あらすじ
「沼のほとりのパドルビー」に住む名医ドリトル先生は、オウムのポリネシアから動物語を習い、世界中の動物たちから敬愛されています。ある日アフリカのサルの国から、ひどい疫病が流行しているから救ってほしいという訴えを受けた先生は、犬のジップたちをひきつれて冒険の航海に出発します。ドリトル先生物語の第1作目。
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Posted by ブクログ
読み返したいなと思っていたドリトル先生シリーズ。
まずは初めの『アフリカ行き』は昔からの井伏鱒二翻訳、次の『航海記』は河合祥一郎の新訳完訳で読んでみます。
ヒュー・ロフティング本人の挿絵が懐かしい!!(^o^)
翻訳の口調は「ドリトル先生は〇〇をなさって」のように丁寧です。
巻末が豪華!
翻訳者井伏鱒二や、井伏鱒二に紹介した石井桃子のあとがきからは、戦後に子供たちに豊かな児童文学に触れてもらいたい!という真摯な気持ちが感じられます。
日本に紹介してくださったみなさまへの「ありがとうございます!」の気持ちを深く感じます。
さらには登場人物・動物紹介、二巻以降のあらすじ紹介もあります。
さすが岩波少年文庫、解説までとても誠実に創られている。本っていいなあって思います。
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イギリスの「沼のほとりのパトルビー」という小さな町に、ジョン・ドリトルという医学博士が住んでいました。とリトル先生は生き物が大好きで大好きでいろんなものを買っていました。餌代はかさむし、人間の患者さんは動物たちを怖がって寄り付かなくなりました。家のことをやっていた妹のサラさんまで逃げ出してしまいました。
まだ先生の元に出入りする人間は、猫に食べさせる肉を売るネコ肉屋のマシュー・マグだけです。学はないけれど先生のためなら協力を惜しみません。
ある日先生が飼っているオウムのポリネシアは、ドリトル先生に「動物にも言葉があるんですよ。先生は動物の言葉を覚えて獣医になってください」といいます。
動物にも言葉があったとは!こうしてドリトル先生は動物の言葉を覚えたのです。
獣医として繁盛したドリトル先生ですが、動物の間で「動物の言葉がわかり、治療してくださる先生」という評判が広がったため多くの動物達が先生の家に押しかけてくるようになりました。すると人間の飼い主たちは逃げてしまい、またまた貧乏になりました。でも先生は全く気にしていません。心配した動物たちが、家のことを切り盛りするようになりました。
…すみません、社会の中であくせく生きている私はやっぱり序盤は「お金にこだわらないっていうのは格好いいけど、やっぱり扶養家族がいるんならお金も必要だ!お金は必ずしも悪ではない!」って思っちゃいました…
しかしそんなある意味生活能力のないドリトル先生に、動物たちも黙って扶養されていないで「自分たちで家のことをやりましょう」となってからは安心して読んでいきました。
そんな先生のところに、アフリカのサルから「サルの間で恐ろしい疫病が流行っている。動物の言葉がわかるドリトル先生においでいただきたい」という便りが届けられました。
そこでドリトル先生は、何匹かの動物たちとともにアフリカに出発したのです。
動物紹介。
・オウムのポリネシア:アフリカ生れ。たいそうな長生き。人間の言葉と動物の言葉が話せるので、ドリトル先生に動物の言葉を教えた。
・サルのチーチー:アフリカ生まれ。アフリカの仲間から便りを受け取り、ドリトル先生を案内する。
・アヒルのダブダブ:ドリトル先生の家の家政婦になって台所や家計のやりくりをする。
・ワニ:アフリカ生まれ。見世物にさせられてたのを逃げ出してドリトル先生の家に居候していた。
・犬のジップ:鼻がいい。
・ブタのガブガブ:食いしん坊。騒動の元。
・フクロウのトートー:賢い。
・白ネズミのホワイティ:アフリカ行きの船に密航。
まあこの動物たちと、ドリトル先生の大騒動旅行記です。
アフリカで黒人の王様ジョリギンギの捕虜になのですが、王様の言い分が「以前白人に親切にしたが、その白人は土地を荒らし、金や象牙を持ち逃げした!二度と白人を信じるものか」なのは「ごもっとも」だろう(-。-;)
なお、アフリカの王様と王子には現代感覚だと差別的な目線も感じますが、ロフティングの時代背景を表していること、ロフティングが戦場で怪我をしたら治療されず殺される軍用場をみて心を痛めたというような作者の人柄から、岩波は「そのまま発表」としています。
閑話休題。
ドリトル先生はサルたちの治療がすっかり終わりました。猿たちはこのまま残ってほしかったけど、ドリトル先生はイギリスに戻らなければいけません。アフリカの動物たちはお礼に「オシツオサレツ」という鹿のような両頭動物をプレゼントしました。
しかし帰路でも、またまた黒人王様につかまったり、海に出たら海賊に追いかけられたりとまたまた大騒動。
でもドリトル先生には全動物が付いています!
