AI(人工知能)を、技術的に論じたものではなく、ビジネスモデルの中で戦略デザインとして位置づけたものです。
■わかりやすく、前半は、ビジネスモデルなどの解説、後半は、ケーススタディをつかった実例を扱っています。
■AIがコモディティ化し、ゲームの焦点が、「技術」でなくなったいま、もとめられているの
...続きを読むはAI活用の「戦略デザイン」です。
■それは、ダブルハーベストループという戦略モデルです。
すくなくとも、実務ベースと金融ベースの二重ループが作れるわけで、このダブルハーベストループを回し続ければライバルは追いつけなくなるというのが本書の最大のメッセージである。
■勝ち続けるための仕組みとしてAIの深層学習をベースにおいたループ構造をつくって回す
■他者の模倣ができないように、ループも二重三重につくって、複数の競争優位を築き上げる
AIは人間の仕事を奪うのではなく、人間の仕事をアシストしてくれる存在
3つのアプローチがある
①ヒューマン・イン・ザ・ループ 人間とAIのコラボ 深層学習と追学習で成長する。さらにその中には人力検査型、人間バックアップ型、監査型の3つの型がある
②エキスパート・イン・ザ・ループ 専門家の能力を最大化する
③ユーザ・イン・ザ・ループ ユーザに参加してもらってAIの精度を上げていく
AIが発揮している価値は5種
①売上増大 ②コスト削減 ③リスク・損失予測 ④UX向上 ⑤R&D加速
AIの機能は3種
①認識 ②予測 ③対処
業務の全体最適とAI ボトルネックにAIを適用して大きな効果を得る
(全体にはAIは適用できないのでどこに適用するのが効果があるのかを検討する)
・レスデータ 少数の有効なデータをつかって、迅速にAIを立ち上げる GANなど作られたデータなどを使う
・トランスラーニング 領域Xで開発したAIを領域Yに適用する
UVP:ユニークバリュープロポジション 他社にはない唯一無二の価値を追求する
100人が必要な業務にAIを適用して、たとえば85%が上限になった場合、その85%をサチュレーションという
飽和均衡になった業務は人がやるが、85%の効果があった。さらに学習で95%になった場合、残15%を残5%にしたわけなので、そこから、さらに3倍の効果があったことになる。
ループを一重にしておくと、他社から模倣されて、レッドオーシャンになってしまう。それを防ぐために、二重三重のループを形成する
どんなデータをためればいいのか?
①IDに紐づいた個人データ ②取引先データ ③地理データ
ハーベストループ実装の9ステップ
①KPIに落とし込む
②推論パイプラインのデザインとレビュー
③初期データの特定と準備
④初期実験とファインチューニング:POC
⑤累積データの「型」特定
⑥UI/UXデザイン
⑦実装・デプロイ
⑧クオリティチェック
⑨実運用と継続効果検証
・AIプロジェクトは、不確実性にある。WBSを用意してもほとんど守られないという現実 POCなどを使う
・イテレーションを使って短期間に開発⇒検証を繰り返す(アジャイル)
目次は次の通りです。
はじめに 「技術」から「戦略デザイン」へ
Prologue 勝敗を分ける「何重にも稼ぐ仕組み」ーハーベストループとは何か?
Chapter 1 AIと人とのコラボレーション ーヒューマン・イン・ザ・ループ
Chapter 2 AIで何を実現するかを見極める ー戦略デザイン構築のための基盤つくり
Chapter 3 戦略基盤を競争優位に変換する ー戦略デザインとしてのAI
Chapter 4 データを収穫するループをつくる ーハーベストループでAIを育てる
Chapter 5 多重ループを回して圧勝する -ダブルハーベストこそ最強の戦略
Chapter 6 ハーベストストーリーを実装する ーAIプロジェクトマネジメントの考え方
Epilogue 地球をやさしく包む「最後のループ」ーSDGsとハーベストループ
おわりに AIよりも戦略よりも大事なこと