山本やよいのレビュー一覧
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いわゆるハードボイルドミステリー。の、看板作品を読んでおこう、という個人的な試みの一つ。
サラ・パレツキーさんというアメリカの女性作家。V.I.ウォシャウスキーという名前の30代?の女性私立探偵が活躍するシリーズ、1作目。
未見ですが、キャスリーン・ターナーさんが主人公を演じた映画「私がウォシャウスキー」(1991)もあります。
キャスリーン・ターナーさんは好きなので、その内観たいものです。
面白かったです。
正直に言うと「ゴッドウルフの行方」とは段違いに面白かったです。
小説のアメリカでの発表は1982年だそうです。舞台はシカゴ。
私立探偵のウォシャウスキーさんが、大手組合活動家、大手銀 -
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シカゴの女私立探偵V.I.ウォーショースキーのシリーズ長編15作目。
相変わらず元気で、猪突猛進なヴィクです。
華やかな赤いドレスでパーティーに出席していたヴィクは、従妹ペトラからの電話で、荒れ果てた墓地に出向く羽目に。
ペトラが世話をしている少女達がヴァンパイアのカーミラものにはまり、家を抜け出して、墓地で儀式をしようとしていたのだ。
子供だけの夜間外出は禁止する条例があるという。
少女達の知らぬ間に、近くに男の死体があったことを発見するヴィク。
鉄の棒を突きたてられた様子は、少女達とまったく無関係とは思われない‥?!
従妹ペトラはシカゴに来て2年。職を転々としていたが、(これまでよりは -
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新版ではライトノベル調の表紙ですが、内容はロジックやトリックよりもハードボイルドであることに重きを置いている印象がありました。
80年代前半のシカゴが舞台になっているので、パソコンや携帯電話は登場しません。アナログの世界とハードボイルドと女探偵とが非常にマッチしており、荒々しさの中にも軽快さと皮肉のスパイスが効いているたように感じました。
ミステリの要である事件の真相は、簡単ではないものの非常にシンプルで正直物足りなかったです。また、登場人物が多く、シカゴの地理が分からないため、時々混乱しながら読み進めることがありました。よって☆は4つで。
今後新版をハヤカワさんが出版されるのであれば、できれ -
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旅行のお共に何か適度に読み応えがあって面白いものを……と思い、10年振りくらいでサラ・パレツキーの V.I. シリーズを読む。このシリーズは大学時代に好きでよく読んでいたのだが、その後も毎年一冊くらいのペースで出つづけていたらしい。あの素晴しく魅力的だった V.I. も、もう 50歳のおばあちゃんだよ……。
ストーリーは上院議院選挙候補者の娘達、偏向報道を繰り返す保守系巨大メディア、過去に傷を持つ大富豪、精神鑑定により責任能力なしとされた犯罪者を収容する精神病棟といった要素が複雑に絡みあい、そして 25年前の殺人事件へと継がっていく……というもの。プロットは複雑だが、伏線は綺麗に回収されるし、 -
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シカゴの女私立探偵V.I.ウォーショースキーのシリーズ、第十弾。
2001年の発表。
2002年にCWAのダイヤモンド・ダガー(巨匠賞)、2011年には、MWAのグランドマスター賞を受賞しています。
ヴィクの恋人モレルはジャーナリスト。
アフガン行きが決まり、危険な取材になることを心配しつつ、別れを惜しむ日々。
黒人労働者サマーズの家庭で、保険請求が断られた不審な事情の調査を依頼される。
ところが代理店の男性が殺されてしまう。
折しも保険会社や銀行に対して、ユダヤ人や黒人の損害賠償の抗議行動が起きていた。
ホロコーストについて話し合う会議で、テレビに出ていた男性ポール・ラドブーカが、催眠療 -
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新作を読む前に、その一つ前のを慌てて読みました。
ヴィクの姪ペトラが登場。
大学の夏休み中に、シカゴでバイトをするため。
疎遠だった叔父は遅く結婚し、実は4人もの娘がいたんだそうで。
娘達には厳格で、ヴィクには近づくなといっていたらしい。
ペトラは長身でつんつんした金髪、明るく生気に溢れているが、お喋りで軽率。いまどきの若者にイライラさせられるのがおかしい。
同じアパートに住む世話焼きのコントレーラス老人はすっかり気に入ります。
ただ、上院議員選挙の活動の手伝いをしているという仕事の様子が、どうもおかしい?
40年前の吹雪の夜、忽然と姿を消した黒人青年ラモント。
偶然のきっかけで、ヴィクは -
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新作。
快調です!
もうじき50歳になろうという女探偵のヴィク。
同じアパートに住む恋人ジェイクとは上手くいっているが…
前作で登場した年若い従妹のペトラが、シカゴに居着いて働き始め、ヴィクに心配を掛けることに。
父親の金は受け取らないと言い張っているのだが、高給の取れる夜のクラブで働く仕事なので、ヴィクもコントレーラス老人も反対している。
そのクラブ・ガウジでは、前衛的なショーが人気。
ボディ・アーティストを名乗る女性のイベントが行われ、客寄せになっていた。
ヌードの全身に絵の具を塗りたくった姿で登場し、客にも参加して絵を描かせるのだ。
ところが、妙な反応をする客もいて…
店の外で何かが -
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ネタバレ恋人ジェイクや親しい友人達とステキな夕べを過ごすべく訪れた人気店で行われていた前衛的なショー。見ているものを落ち着かない気分にさせ観客の中には不穏な空気が漂う。やがて予感は的中し若い女性が銃殺され、彼女とトラブルになっていた帰還兵が自殺を図り意識不明のまま犯人として逮捕される。帰還兵の無実を信じる父親の依頼で調査を開始したが次々と不可解な点が浮かんでくる。一体あの絵は何だったのか?謎を追って寒いシカゴの冬を走り回るヴィク。
揺るがないポリシー、ブレない正義感、出会って20年以上経っても変わらないヴィクにまた会えた嬉しさ。
かなり年上に思っていた彼女の年齢に自分が近づいていることにリアルと小 -
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おもしろくないわけじゃちっともないんだけど、いかんせん長かったかなー。あと登場人物が多くて人間関係が複雑で。わたしがちびちび読んでるのがいけなくて、一気に読んだらもっとおもしろく読めた気はする。でも、なんというかリアルなアメリカ社会みたいなのが描かれていて、すごく読みごたえがあった。赤狩り、とか、人種問題、とか、貧富の差とか。テロ以降の令状なしで盗聴とか捜査とかできるって法律とか。おそろしい……。さすがサラ・パレツキーという感じで、単なる女性私立探偵モノっていうのとは格が違うという感じだった。ヴィクはいつもいつも、肉体的にひどい目にあってでもまったく休めずにさらにひどい目にあい、体力の限界まで