井伏鱒二のレビュー一覧

  • 山椒魚

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    なぜいま井伏鱒二を読もうと思ったのか、それが全然思い出せない。
    2、3ヶ月まえに青木南八との交流をテーマにした「鯉」を読んだけれど、この『山椒魚』はそれより随分前から積読されていたから、「鯉」を読む前から何かが気になっていたのだろうと思う。それが一体何だったのか。

    ただ何となく思うのは、何か「手触り」のある小説を読みたかったのではないかということだ。
    歳をとって小説が読めなくなってきた。
    原因はよく分からないけれど「世界を立ち上げる力」が弱くなってきたんじゃないかという気がする。
    物語を読んでも昔のように世界が現れてこない。だから最初から確かな世界が描かれている、そんな小説を読みたかったので

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    2024年03月13日
  • 厄除け詩集

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    井伏の詩、「ハナニアラシノタトエモアルゾ、サヨナラダケガジンセイダ」どのフレーズ、どこがで聞いたことがありましたが、井伏の自由闊達な五言絶句の翻訳あるいは意訳であったとは迂闊にも知りませんでした。これを知ることもできたのも茨木のり子さんのおかげですが、井伏鱒二の詩もいい。いいです。

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    2024年02月27日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    ネタバレ

    子どもの頃、大好きで、全巻読みました。今回、再読しました。
    やはり井伏鱒二さんの日本語訳が好きです。難しい文体でもないし、子どもたちにも、井伏鱒二訳を薦めたい。
    人種差別的という評価がされていると大人になってから知り、ショックを受けていました。読んでいた当時はそんなこと思いもしていなかったから。編集部が最後に注意書きを書いてくれているので、そこを含めて読んでもらう必要はありますね。
    今読むと、黒人の王子様の願いが白い顔になりたい、眠り姫に受け入れられたい、なんていう部分は私も受け入れられないですね…。

    ただ、ストーリー、先生や動物たちの活き活きとしたキャラクターや、姿勢、問題解決へのアプロー

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    2023年09月02日
  • ドリトル先生の郵便局

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    最初は郵便局から始まったけど,と中から小包ゆうびんや天気予報も始めていて,どんどん新しい仕事が入ってきて動物たちにも沢山面白い仕事を教えていた。それが面白かった。
    もう一回読むとしたら、しんじゅどろぼうの所を読みたい。

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    2023年08月19日
  • ドリトル先生航海記

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    ネタバレ

    と中読んでいる時は、ドリトル先生は帰れないのか?と思ったけれど、海かたつむりのカラの中に入って帰るのがとても面白かったし、帰ることができてよかった。島の人たちに一生懸命色々なことを教えるドリトル先生がとてもやさしいと思った。

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    2023年07月08日
  • 山椒魚

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    井伏鱒二の懐の大きな文章が堪能できる短編集。ストーリーとか小説の意味とか関係ないというのは乱暴すぎるかもしれないけどとある視点で絵画的に世界を優しく切り取るというようなふうに感じる。その結果「これは何を言いたいんだろう」という感想を持ってしまうものもあるけど、それが世界というものかもしれない。
    代表作とされる山椒魚はそんな観察が浮き出る印象。朽助のいる谷間はストーリー感が強めに出る印象。屋根の上のサワンは全体的なバランスのよさを感じた。そのほか、へんろう宿、掛け持ち、女人来訪が印象に残った。女人来訪の文章は面白すぎる。大空の鷲はすごく実験的な作りの小説のようにも思えるけど語り口は井伏鱒二的で不

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    2023年06月23日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    ドリトル先生は動物を愛していて、動物がしたいことをしっかりさせていた。そして、ドキドキハラハラする冒険がとっても面白かった。

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    2023年06月02日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    ドリトル先生がポロネシアに教えてもらってドリトル先生の庭には動物がたくさんある日猿の依頼が来てアフリカに行くことにネギって船も貸してもらいました。そしてアフリカにつきました。アフリカの半分をおさめている王様に捕まったりしながら王様が収めていないもう半分の猿の国にわたりました

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    2023年02月13日
  • ドリトル先生と秘密の湖 上

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    ネタバレ

    ヴェルヌ『永遠のアダム』との類似。どちらも聖書→洪水伝説が下敷きということはあるだろうが、「大陸が海に沈むのから逃れて次の世界の人類の祖となる」という共通点はそれ以上のものがある。
    p.277
    「アジアからきた、外国の人たちと戦っておりました。」は太平洋戦争を元にしているのか。

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    2023年01月20日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    今まで読んでなかったことを後悔…。
    なんと楽しい物語なのか。
    大人でもクスッと笑えたりニヤッとしたりできる。そして井伏鱒二さんの訳の良さと、巻末の石井桃子さんのドリトル先生への愛! すごいなぁと感嘆しました。

