井伏鱒二のレビュー一覧
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斎藤真理子さんが、アトロク推薦図書まつりで「読むホットヨガ」「品のある脱力の御本家」「ゆるめ力」とパンチラインを連発されていたので。
恥ずかしながら、井伏鱒二をきちんと読んだことがなかったため、読み始めてすぐ「めちゃくちゃつげ義春(R.I.P.)っぽい!」と感じた。(順序が逆)
全体にただようなんともいえないすっとぼけ感と哀愁。
わたしが一番好きだったのは、「角帽の色(早稲田)」。親友青木南八は、毎日「おい、寝てるのか?学校に行かないか?でも君と一しょに散歩してもいいんだよ。」と起こしにくる。起きたくない井伏鱒二は枕元に原稿用紙を散らして寝たふりをする。すると、南八は「なんだ、徹夜して書い -
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1945年8月6日〜15日の広島を、そして戦後の被爆者の生活を、あくまでも「日常」を描いている。
生々しすぎて途中途中でウッとなってしまった。
一瞬にして全てを奪い去られた人々。恐怖とか怒りとかそんな感情も抱く暇も与えられずに無数の罪なき人が亡くなったという事実。
「抑止力」としての核開発が世界中で進んでいるが、全くもって広島と長崎の出来事は他人事なんだなと。
被爆国として核の恐ろしさを伝える不断の努力を国家レベルで継続していかなければいけない。
日本人たるもの原爆ドームは絶対に目で見ておかなければならないと改めて思わされた。
(飯美味そうだし普通に広島には行きたい) -
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読み返したいなと思っていたドリトル先生シリーズ。
まずは初めの『アフリカ行き』は昔からの井伏鱒二翻訳、次の『航海記』は河合祥一郎の新訳完訳で読んでみます。
ヒュー・ロフティング本人の挿絵が懐かしい!!(^o^)
翻訳の口調は「ドリトル先生は〇〇をなさって」のように丁寧です。
巻末が豪華!
翻訳者井伏鱒二や、井伏鱒二に紹介した石井桃子のあとがきからは、戦後に子供たちに豊かな児童文学に触れてもらいたい!という真摯な気持ちが感じられます。
日本に紹介してくださったみなさまへの「ありがとうございます!」の気持ちを深く感じます。
さらには登場人物・動物紹介、二巻以降のあらすじ紹介もあります。
さすが -
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他の戦争映画に比べて、心がひどく痛むことがなかったのが不思議。自分の想像力が貧困なせいなのか。
一般市民の日常風景が淡々と描かれていて、やたらと戦争を非難する書き方はされていない。
重松が泣いたり喚いたりすることなく、原爆前と変わらず性格がぶれることなく、生活を続けているからだろうか。その点は、妻シゲ子も矢須子も大袈裟に悲惨な顔はしていない。
壁にかかった「撃ちてし止まん」が虚しさの象徴に思えた。広島長崎の人たちは終戦のラジオ放送を呆然と聞いただろう。安心と不毛な気持ちがごちゃ混ぜになったような。
“もう負けていることは敵にもわかっていたはずだ。ピカドンを落とす必要はなかったろう”
そのとお -
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ネタバレ戦時中であれ存在していた「日常」を原爆は無残にも奪い去った。日記形式で語られる被爆後の広島の様子はとても惨い。
閃光は一瞬だが、戦後数年経っても日常を侵し続け、黒い雨を浴びていた主人公の姪はついに原爆症を発病してしまう。
主人公が虹に祈りを託す場面で物語は幕を閉じる。姪はその後どうなったのだろう。悲しい運命の想像ばかりが頭を過る。
市井の人の視点且つ、抑えた筆致だからこそ余計に悲惨さが伝わるし、反戦の直接的な表現が無いにも関わらず、作者の抱く怒りや悲しみが全体から浮かび上がる。原爆の恐ろしさを今に訴える不朽の戦争文学だと思う。 -
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戦争文学としてあまりにも有名な井伏鱒二の『黒い雨』
戦後80年だしと思ってようやっと手を出したのであった。小学校のころから知っていた作品だけど『黒い雨』というタイトルが禍々しすぎてずっと読まずにいた
『黒い雨』を読み、戦争の終わりが必ずしも平和の始まりではないことを痛感した。原爆投下の惨状は、日記を書き写すという形で再現され、過去の記録と現在の生活が交錯しながら物語が進む。その構成が出来事の記憶とその影響がなおも続いていることを強く印象づける。被爆による病や偏見、婚姻問題など、原爆が奪ったのは命だけでなく、人としての未来そのものである。これからも日本が唯一の被爆国であるべきだと強く思う。同じこ -
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「山椒魚」だけで星5つけられる。
短編集の中で面白い話はいくつかあったが、「山椒魚」だけは別格なように感じた。読後感がスゴイ。2025年7月までに読んだ本で今年1番面白かった。
「山椒魚」は以前から気になっており、井伏鱒二の本は今回初めて読んだが、なんとなく独特な雰囲気が伝わった。特に作中のさまざまな地方の方言や、余韻のある読後感がすごかった。終わり方が独特なので、「え、ここで終わるの?」という終わり方のやつも多かった。長編の一章しか読めてない感覚。
好きな作品をメモっておく
「山椒魚」
「屋根の上のサワン」
「夜ふけと梅の花」
「寒山拾得」
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