井伏鱒二のレビュー一覧
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一軍の将というものは、覚丹の表現によると部下に対して「猥りに糺さず、もってその志を犯さず、気を失わしめず」と心得るべきだというのであった。
伝蔵は言った。
- 世界のはては東西南北みな同じように、行くところまで行けば東西南北みな世界のはてにきまっている。いや、この島はまだ世界のはてとは思われぬとしても、助船がこの沖を通ろうとは夢にも考えられぬ。今日この島に着いたが最後、この島で朽ちはてるよりほかはないだろう。しかし考えようによっては、今日この島に着いたのが天地初時(あめつちはじめのとき)とも考えられぬでもない。みんな気を大きくして、そういうことにしたらどんなもんだろう?
他の四人のものは、で -
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Posted by ブクログ
定本 夜ふけと梅の花 (単行本)のほうを読みました。
表紙は井伏氏が描いた、地図。
どの話も最初から最後まで貫き通される主人公のだめだめさが、
なんだか気持ちいいというか、文体との不思議な調和があって、
「よし、この主人公を反面教師にして頑張ろう」なんて気には塵ほどもならない不思議な心地よさがありました。
「一匹の蜜蜂」で、
肥え太って働かなくなったぐうたら蜜蜂を見て自分に重ね、
蜜蜂と自分を重ねることを周りにちょっと怒られてる場面があって、
でも「山椒魚」しかり、暗喩するということにすごく敏感な人なんやなぁと。
あとがきを読むと、同じ話でも何度か書き直して少しずつ違うみたいなので、他の -
Posted by ブクログ
ピピネラと窓ふき屋との経緯は気になっていたから、続きが読めてよかった。岩波では一応、シリーズ12作目ということになっているけれど、連続性としては『ドリトル先生のサーカス』『キャラバン』『緑のカナリヤ』の順番で続けて読むのがお奨め。白ネズミの台詞「あんなことを言っているのは誰でしょうね?」のくだりが好き。先生も家族も、やかまし屋の主婦ダブダブに心から感謝し愛しているのがわかる。自分に重ねてしまうよな〜…でも、家族に理解してもらうには、ガミガミだけでない表現の仕方を考えなきゃならないんだな。窓ふき屋の本はどうなったろう?(2008-12-12L)
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Posted by ブクログ
「ドリトル先生」シリーズ第二弾。
今回も、ドリトル先生は船の旅にでかけます。
夢があってすごくいいお話だから子ども向きだなぁ〜とは思ったけれど、穿った読み方をすれば、かなり白人優位主義の立場で書いてあるねぇ。白人は文明があり、優れた人間として書かれているのに対し、黒人は文明もなく、原始的な生活を営んでいる未開の野蛮人と書かれてる。カニバリズムを行っているとまで言ってるし。
他にも、ドリトル先生が白人文化を黒人に押し付けたりしてるところもあり。いかに白人文化が正しく優れたものであるかを黒人と比較することで露骨に描いている。
・・・って、こんなにバイアスかかった読み方ばかりしてたら、ドリト