけ?と思うぐらい
動き回っていた。
カンザスの峡谷や沼地の中を歩き回ったり、鉄道のホームの下に潜り込んだり。
前に出て来たブーム=ブームの親友の娘バーニーが
軽く付き合っていた男性が殺され、
事件に巻き込まれる。
同時にガード下でおもちゃのピアノを弾き歌を歌っていた女性が、
マリの記事がもとで失踪し行方を追うことになる。
彼女を守ろうとする謎の男に彼の犬を押し付けられ、
犬が三匹になってしまうヴィク。
マリとは、確か付き合っていたこともありましたよね?
それなのに冷たすぎじゃないか、
そ -
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▼サラ・パレツキーさん作、シカゴを舞台にした「女私立探偵ウォシャウスキー・シリーズ」です。海外ミステリ好きなら、知らないはずはないシリーズ。個人的には読むのは二作目。
▼ウォシャウスキー、という名前に既に、WASP的アメリカ社会というか、トランプ的アメリカ社会からのアウトロー的精神が漲っているのですが、さらにはウン十年前からの女性主人公ですから、とにかくマイノリティーの味方、左翼的反骨精神に貫かれています。
▼お話は、9.11の直後なんですね。ですから2002年くらいでしょうか。黒人ジャーナリストの変死体発見から、テロリストの疑いをかけられたアラブ人少年の逃避行へと。「9.11後のヒステリ -
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ネタバレ圧巻のクリスティ作品なのだけど、個人的には腑に落ちない点がいくつかありました。
1、
『そして誰もいなくなった』の出来過ぎとも言えるくらい爽快に決まる見立て殺人と比べると、やや不完全に感じる。見立てが二人の人物によって行われていたという点を差し引いても。クロツグミは24羽も出てこないし、題名にもなっているポケット一杯のライ麦は、必ずしも王様に係る訳ではない。
2、
ランスが見立て殺人を行うような猟奇的ロマンティストに思えないのは私だけ? 『そして〜』の犯人はいかにも見立て殺人を行う理想主義者としてしっくり来たけれど、享楽的人生を送っており、単なる金目当てで殺人を犯すランスが行うには違和感が -
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ネタバレポアロシリーズ㉑
16年前の母の無実を証明して欲しい。と依頼されるポアロ。
物的証拠は何も無い。16年前の裁判の弁護士、検察官の話を聞き、当時の関係者5人からそれぞれに事件の話を聞く。そして思い出せる限り詳しく手紙に書いてもらう。
一つの事件を何度もなぞっているだけのようで、関係者それぞれの知っていること、印象、思いが加わり少しづつ事件の見え方に違いがでる。
そして、一気にポアロの灰色の脳細胞が事件の真相を明らかにする。誰かがフッと耳にしたこと、誰かが何気なく見ていたことが、ポアロにより真実への大事な手がかりと気付かされる。
犯人は16年間、ずっとこの事件に囚われていた事も印象的だった
やっ -
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ネタバレ少し前に映画を観て、原作はどんな感じだろうと思い拝見。内容が違いすぎて呆然としました…。ですが、別物と思って読むと、複数の事件と人が重なったとても面白い作品でした。特に子供に対する自分の印象は少々変わったかもしれません。
また、映画のポアロとは違い、悲壮な感じが無く、登場人物もミステリアスでクールな人が多く、時々コミカルなので実に読みやすかったです。
自分はミステリ小説をあまり読んだ事が無いのですが、子供が犠牲になる、という所と、子供と言えども虚言や脅迫など中々アクの強い子達が登場してきて強烈でした。まさに「教育とは聖なる領域」。教える事、学び続ける事で人格が形成されていくのかと改めて思いま -
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