角野栄子のレビュー一覧
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ネタバレ他人の言動に振り回されて自分を見失うキキ。でも大切なのは、自分が何を思い、どう行動したいか、なのだ。
コリコの町に一人きりの、特別な魔女。自分がみんなのことを好きなように、みんなも自分のことを好きになってくれて。そこが自分の居場所であり、大切なものがたくさんある場所。でも、そういうものは、ある意味、子供時代のものなのだ。大切なものを取られてしまうかもしれない気持ちも、ケケを疎ましく思うのも、それが世界であり、それが生きていくということであり、そうして子供時代を脱して大人になっていく。何もかも放り出したくなって、キキが最後に見つけたものは、自分の本当の気持ちだった。ケケがこう言ったからとか、とんぼさんもケケと仲良くしたいみたいだからとか、そういう外側のことではなく、内側にある気持ち。おしゃれしたいのも本当だけれど、黒いワンピースの裾を短くしてもらうよりもジジのクッションをつくってもらいたいと思ったキキは確かにいた。ケケが来る前、キキはどんなことを思って暮らしていたのか? いつもいつも順風満帆というわけにはいかない。生きていれば、嫌な出来事や予期せぬ事態も起こりうる。それでも、いつも自分の内側にある心の声を聞いて、それを見失わなければ、きっと大丈夫だと思えるのだ。そうして、キキはまた一歩、大人になった。 -
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独り立ちを始めて三年目、16歳になったキキの元に、
ケケと名乗る、黒ずくめの不思議な女の子が転がり込んできた。
穏やかだったキキの日常は、ケケの存在で、かき回されてしまう。
最初は私もキキと同じように、ケケには悪い印象しか持てなかったんだけど、なんとなく、ムーミンのミィに似ているかも……と思うと、可愛く思えてきた。
ケケに踊らされるように悪あがきしてるキキはちょっと痛々しい。
どれもこれも「自分」というものを見つけるための試練、いわゆるモラトリアムってことかな?
夜空を切り裂くように飛ぶことで要らないものを振るい落とし、
キキがとんぼさんへの自分の気持ちに気づいた場面は、なんだか私まで胸がいっぱいになった。
けれど、とんぼさんはあと3日で遠い街の学校へ。
その前に、ととんぼさんに呼び出され、二人きりで並んだ夕焼けの海岸、竹とんぼを飛ばす場面は良い雰囲気だったなぁ。
次はキキのどんな成長物語が待っているのかな? -
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魔女の宅急便の2巻です。キキがコリコの街に来て2年目。すこし成長したキキは、男の子を意識しちゃったり少し難しい悩みに悩んじゃったりしています。うちの小3娘も小1息子も1巻に続き気に入って、娘いわく「ふんわりしていて面白くて飽きない」と言っていました。カバ、かばん、赤いくつ、さんぽ、町の女の子、運動靴をそれぞれ運ぶ話が特に好きと言ってました。好きになった話がいくつもあったということですね。蛇足になりますが正直に言うと僕としては1巻よりも女子的になったというかハーブティー的な雰囲気がする世界観がちょっと苦手でしたがもちろんこれは僕がおじさんで男子だからです。
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5巻から15年の月日が経ち、キキは35歳。とんぼさんと結婚し、双子にも恵まれます。双子(女の子のニニと男の子のトト)はもう11歳。物語はこの双子が13歳になるまで(魔女になるか決めなければならない年齢)の、二人の心の葛藤とキキの母としての思いが描かれていきます。そこへこれまで登場してきた人物…ヤアくんとノノちゃん(結婚)ケケ(31歳)、ヨモギさん、ジジとヌヌと子猫たち、ママ先生…が絡み合って嬉しい気持ちになりました。魔女になれるのは伝統的に女の子。なのにニニは天邪鬼でふわふわ、むしろトトが魔女になりたがり悔しい思いを強いられます。そんな二人にキキの悩みは増える一方。どうしてもトトの気持ちにそって読んでしまいますが、最後にニニもしっかり何かを乗り越えるので、色々な人の気持ちを考えながら読みました。今までの集大成という感じで一緒に大人になった人が嬉しく読めるお話でばかりです。双子についた猫ブブとベベ、ニニの自転車こぎ飛び、トトのほうき楽器、発想がとても面白かったです。第1巻の出版から24年、キキもほとんど同じだけの年月を過ごし大人になりました。今までジブリの印象しかなかった物語がとても深く広がっていきました。ぜひ子どもたちに読んでほしいシリーズです。
