山本やよいのレビュー一覧

  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕
    クリスティのミステリって大抵、キーとなるトリックや引っ掛けがあって、それ以外は大して重要ではないことが多い。
    今作で言えば、それは殺人を目撃したのはジョイスでなくミランダであった点だろう。こういう引っ掛けは面白いし好きなんだけど、事件の真相がやや薄く感じてしまう。あと共感できない動機、混乱しやすい過...続きを読む
  • 書斎の死体
    「朝起きると、書斎に死体がころがってる」という、現実には起こりようもないが、しかしミステリー小説なら定番という出だしをクリスティがどう料理するかを楽しむ一作。最後の謎解きまで読み終わったときに、ようやく昔読んだときの記憶を思い出した。トリックは類型的だが、しかしこの類型の代表作と言えるだろう。

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  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕
    ★は3.5というところ。いやはや、クリスティー作品にはこんなテイストもあるのか!とまたもや驚かされてしまいました。

    これは10月に読もう、と前から決めていてやっと手に取ったのだけど、会話が多いせいかスラスラ読めてしまい、気付けば1日で読破。そして休日の終わりに「はぁ今作も面白かった」と満足感いっぱ...続きを読む
  • ハロウィーン・パーティ〔新訳版〕
    何気におそらく初クリスティ。

    10月だ!ハロウィンって書いてるの読も!と買ったんだけど。読みやすすぎて1日で読んだ。

    途中で犯人わかった!と思ったけど半分しかわかってなかったし全体の読み甘すぎた…と最後の怒涛のネタ明かしパートで眼白黒させた。

    ミステリー全然読まないマンなので、これが…ミステリ...続きを読む
  • オリエント急行の殺人
    翻訳の感じがあまり得意ではなく、中々没入出来なかったのが残念ですが、ストーリーと全体の謎はやはり名作。考えつきませんよね…。
  • オリエント急行の殺人
    ポアロシリーズ8作目。1934年の作品。

    私が最初に読んだアガサ・クリスティーはたぶん『オリエント急行の殺人』で中学生の頃だったと思います。ポアロの気取ったキャラクターが好きになれず、えんえんと乗客の証言が続く展開も退屈だった印象があります。
    その後、翻訳違いを3、4冊くらい読んでいるでしょうか...続きを読む
  • アガサ・クリスティー失踪事件
    有名なアガサ・クリスティ失踪事件を題材にしたミステリー。語り手となっているのは、アガサの夫の不倫相手のナン。ナンの辛い過去と行方不明のアガサを探す今とが交互に描かれていく。
    失踪事件をモデルにしているけれど、フィクション。興味深い設定になっていて面白かったけれど、そんな…という気持ちも無くはない。ネ...続きを読む
  • サマータイム・ブルース[新版]
    原田マハさんの『リボルバー』の文中に“ウォーショースキー ”の名前が出てきて興味を持ったので、こちらを手に取りました。
    本書は「ウォーショースキー ・シリーズ」の第一弾です。

    シカゴの私立探偵・V・I・ウォーショースキー 、通称“ヴィク”の元に、銀行家を名乗る男性が訪れて、息子の恋人が行方不明なの...続きを読む
  • 亡者のゲーム◆ハーパーBOOKS創刊記念◆無料立読み版

    設定はなかなかに面白い

    諜報員であり美術修復師という設定はなかなかに面白いと感じた。ストーリーとは別に美術修復というもののトリビアが興味深い。登場人物たちの持って回ったようなユーモアをたたえた話しぶりがいかにも翻訳物っぽくてそれなりに面白い。
  • サマータイム・ブルース[新版]
    探偵、VIウォーショースキーの第1作目。
    タフな女性探偵が前面に出まくっており、事件があまり印象に残らない。主人公の人物が竹を割ったような性格で、好感が持てる。英文和訳のあのやたらと細かい描写が苦にならなければ楽しめるかもしれない。
  • 死線のサハラ 下
    前作と一続きと考えてよい物語。やっと追い詰めた最終ターゲットを仕留め、もっとカタルシスを感じるかといったらそうでもなく、爽快感もない、湿度の高い作品。
  • フォールアウト
    古本市で購入。

    650ページの長編。

    シカゴに住む私立探偵ヴィグ。
    窃盗の容疑をかけられた青年の行方を捜してほしいとの依頼を受ける。

    青年はどうやら老いた女優と一緒にカンザスの田舎町に行ったらしいという情報を元にカンザスに向かう。

    カンザスの田舎で行方不明の二人を捜すのだが、途中のストーリー...続きを読む
  • 書斎の死体
    コミカルな感じで読みやすかったけれど、犯行は相当残酷。この村1番の豪邸が後々連続殺人の舞台になるのは身代わりにされた女の子の怨念か…
    ラストを締めるレイモンド・スターが良い。怪しい人物ながら、がんばって!と応援したくなる。
  • 書斎の死体
    今だったらすぐバレてしまうのでできないトリックだった
    バントリー夫人のマープルさんへの信頼が芝居がかってて好き あらぬ方向にすごいのよこの人!とか言ってて 突然降りかかってきた不幸にめげずに明るくたくましく向かっていっててそこも好き
  • 教皇のスパイ
    宗教観が違ってて理解しながら読んだ為スピード感や内容そのものの面白さには至らなかった。フィクションとはわかってるが、過去の事実も散りばめられてるから凄くリアルで、逆にカトリック信者の感想を聞きたいと思った。
  • 書斎の死体
    ミステリーを読みたい、けどハラハラドキドキして疲れたくない、という気持ちに応えてくれるミス・マープル……
    もちろん、子供の配偶者をいつまでも家に縛りつける舅や、全く無関係の娘まで手にかける犯人はじっとりしてて嫌だけど……
    それも含めて軽やかに読ませてくれる(訳もいいのかも)。
  • ブックショップ
    昨年公開された映画『マイ・ブックショップ』の原作本。夫の死後、遺産で暮らしてきた女性が、“自立した存在”であることを自分や世間に証明しようと小さな書店を開く。しかし彼女が買った建物〈オールド・ハウス〉を巡り、町の大物とトラブルになり……という内容。大筋は映画と同じだが、細部がいろいろと違っていた。出...続きを読む
  • 書斎の死体
    ミス・マープルもの。

    今回はクリスティーが序文でも書いてあるように“書斎に死体が!”という、ミステリにおいてベタなシチュエーションに敢えて挑んだという、王道ミステリを楽しめる構成となっております。
    謎解きだけではなく、マープルさんの鋭い人間観察力が冴えわたるのもお約束。(若干の思い込みがあるような...続きを読む
  • ブックショップ
    夫を亡くしたフローレンスは、人生の再スタートとして海辺の小さな町で書店を開くことにした。長い間住む人もなかった古い家を買いスタートした小さな書店。順調にみえた書店だったが、その家は町の有力者の婦人がその場所を夏の観光客向けにコンサートなどができるホールにしたがっていたのだ。
    ささやかなフローレンスの...続きを読む
  • 書斎の死体
    偶然3つの事件が重なってしまって、絡み合ったせいで、全体像が掴みにくくなってしまって……というパターンだった。