みんな仲良く、おおらかに、ドリトル先生は故郷に帰ってきたのでした。
Posted by ブクログ
ドリトル先生が何でも動物語をしゃべれるのでびっくりしました。 最後、ドリトル先生たちがお金持ちになってよかったです。なぜなら、動物たちが食べる量がとてつもなく多いからすぐにお金がなくなってしまうからです。
Posted by ブクログ
本読まず嫌いのまま高校生くらいまで行ってしまい、手に取る機会がないまま、自分の子どもが小学生になって読みました。
面白い。動物と話のできるお医者さんなんてとても夢があるけれど、その前に人間の患者さんが1人もいなくなるのが効いていると思う。
また、井伏鱒二の文章は、濁りや澱みのない文章なのにちゃんと適度な重さがあるので、サーッと流れて行かずに読みごたえもあって本当に素敵だと思います。
Posted by ブクログ
井伏鱒二の訳…いい!読みやすい文章で心地よい。先生これで生活してゆけるのか心配になるけど…ブタのガブガブかわいいな〜すぐ泣いちゃうけどいい子だよ。ポリネシアやるなあ。ジップもかわいい。先生に妹さんいたんだっけ…忘れていたな…
Posted by ブクログ
新訳が出版されるというので旧訳を読んでみた。挿絵があって福岡が推薦する(朝日新聞紙上で)のも理解できる。子どもがこの本をいかに面白く読んだかということを理解するためにも教員養成系大学の学生も読んでみるがよい。
Posted by ブクログ
子どもの頃、大好きで、全巻読みました。今回、再読しました。
やはり井伏鱒二さんの日本語訳が好きです。難しい文体でもないし、子どもたちにも、井伏鱒二訳を薦めたい。
人種差別的という評価がされていると大人になってから知り、ショックを受けていました。読んでいた当時はそんなこと思いもしていなかったから。編集部が最後に注意書きを書いてくれているので、そこを含めて読んでもらう必要はありますね。
今読むと、黒人の王子様の願いが白い顔になりたい、眠り姫に受け入れられたい、なんていう部分は私も受け入れられないですね…。
ただ、ストーリー、先生や動物たちの活き活きとしたキャラクターや、姿勢、問題解決へのアプローチの仕方などはとても好きです。
Posted by ブクログ
ドリトル先生がポロネシアに教えてもらってドリトル先生の庭には動物がたくさんある日猿の依頼が来てアフリカに行くことにネギって船も貸してもらいました。そしてアフリカにつきました。アフリカの半分をおさめている王様に捕まったりしながら王様が収めていないもう半分の猿の国にわたりました
Posted by ブクログ
今まで読んでなかったことを後悔…。
なんと楽しい物語なのか。
大人でもクスッと笑えたりニヤッとしたりできる。そして井伏鱒二さんの訳の良さと、巻末の石井桃子さんのドリトル先生への愛! すごいなぁと感嘆しました。
Posted by ブクログ
すごく面白かった。
動物と話せたらどんなにいいだろう。そして、ドリトル先生の決して求めすぎない人柄にも魅力が詰まっている。続編を早く読みたい!