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キキ19歳の春。13歳の新米魔女ライちゃんに昔の自分を重ね、大人になったかなと思いつつ、まだまだ失敗も悩みもたくさん。とんぼさんからの手紙が届く度、うかれたり落ち込んだり。仕事も時々失敗はあるけど、ヴェール運びが有名になったり、町長さんのキューピッドになったりと町には欠かせない存在に。ある日ちょっとした気持ちからキキは魔女の飛び方を自慢してしまいます。そんなキキに魔法が嫌気をさしたのでしょうか、ほうきは低空飛行しかしなくなり、ジジもお気に入りの猫ヌヌちゃんに合わせて猫語しか話さなくなっていきます…全巻通して10代の(ものすごく!)複雑な女心がうまく描かれているなあと思います。落ち込んだりうわついたり、キキは魔女で特別だけど、私たちとなんら変わらない悩みや喜びを感じる女の子なんだと思うとすっかり物語に入り込んでしまいます。ジジが変わっていくのは映画でもショックだったシーン。でも半分は魔女猫語を話してくれるのでほっ。少しずつ大人になるにつれ、何かを得て何かを失っているんだなぁ。今までの巻に登場した人たちがちょこちょこと顔を出してくれるのが楽しい。とんぼさんとの恋のシーンは前回に引き続きドキドキ。
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キキ17歳の夏。遠く離れた町の学校へ通うとんぼさんは夏休みも研究に夢中。手紙を通じての遠距離恋愛にもどかしさを覚えるキキ。周りの女の子たちはおしゃれをしたり男の子たちと遊んだり、どんどん大人っぽくなっていきます。キキは恋も仕事も魔女もみんな自分で選んだことなのに不満ばかりで自信をなくしつつありました。そんな気持ちが膨らみ、人まで疑いだしたある日、ほうきがなくなってしまいます…ほうきがなくなるザザさんのお話がとても強く印象に残りました。キキの物語は一見大きな事件はないけれど、自分の心の奥深くと向き合い、ものすごく大きなものを乗り越えるお話がたくさんあり、とても魅力的です。夕暮れ路のむこうのヨモギさんのお話は切なさや悲しみが少し大人っぽいけれどとてもいいお話。オソノだんの娘ノノちゃん(4歳)とモリさんの弟(8歳)ヤアくんの恋の行方も気になるところ。幸せのヴェール、花嫁さんの頭にフワッと届けるなんて素敵。最後のコキリさんのエピソードはびっくり。衝撃的な内容のわりにあっという間に終わってしまったので、一つのテーマとしてじっくり書いて欲しかったなあ。
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魔女修行の一年が終わり、キキは里帰り。けれど、キキはもうコリコの町に戻りたくなっていました。そんなキキの新しい一年はこれまで以上に大忙し。たくさんの(面白い)ものと一緒に人の心や思いを届けます。カバ、手品師の鞄、森の窓という名の木の笛、ピンピンシャツ…時には自分を運ぶことも。何かを届けるたび、色々な人の思いを感じ、キキは自分にも当てはめながら考え成長していきます。そんなある日、黒い手紙を運んだことで、キキは知らないうちに人に不幸を届けてしまうこともあるということを知り悩み始めます。私の仕事っていったいなんだろう。そんなキキの気持ちが魔法にも伝わったのか、ジジはそっけなく、ほうきも言うことを聞きません。落ち込んでいるキキを助けてくれたのはお母さんからの手紙でした。キキはお母さんの「つくる」魔法、くしゃみ薬作りに興味を持ち始めます…様々なものを運ぶエピソードがたくさん詰まった第2巻。それぞれ独立して読めるお話ですが、1巻のエピソードや登場人物などが繋がり、通して読むと面白いです。1巻の林明子さんの絵が大好きだったので、広野さんの絵が和風で始め違和感がありましたが、読むうちにこれしかないと思うようになりました。キキの繊細な気持ちが丁寧に描かれ、また届け物を頼んだり贈られたりする大人たちの思いも考えさせられるものがあり、大人にも十分楽しめる本だと思いました。魔法や恋のお話ではあるけれど、キキという一人の女の子が成長していくしっかりした骨のある物語だと思います。最後にお母さんとくすり草を植えるシーンが神秘的で優しくて好きです。角野さんは歌の節、言葉選びもきれいだなと思います。シリーズの中でも厚めの本。