永田守弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
美少女から人妻、熟女、女教師、くノ一に尼僧。
少年ものに性豪もの。
凌辱系から癒し系まで―官能小説の世界は、欲深い読者たちの嗜好に応じて多種多様なジャンルの作品が淫らに咲きほこっている。
人びとの想像力を喚起し股間を刺激するために…。
こうした百花繚乱の表現世界は、いかにして形成され成熟したのか。
本書では、戦後の官能小説史を丹念にたどり、一時代を築いた優れた作家たちの名作と、彼らが骨身を削って生み出した表現技法を紹介しながら、この秘密に迫る。
[ 目次 ]
第1部 官能小説の歴史(カストリ雑誌からSM御三家へ―官能解放!;性表現の取締りは何をもたらしたか;ポルノ躍進の時代―北 -
Posted by ブクログ
大人の日記を書いている僕としては読まずにいられない本でした。「教養」という文字が僕に自信を与えてくれました。おかげでレジでは堂々と綺麗な女性店員さんに表紙を向けて差し出すことができました。
さて、内容ですけど2部構成でして、僕は第1部の「官能小説の歴史」が大変興味深く読むことができました。第2部はジャンル別の分析ですね。
一つ気になったのは、やはり男性の視線で書いてあるということです。実際には官能小説で感じてらっしゃるのは女性たちが圧倒的に多いはずだからです。
女性は堂々と書店で官能小説を買うことはないでしょうけど、実際にはネットでこっそり読んでる方が多いと思います。そういう点にも触れて -
Posted by ブクログ
本書は、官能小説研究の第一人者である著者が、
官能小説について概観する著作です。
2部構成を取っており、
1部では、川上宗薫、藍川京さん、中村嘉子さん、草凪優さんなど
代表的な官能小説作家を紹介し、官能小説の変遷を追うとともに
そこに描かれた社会や家族、男女の姿を検討します。
つづく2部では、「OL系」「スポーツ系」など、官能小説のジャンルや、
官能小説特有の表現をつぶさに分類・解説します。
『四畳半襖の下張』事件、『チャタレイ裁判』で「わいせつ」と指摘された部分や
近年の男性の嗜好など、全く知らなかった話が多く興味深かったですが、
個人的に、もっ -
-
Posted by ブクログ
1945年から2014年にかけて、その時々の世相とともに、官能小説の世界で刊行された注目するべき著作などを取り上げ、その変遷を論じた本です。
まず、不満に感じた点について言及しておきます。著者のようにくまなく官能小説を読んでいるわけではないので、個人的な印象にすぎないのですが、とくに現代の官能小説を扱っている部分ではちょっとピンボケのように感じるところもいくつかありました。
一つだけ例をあげると、本書では橘真児を尻フェチの項であつかっていますが、彼の作品の一番の特徴は、なんとも表現しがたい味わいのあるユーモアではないかと個人的には思っています。小説家は、新しい表現やシチュエーションを生み出 -
Posted by ブクログ
官能小説という分野を、2つの視点から説明している。第1部は歴史の流れを追う。第2部ではジャンルの細分化を試みている。
性を超えて、文学として語ることは可能であるか?疑問を持つ。男女が持つ、本能をそのように表現すれば良いか?性交の描写の技法やタイトルは様々に工夫されている。嗜好と創造は方向性を持つのだろうか?
歴史、カストリ雑誌が取り締まり、発禁の時代を経て「ポルノ」として大衆に受け入れられる。女流作家が登場し、文庫として、消費の時代へ、さらに出版(発表)形態も、百花繚乱になる。
ジャンルによる分類として、外観的な区分をしている。1女の年齢2男の立場3女の職業。また、主観的に、4文体5流行6時 -
購入済み
女性にオススメ
初めてこういった分野に足を
踏み入れてみました。
内容は総じてソフトな印象で
幸いでしたね。ノーマルな志
向の?女性向けの一冊だと思
います。 -
Posted by ブクログ
全体は大きく2つの柱に沿って構成されている。
1つは官能小説の歴史であり、全体のだいたい7割くらいを占めている。
歴史的な変遷や、それに伴う作者の紹介が行われているがやや短調で退屈な部分があることも否定できない。
ただ、戦前、戦後に摘発を逃れる工夫の中から、今の多様な表現が生まれた、というくだりは面白かったしためになった。表現の自由が規制されれば、あらゆる巧妙な手段を使って全く別の形を探してでも、表現することを求めるものなのかもしれない。
もう1つはジャンルと表現技法についてまとめらている章である。
官能小説はその時々の時流を敏感に読み取ってその内容や文体を変える、と筆者は述べており、その観 -
購入済み
基本殿方向け
官能小説がベストセラーになり得ない理由。
女の人は基本読まないものねえ。
女の人が読むとされるこの手のエロ系の表現について調べてないのは
書き手の怠慢であり手落ちです。
実はあまり変わらないのですが、小職は違いを細かく分析するほど読み込んでいない。
女の人がわやくちゃにされる話に、金払って読むのは殿方だけです。
更なる精進を期待します。
まあ、お好みで。