山本やよいのレビュー一覧
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの6作目。
今回は、父の妹、一家の鼻つまみ者がヴィクを事件に巻き込む。
住んでいた高齢者・浮浪者のためのホテルから焼き出されて、
ヴィクの住まいにやってくる。
友達の選挙活動に参加したことと相まって、
シカゴの建築業界の闇に首をつっこむことになる。
すべからく女探偵に近づくには男性には注意しろ。
別の女探偵1作目の衝撃的なラストを読んでしまったからには、
そう肝に銘じざるをえない。
それゆえ、父の元親友ボビー警部補の秘蔵っ子で
ヴィクの相手にもお墨付きだった刑事が裏切り者だったことには、
それほど驚きはなかった。
それよりもヴィクがそう訴えたのに、
警部補が信じなかっ -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの5作目。
ヴィクは生まれ育ったサウス・シカゴに戻り、
幼なじみのキャロラインから調査を頼まれる。
母親が秘密にしている実の父親が誰なのかを
教えてほしいと。
母親が勤めていた化学工場の誰かではないかと、
探りを入れるヴィク。
だが、調査は予想外の反応を引き起こす。
その一つは高校の同級生の死だった。
前作で引き取ったゴールデン・レトリバーは、
階下の老人と一緒に飼っていて、
今回はマラソン中に連れ去られたヴィクを発見するという大活躍。
調査で知り合った80歳近い女性が長年の憧れのフィレンツェに行ったり、
幼なじみが自分の本当にやりたいことをやるために地元を離れたり -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの4作目。
医師ロティの看護師の妹が妊娠し、子供の父親の就職面接のために、
車を出すヴィク。
同行したその妹が産気づき、近くの病院に運び込むが、
妹もその子供とともに亡くなってしまう。
それだけでも悲しいできごとだったが、
ロティに頼まれて様子を見に来た医師が殺され、
ロティの診療所が中絶反対のデモ隊に襲われ、
ヴィクは病院の医師に誘われる。
ヴィクの弁護士時代の知り合い、ギャングへのミスリードにもかかわらず、
冒頭の謝辞で産科病院の関係者が犯人だと思い込んでいたので、
金持ちで若くてかっこいい医師にほだされることもなく、
ある意味快適に読み進めることができて良かった -
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの3作目。
母のおばが長年経理を務めていた修道院から、
株券偽造で疑われた、と救いを求めてきた。
母にも自分にも冷たく当たっていたおばだったが、
ヴィクは死の床にあった母との約束もあり、調査を約束する。
だが、修道院に話を聞きに言った直後に、調査を取り消される。
一方、前作で知り合った再保険会社のイギリス人ロジャーと再会し、
株式の情報のことで証券会社で働く友人を紹介する。
そのためか、友人は殺され、ヴィクは硫酸をかけられる。
年寄りは命を惜しまないと、
危ない橋を渡ってくれた、そして実際巻き込まれてけがをしてしまった、
元偽造屋の親友ロティのおじが、印象的だった。
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ネタバレ探偵ウォーショースキーの2作目。
いとこの有名なアイスホッケーの選手が亡くなり、
遺言執行者になったヴィク。
だか埠頭からミシガン湖に落ちた事故には思えず、
調査を始める。
バルク船に積んだ穀物の中に落ちたら命が無いという話は
実際に聞いたことがあるので、
コンテナを傾けて穀物を入れる倉庫や
さらにその穀物を運ぶ船の巨大さがもたらす恐怖感は
リアルに感じられた。
その船を爆発させててしまうとは、
その前に自動車事故も起こしているし、
こちらの女探偵はかなり派手。
新聞記者のマリとは協力関係でもあるけど、
敵対関係でもあるのでライバルなのかと思っていたら、
時々恋人なのには驚いた。
それ -
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ネタバレ※感想は後日気が向いたら書くかも 気に入って読み返してます
【覚え書き】
エピローグにSurvivors' Club達の子供達が出てきたので羅列
(スペル間違ってたらごめんなさい)
1.Emes (Hugo and Gwendoline)
Melody
Pamela
Arthur
2.Hunt (Vincent and Sophia)
Thomas
Eleanor
Max
3.Harper (Benedict and Samantha)
Gwin
Anthony
4.Arnott (Flavian and Agnes)
Francis
Jeffrey
5.Stock -
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ネタバレガブリエル・アローンシリーズ最新作。今回はサウジアラビとヨーロッパが舞台。サウジの皇太子の娘が誘拐され、犯人の要求を受け入れたにも関わらず斬殺される。皇太子とガブリエルの目の前で。少女は中東での対立からのテロでもなく、宗教的な理由でもなく、単なる醜い欲望の犠牲者となった。金に関する欲望は人間をここまで狡猾に残酷にさせるのかと改めて思う。きっかけにトルコで暗殺されたジャーナリストの実話がある。宗教や主義主張の違いでも人は簡単に人が殺せる。ここに金に関する欲望が加われば尚更なのだろう。今現在、世界中のあちこちこでこのような事件が繰り返されるかと思うと虚しい読後感が残る。
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ネタバレ【ネタバレ有り】
「サバイバーズ・クラブ」五作目。
ベリック伯爵ラルフ・ストックウッドと準男爵の娘クロエ・ミュアヘッドの話。
ヒューゴ、ヴィンセント、ベネディクト、フラヴィアンに続いて
今回はラルフがヒーロー。
彼は伯爵と書かれていましたが、実は儀礼的称号でして、
公爵の跡継ぎ孫でした。
やはり「サバイバーズ・クラブ」のメンバーなだけあって
彼にも深いトラウマがあります。
そしてヒロインにも。
彼女は複数の事情により、社交界から逃げ出し、
実家からも出て、亡き祖母の親友である公爵夫人を頼ります。
その公爵夫人の孫息子が、ヒーロー・ラルフです。
バログらしい経緯で結婚するふたり。
ちょっ -
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ネタバレ<ガブリエル・アロン>シリーズの四作目。やはりこういったストリーの本は日本人にはかけないなぁと改めて思う。
伝説の二重スパイ(モグラ)キム・フィルビーには、愛人の生ませた実の娘がいて、キムを愛人から奪い、自らの果しえなかった野望のために、スパイとして育て、英国情報部MI6に雇わせ、娘は父の遺志を継ぎ、組織のNo2にまで上り詰める。父を慕う娘は慕い、自分を捨てた母親を憎み、生涯会う事はない。一方で、母を捨てた娘を思い、異国で待ち続けるが娘が会いにくることはない。自らの野望のために、娘を洗脳した父。これも一種の愛なのだろうか。読後に残る登場人物達が「勝者もなく、敗者もいない」感じるむなしさが、愛で -
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ネタバレ数少ない上得意からの依頼で、夜間の侵入者についての調査を始めたところ、侵入者を追ううちに敷地内の池に落ちて死体を引き上げてしまう。侵入者と死体についてさらに調査を進めると、過去のシカゴの上流階級の内輪話に踏み込んでいくこととなるのだが、すでに亡くなった者もおり、複雑な人間関係を読み解くのに難航する。そこへテロと関係が疑われる少年が事件の目撃者として入り込む。
いつもは登場人物の人物描写や心理描写が多いのだが、今回はシカゴの上流階級それ自体の描写にも力が入っている。最後、事件全体の取り調べが始まったところとはいえ、上流階級の有力ファミリーのマダムは人を射殺しておいて逮捕されないんだよなあ。だけど