Posted by ブクログ
最初は人間相手の医者だったが、オウムと話をしている時に他の動物の言葉も学習すれば話すことができることを知り、それから動物の医者になった。
ドリトル先生はたくさんの動物の治療をしたので世界中の動物たちに知れ渡ることになり、アフリカのサルたちがたくさん流行り病に侵されており助けを求められる。
そこからアフリカへ行きイギリスへ戻るまでの物語。
道中色々なことが起こりそれらを解決して前に進んでいく。
動物と話すことができるという時点でファンタジーであり、話の展開が面白い。
他の人が触れられている人種差別の問題はあるが、作者の生きた時代は自然とそういうものだったのだろうと思う。それらについて現代の子どもが嫌悪感を示すかどうかは分からないが、そういう時代がありまた世の中の認識が変化していったことに触れるきっかけとなってもいいと思う。
Posted by ブクログ
難しい小説を読もうとして、最後まで読みきれず終わる事がよくあります。
それならむしろ、こういうやさしい本から読書するのがよいと思いました。
短い時間で夢中になって読みおえました。
ドリトル先生の力で、世界中に蔓延する疫病なくしね欲しいです。
Posted by ブクログ
映画が公開されているというのを知り、昔大好きで沢山呼んでいたことを思い出し、本棚から引っ張り出しました。
読み始めるとあっというまに引き込まれて、読み終わっていました。先生と動物たちの会話、動物同士の会話、逃れられないお金の話。ファンタジーであり現実のような軽妙なお話が大好きです。
それぞれの登場人物(動物?)が良い味を出していて、濃すぎず薄すぎず、良いあんばいで面白く、すきです。
Posted by ブクログ
この物語は第一次世界大戦の戦場から、ヒュー・ロフティングが自分の息子たちに書き送った手紙がもとになっているそうです。
現代とはまったく違う環境で生まれた物語が、長いこと読み継がれ、今読んでもおもしろいということに感動します。
自分がヒュー・ロフティングの子どもになった気持ちで、戦地にいるお父さんから送られてくる手紙に書かれている物語だと思うと、より一層楽しめます。
井伏鱒二訳で描かれる動物たちの口調が可愛らしいです。
Posted by ブクログ
少し前の100分で名著で、二作目『ドリトル先生航海期』が扱われていたことから手に取った。
子どもの頃は読む機会がなく、大人になった今が初読である。
面白い!特に旅に出てから先は、次から次へとトラブルが目紛しく起きて、次はどうなる?とページを繰る内にあっという間に読み終えていた。
出来事の中には、他の児童書でも似たようなことあったなぁと思えるものもあり、この作品の古典としての影響力の大きさを感じた。色んな児童書作家が、きっと通ってきたんだろうなと…
古めの海外児童文学で表現がまどろっこしいというか、読みづらいことがたまにあるのだけど、この作品はとても読みやすかった。井伏鱒二訳か…井伏鱒二!?と二度見した。翻訳も書いていることを知らなかった…
本書の後書きで繰り返し語られているように、現代なら差別的とされるストーリーや表現がある。
近年出ている別の人の訳ではどうなっているのだろう?これは確認したい。
書かれた時代と作品は切り離せないものである、と後書きでも書かれており、私自身も同感なので、この作品はその辺りも含めて完成するものだと思う。
ただ現代の子どもに読ませる時に、彼らがどう受け止めるのかは少しだけ、気にはなる。ただ、井伏鱒二訳が本当に面白く、物語を読む力を養っている最中の子どもたちには、ぜひ読んでもらいたいと思う。
Posted by ブクログ
子どもの頃から知っているのに興味が持てなくて読めなかった名作、読んでみたら存外面白くてスラスラ読めた!
