井伏鱒二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今まで読んできた原爆小説はネヴィル・シュートの「渚にて」、原民喜さんの「夏の花・心願の国」に続いて3作品目になります。
渚にては少し話の毛色が違いますが、第三次世界大戦が核戦争として起こってしまった世界が描かれているので、こちらも是非一読をオススメします。
「黒い雨」は主人公の重松を中心にその家族、仕事場の人達、ご近所、その他知り合いの人達と登場人物がたくさん出てきます。
その登場人物皆が投下された爆弾1個でボロボロになりながらも、寄り添い助け合い苦しみながら生きている景色が描かれていました。
綺麗な言葉で説明しましたが、描かれている内容は皆さんが知っているように地獄です。
天気は晴れだと本に書いてあっても見えている景色はどう見ても清々しくなく、常に汚染された黒い雨が降り続いているような気持ちがずっと続きます。
身体に蛆が湧く。耳の中に入っている所を想像するだけで涙が出る。
「目が動いているように見えて、近づいてよく見てみると蛆が動いているだけだった」という描写はとても恐ろしかった。
2メートル近くの死体の山、蛆、蠅、悪臭、肛門から垂れ出ている腸や糞。
創作であっても異常な程に酷すぎるものなのに、これが日本で実際に見えていた景色なのだと思うと言葉が出てきません。
読んでいると苦しくなって中々読み進めるのは大変だと思いますが、少しずつでもちゃんと読んでたくさん考えるべき本だと思いました。