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    2023年01月16日
  • 太宰治

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    師として友として親しくつきあってきた井伏鱒二が見た太宰治の肖像。筆者の目を通した太宰治、筆者との思い出の中の太宰治。これらは、太宰治の作品を読んでいただけでは見えない印象だった。
    この印象が変わったところで、太宰治の作品を改めて読みたいと思った。

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    2022年10月06日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    小学生の時に夢中になって読んだシリーズ。
    大人になってからモデルになった人が、猟奇的な外科医だったことを知って、かなり衝撃を受けましたが。

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    2022年09月19日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    すごく面白かった。
    動物と話せたらどんなにいいだろう。そして、ドリトル先生の決して求めすぎない人柄にも魅力が詰まっている。続編を早く読みたい!

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    2022年07月13日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    ネタバレ

    最初は人間相手の医者だったが、オウムと話をしている時に他の動物の言葉も学習すれば話すことができることを知り、それから動物の医者になった。
    ドリトル先生はたくさんの動物の治療をしたので世界中の動物たちに知れ渡ることになり、アフリカのサルたちがたくさん流行り病に侵されており助けを求められる。
    そこからアフリカへ行きイギリスへ戻るまでの物語。
    道中色々なことが起こりそれらを解決して前に進んでいく。
    動物と話すことができるという時点でファンタジーであり、話の展開が面白い。
    他の人が触れられている人種差別の問題はあるが、作者の生きた時代は自然とそういうものだったのだろうと思う。それらについて現代の子ども

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    2022年06月23日
  • 太宰治

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    井伏鱒二と太宰治
    お互いの
    人間性や関係性、
    距離感、空気感が
    垣間見える
    太宰治が自殺してしまった
    という事実が悲しい
    三省堂名古屋本店の
    中公文庫在庫僅少フェアにて購入

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    2022年05月22日
  • ドリトル先生航海記

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    動物語が話せる獣医(もとは医者)のドリトル先生。彼は沼のほとりのパドルビーに1人で住み、庭には動物たち自身が秩序をもって生活する動物園があります。これはドリトル先生シリーズの第2巻で、ドリトル先生の助手になったトミー・スタビンズの語りで物語は進みます。
    知ってはいたけれど、読んだことはなかった児童書のひとつ…なぜもっとはやく読まなかったのかと驚きました。なにしろ面白く、パロディがちりばめられていて、人間について深く考えさせられもします。

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    2022年03月20日
  • ドリトル先生アフリカゆき

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    難しい小説を読もうとして、最後まで読みきれず終わる事がよくあります。
    それならむしろ、こういうやさしい本から読書するのがよいと思いました。
    短い時間で夢中になって読みおえました。

    ドリトル先生の力で、世界中に蔓延する疫病なくしね欲しいです。

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    2021年05月20日
  • 厄除け詩集

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    はじめの「なだれ」からノックアウトされた。井伏さんといえばわたしにとって、ドリトル先生に出てきた前後どちらにも顔がある生き物を「オシツオサレツ」って名訳した人。詩もこんなにすばらしかったなんて。そしてこのタイトルのセンス。おまもりにします。

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    2021年05月10日
  • ドリトル先生航海記

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    これは傑作。センスオブワンダーに溢れてるし、その描写がいちいち美しい。短い1文にもハッとするフレーズがあちこちにあるのだが、水族館に捕まってしまったフィジットの妹クリッパが故郷、憧れの海を思い出す場面が特に素晴らしい。「すてきな、ひろびろとした、なにもかもすがすがしい、わが家のような海!貿易風がおこす波のしぶきなどものともせずに、大西洋の波濤をとびこえて、うずまく青い波の底におりてゆくなんて、なんてすばらしいんでしょう!空が夕焼けで、波のあわがピンク色に映える夏の夕暮れどき、もしも小エビを追いかけてゆくことができるなら!ひっそりとした無風帯の昼さがり、波の上にねころんで、熱帯の太陽に、おなかを

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    2020年11月07日
  • ドリトル先生のキャラバン

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     ピピネラはフェミニストだなと、子供のときは言葉を知らなかったけど今読んで分かった。オスだけが綺麗に鳴いて出世する世の中で、行儀悪いと同種のメスに叱られながら歌の練習をした。そして歌が彼女の人生(鳥生)を変えてきた、オペラの主役にもした。
     ピピネラの半生と鳥の歌のオペラの描写を含む「キャラバン」は、シリーズの中でも特に詩的で可愛い話だと思う。

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    2020年09月03日