さすが長らく児童文学として名を馳せるだけあるなぁ。
ドリトル先生は元々人間の医者で、途中から動物のお医者さんになったとのこと。
全然知らなかった…。
しかも動物と会話ができる!?
面白い予感しかしない。
なぜアフリカに行くことになるのかも納得だし、アフリカに行くまでも波乱万丈だ。
冒険に次ぐ冒険で、目が離せなかった。
シリーズの他の巻もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
自分が小学生の頃、
ドリトル先生シリーズが好きで、
面白く読んだ記憶があり(ハードカバーのやつ)、
再読しました。
訳が井伏鱒二とは知らずビックリ。
面白かった記憶がある割に、
ストーリーを全く覚えていなくて、
新鮮な気持ちで読んだ。
ただ、ダブダブ、チーチー、ポリネシアといった動物の名前は記憶がありました。
子供にとって面白いものは、
大人にとっても面白いものもあるけど、
今の自分なら積極的には読まないかなぁ、と思いました。
想像力が逞しい子供の頃に読んだ方が面白かったと思う。
小学生の時には、
独特の挿絵、知らない動物(オカピとか当時は知名度無かったので)、外国の食べ物、昔の風俗、そういうものへの憧れもあり、
楽しく読んだと思います。
サラ・ドリトルのゴリラみの強さは謎。
あとがきというか解説にかなりページを割いてあり、
興味深く読みました。
ロフティングが作家では無かったということは初めて知りました。
言われてみれば、専業作家っぽく無い流れ(山があまりないというか)のような気はします。
原作は100年も前の作品だと思うと、
ロングセラーの力は感じます。
子供向けの冒険譚としては、
現代でも十分読めると思います。
Posted by ブクログ
名前は誰でも聞いたことがあるであろう名作をこの年になって読んでみるという試み第一弾。
決して子供用だから簡単、ではなく、見どころがたくさんある小説でした。私も動物語を話せたら…と思いながら読みました。
人種差別的表現については気になる部分もあったけど、時代の産物なので読み手がきちんと理解して読めば問題ないと思う。
Posted by ブクログ
動物と話ができる獣医。子どもにとってはなんと夢に溢れた世界だろう、と思う。
差別表現等の問題は、石井桃子さんが述べておられるように、作家自身、生きた時代や文化と無関係ではいられない、という、それだけの問題かと思う。
これが人種差別による白人至上主義を述べたい本であるのならともかく、作家が作りたかった世界はそんなものとは基本的に無関係な、子どものためのファンタジーでしかない。
現代の日本の価値観に照らせば、悪としか言いようがない記述や展開に、大人が嫌悪感を抱くのは仕方がないと思うが(読む自分自身が文化や時代と無関係でいられないのだから)、一方で、頭の柔らかい子どもたちの方が、その辺りを柔軟に処理しているような気がする。
善悪という観点ではなく、現実世界の良識や原則にあてはまらない全てを、ファンタジーとしてあるがままに受け入れるような、そんな柔軟な心で、作者の本当に描きたかった胸踊る作品世界を楽しんでいる。
Posted by ブクログ
ホームズの次は怪盗ルパン!と決めていたら1~3巻が貸出中のままになっているので方向転換。実家の子供本棚に1冊ずつだけあったムーミンとドリトル先生、10代の頃に全シリーズ読もうと思ったけれどムーミンはパパが海へいった辺りで、ドリトル先生は月から帰った辺りで?頓挫して、ムーミンはその後30代と40代で全編通しで読んでいますが先生はお月さまで止まったままになっていたのでこの機会に。覚えていたこと、読み出して思い出したこと、ぼんやりは知っていたけど改めて確認できたことなどをしみじみと味わいながらの読書体験はちょっと特別で、思った以上に楽しかったです。奥付を見たら原著が公表されたのが1920年で百年前とわかり、なおさらしみじみしました。現在は絶版になっているのか検索しても出てこない、巻ごとに色違いの格子模様になっている岩波のハードカバーで読んでいます。それにしても、不思議な両頭動物 Pushme-Pullyu には「オシツオサレツ」と意味を取った訳をつけ、 Dr. DoLittleの方は意味は取らずに音を取って「ドリトル先生」と訳した井伏鱒二さんは偉大です。なんとなくの記憶では日常生活のベースがあってから、さぁアフリカへ、という展開だったと思っていましたが一巻からいきなりアフリカへ行っていて驚きました。子供の時はふんふんそうなんだなとスイスイ読んだことどもが、半世紀生きて都市部から離島に移住してコロナ禍になった今になって読むと、平易な言葉で本質的なことが綴られていて静かに感動します。書かれたのが百年前位なので、ところどころに人種や階級やジェンダーなどの属性の扱われ方や表現でムムムと思う箇所もありつつ、今度こそ全シリーズを読破したいと思っています。楽しみです。
Posted by ブクログ
初めてきちんと読みましたが、ドリトル先生すごい。
人間の病気を治すだけではなく、動物の病気を治すだけではなく、悪人を厚生もさせる。
今から100年近く書かれた本なので、人種差別とかもありますが、そういうことを抜いても、ドリトル先生の理想主義的現実対処能力のなさが、三国志の劉備玄徳みたいでいやだ。
動物が好きで、自分が引き取るというのなら、エサの心配をしなくてもいいように何らかの手立てをとらなくてはダメだろう。
「困ったなー。でも何とかなるよ」っていうのは、無責任というのです。
でもまあ、実際なんとかなってはいるんだけども。
動物たちも、ドリトル先生を助けることができるのなら、もっと早く手伝ってあげればいいのに。
自分たちが助かるために、黒人の王子の顔を白くする何て詐欺のような手口を使って脱獄しましたが、それでいいの?
など、突っ込みどころは満載ですが、誰からも嫌われない男、ドリトル先生。(この辺も劉備玄徳みたいだ)
とりあえず、シリーズ通して読もうと思います。
挿絵もロフティング。
これが、味があっていい絵なんです。
Posted by ブクログ
小学校の図書室の、ずらりと並んだ岩波の海外のお話したち。そこにあこがれて手にとっていたことをふわーっと思い出しながら、懐かしく読み返しました。
ほとんどのお話は覚えていなかったけど、今読むと、なんという、人の本質に迫った美しいお話だったんだろうと、でもマンガのように活き活きとして、読み出したら想像力が止まらない!
人というのは、金がないと、食べることも飲むこともできないのかね?
なんて聞いてくるサルたちには、どきっとさせられました。
Posted by ブクログ
ドリトル先生シリーズ、初めて読んだ。井伏鱒二氏が翻訳されていたというのも知りませんでした。
子供の心どころか大人の心もつかむ物語。ドリトル先生の、動物たちへの優しさがたまらない。
Posted by ブクログ
子供の頃家にあって何回か読んだのを思い出して再読。懐かしい気持ちになりながらあっという間に読み終わった。
もっと書けそうなところをあまりに凝縮してあるのに驚いたけど、戦地から子供に向けた手紙で書いてた、と記載があったからなのかも?
王子が白い肌に憧れる様子はセンシティブだし、大人になるとツッコミたくなる設定もあるし、訳者のセンスなのか、ひどいセリフもチラホラ。 「トンカツの生きたの!」なんてひどすぎて笑ったし、イギリスにトンカツはないだろうから元が気になる笑
それでも別のドリトル先生の冒険も読みたい。
Posted by ブクログ
少し前に読んだ『ドゥリトル先生のブックカフェ』(賀十つばさ/著)でドリトル先生は本当は井伏鱒二が日本風に読みやすくした名前で本当はドゥリトル先生だと知って興味を持ち、長らく積読してた本を読む。
名作でなんとなく読まなくても知ってることはあったけど、ドリトル先生は最初は獣医でなく人間のための医者だったとか、動物からの信頼度が物凄く厚いとか、挿絵も著者が描いてるのも読んで初めて知った。
アフリカへの珍道中はトラブル続きでユーモアたっぷり。
シリーズの中で次作の航海記が一番名作と言われてるそうなので読んでみたい。
Posted by ブクログ
9歳の息子用に借りた本。息子はここ1年半くらいは漫画や流行りの本しか読まなくなっていたが、「面白いかも」と読み始め、あっという間に読んで続きも読みたいと言っていました。
原書は約100年前の出版、井伏鱒二さんが最初に翻訳したのが80年前。そんな昔の本を現代っ子が「面白い」と言うので、私も読んでみることに。
話は冒険ファンタジーで、子供向けの内容(もともと作者が自分の子供のために作ったお話)。でもキャラクターと文章が良くて最後まで飽きずに読めた。
あとがきを読むと、ドリトル先生は原書では「DR. DoLittle」で、井伏鱒二さんがドリトルと訳したとのこと。他の訳者が違う呼び方で訳したこともあるそうだが、結局ドリトル先生で定着。物語に出てくる架空の動物のオシツオサレツは、原書では「pushmi-pullyu」。そのままといえばそのままだけれど、うまいこと訳しているなぁと感心。物語はもちろん、きっと訳が素晴らしいから今でも面白いと言われる作品なんだろうと思った。
一部差別的な内容もあるが、当時差別が正当化されていたイギリスで育った作者が書いていると言うことを考えれば、嫌悪する内容ではなく、そう言う面も含めて子供が考えることのできる作品だと思う。
Posted by ブクログ
子どもの時に読んでなかったので、まとめて読んでみようかなと。でも何でスルーしてたのかな、当時はもっとファンタジーっぽいのが好きで、ナルニアとか指輪物語に忙しかったからかな。
この、シリーズ第1作は1920年にアメリカで刊行された。日本では石井桃子が井伏鱒二に翻訳を依頼し、昭和16年(1941年)に石井桃子が始めた出版社から出版されたが、戦後に岩波書店から全集として改めて出版された。という時代背景を知っておいた方が良いというのは、アフリカの王子バンポのエピソードにやっぱりちょっとギョッとしてしまうから。この岩波少年文庫版には1978年に石井桃子によるそうした時代背景についてのコメントが末尾に付記され、また、2002年に岩波書店編集部によるコメントがさらに追記されている。今年のBLMで映画「風と共に去りぬ」冒頭に注釈が付いたとか聞いたが、ドリトル先生も最初に記した方がいいのではないかとちょっと思った。子どもの方が無邪気に、残酷になれるのだから。
ドリトル先生がどうぶつの言葉がわかるって設定はとても素敵で、言葉もわからないのによく診察できるな獣医はって改めて思う。もちろん、素晴らしい獣医さんのお話もこれまたたくさんあるけど、みんな本当はドリトル先生みたいになりたいんだろうな。言葉がわかるから動物たちの信頼厚く、ドリトル先生の名前は世界中の動物界に知れ渡り、アフリカや大海原でもいろいろな動物が先生一行の苦難を救ってくれる。いちばん好きなエピソードは犬のジップが嗅ぎタバコのにおいから船乗りを発見するところ。東西南北の風の向きを辛抱強く待って、とうとう発見したとき、その栄誉を称えて褒賞されたとき、賢い犬の自尊心とそれを押し殺す感じが何とも「犬」らしいなと。
Posted by ブクログ
ドリトル先生の名前はあまりにも有名だけど、動物の言葉がわかるお医者さんだということ以外何も知らずにこの歳まで…。というわけで読んでみました。
訳のせいもあって、なんだかとっても懐かしい感じ。